【か】  四目屋リンク・代替療法事典(http://www.geocities.jp/tyubee/)

●カイコ
 「済民要術」には、繰糸をした後の蛹で客を遇するとあり、蛹を食べる習慣は養蚕地域で一般的である。蛹はタンパク質・脂肪・ビタミンB2などを多く含み、炒って塩や砂糖醤油で味付けをすると美味である。

 カイコが白?(びゃっきょう)病菌に寄生され、硬化病になった「白?蚕」のタンパク質は腎皮質を刺激する作用があり、生薬として鎮痙・鎮痛薬として、小児痙攣・扁桃炎・頭痛・歯痛のほか中風による言語障害・半身不随などに内服し、外用には湿疹・潰瘍などの皮膚の瘢痕を消すのに用いる。
◇腎臓病に効果 
   蛹…………………………1合
   トウモロコシの毛………1摘み
  煎剤として服用する。   
◇肋膜炎に効果
   蛹の佃煮を多食する。
◇中風治療に
   @蛹の佃煮を多食する。
   A蚕砂を服用する。
   B蚕砂を酒浸(一晩)し、乾燥後粉末として10〜15g/day服用する。
   C白?蚕を炒り粉末として酒服する。
◇傷口の血止め・踏み抜き
   幼虫の乾燥粉末、または成虫の黒焼きの粉
◇蛇に咬まれた時
   生きた成虫を潰して塗ると卓効がある
◇口内の諸病・小児の口瘡
   成虫の粉末を塗る
◇動脈硬化
   白?蚕を炒り粉末として酒服する。
◇陰萎
   夏蚕成虫(未交尾の雄、頭・翅・脚を取る)を炒り粉末とし、酒服する。または、蜜を混ぜ団子にしたものを毎晩飲む 
◇関節の腫れ・疼痛
   蚕砂を黄色になるまで炒って飲む
◇月経閉止
   蚕砂を酒で煎じ、上澄み液を飲む
◇高血圧・神経痛
   @蚕砂を飲む。
   A蚕砂を酒浸(一晩)し、乾燥後粉末として10〜15g/day服用する。
   B蚕砂を黄色になるまで炒り、服用する。
◇ジンマシン
   蚕砂を水に溶かし、塗布する。
◇乳汁不足
   @白?蚕を炒って作末し酒服する。
   A白?蚕を作末し寒梅粉で丸剤にし飲む。
◇妊娠予防(避妊)
   @カイコ卵の殻を黄色になるまで炒り、2g/回、3日間以上服用する。
   A蚕砂・牛膝を等分に粉末にして混ぜ、月の初めに水で飲む。
◇脳出血
   @蚕砂を服用する。
   A蚕砂を、酒浸(一晩)し乾燥後、粉末として10〜15g/day服用する。
◇肺結核
   蛹の佃煮を多食する。
   白?蚕を炒り粉末として酒服する。
◇発熱・半身不随
   白?蚕を炒り粉末として酒服する。
◇ヤケド
   高温のゴマ油に蚕沙を入れ、冷えてから布で濾して塗布する。
◇腰痛
   @蚕砂を服用する。
   A蚕砂を、酒浸(一晩)し乾燥後、粉末として10〜15g/day服用する。
   Bマユ・茄子のヘタを黒焼きし、飯粒で練って塗布する。
◇リウマチ
   @カイコの黒焼きを散剤にして服用する。
   A蚕砂を黄色になるまで炒り服用する。
 
●回春剤
 強精剤・催淫薬・補強剤・媚薬など、性欲の減退を「勃起回生」する薬剤を指す。医心方(巻28房内編・用薬石第26)では遠志・地黄・山薬・蛇床子(じゃしょうし)・兎糸子・鹿茸からの漢方法剤を強精剤として載せている。近代では上記以外に人参・附子・阿片・印度大麻・丁子・淫羊?・イモリの黒焼き・カンタリス・蟾酥・麝香・ヨヒンビン・ビタミン類・性ホルモンを用いる。
 
●カイニン酸
 マクリ(海人草)に含まれるピロリジン系アルカロイド。駆虫作用を有する。

●海馬酒
 健胃・疲労回復・強壮目的に服用する。
   タツノオトシゴ(海馬)……30g
   焼酎(35度)…………………1?
 密封し冷暗所に約2〜4週間ほど漬ける。寝る前に30〜50cc目安として飲む。風邪を引いているときは服用は控える。
 











 
1. 海馬蛇床子酒
   蛇床子………………15g
   枸杞子………………10g
   韭子…………………10g
   菟絲子………………10g
   海馬…………………1対
   白酒………………1500cc
 白酒に諸薬を入れ密封、15日後から服用できる。毎晩50ccを服用する。
 功效:可?陽益氣・適用于腎?陽萎・關節冷痛・腰膝酸軟等
2. 海睾胎盤散
   海馬……………………等粉
   羊睾丸…………………等粉
   胎盤……………………等粉
 海馬を炒めて粉末に、羊の睾丸・胎盤は洗浄してから焙煎後粉末として、混合する。瓶などで保存する。
 服用は、1日3回1〜2gを温湯にて服用する。
 功效:可補腎壯陽・適用于腎陽?衰之陽萎・早泄・男子不妊等。
3. 海馬酒
   海馬……………………1對
   白酒 …………………500g
 海馬を洗浄後水分を除き白酒の中に入れる。15日後から飲用できる。
 服用は、毎日寝る前に盃1杯服用する。
 功效:可補腎助陽?適用于陽萎不舉?腰膝酸軟等。
4. 龍馬童子?
   龍蝦……………………12g
   海馬……………………10g
   童子?…………………1隻
   調料……………………適量
 若鶏をきれいに洗い、エナメルびきのたらいに入れる。海馬・エビのむき身はぬるま湯に浸しきれいに洗い身に詰める。ネギ・姜末・塩・化学調味料・醸造酒・だし汁適量をプラスして鶏と一緒に強火で蒸した後、鍋で臓物と共にあんかけにしてニワトリにかける。
 効果:とても暖かい中に精力をつけて、益の息が補うのは優れて、陽のしぼむ早漏、小便に適用して頻繁で、破裂して抜かして持つ。
 
●潰瘍性大腸炎
 腸に穴が開く病気(若者の間で広がっている)、日本で2万4千人の患者が存在。腸に出来た「おでき」が化膿し白血球が集まる。腸が圧迫され破裂、激痛となる。膿が広がり急性腹膜炎を併発したら3時間位の内に手術する。遅れると死に至る。世界的に見て日本の若者だけに多く、クローン病と呼ばれている。 原因はファーストフード(ハンバーガー・スナック菓子・インスタントラーメン)を毎日食べていると、早い人で2〜3年で発症する。
 
●ガガイモ
 根・さやを食用とする。イケマ同様に食べすぎると毒であるため注意。一般には葉・種子を強壮・強精剤にする。根にアルカロイドを含む。
 茎葉は、解毒・腫れ物に、細かく切ってから麦粉・酢と練り外用で患部に塗布。茎葉から出る白い汁は、イボやヘビ。虫刺されに患部に塗布する。種子の白毛は、切り傷の止血になる。
 若芽は、熱湯で茹で水に晒し灰汁抜きをしてから、油炒め・煮物・混ぜご飯などにして食べる。
 
●カカオマスポリフェノール
 ココア・チョコレートに含まれるポリフェノールで、ストレス反応を抑える効果がある。ストレスは活性酸素を生み出す原因であるので、カカオマスポリフェノールを摂取することで、活性酸素発生を未然に防ぐ効果が期待できる。
 
●化学感覚
 味覚・嗅覚は、化学物質が味覚細胞・嗅覚細胞との相互作用の結果引き起こされる。
 
●化学療法剤
 化学物質を用いて病原寄生体・障害細胞による疾病を治療することを化学療法と呼び、用いる薬剤を化学療法剤という。
 化学療法剤には寄生体の種類により、抗真菌薬(水虫・カビなど)、抗ウイルス薬(ヘルペスなど)、抗結核薬、抗スピロヘータ薬、抗ハンセン病薬、抗原虫薬、駆虫剤、ガン治療薬に分けられる。
 
●柿の葉(かき、カキ):苦
 フラボノイド配糖体、カロチノイドを含む。止咳・止血薬。
 ビタミンCは柿の葉100g中500〜1000mg含まれ、レモンの5〜10倍である。これは新芽(若芽がでた6月頃)に多く含まれており、古葉になるにつれ含有量が減ってくる。濃い緑の野菜は、多くの場合葉緑素(クロロフィル)やカロチン(ビタミンA)を含んでおり、柿の葉も同じく多く含んでいる。カリウムも多く含まれる。
 柿の葉のビタミンCは、
@熱加工しても、含有量が多いだけに残存量も大きい。
A熱加工した柿葉は、弱酸性であり沢山飲んでも胃が荒れない。カフェインの多い日本茶の様に不眠の心配はない。
B柿茶のビタミンCはプロビタミンといわれ、熱に強く、体の中でビタミンCに還元される。
 ビタミンCはいくらとっても副作用がないといわれますが、それには条件が
あります。それは天然のビタミンCについていわれることで合成のビタミンCの大量摂取については議論のあるところです。
 柿葉が歯茎の出血にいいことは広く知られています。婦人科で生理以外の出血に悩んでいる人に効果があったとか、脳卒中の患者が好転した例や腎臓病、心臓病に毎日お茶代わりに続けて飲むとよいといわれます。
 ビタミンCは壊血病に効果があるだけでなく、風邪の予防や治療にも効果がある。ビタミンCが不足すると良質のコラーゲンが生成されず、組織細胞をつなぎ合わせている役目を果たせず、血管や体全体が脆くなり、脳出血などの症状が出てくる。
 ※糠床に入れる
  柿の葉を洗って、陰干しした後、糠床に入れると風味が良くなり、ほんのりとした甘さが加わる。他に柿の葉に含まれるビタミンA・Cなどが糠床に溶けだし、漬け物へ吸収され栄養価が増す。風味付けに用いる場合、古葉でも良い。
 
●柿葉茶
 新陳代謝促進作用、高脂血症の改善
   焙じ茶………………2.5g(原典では中国茶)
柿葉…………………2.5g
 柿葉は新鮮なうちに1cmほどに切断、そのまま乾燥させるか、軽く蒸してから乾燥させる。茶葉の場合、鍋・フライパンで炒めるが炒り加減により味が変化する。軽く煎じて飲料とする。
 柿葉茶の1日量10〜15gを服用すると、高血圧症・動脈硬化症等・成人病の予防に用いられる。止血作用があるので消化器潰瘍など、内臓の各種出血にも効果がある。柿葉は鎮咳的にも働き、咳止め・喉の痛み・喉のゼイゼイするのを止める。
 
●柿葉茶A
  @4月から6月ぐらいに柿の若葉を採取し、よく洗う。        
  A蒸し器に充分湯気を立てておいて短時間(2〜3分)で蒸し上げる。
  Bザルなどに広げ陰干しをし、充分乾燥したところで細かく切る。このとき固い葉脈は取り除く。
  C密閉容器で保存、冷蔵庫に。
  D土瓶、琺瑯鍋で煎じると効率よく栄養分が引き出せる。普通のお茶のようにするときはお湯を入れてから5〜6分おいてから飲む。
 柿の葉茶は弱酸性であり、アルカリ性の緑茶やコーヒーと併飲すると、ビタミンCが半減する。浮腫(腎臓・心臓)がある時に効果がある。
 
●核酸
 ヌクレオチドが重合したもの(ホスホジエステル結合)で、線状に繋がったものである。リン酸基は(デオキシ)リボースの5'位炭素と次の(デオキシ)リボースの3'位炭素との間に一つずつ挟まり、核酸の方向性として5'末端と3'末端がある。
 
●膈症(かくしょう)
 俗に食べものが通らなくなる病気、消化器の悪性腫瘍の漢方病名。胃ガン・食道ガンと考える。
 
●覚醒剤
  別名:ヒロポン・シャブ・アイス・クリスタル・スピード・S
 アンフェタミン類・エフェドリン・アドレナリンを覚醒アミンと呼び、中枢神経の強い興奮作用と食欲減退作用、交感神経刺激作用(血圧上昇、心肺の増活化)を示す。「アンフェタミン、メタアンフェタミンとこれらの塩類を覚醒剤(覚醒剤取締法)と呼び、白色の結晶性粉末・無臭・苦味を持つ薬品である。
 メタアンフェタミンはアンフェタミンより薬理作用は2倍強い。
 光学異性体d-(光を右に旋回)・l-(左に)・dl-(旋回しない)の3種類があり、l-異性体はd-異性体の10%の効力、dl-異性体は50%の効力である。l-異性体は製造者にとってクズ扱いである。
 フェニル・メチルアミノプロパンの摂取後は、尿中にフェニル・メチルアミノプロパンの中間代謝物質の「馬尿酸」が含まれ、検出されると覚醒剤取締法違反となる。
 明治18年、長井永義(1845〜1929)氏がマオウからアルカロイドのエフェドリンを分離。エフェドリンの化学構造から、武田製薬がアンフェタミンを商品名ゼドリン(β−フェニル・イソプロピル・アミン)、大日本製薬からメタアンフェタミンを商品名ヒロポン(β−フェニル・イソプロピル・メチルアミン)として販売した。
 戦争は麻薬を必要とする。負傷兵士の痛み止めにアヘン・モルヒネ、志気を高めるに覚醒剤を用いた。太平洋戦争で日本はヒロポン注射用アンプルを特攻隊に、粉末玉露茶を混合した緑色の「突撃錠」を軍需工場の中学生・女学生にも配った。突撃錠は「猫目錠」とも呼ばれ、夜間の作戦・歩哨の任務につく際の常備薬でもあった。
 覚醒剤について坂口安吾(小説家)は、「注射だと効き方は早いが長続きしないとゼドリンの錠剤を1回に14mgも飲む」と小説で描いている。大量にまん延した覚醒剤は昭和29年に約200万人が使用、約5万人が検挙された。 
 中毒は1回に10〜20mg以上・中毒者は40mg、これを0.5ccの水に溶かし静脈注射する。注射中に手足の先が冷たくなり、髪の毛が一斉に逆立つ、アクメに似た絶頂感が拡がる。日ごろ精力のない男が何回も可能になり、中年の女性も性感が長く続くことから、セックス・ドラッグとして人気がある。覚醒剤は体内にある少量の興奮物質(覚醒アミン)を一気に使い切り、作用の切れた2〜4時間後は脱力感・疲労感が残り、ひどく気が滅入る「ツブレ」が訪れる。
 






桂銀淑容疑者宅から押収された覚せい剤と吸引パイプ

●覚醒剤(シャブ)の味 (安部譲二著 「さらば、極道」 角川書店より抜粋)
 昭和35年まではアンプル(ガラス容器)に入ったやつでしたけど、36年ごろに警察が本腰入れて潰しにかかったので、一時は一掃されてしまったこともありました。
 それから、2、3年は、ヤクザもゴロツキも健康になってふっくらしてましたが、東京オリンピックのころからまた復活して、今度は結晶体になって出回るようになったのです。今と同じ形です。
 だけどこれはあまり声を大きくしては言えないことですけど、週刊誌やテレビで盛んに報道されているように、禁断症状が起こって気が変になったり、注射打たれたとたんに目がつり上がったり、なんて言うのはデタラメです。
 なかにはそんな奴もいるかもしれないけど、ごく稀なケースで、いたらお目にかかりたいぐらいです。そのうちエイズ患者の数の方が上回るぐらいの確率でしかありません。酒飲んだとたんに酒乱になっちゃう奴の方が、もう圧倒的に多いのです。(中略)
 それから、シャブの味っていうのは、いろいろ言われますけど、やっぱりいいもんです。とっても甘美。そうでなくちゃこんなに流行るわけありません。それから、シャブ打ってやるオ××コ。これは最高です。射精するときに自分のからだが溶けてアソコに吸い込まれていくような感じがするのです。
 
●覚醒剤の製造
 覚醒剤と呼ばれる薬物の化学名は「1-フェニル-2-メチルアミノプロパン(メタアンフェタミン)」であり、純粋に興奮剤としての作用が現れ、身体的、精神的依存性が極めて高く中毒が深刻、破滅を引き起こす悪名高い薬物。製造が摘発されると、長期間の懲役を宣告されるが闇需要があり、安価な原料から高価に販売される薬物である。メタアンフェタミンを製造する方法は主に2種類あり、d-エフェドリンもしくは疑似エフェドリンを用いる方法、フェニル-2-プロパノン(フェニルアセトン(P-2-P)と呼ばれる)を用いる方法である
 この二つの違いはエフェドリンを使えばd-異性体のみ、P-2-Pを用いた場合はd-とl-の異性体が生成される。違法生成を行う場合、エフェドリンは供給確保が難しく、P-2-P生成が適するが、l-異性体の除去作用を要する。
 
◇エフェドリンからメタアンフェタミンを合成
 
  エフェドリン…………………1kg
  赤燐 …………………………250g
  沃化水素酸…………………1000cc
  チオ硫酸ナトリウム………28.35g
 
 丸底フラスコに上記薬品を混合する。還流冷却器をフラスコの先端に取り付け、48時問120℃で還流する。その後混合物を放冷。
 この溶液に10%水酸化ナトリウムをゆっくり混合しPH14になるまで加える。発熱反応を伴い、2層に分かれる。上層(油状)を下層(水溶液)から分取する。 油状物の方を蒸留(水蒸気蒸留が最も良い)し、蒸留溶液にPH8となるまで10%塩酸を混合する。含まれる水分を蒸発させる(スチームバス)と、最後に結晶が析出する。(北朝鮮などアジア地域の密造覚醒剤の主製造法)
 
◇フェニルアセトン(P-2-P)からメタアンフェタミンを合成
 
  P-2-P …………………………………………………400cc
  エチルアルコール …………………………………2000cc
  アルミニウム(アルミホイルを細かくちぎる)……400g
  30%メチルアミン(40%は不可) …………………2000cc
 
 丸底フラスコに上記薬品を混合する。0.3gの塩化水銀を溶液に加えて素早くフラスコの頭に冷却管を取り付ける。発熱反応がある。もし発熱反応が見られないようなら発熱反応が起きるまで少し溶液を温める。この反応は非常に発熱が起きる。
 フラスコ内が泡立ち始め発熱が起き始めるので、氷浴を準備しフラスコを冷却出来るように準備しておく。1時間ほど反応状態を保ち、その後冷却する。
 反応液が冷めたら、ブフナー漏斗にアスピレーターを用意して溶液を吸引濾
過、副生成物を分離する。透明の濾過された溶液は蒸留フラスコに入れアルコ
ールを(なるべく滅圧にして)留出させる。蒸留している液体が曇ってきたときアルコールが蒸留しきったかを知ることが出来る。
 蒸留した溶液を静置すると層が2層に分かれ、下は水層(その他)で上層はメタアンフェタミンである。分液漏斗で上層を取り出しPH8になるまで10%塩酸を混合していく。スチームバスで揮発物を蒸発させる(もしくは沸騰水に置く)と結晶が現れてくる。より純粋な材料は生成物の純度に反映する。
 
◇フェニルアラニン(アミノ酸)からのアンフェタミンを合成
 驚くほど単純に生成出来る。健康食品店で安価に入手可能な隠れた素材。
 フェニルアラニンは2-アミノ-3-フェニルプロパノイック酸であり、これはアンフェタミンの側鎖の終わりにあるCH3がCOOHに置き換わった物で、塩化チオニルでOHとClを置き換えLAH、NaBH4、H2/Pd、Ptによって水素還元する。水素と金属触媒をステップに使用するなら、水素化物1つとともにカルボニル類を還元すると生成される。
 「時間・気力・実験装置の充実」があれば、アンフェタミンが安全で安価に生成可能であり、異性体は分離は、生成物中の2つの異性体を切り離し・酸化させ、再アミノ化することでd-異性体中のl-異性体を再処理する事が出来る。
 
●獲得免疫
 自然免疫を破ったウイルスに対し免疫系は非力な状態であり、ウイルスは細胞を殺しながら新しいウイルス粒子を放出し感染を拡大させる。@ウイルス粒子や破壊された細胞を貪食するためマクロファージが強力に動員され、Aマクロファージに取り込まれたウイルスの情報を認識して反応する。結核菌や肺炎球菌は自然免疫では殺せず、獲得免疫で殺す。
 マクロファージはすべての外敵を食べにかかる。アメーバのように相手を自分の体内に包み込み分解する。これが出来ない相手のときは、外敵の特徴(抗原)を表面に出し、ヘルパーT細胞に連絡し、「獲得免疫」の出動を求める。獲得免疫は侵入した相手を絞り込み(特異的)、それに集中的に攻撃をかけ、さらに一度侵入した外敵を覚えるという特徴を持つ。狭義の免疫は獲得免疫のことである。この後T細胞とB細胞による免疫が始まるが、主体である抗体が威力を発揮し始めるに約1週間を要する。
 
●加水分解酵素(多糖類分解酵素)
アミラーゼ……………デンプン・グリコーゲンを麦芽糖・デキストリンに加水分解する酵素の総称。ジアスターゼ(麦芽)・タカジアスターゼ(コウジカビ)・プチアリン(唾液)・アミロプシン(腸液)などが含まれ、作用様式によりα型・β型・糖化型に分かれる。
 α−アミラーゼ:麹菌が主生産、α1,4結合部位をアトランダムに加水分解。
α1,6結合が分解せず、デンプンから少糖類を残す。
 β−アミラーゼ:デンプン非還元末端から麦芽糖単位で分解。α1,6結合は分解出来ない。
 グルコアミラーゼ:デンプン非還元末端からグルコース単位で分解。1,4、1,6結合に作用。デンプンをグルコースまで分解する。
 イソアミラーゼ:α1,6結合を特異的に分解。アミロペクチンを全てアミロースにする酵素。
インベルターゼ………二糖類のしょ糖
セルラーゼ……………セルロース【セルラーゼを見よ】
β-1,3-グルカナーゼ…グルカンβ1-,3-の結合を切断
          (ヒダナシタケ目キノコ)
ペクチナーゼ…………ペクチン物質(ヒダナシタケ目担子菌)
キチナーゼ……………キチンを加水分解。N−アセチルグルコサミンの生成
ヘミセルラーゼ………ヘミセルロースは多種の多糖体であるので多種存在
  キシロース………キシラン
  キシラナーゼ……キシロース、キシロビオース、キシロオリゴ糖
  マンナーゼ………マンナンからマンノースにする
  ガラクターゼ……ガラクタンからガラクトースにする
  アラバナーゼ……アラバンからアラビノースにする
それぞれ、グルコース、フラクトースなど単糖まで加水分解する。
 
●風邪
 古代中国では邪気の存在が信じられており、風によって運ばれてきた悪霊が人の身体に侵入し、諸々の病気を生じるといわれた。皮膚にとどまるような状態、筋肉・内臓に入る状態、骨の中に入った状態と分け、特に中の風《「中風」(現在の脳卒中)》は手の施しようがないと見立てた。
 風邪は、通常感冒とウイルス性感冒の2種類ある。ウイルスはインフルエンザであり、呼吸器の粘膜で増殖すると免疫力の低下でインフルエンザ以外の細菌類も増殖し、症状を悪化させる。
◇漢方で風邪は2つに分類される。
 風寒:寒気が無く・喉の渇きがない 
 風熱:喉が渇き・患部が真っ赤に腫れ・熱が強く・寒気があまり無い。
◇漢方処方を服用する時の注意。
 「寒」の風邪……顔色が青白く、寒気がして手足が冷たい。鼻水は薄く、痰は白くて薄いものが出る。……「熱」性の「麻黄湯」などを。
 「熱」の風邪……顔色が赤く、舌は赤く苔が黄色を呈す。鼻は詰まり、鼻水はネバネバ、尿は茶色。………「寒」性の「銀翹散(ぎんぎょうさん)」などを。
 
●活性酸素
 動物・植物ともに、多すぎる酸素濃度と戦いながら生きている。酸素分圧が低ければ生物は個体として、長生きできる。未熟児が酸素の害作用(ビタミンCの酸化による未熟児網膜症)から守る保育箱を利用することもない。植物も光合成で作り出してしまう副産物としての酸素を処理する必要もなくなる。ヒトは呼吸によって取り入れた酸素の約2%が活性酸素になる。空気中の酸素が21%ある現代は生物に限らず、酸素が多すぎるからこそ劣化するのである。数億年前の大気中の酸素濃度は5%であった。
 多すぎる酸素がなぜ毒なのか、ATPの生産と酸化に際し、4個のe(電子)とHが1分子のO2に受けとめられ、水になる。しかし、余分に酸素が存在することで、酸素の一部は生体内で分子状酸素を直接の電子受容体として、基質を酸化する酵素によって使用され、各種の物質を酸化することになる。このとき、不安定で反応性の高い「活性酸素」に変換されることがある。活性酸素は酸化反応の中間体であり、1電子による還元の場合はスーパーオキサイドアニオン(・O2)、2電子還元を受ければ過酸化水素(H22)、3電子還元を受ければ水酸化ラジアル(・OH)となる。酸化力は非常に強いため、毒性物質を酸化して無毒化にする作用があるが、一般的には破壊的といえる作用から身を守ることが重要なのである。ヒトは活性酸素に対抗する酸化防止システムを備えているが、年齢とともに機能は衰えてくる。活性酸素が生体に致命的破壊を引き起こすのは、細胞膜などの構成成分である不飽和脂肪酸を酸化させ、細胞機能を喪失させる。生体膜を構成する不飽和脂肪酸に活性酸素が作用すると、連鎖的かつ自動的に酸化反応が進行して、毒性の強い種々のフリーラジカルを多量に作り出してしまう。フリーラジカル連鎖反応が進行すると、生体膜を構成するリン脂質の変性に及び、さらには膜に組み込まれたタンパク質のS−S結合に傷害を与え、細胞死を招いてしまう。
 植物が若いうちは活性酸素を除去するシステムがあり、酸素をATP生産のため電子受容体として利用するように進化したのである。これは抗酸化物質、フリーラジカル補足物質(スカベンジャー)の物質(β−カロチン、ビタミンE、ビタミンC、システエイン、還元型グルタチオン)の生成であり、フリーラジカル処理システムを作ることである。フリーラジカル処理システムは銅、亜鉛、鉄、マンガンを活性中心とするスーパー・オキシド・ジスムターゼ(SOD)なる酵素である。SODは過剰に作られた・O2を分子状酸素と過酸化水素にしてO2のラジカルを消去する役割である。
(・O2−+・O20−+2H+→H22+O2)
 過酸化水素を消去する酵素は「ペルオキシダーゼ:(ビタミンCを基質とする)」であり、細胞中の至る所に存在している。
 
 @スーパーオキシド  (フリーラジカル(遊離基))
 Aヒドロキシルラジカル(フリーラジカル(遊離基))
 B過酸化水素
 C一重項酸素
 
 活性酸素は電子数に異常があり、@ 核から4番目の電子軌道に電子が1つ余計にはいりこんだ形で、身体がエネルギーを作るときに産生する。1回産生すると、引き続いてさまざまな活性酸素が発生する。A ふたつの原子が離れてしまい、それぞれの核から5番目の軌道に電子が1個ずつ入り込んだもの。このヒドロキシルラジカルはこの4つの中で最も毒性が強く、遺伝子を傷つけ、ガンや老化の直接的な原因になる活性酸素。@Aの不安定な原子団は、遺伝子を傷つけ、老化促進、ガン、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、リウマチ、白内障などを引き起こし、種々の病気の約80%は活性酸素が原因といわれている。
 
●葛芦茶(かつろちゃ)
 暑気払い、酔い覚ましに飲用する。
   葛根…………………10g
   芦(葦茎)……………20g
   焙じ葉…………2〜3g(原典では中国茶)
 
●カテキン
 酵素、熱、酸などで簡単に重合(縮合)して、「タンニン」になり、褐色化する。リンゴ・桃を剥いて褐変(かっぺん)するはこのためである。植物にとって褐変の多くが殺菌性を持ち、傷口の殺菌や消毒をする必要性からである。
 カテキンはタンニンの一種で茶ポリフェノールとも呼ばれ、緑茶の渋み・苦味成分である。ワインにも比較的多く含まれている。カテキンの効果には、@ガンの予防、発ガン物質の形成を防ぐ A食中毒の予防、殺菌作用(O-157の発生後、注目された。カテキンは、有毒な菌を増殖させることなく死滅させることが出来、O-157の出す「ベロ毒素」に対しても抗毒作用を持っている) B動脈硬化・高血圧の予防、コレステロールを減らし、血圧を下げるC虫歯・口臭予防、口内の微生物の繁殖を防ぐ D風邪の予防、インフルエンザを不活性化する E老化防止、脂質の過酸化を防ぐ抗菌作用、活性酸素を抑制する抗酸化作用 F血糖値の上昇抑制などがある。
 茶、ワイン、リンゴ、ブルーベリー、レンコン等に多く含まれる。生ものを食べるとき殺菌作用があり、一緒に摂取すると食中毒予防に効果がある。
 
●カバ(KAVA・Piper Methysticum) 
 1768年、ジェームズ・クックがポリネシアで飲用した。クックメモでは、カバ根を口中で噛み、ボールに吐き捨て、その中にココナッツミルクを注いで飲む、と記載してある。
 カバ根成分は、カバラクトーン。他鎮静剤と異なる作用があり、通常鎮静剤(モルヒネなど)は脳のレセプターに結び付き鎮静作用を呈するが、カバラクトーンはレセプターを迂回して働き、鎮静作用を呈すると考えられている。
 一般に嗜好飲料として、南太平洋バヌアツ近辺で飲まれており、治療薬としては筋弛緩剤・睡眠・不安緩和・鎮痛に用いられている。堕胎手術にも使われ、妊娠女性が服用すると流産の可能性がある。
 カバをドラッグ目的で飲むと、鎮静作用を起し・効用は酒以上・意識がなくなり歩けなくなる事もある。
 
●カバノアナタケ(チャーガ、カンバノ癌腫病菌)
 カンバ類の幹に寄生して白色腐朽をおこす病原菌の菌核。子実体と菌核からなり、子実体は樹皮下に薄く拡がり、傘を作らない。菌核は樹皮を破って外に出て10〜30cmの大きさに盛り上がる。表面は硬く黒い光沢があり、角状の深い亀裂を生じ石炭のようになる。中は硬いコルク質である。北方のシラカンバに見られるキノコで、ロシアで伝統的な制ガンキノコである。
 
●カピラリシン(capillarisin)
  茵陳蒿に含まれる胆汁分泌促進成分。
 
 
 
●カフェイン(caffeine)
 茶、コーヒー豆、カカオ子、コラ子、ガラナ、マテ茶に含まれるキサンチン誘導体アルカロイド。薬理作用は、中枢神経興奮、内臓血管収縮、心臓・腎臓・皮膚血管拡張(強心・利尿など)、ホスホジエステラーゼ阻害による細胞内サイクリックAMPの増加作用。プリンアルカロイドに分類される。
 
●カプサイシン(capsaicine)
  熱帯アメリカ原産ナス科植物・唐辛子などの 辛み成分、体脂肪の燃焼(肥満防止)・新陳代謝 の活性(持久力増進)・便秘の解消・発ガン抑制などの作用がある。カプサイシンの多少により辛味種と甘味種があり、辛味種は成熟すると赤みを帯びる。甘味種には大果系(ピーマン)と小果系がある。
 辛味は痛み神経を直接刺激する働きがあり、痛み刺激は痒みを止め、アトピーなどの痒み止めに効能がある。
 皮膚温度上昇作用から血行を良くする効果があり、外用薬(温シップなど)はこの作用を利用している。
 摂取すると、副腎ホルモン(アドレナリンなど)分泌を促進、エネルギー代謝を高め皮下脂肪を燃焼、血行を良くして高体温となり、冷え性・浮腫を改善する。摂取後即時に脂肪を燃焼させることからダイエットに適している成分でもある。免疫力を高める作用(好中球活性化)があり、細菌類による感染症を防止する。
 
●カブトムシ(独角仙・一ノ角天牛)
 甲虫目カブトムシ科。
 民間医療では成虫を粉砕して、酒で服用するとリューマチの薬、難産の際は成虫を焼いて粉にして水で服用する。?疽(ひょうそ)には数十匹の幼虫を掘り起こし、水洗い後尻より内臓を取り出し、指サックのように差し込む。3〜4時間すると乾くので新しい幼虫と取り替え、繰り返す。西洋医学の手術より卓効がある。
 ロンドンでカブトムシ粉末を混ぜた養毛剤を26人に塗って試したところ、発毛率は100%だった(昭和51年7月頃週刊サンケイ)。
 
●花粉
 花は被子植物の生殖器官である。両性花の場合、雄芯と雌芯のなかで減数分裂により、半数体細胞が形成される。雄芯の中で半数体細胞は、葯に包まれ、数細胞に分裂して花粉となる。花は受粉前に、ジアミン酸化酵素を酸化させることにより温度を上昇させ、アルデヒド体(ポリアミンがジアミン酸化酵素により作り出される)を揮発させ、昆虫を呼び集め、受粉を達成させる。
 花粉中のフラボノイドは昆虫を引き付け受粉に役立たせることと、スーパーオキサイド・ディスムターゼ(SOD)を作り活性酸素を消去、太陽光線の紫外線で生じる活性酸素からの花粉保護成分である。また糖分子と結びついているか否か(植物中は配糖体、傷害その他でアグリコン化)によって、水溶性と不溶性に分かれる。
 花粉は多量の養分(アミノ酸、タンパク質、ポリアミン、酵素、ホルモン、ビタミンB1・B2・C、糖、K、Mg、Caなど)が含まれる。
 花粉のタンパク質は成分中約20%であり、必須アミノ酸は8種類含まれる。必須アミノ酸量はヒトの必要量より高く、プロテインスコアは卵と同じ100である。必須アミノ酸ではないがアルギニンが多いことも花粉の特徴。アルギニンは動物の精子の頭や精液中の主要成分であり、精子が活動するに重要なものである。花粉が植物の精液と考えれるとアルギニン、ポリアミンが多いことも納得できる。タンパク質以外に花粉には10〜20%の遊離脂肪酸が含まれる。
 花粉を採取するに、ミツバチを利用するのが簡単で、セイヨウミツバチ一群で年間20〜30kg収穫する。セイヨウミツバチの花粉の利用法は、働きバチの孵化後の幼虫に与えるためである。幼虫はロイヤル・ゼリーを初めに少量、ついで量は増えるものの、蜜を付け加えたものを与えられ、羽化直後にかなりの花粉を食べ、幼虫期の蛋白補給が少ない埋め合わせと、ロイヤル・ゼリーを分泌するためタンパク質補給である。
 
●カマキリ
 カマキリ目カマキリ科。卵は生薬「桑?蛸」、成虫を乾燥して焼いたものは、小児の疳薬・驚風・大人のリューマチに用いる。
◇とげ抜き:成虫と卵塊の黒焼きを唾液と練り患部に塗るか貼って効果がある。
◇毛生え:虫体を椰子油とともに煎服すると、禿頭に効果がある。
 
●カミキリムシ(天牛)
 カブトムシ亜目(多食亜目)カミキリムシ科。幼虫は鉄砲虫と呼ばれ、食用あるいは薬用に供されてきた。
 串に刺し醤油付け焼きにして食すると、嘘のように咳が止まり、風邪気が去った(吉里吉里人の一節)。のように百日咳・風邪の特効薬として知られていた。
 
●ガラナ(Guarana)
 ムクロジ科ガラナ属。高さ10mになる木本の蔓性植物、果実は梨形、中の小さな茶色の種子を採取する。
 キサンチン誘導体(カフェイン7%未満・テオブロミン・トフィリンなど)、タンニン、サポニンを含み、キサンチン誘導体は興奮・利尿・疲労軽減(短期摂取)作用を持つが、長期・過度摂取は身体の疲労回復を阻害する。
 精力回復・休養だけでは効果がない緊張性頭痛の有効な短期治療薬である。また多くのタンニンを含み、収斂性から慢性下痢にも使用される。
 心血管疾患・高血圧症の人は服用してはならない。
 
●カリウム
 食塩を摂取するとナトリウムが消化管から血液中に入る。血液中のナトリウムが増えると濃度を調整するため水分を取り込み、結果的に血液量が増え、血圧を上昇させ、高血圧になる。厚生省では食塩の摂取量を1日10g以内に抑えるのが望ましい言っているが、実際に我々は多量の食塩を摂取している。
 ナトリウムと逆の働きをするのがカリウムである。カリウムは水分を体外に出す作用があり、ナトリウムと作用しあって体内の水分を一定量に維持する。カリウムは体内に蓄積されたナトリウムを外に出す作用もあり、これらの作用が血圧を下げる働きをするのである。
 
●カリニ肺炎
 ニューモシスチス・カリニ原虫が関与する肺炎。一般には体躯内に進入しても免疫力で肺炎にはならないが、免疫不全状態(AIDSなど)に陥った場合に肺炎となり、ガン・結核を併発し死に至る。
 
●カルコン類(chalcones)
 フラボノイドを細かく分類した一つ。黄から赤色の色素で、植物界の分布は比較的限られる。カルコン類とフラバノン類は異性体の関係にある。(左図はカルタミン(carthamin・紅花に含まれる配糖体型色素)。カルコン類には、C環が存在しない。
 
●カルデライド
 ガガイモ科の雑草に含まれる強心配糖体。マダラチョウの幼虫は寄生植物のガガイモにより、幼虫、さなぎ、成虫を問わず、体内にカルデライドが蓄積されている。1969年頃、ブロウアーは、アメリカでよく見られるマダラチョウの大群が春には北へ、秋には南に移動し、オレンジイエローの蝶の流れは非常に目立つ集団でありながら、鳥などの捕食による被害がないことに気がついた。鳥はカルデライドを貯めたマダラチョウを食べると激しい嘔吐に苦しむ。この経験が同じ蝶を二度と食べないことになる。つまり、鳥−蝶−食草の三者の関係から、カルデライドという一群の化合物によることがわかった。この事実を解明したブロウアーが、この分野を生態化学と名付けた。
 
●カルフォルニア・ポピー(California poppy・ハナビシソウ)
  別名:キンエイカ・エスコルチア・花菱紋・
     カップオブゴールド・金英花
 ケシ科ハナビシソウ属。北米原産のケシ科の越年生草本。
 スモーキング・ハーブ。チョット決めたい時に、花・葉・さくを乾燥させ、タバコ状にして吸う。鎮痛や催眠・沈静作用がある成分が含まれている。
 マリファナを吸った時のような多幸感が得られるが、非常に弱い。持続時間は20〜30分。濃縮エキスなら食しても吸っても効果は高まるだろう。花屋に輸入品が置いてある。顕著な副作用・習慣性はない。24時間以内に試みても効果はない。
 
●カルボン酸
 カルボキシル基(−COOH)を持つ有機化合物。遊離酸の状態で、塩・エステルその他の誘導体として動植物界の存在するものが多い。特に飽和・不飽和の脂肪酸の高級なものはグリセリンエステルとして脂肪を構成し、また高級の一価アルコールとのエステルはロウとして産出する。(高級=Cが多い)
 
●カロチノイド(carotenoid) or カロテノイド(carotenoid)
 テトラテルペン(tetraterpene)・テトラテルペノドとも呼ぶ。緑色植物と真菌(かび・酵母・きのこ)、細菌などが持っている黄色・橙色・赤色・紫色の色素。水に不溶のポリエン系(多数の二重結合)の化合物で、約400種類が報告されているβ−カロテン(β−carotene)などは光合成の補助色素となるので、クロロフィル(葉緑素)やフィコビリンとともに光合成色素という。
 8個のイソプレン単位からなる窒素を含まないC40が最も多い化合物。炭化水素型のカロチン群と、水酸基・カルボニル基など酸素を含むキサントフィル群がある。水に不溶で脂溶性であることから、脂溶性色素(lipochrome)とも呼ばれ、自然界にある黄・橙・赤・紫色の融点が高い結晶で、動植物に存在し、600種を越える。
 ポリエン構造を持ち化学的に不安定、植物が光合成を行うとき活性酸素を発生し植物を損傷するが、カロチノイドが活性酸素と酸化して無色の物質に変わる。この反応は熱や光によって促進される。
 食べ物として摂取すると、ヒトの体内でも抗酸化作用を示す脂溶性の抗酸化物である。代表的なものとして、カロチン・アスタキサンチン・リコピン等
 
●カロチン(カロテン)
  植物の黄色や赤色の脂溶性色素 をカロチノイドと言い、代表的カ ロチノイド色素、C4056
 体内でビタミンAに変わるプロ(前)ビタミンAであり、α、β、γの他50種類ほど存在する。分子構造的にビタミンAが2個結合したものがβであり、αやγはビタミンAと他の物質が結合したものである(ビタミンA効果 β=100とすると、α=53%、γ=43%)。ビタミンAの過剰症は、頭痛、吐き気、下痢であるが、β−カロチンは身体が必要とする量しかビタミンAに変化せず過剰症にならない。ビタミンA活性を持たないカロチンはβ−カロチンよりも強力な抗酸化作用や抗ガン作用がある。
 ビタミンAは肝臓に貯蔵されるが、カロチンは脂肪細胞、表皮細胞(皮膚・気管・消化管・尿管)、副腎、睾丸、卵巣などに貯蔵され、これらと関連するガン(肺ガン・皮膚ガン・子宮ガン・消化管ガン)とカロチン摂取量の間に強い相関関係がある。
 濃い緑色の葉野菜(ほうれん草、小松菜など)はβ−カロチンが中心で、一緒に葉緑素も摂取できる。緑が濃いほどβ−カロチンが多量である。黄色やオレンジ色の野菜や果物はβ−カロチンも豊富であり、β−カロチン以外の抗酸化、抗ガン作用のあるカロチンも含まれている。赤や紫色の野菜や果物(トマト、赤キャベツ、ベリー、プラムなど)は、ビタミンAにならないカロチンやフラボノイドが含まれている。
 ビタミンAは熱に強く、油に溶けた状態でないと身体に吸収されにくい性質である。ニンジンを生で食べると、吸収率は8%、煮ると30%、油で炒めたり揚げたりすると50〜70%。マヨネーズ、ドレッシングなどの油脂と一緒に摂取すると吸収率が増加する。
 
●カワラタケ(サルノコシカケ科)
 カワラタケの一系統「CM−101」株をタンク培養し,得られた菌糸体を熱水抽出、精製した粉末は抗腫瘍性が認められ、その本体をクレスチン(PSK)と命名した。タンパク質と結合した多糖類を主成分とする抗悪性腫瘍剤で主成分はβ-1,4-グルカンを主鎖とし、グルコース残基数個に1個の割合でグルコース3-, およびグルコース6-の位置で分岐した構造である。18〜38%のタンパク質を含み、分子量約10万の「タンパク多糖体」である。褐色の粉末で特異な匂い、味はない。
 本剤を、実験腫瘍AH−13、エールリッヒに対して腫瘍増殖抑制作用を示し、sarcoma-180, adenocarcinoma 755 に対し腹腔内投与だけでなく経口投与において抗腫瘍性が見られる事、毒性が低く副作用を顕す有害作用がないことが認められた。また動物実験により、宿主の低下した免疫抵抗性を正常化させる作用のあることが裏付けられた。
 臨床試験で、消化器ガン(胃ガン、食道ガン、結腸・直腸ガン)、肺ガン、乳ガンに対し健保適用品として適応が認められた。通常1日3gを1〜3回に分服する。ときに消化器に悪心・嘔吐・下痢や、皮膚に発疹などの副作用が現れることがある。            
 
●ガン
 ガンの発生は、生体内で細胞が新陳代謝により入れ替わる時、つまり生体内の細胞は壊れ死んでいくと同時に新しい細胞が出来る。この細胞生成の過程で、1日に約3000個の傷害遺伝子を持つ細胞が出来ることに起因する。傷害遺伝子から生成された細胞(糖鎖やアミノ酸が必然的に形態を変えた傷害細胞)は生体の免疫作用(糖鎖末端シアル酸の欠如)によりアポトーシスに陥り排泄されるが、免疫細胞の触手から逃れた傷害細胞が増殖を始める。
 ガンが発生すると、糖鎖構造が大きく変化する。一般にはシアル酸量が減少。「ガン化するのは組織より先に、酵素系やホルモン系の複合糖鎖の変化から始まる」と考えられ、この微小変化をコントロール出来ればガンの予防や転移の阻止が可能になる。
 傷害細胞が生体制御機構から逃れるのは、傷害細胞のレセプターやリガンドが免疫細胞にとって正常な自己細胞と見ているからである。鏡体である(茸の糖鎖はL型もある)可能性も捨てきれなく、免疫作用をくぐり抜けた細胞がガン細胞へと増殖を開始する。
 ガン細胞は、腫瘍がある程度以上の大きさにならないと発見出来ず、1個のガン細胞が10回分裂すると約千倍になり直径1mmのガン、病期では0期になる。1mmのガンが10回分裂するとさらに大きさが千倍となり直径1cmのガン、病期がT〜U期である。この程度の大きさで発見され、その後治療行為に入る。このガンが10回分裂すると千倍となり大きさが直径10cmのガン、病期ではW期である。W期になるとガンは大きいだけでなく他の組織に浸潤したり、転移するようになり、末期的状況になる。
 ガンは10回分裂する事に容積が千倍になるが、この10回分裂する時間は3〜5年(個人差・栄養条件)である。W期までにかかる時間は9〜15年である。
 ガンは遺伝子の傷(大腸ガンの場合、第5・17・18染色体の特定の部分)が原因で、先天的な傷がある場合と、喫煙や紫外線など活性酸素等による後天的な傷がある。傷ついた遺伝子は有害ではなく、傷害遺伝子が作った細胞(ガン細胞)が有害になる。先天的な遺伝子の傷は、ガンだけでなく成人病(糖尿病、アルツハイマー病、血管障害等)を生じ、後天的に遺伝子に傷を受けると、細胞死か、細胞の形質の変化が起こり、形質の変化を起こした細胞の限られたものが「ガン細胞への道」を歩むことになる。ガン化した細胞は、時間が経過し分裂増殖するに伴い悪性度を強め、転移に必要な数々の細胞形質を獲得する。
 約50年ほど前からの形質の変化の発見を見てみると、
@ガン組織由来の血液型糖質は正常組織由来の糖質と大きな相違があることを 発見。(正宗一:糖鎖参照)
A胃ガン、肺ガン、大腸ガン組織の中に、例外なくフコースとグルコサミンを 含有する糖脂質が大量に蓄積する。この構造は種々のガン組織に蓄積する現 象であり、誘導された構造がガンマーカーとして重要な意義をもつ。
Bコムギ胚レクチンであるコンカナバリン(ConC)等が、ガン化した細胞を強く 凝集、正常細胞は凝集しない事を発見。細胞がガン化するとN結合型糖鎖の 分子量が増え、構造が変化する。
C遺伝子構造の同じ動物から由来したガン組織を、同じ遺伝子構造の動物に注 射すると、ある種の糖鎖抗原に対するモノクローナル抗体が得られる。すな わち、ある種の糖鎖抗体は本当の意味での「ガン抗原」を含むことが明らか になった。
D従来、ガン糖鎖抗原といわれていたLe、GM、Gg、シアリルLe等は細 胞接着物質であり、ガン細胞が血管やリンパ腺内皮細胞に接着して、ガンの 転移を起こすときに重要なきっかけを作ることが発見された。糖鎖と糖鎖同 士の結合や、セレクチンを介して、ガン細胞の転移・浸潤が行われる。動物 実験ではあるが、糖鎖による細胞接着を抑え、転移をくい止めることも可能 になった。
 Leなどを発現しているガンと発現していないガンとでは、転移度、悪性度、5年生存率に大きな相違がある。初期のガンの手術切片に発現されている糖鎖の種類から、予後の予測と、糖鎖構造を利用する抗接着療法によりガンの転移浸潤を止める事も可能になった。
 傷害細胞が有する複合糖質の糖鎖は、正常細胞の糖鎖と比べある規則に従って変化している。傷害細胞はマクロファージ等の食細胞により排除されるのだが、排除されない障害細胞がガン細胞になるのである。「排除されない細胞」は傷害されたDNAによって作られたアミノ酸が鏡体である可能性が強く、D−アミノ酸から伸びている糖鎖を食細胞が読み切れないのであると仮説を立てた。この仮説で考えると、ガン細胞の特殊さが理解されてくるようになる。逆に考えて抗生物質はD−アミノ酸を含むものであり、特異的傷害細胞間同士の細胞結合(治療に結びつく)に「鏡体アミノ酸」と「β結合糖鎖」という動物の正常細胞の逆の組織が働くと考える。この仮説でないとしても糖鎖構造を認識するセレクチンが読めない糖鎖であることは確かである。
 
●ガンA(ガン細胞と免疫)
 前項記載であるが、健康な人の体内でも1日に約3000個位の異常細胞が生まれている。これらは免疫の力でガンの芽が早期に摘まれているのである。
 ガン化した細胞を攻撃する1番手がNK細胞である。絶えず全身の細胞をパトロールするNK細胞は厳密に「自己」「非自己」を見分けるよりも、何となく様子がおかしくなった細胞を攻撃して破壊。しかし攻撃力はあまり強くない。2番手がキラーT細胞である。キラーT細胞は、ガン細胞の表面にあるガン特有の「糖タンパク質」を察知し、その細胞がもはや「自己」から「異物」になっていると判断して攻撃態勢にはいる。同時にNK細胞が破壊したガン細胞の残骸をマクロファージが食べ、その糖鎖を自らの表面に掲げてヘルパーT細胞に示す。ヘルパーT細胞はそれを「非自己」と認識して攻撃指令であるリンフォカインを放出し、攻撃態勢のキラーT細胞は指令を受け取ってガン細胞を破壊し始める。さらにマクロファージやNK細胞の活動が高まり、ガン細胞への総攻撃が始まる。
 免疫をくぐり抜けガン細胞が増殖するのは、もともと「自己」の細胞であったものがごく僅かに変化を示した場合、T細胞はしばしばそれを見逃してしまう。@細胞がいったん増殖してしまうと、T細胞は寛容になって攻撃を仕掛けなくなってしまう。Aガン細胞に付随する糖鎖構造とT細胞のレセプター、リガンドと異なり、細胞接着を起こさない。Bガン細胞によってサプレッサーT細胞が刺激され、免疫反応が起こらなくなっている。Cガン細胞が免疫全体の反応を弱める物質を出している。   
 
●ガン遺伝子(サーク(sarc)遺伝子)
 1976年、ラウス肉腫ウイルスからガン遺伝子を発見。その後、ガン遺伝子は正常細胞の増殖する時に必ず必要な成長遺伝子(増殖遺伝子)である事が分かった。ガン遺伝子が増殖遺伝子であることは酵母のような下等生物にも存在する。
 
●ガンウイルス
 下記に医学的に認められたヒトのガンウイルスを記す。女性の腫瘍の約20%、男性の腫瘍の8%がウイルスで発生していると推定される。
EBウイルス(ヘルペスウイルス科)
成人T細胞白血病(ATL)ウイルス(レトロウイルス科)
B型肝炎ウイルス(ヘパドナウイルス科)
C型肝炎ウイルス(ウラビウイルス科?)
ヒトパピローマ(乳頭腫)ウイルス16型(パポバウイルス科)
 
●ガン漢方
◇抗がん作用が見込める生薬
黄蓍(おうぎ)、龍蓍(りゅうぎ)、天花粉(てんかふん)、威霊仙(いれいせん)、白花蛇舌草(びゃっかだぜつそう)、青黛(ちんたい)、猪苓(ちょれい)、セレニウム、ゲルマニウム
◇新陳代謝促進作用が見込める生薬
珍珠(ちんじゅ)、人参(にんじん)、サポニン、その他の動物性分泌物
◇鎮痛作用が見込める生薬
甘草(かんぞう)、冰片(ひょうへん)、白朮(びゃくじゅつ)
◇免疫力向上作用が見込める生薬
地黄(じおう)、霊芝(れいし)、刺五味(さしごみ)、茯?(ぶくりょう)
 
●ガングリオシド(シアロ複合糖質)
 シアル酸を分子内に含むスフィンゴ糖脂質の総称。糖脂質であり、脂質部分がセラミド(長鎖塩基スフィンゴシンと脂肪酸の酸アミド結合物)から成るものをスフィンゴ糖脂質、シアル酸を持つスフィンゴ糖脂質を特に「ガングリオシド」と呼ぶ。ガングリオシドは神経節(ganglion)に多く存在することに由来するが、セラミド部分は脂質2重層に埋め込まれた形で動物の細胞膜構成成分として広く分布し、臓器中では脳が最も富む。
 ガングリオシドはある種の毒素、ホルモン、液性因子のレセプターであり、細胞の分化、増殖、ガン化などに関連するシアロ複合糖質の役割も担う。
 ガングリオシドの生理作用の多くはシアル酸が担っており、カルボキシル基の負電荷、および金属イオン特にカルシウムイオンとのキレート能がシアル酸の重要な機能である。
 ある種のガングリオシドが特定の細胞の増殖(増殖速度と飽和濃度)を制御(多くは抑制)する。制御は増殖因子受容体の機能を介するものであり、受容体の自己リン酸化阻害反応が中心的役割を果たしている。 
 
●肝炎ウイルス(Hepatitis viruses)
 肝炎ウイルスは6種類確認され、感染は患者の糞便を介した感染(A型肝炎とE型肝炎)と血液を介した感染(輸血によるB型とC型肝炎などの4種類)の2種類が知られている。日本は世界的にみてA型肝炎は少ないが、春(3〜4月)には感染者数は多い。感染者の1%程度が劇症肝炎となりその約30%が死に至る。
 
●肝硬変
 肝臓は余裕のある臓器で、3分の2を切り取っても正常な状況を維持でき、再生力も強い。これらは肝細胞が分裂・増殖する力が強いのであるが、細胞の破壊・増殖が続くと肝細胞が繊維組織に置き換えられ、肝臓が硬く萎縮して正常な働きが出来ない肝臓となる。いったん硬化すると正常な肝臓に戻ることはない。
 肝硬変の原因は、アルコールとウイルスである。日本ではアルコール単独の肝硬変になることは少なく、ウイルスの関与が多い。ウイルスが細胞にとりつくと免疫機能がウイルスの排除のため細胞を攻撃し破壊する。これを肝炎というのだが、比較的早くウイルスが排除された急性肝炎とウイルスが居続ける慢性肝炎に分けられる。ウイルスは発見順にA型肝炎ウイルスからF型肝炎ウイルスまであり、A・B・C型が重要なウイルスである。
◇A型肝炎ウイルス 飲料水・生の魚介類・野菜などから経口感染し、腸内で増殖して、門脈を経て肝臓に入る。便に大量に排泄するため、二次感染(家族・学校・寮など)を起こしやすい。A型は免疫により排泄され、致命的な経過は少なく、慢性肝炎に移行せず、終生免疫を得て二度の感染はない。
◇B型肝炎ウイルス 血液・精液などの体液やキャリアの母親の産道を通るとき感染し慢性肝炎となる。ウイルスが免疫との関係で暴れたり・静かになったりすると、肝細胞が破壊・産生を繰り返し、次第に肝硬変へと進行する。母親がキャリアであるとき、産まれてきた子供にワクチンを接種する事で予防する。
◇C型肝炎ウイルス 血液感染して、慢性肝炎を引き起こす。
 肝硬変は治療できず、進行を食い止める行為を選択せざるを得ない。高タンパク食、高ビタミン食、高エネルギー食である。低栄養ではウイルスに対し抵抗力が弱く、慢性肝炎を悪化せざるを得ないからだ。
 肝硬変による死因は、静脈瘤による大出血、肝機能低下による脳性昏睡、肝臓ガンである。
 
●環状糖鎖
 数個(6〜9個)のグルコース残基がα-1,4グルコシド結合して、環状糖鎖「シクロデキストリン(cyclodextrin,CD、シクロアミロース)」を形成したものである。分子の中空部分が強い疎水性を持つ性質が利用され、薬剤・色素・芳香剤・悪臭・有害物質を環状構造内(分子内部)に取り込み、複合体を形成(包接化合物)する。包接することにより、水に溶けない物質が結果的に水に溶けることになる。
 環状糖鎖を構成するグルコース残基に他の糖・糖鎖(分枝環状糖鎖)をつけると、分子的性質が異なる化合物となる。
 
●肝臓ガン   
 正常な肝臓がいきなりガンになることは少なく、先行症状として慢性の肝臓病から発病する。慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンの順序である。
 早期ガンの5年生存率は80%以上(国立ガンセンター)であるが、肝臓ガンの治癒率を低下させているのは肝硬変で死亡するからである。
 早期発見であれば、1番目に手術による切除を。エタノールの注入、マイクロ波焼灼波は、ガンの大きさが3cm以下、3個まで有効である。肝臓から転移している場合、抗ガン剤(ドキソルビシン、5FUなど)で延命処置を図る。
 
●カンタリス
キオビゲンセイツチハンミョウカンタリジン
 ツチハンミョウ科マメハンミョウ・ツチハンミョウ(甲虫・東北以南に棲息・体長20mm位・黒色で頭部は赤褐色、翅鞘に灰白色の縦条。上記写真・中)の成虫血液中にカンタリジン(C10124)を含有。刺激(アロモン作用)を受けると各肢腿節・脛節の環節間膜・その他の膜から反射出血する。分泌液中に約25%含まれる。成虫の翅・脚を削除し乾燥させた物をカンタリスと呼ぶ。日本薬局方のカンタリスは0.6%以上のカンタリジンを含み、ヒトの皮膚に対し生毛刺激作用を有し、ヘアトニックにカンタリスチンキを用いる例がある。カンタリジンの致死量=30mg。
 外用として、皮膚に触れると皮膚内に浸透し刺激作用を示し、@引赤発泡作用を利用、悪性の腫瘍・瘰癧(るいれき)(頸部リンパ腺が腫れる)に蜜に混ぜ用いる。A内出血で傷めた肌・疥癬・淋病など化膿した傷に付ける。B虫の翅・脚を取り飯粒と混ぜ、禿げた場所に貼ると皮膚状態によって発毛させる作用がある。
 内服(乾燥粉末を飲用)すると利尿剤となり、排尿時に尿路で刺激性を示し、性器を充血させ男性は持続勃起、女性は性器粘膜が紅張・湿潤する。刺激が強い催淫剤なので少量の飲用でなければならない。致死量は30mgである。
 幼虫は土中のイナゴ・バッタなどの卵塊に寄生、過変態をする。成虫は大豆(大好物)・茄子・白菜など葉を食する。
 中国産「斑猫の粉」はキオビゲンセイ成虫の乾燥粉末。乾燥した成虫体(上記写真・左)に25%のカンタリジンを含有し、おできのウミ出しの刺激発砲剤に多用されるほか、少量を内服(大変危険)すれば催淫・利尿・ 躁鬱病・性病・知覚麻痺などに効果がある。近年はイナゴの激減からマメハンミョウが少なくなり、発泡剤の原料はキオビゲンセイ(中国から輸入)が使われ、 「局方」からマメハンミョウの名が削除されている。日本でカンタリジンを分泌する昆虫は他に「アオカミキリモドキ(夏の夜、灯りに集まる)」がいる。
 
●ガン探知犬
 ヒトの呼気を嗅ぐことでガン疾病の有無を見分ける。
 
●ガン治療(免疫革命・実践編 安保徹)
 ◇手術・抗ガン剤・放射線は免疫を抑制するので受けない。
 ◇副交感神経の刺激(心身をリラックスさせる)。
 ◇生活パターンの見直し
 ◇ガンの恐怖から逃れる。
 ◇体温を上げる体操と入浴の実践。
 ◇玄米食中心の食事。
 
●カンナ(Sceletium tortuosum)
  別名:カナ・コーグー・かみもの・KNN
 南アフリカのホッテントットの間で、数100年前から媚薬・興奮剤として用いられていた。喫煙や鼻からのスニッフィング、ガムなどに混ぜて噛んで吸収するのが一般的。スニッフィングで20mg〜30mg、経口で50mg〜100mgが目安。 多幸感・一体感・昂揚感が1時間程度持続する。
 MAO阻害剤との併用は危険。
 
●ガンの一次予防(国立がんセンター)
 @偏食をしないでバランスのとれた栄養をとる
 A毎日、変化のある食生活を
 B食べ過ぎを避け、脂肪は控えめに
 Cお酒はほどほどに
 Dタバコは少なめに
 E適量のビタミンと繊維質のものを摂る
 F塩辛いものは少なめに、熱いものは冷ましてから
 G焦げた部分は避ける
 Hカビの生えたものに注意
 I日光にあたり過ぎない
 J適度にスポーツをする
 Kからだを清潔に
 
●ガン発生二段階説
 正常な細胞がガン細胞として無制限に増殖を始める病気である。細胞がガン化する段階を「イニシエーション」と言い、ガン化した細胞が増殖する段階を「プロモーション」と言う。それぞれの段階で関係する物質を「発ガン物質」と総称し、現在では2000種以上確認されている。
 
●ガン免疫療法
 体躯細胞が異常(ガン)細胞になった時、免疫が異常細胞を異物として排除する療法である。
 この免疫は、細胞性免疫と液性免疫がある。細胞性免疫は、白血球の一種であるリンパ球やマクロファージ。液性免疫は、免疫グロブリンや補体である。注目されるのが、リンパ球のなかのT細胞とB細胞である。カワラタケから開発されたクレスチン(PSK)は、このT細胞に強く働きかけて、ガンの抑制をする作用を持つ。
 
●漢方
 治療の対象となる患者の体質や人間像を「証」と呼び、証に合わせた治療(対証療法)を行うことを言う。
 世の中にある事物は全て二つの側面を持っていると考えた(黄帝内経)。一つは物質的な面、一つは機能的な面である。例として心臓を見ると、物質として「筋肉・血液・血管」であり、機能は「血液の循環」である。これら物質を漢方では物質を「形(けい)」・「血(けつ)」、機能を「気」という語彙を使う。
 詳しい解説は、別ファイル「漢方」参照。

【き】 
 
●気功
 中国語で功は工に通じ、訓練の意味、簡単に言うならば機能訓練である。気が不足している人に気を補充するものである。心と肉体をリラックスさせる手段として、禅・茶道、中国では五禽戯(ごきんぎ)などがある。
 漢方の気功は、@呼吸(気)の調節を主体に研究されたもので、意識の安静を主張しているのが特徴。A気功は万人向けのものでない。検診を受け、気の病かどうかを確認する。
 
●キサンチン化合物
 プリン塩基の一種。カフェイン・テオフィリン・テオブロミンなどのアルカロイドを総称して呼ぶ。植物の種子・果実、動物の尿・血液など含まれる。
 茶1杯にカフェインは100mg含まれ、キサンチン量は比較的少ないが、中枢神経の緩和な興奮には充分である。茶にはテオフィリン(C7842:カフェインの近縁化合物)も含まれ、気管支を拡張する作用もある。
 コーヒーの種子にはカフェイン含量が約1%で、コーヒーを2〜3杯飲むと1日のカフェイン摂取量は25mgぐらいである。
 チョコレート・ココアはカカオ豆を発酵、焙煎、砕いた物が原料になる。主な成分はテオブロミン(C7842)で、興奮作用を有する。テオフィリンの異性体。カカオ種子中に1.5〜3%含まれる。
 他にマテ茶・ガラーナ(熱帯性蔓状植物ガラナの種子から作る)・ヨパなどだが、全てカフェインなどのキサンチン化合物によって興奮する。興奮は細胞内の様々な二次メッセンジャーの産生を増強させる作用による。このことは多くの生化学反応とそれによって生じる生体機能の変化の一般的な刺激を導く。
 
●気管支腺粘液細胞分泌ムチン
 吸気に含まれるウイルスやバクテリアを吸着して粘膜を保護する働きと、水分保持性質から吸気に湿り気を与え、気管や肺胞の乾燥を防ぐ働きがある。
 気管支腺粘液細胞分泌ムチンは、胎児や新生児では糖鎖部に硫酸基を持つスルホムチンであるが、その後シアル酸を含むシアロムチンに変化する。 
 
●キシリトール
 イチゴ・茸類に多く含まれる糖アルコール。砂糖と同程度の甘さを示す。
 糖尿病患者の甘味料として使用、代替甘味料として最近注目されている。体内で酸化し、キシロース(植物細胞壁成分)になる。
 
●キシロオリゴ糖(xylooligosaccharide)
 数個のキシロース残基からなる。キシロオリゴ糖はビフィズス菌などの増殖餌として善玉菌の育成に優れ、腸内フローラを改善する。
 
●キシラン(xylan)
 陸生植物の細胞壁を構成するのはヘミセルロース(hemicellulose)とペクチン(pectin)で多種の多糖が含まれている。その中で注目されるのがキシランで、構成糖はキシロース(xylose)である。
 
●キチン
 セルロースとよく似た化学構造・結晶構造(セルロースの水酸基の部分にNHCOCH3を持つ)をしており、2−アセトアミド−2デオキシ−β−D−グルコース(N-acetylglucosamine, GlcNAc:N−アセチル−D−グルコサミン)基がβ−1,4結合したホモ多糖類である。エビ、カニなどの甲殻類、昆虫に多量に含まれ、植物のセルロースのように生物体の骨格や外皮の形成に関与している。キチンは非常に強固な物理的、化学的性質を持っているので、地球上で1年間に100億トン生産されているが、不溶性のためほとんど利用されていない。
 
●キチン質(chitinous substance)
 キチンとキトサンを総称していう。キチン質は甲殻類や昆虫の表皮とか細菌の細胞壁を構築している多糖成分である。
 植物にはキチン質が含まれていないが、分解する酵素(キチナーゼ:chitinase)や誘導体(キトサナーゼ:chitosanase)を作り出し、病原菌の菌体を包んでいる細胞膜の主成分キチン質を分解し、攻撃から守る働きを担っている。
 メロンを用いた実験(Roby, D.et al., 1987)では、キチン質のオリゴ糖鎖が酵素を誘導し、この能力はオリゴ糖鎖の鎖長に依存、6糖が最も有効だった。仕組みは、@病原菌のキチン質が分解を受け、オリゴ糖鎖が生成。Aオリゴ糖鎖は、植物体内で酵素や抗菌物質(ファイトアレキシン(phytoalexin))を誘導し、抗菌物質は病原菌を攻撃する。B酵素は病原菌の細胞壁を分解し、これによって生じたオリゴ糖鎖が、病原菌のDNAがmRNAへ転写することを妨害したのである。
 自然の植物体では、病原菌以前に、昆虫の死骸が分解され生成するキチン質のオリゴ糖鎖が植物に取り込まれており、植物の防衛に役立っている。
 
●喫煙指数
 1日に吸うタバコの本数に喫煙年数をかけたもの。






 
 喫煙指数
   0
  1〜399
 400〜599
 600〜799
  800〜
   計
 肺門部 
   1
   2
   4
  14
  47
  68
 肺末梢部
   67
   13
   11
   17
   49
  157
肺ガンと喫煙の関係
    (232例、不明7例)

(1日に20本、30年=600)

がんで死なないために
ヤクルト本社広報室発行より
 
●菊花茶
 余分な熱・毒素を取り除き、耳を聡くし、目を明らかにする。
焙じ茶………………2g(原典では中国茶)
菊花…………………2g(新鮮時に軽く蒸してから乾燥させる)
 
●キトサン
 キチンの誘導体。キトサンはキチンを脱アセチル化して得られる。キチンのNHCOCH3がNH2に置換された物である。グルコサミン(glucosamine, GlcN)がβ−1,4グリコシド(グルコサミニル)結合している。キトサンの分子的性質はキチンと同様しっかりしていて硬い。
 キトサンは@希塩酸、有機酸水溶液などに溶解する。A分子鎖を構成するグルコサミン残基が1級アミノ基であり、高分子電解質である。
 
●キナ

 アカネ科キナノキ属。常緑高木で樹高は20m。「キンコーナレジェリナーナ」種(キナ)の樹皮に約6%のアルカロイドを含み、その内の70%がキノリン系アルカロイド「キニーネ(quinine・左図)」、類似のシンコニンなど20種類以上のアルカロイドが含まれる。
 薬理作用は、抗マラリア作用、筋肉・腺などの代謝抑制、体温降下、心臓の刺激伝導系の不応期延長。マラリア治療薬キニーネに勝る薬はいまだに無い。
 
●キノコ(茸)
 シイタケなどキノコにはビタミンDが大量に含まれている。
 キノコには「エリタデニン:血中のコレステロール値を下げる」と「β−Dグルカン:病原菌やガン細胞を発見し、免疫体に伝達するサイトカインの生成を促進、免疫体も正常に働かす。花粉症・アトピー等はサイトカインが過剰反応して起こるが、サイトカインの過剰反応を鎮めるため、キノコはアトピーに効果がある」
 
キノコ「水抽出エキス」の抗腫瘍性
 キノコの子実体約300gを80〜100℃の水1000ccで8〜15時間浸出、エキスを試料とした。スイスマウスの皮下にSarcoma−180を移植。試料200mg/kgを10日間腹腔内に投与。35日後に腫瘍を取り出し重量測定し無処理群と比べて、阻止率を出した。(前田幸子、他 蛋白質 核酸 酵素、21(6),425〜435(1976)から)
 
  和 名      腫瘍阻止率(%)
コフキサルノコシカケ   64.9
カワラタケ        77.5
アラゲカワラタケ     65.0
オオチリメンタケ     49.2
カイガラタケ       23.9
チャカイガラタケ     70.2
ベッコウタケ       44.2
オオシロサルノコシカケ  44.8
ウスバシハイタケ     45.5
メシマコブ        96.7
シイタケ          80.7
エノキタケ        81.1
ヒラタケ         75.3
カンタケ         72.3
ナメコ          86.5
マツタケ         91.8
キクラゲ         42.6 
 
●キノコの制ガン効果と服用法
 コフキサルノコシカケ(食道ガンに有効)、カワラタケ、メシマコブ、シイタケの干した物を4〜5mm角に切り、1日分として15gを500ccの水に入れ、3分の1になるまで煎じて、上澄み液を飲む。
 生シイタケ(中国産はホルマリン処理をしている恐れがあり、国産を求める)は年中出回っているので、毎日100gを求め、熱湯をかけて一晩おいて翌日そのエッセンスを沸かして服用する。キノコ類の制ガン作用は動物実験で移植ガンを阻止している。
 
●ギムネマ
 インド南部を中心に自生するガガイモ科の蔓性植物、ギムネマ・シルベスタ(岩の多い丘陵地の樹木にからみつくように生息)。成分のギムネマ酸は砂糖の甘味抑制作用があり、甘味を持った食品に対する食欲を減退させる効果がある。ギムネマ酸が味蕾レセプターとグルコースの結合抑制を持つからである。
 味覚物質の味を変えてしまうものを味覚修飾物質と呼び、ミラクリン(酸味を甘味に変える)、ストロジン(口に含んだ後に水を飲むと甘く感じる)などが知られる。
 ギムネマ酸は小腸においてグルコースの吸収を抑制する働きも持っており、血糖降下剤との併用で、低血糖を起こす可能性があり注意が必要である。
 
●喀痰細胞診
 痰の成分は気管支の分泌物で、気管支表面剥離した細胞が多く含まれている。この痰から細胞を分離して染色して調べるが、ガン細胞のみ染色する方法はなく、よって、細胞の大きさや形・核の形・染色性などを目安に正常細胞とガン細胞を見分ける。
 
郵送で喀痰検診を行う検査機関は
 
◇愛知診断技術振興財団
 名古屋市瑞穂区玉水町1-3-2 TEL.052-832-8444
◇日本ノーパイメディカル研究所
 東京都新宿区片町3-3    TEL.03-3357-3611
 
●キャッサバ(タピオカ)
 ブラジル原産トウダイグサ科の低木。今日では熱帯から亜熱帯地方に広く栽培される芋類、約三億人に炭水化物を供給。タンパク質は含まず、デンプン量が多い。塊根には100g当たり、250mgの青酸が放出され、すりつぶした後、水洗と加熱乾燥を何回も行い精製し主食とする。
 キャッサバの青酸配糖体は抗ガン性があると言われ、インドネシアの一部でガン治療に用いている。

●キャラウェー(ヒメウイキョウ) 
 セリ科の1〜2年草。熟果乾燥品は香辛料(味はアニス似)として利用。一般的には、カンパリ原料(他にビター・オレンジ・コリアンダー・リンドウの根)、豚料理の調味料などに用いる。
 ヨーロッパの伝統薬として、食欲不振・気管支炎・寒さ・咳・熱・肝臓と胆嚢の問題・咽喉痛・伝染病予防。民間薬として、養母の乳汁分泌を改善、月経の引き起こし、消化改善の為使用されている。
 副作用として、キャラウェー油の大量服用は腎臓・肝臓障害を引き起こす。
妊婦・母乳による子育てに悪影響はない。
○服用法 キャラウェー油:角砂糖上に2〜3滴。
             1日当たり6滴を3回までとする。
     キャラウェー実: 平均服用量は1〜5g。
             1日当たり6gまでの服用量とする。
 
●嗅覚作用
 魚  =匂いに反応
 爬虫類=餌の探求手段
 哺乳類=自ら作り出し、家族・仲間の識別に使う。
 
●九臓(九蔵)
 形蔵五(頭角・耳・目・口歯・胸中)と神蔵五(肝・心・脾・肺・腎)を言う。神蔵は内蔵(内臓のこと。)
 
●九竜虫(きゅうりゅうちゅう)
  別名:ホルモンチュウ・洋虫
 正式にはキュウリュウゴミムシダマシという甲虫。体長6〜8mm黒い光沢がある。成虫・幼虫ともに貯穀類・乾燥果実などを食べる害虫である。
 強精剤として昭和20年代に九竜虫を生きたまま飲むことが流行った。虫の分泌する辛味の刺激物質に効果があると言われた。中国の虫薬大辞典による効能は「血の流れを良くし、脾臓と胃を暖める。五臓、筋骨を健康にし、中風を去らせ男性機能を盛んにし、虚脱体質を治す」とある。
◇疲労回復
   白い茯苓………………3匁
   九竜虫…………………7匹
 九竜虫をすり潰して混ぜ、空腹時に酒と共に服用する。
◇胃と心臓の痛み
   九竜虫…………………7匹
   木香……………………適量
 粉末にして酒に混入、服用する。
◇急性胃カタル
 九竜虫9匹を生姜湯に入れて飲む。
◇中風の言語障害
 九竜虫24匹を薄荷と党参の湯で服用する。
 
●狂犬病ウイルス(rabies virus)
 ラブドウイルス科リッサウイルス属。発病すると100%死亡する人獣共通伝染病。フルーツコウモリのみ不顕性感染。街上毒(哺乳動物に病原性有り)と固定毒(ウサギ脳内で継代し弱毒化)に大別。咬傷による感染が大半を占める。他にコウモリ群生洞窟内での気道感染、胎盤感染がある。
 潜伏期は1週間から1年4ヶ月。咬傷部位により潜伏期に影響を与え、通常1〜3ヶ月。1年以上の潜伏期は6〜8%である。神経上行性に末梢から中枢へ感染。症状は2〜10日の前駆症状(咬傷部位の知覚異常や疼痛)が起こり、全身倦怠感・悪寒・発熱・頭痛等を覚える。
 次に神経系の障害(不安、興奮、麻痺、せん妄等)が現れ、咽喉頭の筋肉が攣縮し、水を飲めない症状「恐水病」がおきる。
 最後は全身痙攣・呼吸麻痺を起こし、呼吸停止、100%死に至る。発症すると、80〜85%が狂躁型、15〜20%は麻痺型で死亡。
 不活化ワクチンで予防する。ヒトの場合潜伏期が長い為、暴露後免疫も有効。
 感染動物に咬傷された場合、最初に石鹸などで、傷口を十分水で洗い流す。次で「ヒト抗狂犬病免疫グロブリン」を傷口周辺と肩に注射(現在の日本でこの薬剤は製造・輸入がない)。さらに組織培養型狂犬病不活化ワクチンを、初回投与日を0日として0、3、7、14、30、90日の6回投与する。
 
●強心配糖体(cardiac glycoside)
 ジギタリス・ストロファンツス・海葱・蟾酥などはステロイド骨格を持つ配糖体、心筋を直接刺激して心臓の収縮力を増大させる。この作用を示すものを強心配糖体と総称する。
 
●共棲培養法
 乳酸菌生産物資を得るための培養方法である。共棲培養法は、相手の菌が強くなるとその菌に対し抗生的な作用が起こり、抗生物質を作ると同時に自己の強化を図る作用が起きる。そうして培養液中内で菌が互いに強化されていく理論である。生産物質の成分は、20種以上のアミノ酸・各種ビタミン・各種ミネラル・核酸物質である。培養実験では乳酸菌の産生物質は腸管の発酵菌を増殖させ、腐敗菌を押さえる。
@16種の有効菌を1種類ずつ培養する。
Aそれらを4種類ずつ4群に分け、それぞれ共棲させる。
B4群を混ぜ合わせ、通常の数倍におよぶ長時間培養を行う。この時培養温度 を変化させ、分泌物の生産量の増量を図る。
C菌と分泌物を分離・濃縮させ、分泌物を商品とする。
 
●強精剤
 強壮剤・性ホルモン剤・興奮剤・催淫薬を指す。狭義には性交不能症(♂インポテンツ)の治療薬物。一般的に陰茎の勃起不能・不完全の改善作用を行う薬物を強精剤と呼ぶ。
 直接陰茎に働き勃起を促す「ヨヒンビン・ストリキニーネ・カンタリス」、間接的に中枢の精神的抑制を解除して陰茎の勃起を促す「大麻・阿片・アルコール」、性ホルモンによる生殖器の機能促進をねらった「たけり丸」、動物が食すことで強壮になる「イカリソウ」などである。
 
●胸腺(thymus)
 1961年オーストラリアのミラー(J.F.A.P.Miller)が、免疫系で極めて重要な組織(T細胞の分化を行うリンパ組織)であることを明らかにした。
 骨髄からリンパ系幹細胞(膜表面に抗原決定基を認識する抗原特異的レセプターを持っていない前駆細胞)が血流に乗って胸腺に入り込み、小型の小さな細胞(T細胞)に変え、同時にT細胞の役割「自己免疫現象」、つまり体躯の「自己細胞」と「非自己細胞」を見分け、「非自己細胞」だけに反応するT細胞を作り出す。
 胸腺は誕生後まもなく退縮を始め、胸腺の組織が脂肪に置き換わる。最大でも35g程度、10歳代後半から退縮を始め、20歳代では半分以上が脂肪に置き換わり、40歳代では10g以下、60歳では1gぐらいになり、ほとんど脂肪だけになる。「自己細胞」と「非自己細胞」を見分ける教育する能力が低下すると、若いときはT細胞が身体を守った免疫の働きが、歳をとると次第に自己細胞と反応する「自己抗体」増加となり、自分自身の細胞を攻撃したり、細菌などに対する免疫反応もなくなり、弱い感染症で命を失う。加齢とガン発症の関係にも深くかかわっている。
 胸腺ホルモンは、サイモシン・サイモポエチン・血清胸腺因子(STF)・胸腺液体因子(THF)である。
 
●胸腺A
◇胸腺は左右両葉からなり、思春期に最大40gに達した後、退縮する。
◇胸腺は皮質と髄質に分かれ、上皮細胞の網目にリンパ球がつまって存在する。
◇骨髄の前T細胞が皮質に入り、上皮細胞の影響を受け、T細胞に分化し髄質 から末梢リンパ組織へ移行する。
◇末梢リンパ組織にはリンパ節、脾のほか、ワルダイエル輪をつくる扁桃、ア デノイドや虫垂、腸管のpeyer板などがある。
◇リンパ節はリンパ管系に介在するふるい装置で、輸入リンパ管からリンパ液 をうけ、門部の輸出リンパ管へ一方向にリンパ液やリンパ球を送る。
◇リンパ節は皮質と髄質に分けられるが、細網内皮細胞が網目構造をなし、辺 縁洞に囲まれる。
◇Bリンパ球は一次濾胞、明るい胚中心を持つ二次濾胞として皮質に分布する。 胚中心を取り巻く暗殻もB細胞領域である。
◇Tリンパ球は髄質と辺縁帯(傍皮質)にT依存領域をつくり、75%近くを占める。
◇洞などにはマクロファージが、間質血管周囲には形質細胞が分布する。
◇リンパ節は異物として抗原をふるいにかけ、その情報をマクロファージ、T リンパ球、Bリンパ球で分かちあった細胞性・体液性抗体を産生する。
 
●胸腺細胞 (thymocyte)
 胸腺での全てのT系列の細胞をいう。
 
●胸腺上皮細胞 (thymic epithelium)
 胸腺での主要な非リンパ系細胞集団。これらの細胞は細胞質がケラチンに富み、発達しつつある細胞のまわりをつなぐネットワークを形成し、T細胞の成熟に必須の細胞。
 
●胸腺ストローマ (thymic stroma)
 胸腺でのT細胞以外の全ての細胞を指す。
 
●強精剤 力道山愛飲「スタミナ強壮酒」レシピ
   生ニンニク(スライス)………1kg
   朝鮮ニンジン…………100〜200g
   決明子(ハブ茶)………300〜500g
   サンザシ………………300〜500g
   ハト麦…………………300〜500g
   桂皮……………………300〜500g
   肉従容…………………300〜500g
   イカリ草………………300〜500g
   地黄……………………300〜500g
   クコの実………………300〜500g
   陶陶酒(銭形印辛口(29度)

材料を広口の3升瓶ぐらいの容器に入れ、陶陶酒を流し込み瓶を一杯にして、6〜10ヵ月漬け込む。

●杏仁(キョウニン) バラ科山杏Prunus armeniaca L. var. ansu Maxim.(アンズ)成熟種子の仁を乾燥したもの。一般には苦杏仁を言う。
 アミグダリン・emulsin・脂肪油。アミグダリンを加水分解するとシアン化水素を生じる。
 
●胸痺(キョウヒ)
 漢方語彙。主として心臓の血流が停滞して胸陽不運となって生じたもので、胸に圧迫感があってつかえる・気道の閉塞感・胸背部の刺痛・胸背のひきつるような痛み・胸や脇の下への放散痛などの症状に、呼吸促迫・呼吸困難をともなうことが多い。薤白を常用薬とする。
 
●局所ホルモン
 体躯では化学伝達物質やホルモン以外に「オータコイド」が生成される。局所で炎症するとヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどの多くの活性物質(アゴニスト)を生成されることから「局所ホルモン」とも呼ばれる。
 
●キラーT細胞(細胞傷害性Tリンパ球・CTL)
 液状免疫を担う抗体は、ガン攻撃に関係しない。
 非自己抗原(決定基)を持つ異物的自己細胞(ガン細胞・ウイルス感染細胞)に結合し、直接的に細胞傷害効果を発揮する。キラーT細胞によるガン攻撃は抗原を認識後、細胞膜表面に特異的IL−2レセプターを生成する。ヘルパーT細胞が出すIL−2が ここに結合すると増殖を始め、ガン細胞に攻撃を開始する。
 
●キラーT療法
 患者の血液からリンパ球を取り出す。これに患者のガン細胞を加える。ガン細胞は増殖しないよう処理されているが、ガンの特徴である抗原性が残っている。キラーT細胞はガン細胞に刺激され、ガンと闘うよう活性化する。同時にガン細胞の特徴を覚え込み、特異的に覚え込んだガンにのみ攻撃するキラーT細胞に変化する。IL−2(T細胞増殖物質)を加えた後、静脈注射で患者の体内に戻す。
 このようにガン細胞と戦う物質を体外に出し、鍛え直し、数も増やし、体内に戻す療法を「受動免疫療法」という。
 
●金
 昔の中国では、「丹」と呼ばれる薬が不老不死の性質と作用を持つ薬と信じられていた。成分は金(変化しない)と水銀(変化し易い)を組み合わせ、不老不死の性質と作用を持つものと考えられていた。
 現在では、放射性の198Auの半減期が2.69日であり、金コロイド198Auがβ線・γ線を放射してガン細胞を破壊することからガン治療に用いられている。同じ意味で悪性腫瘍の転移の確認にも用いられている。
 リューマチ性の関節炎の治療に「金チオリンゴ酸ナトリウム」、「金チオグルコース」、「金アセチルグルコース誘導体」が用いられている。これらは関節に直接作用し組織内のリソゾーム中に入り込み治療効果を示す。副作用として、掻痒感を伴う皮疹や口内炎、胃腸・腎臓障害が比較的多く現れる。また3年くらいの後、40〜50%の患者が再発する。
 
●ぎんなん(ギンナン、銀杏)
 成分の一般成分は、デンプン68%、タンパク質13%、脂肪3%、ペントザン、ビタミンA効力 160IU、ビタミンB群、ビタミンC、鉄、シキミン(有毒アルカロイド4'-MPN(4'-メトキシピリドキシン):ビタミンB6に拮抗し、脳内のGABA(グルタミン酸から生成する神経伝達物質)の産生を阻害し、痙攣などの中毒症状を示す)、ギンゴール酸、ギンノール、アミノ酸(ヒスチジン)、微量の青酸化合物が存在する。ヒスチジンは分解するとヒスタミンを生じ、大量であればアレルギーを起こす。短時間に多食するのは危険。4'-メトキシピリドキシンは痙攣を起こし、死に至ることもある。
 漢方薬で「定喘湯」という喘息薬があり、主成分はぎんなんである。また肺結核患者に臨床で銀杏を食べさせたところ(中国、南京大学医学院)、70%に症状に好転がみられた。民間療法で喘息には毎日炒ったぎんなんを10粒食べる。ぎんなんに含まれるリノール酸は、非常に酸化されやすく、酸化すると過酸化脂質になる。(注)シキミン(4'-MPN)をギンゴトキシンと呼ぶ場合もある。
 
 ぎんなんの油づけ
 生のぎんなんの殻と薄皮をむく。
 薄皮は殻を取った後、サッとから炒りする。
 熱湯消毒した瓶に入れ、ゴマ油をひたひたになるまで加え、
 100日くらいおいてから食べる。
 
●菌類
 動物界と別に分類される一群の真核の生物、カビ・酵素も含まれる。菌類は従属栄養生物で、キチン・セルロースで構成される細胞壁を持っている。核はホモカリオン(同種細胞同士が融合)・ヘテロカリオン(異種細胞が融合)で、単相・複相・重相である。有性生殖・無性生殖を営み、自然界に広く分布する。
 
【く】 
 
●クエン酸シルデナフィル
 ファイザー製薬が販売する勃起不全治療薬バイアグラの有効成分。薬理作用は、性的興奮による陰茎勃起を引き起こす生理学的反応の増強作用。勃起不全治療剤として1日1回クエン酸シルデナフィルとして35.12mg〜70.24mgを内服。
 バイアグラ承認時のデータ(157例)で、25.48%に頭痛・ほてり・視覚障害などの副作用が報告された。硝酸剤又は一酸化窒素供与剤(ニトログリセリンなど)の併用は降圧作用を増強、過度に血圧を降下させる。
 ED用治療薬は他に、バイエル製薬「レビトラ」とイーライ・リリー製薬「シラリス」がある。FDAは2005年5月27日、勃起不全治療薬バイアグラとシアリスの利用者から失明になった人がでた報告を受け、本格的な調査を始めた。
 
●枸菊茶
 菊花茶に枸杞子を加える。視力減退時に用いる。
日本茶葉……………2g
菊花…………………2g
枸杞子………………2g
 
●茎にんにく(蒜苔(そわんたい)・にんにくの芽・Garlic)
薬効:食欲増進・疲労回復・殺菌・滋養強壮・健胃・整腸)
 ユリ科の多年草、原産は西アジアである。鱗茎を利用するにんにくとは別品種である。成分はにんにくと似ているが、茎にんにくは、にんにくに含まれていないカロチン(ビタミンA)がある。にんにくより多く摂取できビタミンB1・B2の摂取量も多くなる。このため高い疲労回復効果がある。
 
●クエルシトリン(quercitrin)
  ドクダミに含まれるフラボノール類。白内障治療に 用いられる。
 
 
 
●クエン酸サイクル
 体内でデンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に、油をグリセリンと脂肪酸に分解することを消化と言い、消化栄養分はクエン酸によって次々と変わりながら、熱を出し、炭酸ガスと水になる。この循環をクエン酸サイクルと呼ばれる。
 
●瘡(くさ)
◇皮膚病の全て
◇かさぶたになる腫れ物
◇胎毒
 
●クサノオウ
  
 別名:山黄連・タムシグサ
 生薬:白屈菜
 適用:鎮痛・虫さされ
 ケシ科クサノオウ属。北海道から九州、東アジアの温帯に分布、低地の日当たりの良い草地・荒地に多い多年草。花期は5〜10月、蕾に白い毛がびっしりと生えている。アリが種の脂肪塊を目的に巣に持ち帰えると巣から発芽する。茎は中空、高さ30〜60cm。茎を折ると黄色の樹液を出す。ケリドニン(Chelidonine)・ケレスニン・プロトピン・ベルベリン・サンギナリンなど多種のアルカロイドを含み、各種の薬として用いる。中国(生薬)では干した全草を白屈菜と呼び、鎮痛・鎮痙・鎮咳・利尿解毒とされ、阿片の代用にした。尾崎紅葉が胃ガンの痛み止めと用いた「死なば秋露の干ぬ間ぞ面白き」。誤食(多量摂取)すると皮膚炎・胃腸炎・痙攣・酩酊状態・嘔吐・昏睡・呼吸麻痺を示す。
 クサノオウの黄色汁は、ケシアルカロイドに似たアルカロイド(ケレリトン塩)で、作用は弱いが鎮静作用・知覚末梢神経麻痺作用がある。胃痛・腹痛などの痛み止めに用いたこともあるが現在は用いていない。古代ギリシャはツバメが目の見えない雛に葉汁を与えて治したという伝説から、飲めば視力が回復するとされていた。
 アイヌは「オトンプイ(尻の穴)キナ(草)」と呼び、便秘・痔治療に肛門に挿入した。一般には全草を煎じ,湿疹などの患部を洗ったり塗布したりする。
◇民間療法
胃潰瘍   煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
胃痛     煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
黄疸    煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
かぜ    煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
肝臓病   煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
ジフテリア 煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
腹痛    煎剤として、1日に白屈菜2〜5gを用いる。
痔・便秘  白屈菜を肛門に差し込む。
イボ    茎葉汁を塗布。
インキンたむし 茎葉汁を塗布(効果大)。
魚の目   茎葉汁を塗布。
疥癬    茎葉汁を塗布(効果大)。
切り傷   茎葉汁を塗布。
湿疹    茎葉汁を塗布(効果大)。白屈菜50gを煎じ、煎じ液で患部を洗う。
胎毒    茎葉汁を塗布。
毒虫の刺傷 茎葉汁を塗布。
腫れ物   茎葉汁を塗布。
 
●薬(くすり)
 極論を言うならば、病気が治るまでの苦痛を取るもの。例えばインフルエンザの場合、体内のウイルスを不活性化する免疫物質が産生され健康体に戻るが、その間の不快症状(発熱・頭痛・下痢・鼻づまり・咳)を和らげるのが薬なのだ。
 抗生物質の場合、十分な免疫力(体力)が残っていれば薬効は著しいが、免疫力が極度に低下してしまえば抗生物質の薬効は期待できない。
 治病本体は患者の回復力であり、治療補助として薬を見るのが正しい。
 
●熊笹(くまざさ)
 日本で高山に群生するイネ科植物。葉の柔らかいものはクマエ笹と呼び、チマキ、餅、飴を包むのに用いられる。良質のものは葉は固く青いもの。縁が秋になると白くなるのは硬質の方である。庭先でもよく見られるが、高山で風雪に耐えたものは繊維が硬く、漢方薬として多糖体を抽出するのに適する。産地は秋田・長野・福島・山口・鳥取・屋久島など、屋久島の熊笹は極上である。
 クマザサエキスはクマザサの細胞膜を熱水で溶かした多糖体が主成分、多糖体の代表的なものとしては冬虫夏草の多糖体、カワラタケの多糖体、BCGの多糖体、丸山ワクチンの多糖体、アガリクスの多糖体、メシマコブの多糖体などである。
 
 クマザサエキスの作り方

 クマザサ100gに1,000ccの水を入れ、200ccになるまで煎じつめる。これにさらに湯水を加えて1,000ccとし再び200ccになるまで煎じつめる。
 これを五回繰り返すと茶褐色になる。始めのうちは茶褐色にならないが、回を重ねると、溶物の濃度が増して沸騰点が上昇するようになり、こ
れまで加水分解できなかった薬効成分が出てくる。このとき上下の滓を捨てて残った茶褐色上澄み液がクマザサエキスである。
 上の滓……低分子で余りきかない。
 下の滓……分解しきれないもの、または塩類で活性の反応がない。
 容器は土瓶・耐熱ガラス・琺瑯鍋で煎じる。
(注意) クマザサは乾燥したものを必ず用いる。生はアクが強く副作用が
でる場合もあるが乾燥したものは心配がない。消化器疾患の場合は食間、
空腹時に飲む。1回分は1匙で良いが、2回に分けて飲めばより効果があ
る。薄めて飲む・原液をカプセルに入れても良い。塗布して効果のある場
合もある。
 
 
●クマリン(coumarin)
   
クマリン骨格(ベンゾ−α−ピロン)をもつ化合物の総称でオルトクマル酸のラクトン化した構造を基本骨格とする一群の化合物をクマリンと総称する。クマリンの骨格はシキミ酸経路により合成。ほとんどのクマリンは7の位置に水酸基を持ち、他の位置にも水酸基・メトキシル基・アルキル基などと置換されたものが多い。イソプレノイドやその他複雑な側鎖を持つものや、フラン環(フロクマリン)やピラン環(ピラノクマリン)を持つものもある。簡単な形のクマリンは、ウムベリフェロン・エスクレチン・スコポレチンなどで、配糖体の形で多くの植物、特にキク科・セリ科・マメ科・イネ科の植物に含まれフィトンチッド・ファイトアレキシン効果を示し、特有の香が有り(桜餅のサクラ葉香)、香料として利用するほか、抗菌作用、抗溶血作用などの薬理作用を利用する。ネズミに対して毒性を応用し殺鼠剤としても使われる。クマリンは種子発芽の抑制作用などの「他感作用物質」でもある。 セイヨウエビラハギのクマリンは血液を薄める。
 セロリのクマリン「ベルガプテン」は日焼け止め作用がある。
 ヴィスナーガもクマリン「ケリン」は強力な平滑筋弛緩薬。
 
●クマリン植物
 クマリンまたはオルトクマル酸の配糖体を含む植物、トンカマメ・セイヨウエビラハギ・クルマバソウ・サクラ・ハルガヤなど。これらの植物体は、オルトクマル酸が香気のない配糖体(例えば、メリロトサイド)で存在するが、乾燥・磨砕などでグルコシダーゼと接触するか、あるいは酸の作用で加水分解と同時に閉環してクマリンを生成し、芳香を放つ様になる。
 
●クララ
 マメ科の多年草、マトリグサ、クサエンジュとも呼ばれる。和名由来は、根を噛むと目がくらむほど苦いことから眩草(くららぐさ)、眩草が詰まってクララと呼ばれるようになった。
 生薬では苦参(根を乾燥)、健胃・利尿・解熱・鎮痛薬として用いる。民間薬では、肌荒れを防ぎキメを整え、頭皮をすこやかに保ち、日焼け後の皮膚を整えるなどの作用がある。
 キノリチジンアルカロイド(quinolizidine alkaloid)を含み、クララなどのSophora属植物には、マトリン(matrine)、オキシマトリン(oxymatrine)、シチシン(cytisine)などが含まれていr。マトリンの薬理作用はあまりよく分かっていないようですが、大量投与によって随意運動の障害・脊髄反射亢進による痙攣などをもたらすことが知られています。マトリンには中枢作用のほかに、実験的ストレス潰瘍の発症を抑える作用もあることが報告されています。
クララは苦参(クジン)とも呼ばれる。
 
●クラーレ
 クラーレは幾種類あり、マチン科ストリクノス属(南アメリカ熱帯低地)の数種、ツヅラフジ科バリエラ・アブータ・テリトキシクムなどの諸属、クスノキ科ネクタンドラ属植物、これらからの黒褐色抽出物である。アマゾンやオリノコ川流域の原住民は瓢箪や竹筒・壷などに入れ保存し、狩りの際に矢の先に塗り使った。矢毒を血液中に注入すると胸部と腹部の筋肉が麻痺、呼吸不全を起こし死に至る。
 クラーレは数種のアルカロイドが含まれ、ツヅラフジ科はツボクラリン塩化物、クラーレノキ(ストリコス属)はC−トキシフェリン、マチン科はカラバッシュなどがそれぞれの主アルカロイドである。筋肉の痙攣を止めて弛緩させる薬効がある。幾種類のクラーレの中でも、炭素数40のトキシフェリンが特に強力である。
 動物の運動機能を喪失させる目的で矢毒に用いた。矢毒で狩った獲物の成分は殆ど吸収されなく、食べても安全である。傷を経由してのクラーレ中毒はカラバル豆(有毒豆)成分のエゼリンを投与、治癒させる。
 医薬として、ツボクラリンは構造式が決定され、「クラーレ剤」の名称で使われた。作用部位は神経筋接合部で、運動神経終末から遊離した伝達物質(アセチルコリン)の筋側レセプターへの作用を競合的に妨害。現在では、スキサメトニウム・デカメトニウムなどツボクラリンから発展させた合成化合物が使われ、外科領域で「筋肉弛緩剤」、全身麻酔の麻酔補助に使われている。
 
●グリコーゲン 
 動物の細胞に多く見られる多糖類、動物デンプンとも言われる。酸で加水分解するとD−グルコースを生ずる。12〜18グルコース単位ごとに分枝点をもつ多分枝網状構造、分子量100万〜1400万。生体内ではグルコースからグルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸を経て生成、貯蔵炭水化物となる。
 
●グリコサミノグリカン
 ウロン酸とアミノ糖の二糖単位の繰返し構造をもつ糖鎖。二糖当たり、0〜2個の硫酸基をもつ。繰返し構造の構成成分により区別される。たとえばコンドロイチン4-硫酸は、〔→4GlcA(2-O-SO3)β1→3GalNAc(4-O-SO3)β1→〕n のような構造をしている。
 
●グリコシド結合(glycosidic linkage)
 各種残糖基が結合する形をいう。グルコシド結合はグリコシド結合の一種である。
 
●クーリッジ効果
 1928年、30代米国大統領クーリッジ夫妻が農園を訪れた際、担当者は雄鶏が1日に何回も交尾すると夫人に話した。雄鶏の精力を聞かされた大統領は、その雄鶏が何時も同じ雌鳥と交尾するか質問すると、雄鶏は毎回別の雌鳥があてがわれると聞かされた。
 性的満足の♂は新しい♀と出会うと精力を回復する。ただしヤコブソン器官を削除した♂は精力を回復しない。♀猿の膣分泌物は排卵の直前、排卵サイクルを通じて多種脂肪酸物質の濃度が大きく変化し、強いフェロモン効果を示し、全ての♂はこの変化を感知・影響を受ける。逆に♂が♀の変化を引き起こす側面も持つ。トリガーとなるのは♂尿に含まれるフェロモンからであり、互いにフェロモンで影響し合う生理学名称をクーリッジ効果と呼ぶ。
 
●グリチルリチン酸(glycyrrhetic acid)
 
 グリチルリチン(glycyrrhizin)とも呼ぶ。甘草の根に含まれる主サポニン成分。C30のトリテルペノイドサポニンで、オレアナン型サポニン。甘草は消炎・解毒作用の生薬で、この薬効はグリチルリチン酸である。コルチゾール様の抗炎症作用、抗アレルギー作用、肝機能増強作用、解毒作用、アルドステロン様作用(穏やかな女性ホルモン作用)、副腎皮質ホルモン様調整作用、潰瘍発生の抑制、脱コレステロール作用、動脈硬化予防作用があり、エイズウイルス(エイズの発病予防薬)やガンに有効。現在は、醤油製造に大量に使われている。
 甘草に桔梗を配合すれば、喉の痛みに有効、芍薬を配合すれば身体のあらゆる痛みに有効である。多量摂取すると、ムーンフェイス症状、血行障害、心臓・腎臓・骨格筋に障害を生じる。
 
グルカン
 グルコース(ブドウ糖・左図)から構成されている(C6105)多糖類の総称。デンプン、グリコーゲン、セルロース、デキストラン、ラミナリン、リケナンなどを含む。  
 ブドウ糖の1(酸素から時計回りの隣の炭素位置)〜4炭素に水素と水酸基が存在し、他の分子と結合を作りやすい。ただし1の炭素は水素と水酸基の位置によりα型とβ型がある。5の炭素から伸びた6の炭素にも水産基が存在する。グルコースがα−グリコシド結合で繋がって出来たグルコースポリマー(glucose polymer:少糖・多糖)をα−グルカン、グルコースがβ−グリコシド結合して出来たグルコースポリマー(セルロース)はβ−グルカンである。
 抗ガン性が認められている不消化性多糖類で、茸に含まれる幾つかある抗ガン多糖体の一つ「β−グルカン」は、特に抗ガン性が顕著である。β−グルカンは特に干した茸に多く含まれる成分であり、抗ガンに限らず、免疫機能強化と、ヒスタミンの産生を抑制する作用がある。酵母に含まれる「イーストグルカン」にも同様の作用がある。
 担子菌類(サルノコシカケ科・シメジ科・ハラタケ科)に含まれる多糖類「β−Dグルカン」は、抗腫瘍活性が、しいたけ・ヒメマツタケ(アガリスク)・かわらたけ・すえひろたけ等から得られる多糖体シゾフィランに含まれる「β−1,3グルカン」は、経口投与による顕著な抗腫瘍活性が認められている。
 
α−1,4グルカン:デンプンや肝臓に含まれるグリコーゲン
α−1,6グルカン:デキストラン
β−1,3グルカン:海草や酵母の細胞壁「ラミナリン」
β−1,4グルカン:セルロース  「キノコの水抽出エキスの抗腫瘍性」へ移動
 
●クールー (kuru)
 1957年頃、パプア・ニューギニアの高地の原住民の間で、クールー(震えるという意味)とよばれる原因不明の脳神経が冒され、死に至る奇妙な病気が発生していることが報告され、症状がクロイッツフェルト・ヤコブ病(CJD)に似ていることが認められた。一方、イギリスで古くから(1730年)知られていたヒツジのスクレイピー(かゆみが激しいので擦りつけるという意味)とよばれる脳神経性の奇病がパプア・ニューギニアのクールーの症状と非常によく似ていることが報告。ミンクの感染性ミンク脳症(TME)や、狂牛病も同様の症状であることが判った。
 ニューギニアの山岳部落に住むフォア族で死者を弔うため人肉を食し蔓延した、発症して1年以内に死に至る病気。脳にクールー斑と呼ばれる特徴的な沈着物質が認められ、プリオン病疾患と同じように海綿状脳症である。食人儀式を止めてから、クールー病の発生が見られなくなった。
 
●グルコシド結合
 糖の炭素原子に付いているOH基は、他の糖のOH基と手を繋ぐことが出来る。例えばグルコースの1位のOHと、他のグルコースの4位のOHが繋がる(-O-:グルコース間で1分子のH2Oになる)と、グルコシル-α-1,4-グルコース(マルトース:麦芽糖)が出来る。これを1,4グルコシド結合という。
 
●グルコース(ブドウ糖)

 
 C6126 分子量180。DおよびL形の光学異性体があり、D形のみが天然に存在する。D−グルコースを単にグルコースという。
  グルコースは医薬として、栄養的強心・血圧増進・肝臓グリコーゲンの蓄積や利尿・解毒・抗毒作用が認められ、現代医学で用いられている。
 
●グルコン酸
 ミツバチが採取した蜜を一度蜜胃に収めるが、この時酵素「グルコシターゼ」で果糖とグルコースに分解する。このグルコースにさらに酵素「グルコースオキシターゼ」が加わって、グルコン酸が出来る。
 グルコン酸はpHを変化させ、抗菌力を高める働きがあるので、ハチミツには強力な殺菌力がある有機酸の働きがある。
 グルコン酸は大腸のビフィズス菌の餌となり、菌を増加する機能を持っている。便秘状態のヒトにグルコン酸を摂取させると、腸内細菌に占めるビフィズス菌の割合が確実に増え、腸の調子を整えて便秘を解消する効果がある。
 
●黒酢(児島県福山町の黒酢)
  蒸し米………………8kg、
  麹(黒コウジ)………3kg、
  湧き水………………30?
 3〜4月に上記材料を壺に入れ、陶製蓋をして1年熟成する。
◇黒酢の効用
 血行促進、冷え症の改善・利尿作用が高まる・肝機能をアップ・血液をサラサラにする。
 
●黒焼き方法
 酸素供給なしに加熱・炭化させた物を黒焼きと称する。
 地中に埋めた釜に炭火を入れ、焙烙を載せ、廻りをもみ殻で埋め蓋をして放置する。炭の燃焼後、放熱させ取り出す。(焙烙:素焼きの碗2個の中に乾燥した材料を入れ、口と口とを合わせ粘土で目張りする)
 赤トンボの黒焼は、咳止めと解熟剤になる。赤トンボのアミノ酸が熱で閉環反応をおこし、ビリン環を造り、アミノピリン状の物質を造ることが証明され、その薬効を裏付けている。
 
●クロロゲン酸
 コーヒー、プルーン、じゃがいも、春菊などに多く含まれるポリフェノールである。クロロゲン酸には発ガン物質の生成を阻止する働きがあり、ガンの予防に効果がある。
 
●クローン除去
 胸腺内で、自己反応性細胞の除去。
 
●クローン選択
 胸腺内で、それぞれのクローンが保有する抗原レセプターの特異性に基づいてリンパ球が生存するか死へ向かうかの運命が決められる機構。  
 
●クローン動物
 交配による受精をせず、母親の遺伝子のみで誕生させる。イギリスのイアン・ウィルムット博士の「ドリー」は、難病治療に使われる稀少タンパク質を得るため作られた。羊の受精卵にヒトなどの遺伝子を組み込み誕生させることで、稀少タンパク質生産が可能となるが、子孫を増やすのは難しい。受精による増殖は他の羊遺伝子が混ざり合い、子孫に稀少タンパク質を作る能力が引き継がれるか不明だからである。クローン羊なら100%引き継ぐ。
 クローン羊「ポリー」は、羊胎児細胞の核を未受精卵に移植しつつヒトの遺伝子を組み込み誕生させた羊。ポリーの細胞全てがヒト遺伝子を持つ羊なのである。ポリーに組み込まれた遺伝子は血液凝固因子を持つタンパク質を得るもの、乳に溶けており、これから抽出し血友病の治療用医薬品に用いる。
 これらは薬品製造の製造工場にしようとする考えから、動物工場と呼ぶ。
 
●クワス
 古代ビールの伝統を受け継いだロシアの家庭飲料。
 
A レーズン(干しぶどう)……100g
  砂糖 …………………………50g
  レモン汁 …………………半個分
水…………………………1,000cc
B 黒パン(こんがり焼く)……200g
C タカジアスターゼ錠 ………4錠
ドライ・イースト ……小匙半分
 
 Aを沸騰させた後、火から下ろしBを細かく千切って加え、広口瓶に入れる。60℃まで下がったところで、新タカジアスターゼ(三共)を加え、攪拌しながら25℃まで冷まし、ドライ・イーストを加え、軽く蓋をしておく。数日後ほんのり甘味が残っているあたりでザルで簡単に漉して出来上がり。冷やすと旨い。 活性度の高い酵母の生命力を呑む「健康飲料」である。
 
【け】 
 
●経口補水塩(Oral Rehydration Salt:ORS)
 脱水症状を起こした時にユニセフの活動で使うのは、水1,000ccに砂糖小匙4杯、塩小匙半分を入れ、混ぜ合わせた溶液を飲ませる。だいたいこの割合が最も吸収がよいと言われる。インスタント「スポーツドリンク」である。
 
●経口補水療法(Oral Rehydration Therapy:ORT)
 乳幼児(2歳未満)は腎臓で尿を濃縮しにくいため脱水症になり易く、予防・治療に経口補水塩(ORS)を補給させる。
 WHO(世界保健機関)は点滴を行えない開発国で、コレラなどの下痢による脱水症のために経口補水塩(ORS)を用いるよう指導している。先進国でも小児の急性胃腸炎に経口補液が推奨されている。
 
●ケタミン(塩酸ケタミン)
 C13H16ClNO・HC? ((RS)-2-(2-クロロフェニル)-2-メチルアミノシクロヘキサノン塩酸塩)
 フェンサイクリジン系麻酔薬(大脳皮質を抑制、大脳辺縁系に選択的作用を示す)で静注用・筋注用として販売されている。大脳皮質などを抑制し大脳辺縁系に選択的作用を示す。内臓よりも浅層における麻酔効果が高く、麻酔から覚醒した後も鎮痛作用は持続する、代謝による半減期は約3時間。
 ドラッグでは「(ビタミン)K」と呼ばれ、コカイン同様鼻から吸飲する白い粉、ベッドで横になり服用すると、1時間ほどで幽体離脱的なトリップ(肉体からの離脱感)、幻覚剤と言うよりは臨死体験剤と言える。1パケが1万円前後で街頭で売られてるが、2005年12月13日、厚生労働省が麻薬指定にした。
 獣医師でケタミンは常備薬(安全で副作用がない)になっており、麻薬及び向精神薬取締法により製造が中止される可能性が高い。
 
●血液
 抗凝固剤を入れた血液を放置すると、二層に分かれる。上には全量の約55%の血漿(液体成分)、下が約45%の血球(細胞成分)である。
 血漿の約90%は水、約8%はアルブミン・フィブリノーゲン(血液凝固成分)・免疫グロブリンなどのタンパク質、約1%は脂質、約0.1%が糖質である。 血球は赤血球(450〜500万個/cmm)・白血球(5000〜8000個/cmm)・血小板(12〜38万個/cmm)からなっており、白血球はさらに顆粒級・単球・リンパ球に分けられる。
 血球は造血器である骨髄の幹細胞が分裂・増殖、分化・成熟し血液中に入り込む。幹細胞は分化・成熟過程で「骨髄性幹細胞」と「リンパ性幹細胞に分かれ、骨髄性幹細胞から血小板・赤血球・単球(マクロファージ)・顆粒級が、リンパ性幹細胞からはB・T細胞などのリンパ球が作られる。
 
●血液型
 「ABO式」は、細胞膜糖鎖により決まる。細胞膜にあるセラミド(スフィンゴ脂質)から伸びている糖鎖であるが、基本としてH抗原糖鎖(O型)があり、A型(凝集原A・凝集素β)はH抗原の糖鎖の先端にN−アセチルガラクトサミン糖が付いた物で、B型(凝集原B・凝集素α)はH抗原の糖鎖の先端にガラクトースが付いた物である。
 
●血虚
 基本的な症状は、顔色が悪く・疲労感があり・息切れ・動悸・不眠などを訴え、皮膚が乾燥して脈は細いなどが特徴である。
 漢方では血虚に補血薬(当帰、地黄、枸杞子、竜眼肉など)を用いる。血虚は貧血だけでなく心・肝の失調によっても起きる。補血薬の作用は全身の機能を改善することで血虚の症状を軽減し、消失させる。
 
●毛生薬(けはえぐすり)
 毛根を刺激し、毛髪の発生を促す薬、ヘアトニックと呼ぶ。カンタリス・女性ホルモン・ヒノキチオール・レゾルシン・サリチル酸・カンフル・メントールのアルコール混液を用いる。毛根がない禿の毛生薬は見あたらない。
 
●ケラ
 直翅目ケラ科。
 翅を取り去って炒り、イナゴのように食す。和漢三才図会は、小鳥の病気を治すとある。本草綱目啓蒙は、利尿・水腫・腎臓や膀胱の結石に効果がある。
 
●ケール
  別名:羽衣甘藍
 アブラナ科アブラナ属、結球しないキャベツで原種に近いもの。原産地はヨーロッパ西部・南部、秋蒔き1・2年草(6〜9月種蒔き、生育全期間に肥料を効かせる)。緑黄色野菜(トマト・ピーマン・ほうれん草)と比べビタミンB群・カリウム・ビタミン・ミネラルなどが高い。
 葉牡丹はケールを観賞用に改良(江戸時代に渡来)したもの。
 
●ゲルストマン シュトイスラ シャインカー病(GSS病)
 Gerstman-Straussler-Shienker症候群
 プリオン病の一種。運動失調から発症し、その後認識衰退を起こす。若年者に好発する。プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病)より経過が長い。
 
●ゲルセミウム・エレガンス(Gelsemium elegans BENTH.)
  別名:冶葛(ヤカツ)・胡蔓藤(コマントウ)・鉤吻(コウフン)・シュア・ノーツア(タイ少数民族:食べれば死ぬからの呼称)・野葛・秦鉤吻・毒根・黄野葛・除辛(ジョシン)・吻莽(フンモウ)・断腸草・黄藤・爛腸草・朝陽草・大茶薬・虎狼草・黄花苦晩藤・黄猛菜・大茶藤・大炮葉・苦晩公・荷班薬・発冷藤・大茶葉・藤黄・大鶏苦蔓(ダイケイクマン)・羊帯帰(ヨウタイキ)
 マチン科ゲルセミウム属、つる性常緑低木の全草。枝は光沢を帯び滑らか、日当たりのよい山の斜面・道端の草むら・低木の茂みに生える。分布は浙江・福建・広東・広西・貴州・雲南。胡蔓藤の根が冶葛と呼ばれ、正倉院に保存されている。ゲルセミン(Gelsemine)、ゲルセミシン(Gelsemicine)、ゲルセジン(Gelsedine)、コウミン(koumine)、ゲルセベリン(Gelseverine)、フマンテニリンなどのアルカロイドが含まれ、ゲルセミンの致死量は0.05mg/1kg。生の葉は噛むと耐え難いほど苦いが、乾燥したものを粉末にしてアルコールで飲めば、味わう間もなく死亡する。葉を3枚噛めば自殺できる史上最強の毒草である。根と葉(特に若葉)の毒性が最も大きい。
正倉院に存在していたが、政敵を暗殺するのに使われ、記録を調べると、政権保持者の死亡と合致することが多く、昔の日本では暗殺薬として権力者だけが知り得た草である。眩暈・嘔吐・呼吸麻痺を呈する。
 根と根皮を生薬「鉤吻」と称し薬用に用いる。根は周年採取後洗浄して天日乾燥。リウマチ痛み・湿疹・でき物・打ち身などに外用される。
 民間薬として、胡蔓藤煎汁を解熱に、妊娠時の腰痛に温めた葉を1日2回、3〜4日間継続して貼付する。
 
●ケルセチン(quercetin:クエルセチンとも呼ぶ)
  ケルセチンは抗酸化・抗腫瘍作用を持つ配糖体ポリ フェノールとして自然界に多く存在、にんにく・タマ ネギ・ほうれん草・ブロッコリー・春菊に多く含まれ る。ケルセチンはアルコール溶液の中で粘膜によく取り込まれ、アルコールと一緒に摂取するとより多く吸収、ガンを抑制する。大腸ガン予防にケルセチン効果は大きく作用する。
 ケルセチンは体内で脂肪と結合し、脂肪の吸収を抑制する働きがあり、油料理に活用すると中性脂肪が抑えられ、同時に抗血小板凝集作用もあり、心筋梗塞・脳梗塞の予防に重要。
 

●幻覚性アルカロイド
◇イボカイン
 幻覚植物イボガ(アフリカのコンゴが原産地)に含まれる主成分。幻覚植物中イボガが最も強力。アフリカの部族で、成人の儀式に使われるシャーマニズムの重要で貴重な触媒。ヨーロッパでは、マジックマッシュルームとの相性が良いと評判の逸品。       
◇LSD−25(リゼルグ酸ジエチルアミド)
 バッカクアルカロイド。
◇エルギン(リゼルグ酸ジメチルアミド)
 Ipomoea vialaceaの種子から分離。
◇インドール化合物
 南米の原住民が催幻覚飲料としている
 N.N-ジメチルトリプタミン(DMT)
 ブホテニン(5−ヒドロキシ−DMT)
 5−メトキシ−DMT
◇ハルミン 
 ハマビシ科ハルマラの種に含まれる毒。MAO(モノアミンオキシダーゼ)を阻害する作用があり、アドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質や一部の幻覚剤の代謝を妨害して、体内に蓄積させ作用を強める。
◇ブルボカプニン
 ケシ科Bulbocapnos cavusから分離。150〜200mgの静注で幻覚を引き起こす。◇メスカリン
 5mg/kgで幻覚を生じ、精神的異常は10時間続く。
 
●幻覚薬(げんかくやく)
 精神展開薬。服用すると幻覚を引き起こす薬で、アトロピン・LSD・マリファナ・ハシーシュ・メスカリンなど。歴史的に古くから有り、ペヨーテ・ベニテングダケなどを服用して宗教・病気治療診断に用いていた。
 
●ゲンチオピクリン(ゲンチアナ)
 生薬。ヨーロッパ中南部高地に自生するリンドウ科の植物ゲンチアナ・ルテアの根および根茎を乾燥したもの。主成分は苦味配糖体ゲンチオピクリンで、味覚を通じて反射的に胃液の分泌を促す(消化液の分泌を促進して胃機能を亢進させる苦味健胃薬)、食欲増進、消化促進に有効。
 他にグラム(デンマークのグラムが1884年開発)染色という、細菌の染色法がある。この結染色法は、細菌はグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられるが、細菌をスライドグラスに塗り、ゲンチアナ紫で1〜2分間染色、ルゴール液を約1分間作用させ、95%アルコールで脱色後、水洗し、対比染色をした後、グラム陽性菌=暗紫色、陰性菌=後染色液色に染まる。
 
●ゲンノショウコ
 フウロウソウ科ゲンノショウコ。日本の代表的民間薬。
 下痢止めの妙薬で、煎じて飲むと良く効くので「現の証拠」と呼ばれます。下痢には温かい煎液を、便秘には冷ました煎液を服用する。 
 
【こ】 
 
●抗ガン剤
 ガン細胞に直接作用して傷害を与えるもの、ガン抗原に対する宿主の免疫応答を高めるもの(免疫ぶ活剤)の二種ある。
 前者は、1942年にイペリット(びらん性毒ガス)の細胞毒性からナイトロジェンマスタードを発見したことが最初である。
 細 胞 毒    アルキル化剤 ナイトロジェンマスタードから発展
 代謝拮抗剤    ガン細胞生合成の阻害 
 抗ガン性抗生物質 ザルコマイシンから発展
 DNAキレート剤 シスプラチン(白金化合物)
 アルカロイド   ビンプラスチン、ビンクリスチン
 ホルモン剤・抗ホルモン剤
 酵素(ガン細胞栄養欠乏促進剤) L−アスパラギナーゼ
 
 後者は生物学的応答調節物質(BRM)と呼ばれ、
  細菌性剤 BCG
  植物性剤 クレスチン(カワラタケ抽出物)
       レンチナン(シイタケの多糖類)
  低分子化合物 レバミゾール・ベスタチン
  ガン細胞にはインターフェロン・インターロイキン−2・モノクローナル抗体・TNF(腫瘍壊死因子)が、男性特有の前立腺ガンには、女性ホルモンのホスフェストロール・クロルマジノンが、抗男性ホルモン剤(抗アンドロゲン剤)として、フルタミド・ニルタミドが使われている。
  女性特有の乳ガンには、男性ホルモンのテストステロンが用いられ、現在は男性ホルモンの副作用を低減したエピチオスタノール・メピチオスタンが使われ、最も多く使用されているのは女性ホルモン拮抗剤(エストロゲン拮抗剤)のタモキシフェンである。
 
●抗ガン剤の治療目標
治 癒:白血病、ホジキン病、絨毛ガン、睾丸腫瘍、非ホジキンリンパ腫(びまん性)、多くの小児ガン、骨肉腫
延命と一部症例で治癒:悪性リンパ腫(濾胞性)、肺ガン(小細胞性)、卵巣ガン、軟部肉腫
延命と症状緩和:乳ガン、胃ガン
数カ月の延命・症状緩和:肺ガン(非小細胞ガン)、結腸ガン、膵ガン
放射線の併用、延命・症状緩和:肺ガン(局所進行非小細胞ガン)、食道ガン、頭頚部ガン
手術の併用、再発率の低下:乳ガン、結腸ガン、卵巣ガン
腫瘍縮小効果のみ:頭頚部ガン、子宮体・頚部ガン
腫瘍縮小効果も不期待:肝細胞ガン、胆嚢・胆管ガン、腎ガン、甲状腺ガン
 
●抗ガン剤と抗ウイルス剤
 抗ガン剤「フルオロウラシル誘導体」と抗ウイルス剤「ソリブジン」の併用は、抗ウイルス剤が当抗ガン剤の代謝酵素の阻害作用を持っていたため、当抗ガン剤の血中濃度が高くなり、血液障害が強く表れ、死に至る。
 
●抗菌性タンパク質
 マクロファージや腸の上皮細胞から多種の抗菌性タンパク質が分離されている。細菌感染初期における生体防御の液状反応に大きな役割を果たしている。ディフェンシン(defensin)はマクロファージから発見された34〜51のアミノ酸残基を持つペプチドで、システインをもち、3個のジスルフィド結合で折り畳まれているのが特徴である。
 
●抗菌性タンパク質A
 昆虫由来の抗菌性タンパク質は100種以上が発見されている。昆虫の体内に細菌が侵入したり、体表面が傷害を受けると脂肪体と血球で必要最小限が合成され、細菌類が排除されると速やかに合成は停止する。
 抗菌性タンパク質は
@セクロピンタイプ:グラム陽性・陰性細菌の両方に殺菌効果を持つが、グラム陰性細菌に対する活性が強い。(イオンチャンネルの形成によって、細菌の細胞質膜に孔をあけ、膜機能を喪失させ、細菌内のATP含量が数分内にほとんどゼロのレベルになる)
Aディフェンシンタイプ:昆虫由来の物はジスルフィド結合箇所が脊椎動物と異なっている。グラム陽性細菌(カルジオリピンを多く含む)に殺菌効果を持つ。セイヨウミツバチでは51アミノ酸残基を持つ「ロイヤリシン」を分離。細菌の細胞質膜を構成するリン脂質(カルジオリピン)と強く結合し、イオンチャンネルを形成し細胞質のカリウムの流失、ATP減少、呼吸阻害、内膜の部分的減極を引き起こす。
Bアタシンタイプ:分子量2万前後のタンパク質で、グリシン含有量が高くシステインを含まない。増殖期のグラム陰性菌に比較的に弱く作用する。
C高グリシン含有抗菌性タンパク質タイプ:アリシン以外の高グリシン含有抗菌性タンパク質で、分子量1万前後、グラム陰性細菌に作用する。セイヨウミツバチ成虫ではアミノ酸残基93のヒメノプタエシンが分離されている。
D高プロリン含有抗菌性タンパク質タイプ:分子量4000弱のペプチドで、プロリン残基に富むことと、糖鎖を持っていることが特徴である。セイヨウミツバチではアミノ酸残基18のアピダエシンT・U、アバエシンが分離されている。
 
●抗原提示細胞(antigen-presenting cell, APC)
 抗原を細胞内に取り込み、処理してT細胞を活性化させる機能を持つ細胞群、血液中の白血球や単球、組織内のマクロファージ、樹状細胞などが含まれる。抗原を取り込んだ後、アミノ酸数10程度の抗原ペプチドに分解し、T細胞が認識できるような形で自己MHCとの複合体として細胞の表面に発現して提示する。
 
●広西虫草

 マレーシア華僑が食していた冬虫夏草。中国では米粉細工の冬虫夏草(偽物)があり、日本のデパートで販売されているそうだ。右の写真、左2つが水分を与え脹らませた物。菌糸体部はβ−グルカンの塊であり、茸部(子実体)など無用と考えている冬虫夏草である。
 
●抗酸化物質
 活性酸素を抑制する物質「抗酸化物質=スカベンジャー」である。
 詳しくは、スカベンジャーの項を見よ。
 
●好酸球、好塩基球
 細胞膜が刺激を受けると、細胞質内の顆粒から化学物質を細胞内へと分泌し、血管壁に変化を引き起こす。
 好酸球は白血球の4%程度含まれ、MBP(Major Basic Protein)というタンパク質を分泌し多細胞寄生虫の体表面に付着、虫体に傷害を与える生体防御の役目を果たしている。
 好塩気球(またはマスト細胞)は、ヒスタミンやセロトニンを分泌、血管壁の透過性を高め、気管支や血管にある平滑筋の持続的な収縮を起こし、喘息の症状の背景になる。生体防御として、異物が侵入した場合、生体防御に働く高分子のタンパク質や細胞が血管外に出て、異物の周囲に集合し易くなる。ガン細胞やウイルス感染細胞に結合して、直接的な傷害作用を示すものが「NK細胞」である。
 
●抗腫瘍抗生物質
 ガン細胞は病原菌より発生するものでなく、正常細胞がガン化した細胞で、ガン細胞だけを殺す抗生物質は発見されていない。
 動物腫瘍を用い制ガン抗生物質において日本は最先端である。臨床的に用いられている抗生物質は、カルチノフィリン、クロモマイシンA3、マイトマイシン、カルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、アクラルビシン(アクラシノン)、アクチノマイシンD、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ドキソルビシン(アドリアシン)、メイタンシン(アンサマイトシン)など。一般に胃ガン・肺ガンなどの内蔵ガンは制ガン剤が効きにくいが、ドキソルビシンは各種内蔵ガンに効果がある。( )内は商品名
 抗腫瘍性抗生物質は、細胞分裂の盛んな正常組織にも作用するので、宿命的に白血球減少・免疫力低下・胃腸障害・脱毛など副作用を伴う。ブレオマイシンは骨髄にはあまり分布せず骨髄障害は低いが、肺繊維症を起こすときがあるので、肺毒性の低いペプロマイシンが開発された。ドキソルビシンなどのアントラサイクリン系抗生物質は心臓毒性が強く、最近、心臓毒性の低いアクラルビシンが開発された。
 
●向精神薬(こうせいしんやく)
 ヒトの意識・行動を変化させる全ての物質。下記の3群に大別される。
@精神刺激薬・興奮薬(アンフェタミン型)
A精神蘇生薬・鎮静薬(アヘン型)
B精神変容薬・幻覚薬(LSD型)
 
●抗生物質(こうせいぶっしつ)
 1941年、アメリカのラトガス大学教授S.A.ワクスマンが、微生物によって作られ、他微生物の発育を阻止する物質を「antibiotic」と呼ぶ提唱をした。日本で「antibiotic=抗生物質」と訳した。
 1929年ペニシリンの発見・38年から41年にかけてペニシリンの再発見後、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンなど抗菌力を持つ抗生物質が見つかり、結核、赤痢、腸チフスなどの伝染病の治癒に貢献した。これらは抗菌性抗生物質の分野であるが、現在は制ガン(抗腫瘍)抗生物質・抗ウイルス抗生物質の使用頻度が高まり、微生物が作る、微生物その他の細胞の発育・機能を阻止する物質を抗生物質と呼ぶ。
 治療で抗生物質を用いると、菌交代症(善玉菌が姿を消し、ブドウ球菌やカビが活動し始める)を起こし、発熱など様々な症状を引き起こす。この副作用は抗生物質とビフィズス菌製剤を一緒に服用すると軽減される。
 
●酵素
 「生体触媒」と呼ばれる。酵素は遺伝子情報により、動植物の体内で作り出され、生命活動のため分解・合成・酸化・還元などの反応の触媒となっている。
 
●抗体
 抗体には、抗原を捕獲する2つの手があり一方の手に一つの抗原を、他の手にもう一つの抗原を捕まえる。捕まった抗原は、他の抗体にも捕まえられることが多いから「橋渡し(架橋)」する事になり、抗原つまり血球の集団=固まりが出来てしまう、凝固である。
 抗体(凝集素)が抗原を掴む手は、凝集素αという手はAという抗原(凝集原)しかつかめない。抗原Bを捕獲することは決して無く、「特異性」が極めて高いのである。(血液型)
 
●好中球
 白血球の50〜70%を占め、貪食能と運動能を持っている。骨髄で産生され、成熟した機能レベルで供給され、血管内を循環する、パトロール型で寿命は1日以内である。増殖の早い細菌(多糖の粘液層を持つ多重防護の緑膿菌)類を専門に包み込み、酵素で殻を溶かし消化するのが役割で、細胞あたりの殺菌力はマクロファージより強力である。抗ガン剤で免疫力が弱っている場合、緑膿菌を消化できず敗血症になる。
 
●紅茶きのこ
 昭和48年11月、NHKラジオ「趣味の手帳」で紹介され日本中に大流行した。
 紅茶に砂糖少しを加え、冷ましてから紅茶キノコの種菌(ロシア・バイカル湖畔の農村で作られていた)を入れる。液中にキノコ状の物体が成長したら紅茶の方を飲み、砂糖入り紅茶を補充すれば飲み続けることができる。
 キノコ状物体は酵母・乳酸菌・酢酸菌などの混ざった菌叢であり、酵母が砂糖をアルコールと炭酸ガスに変え、酢酸菌がアルコールを酢酸に変える。乳酸菌は砂糖から乳酸を作り、これらが入り混ざり「酸っぱい飲み物」となる。
 
◇紅茶キノコ

 熱湯1gに紅茶5gを入れ、2分間煮沸後、茶こしで濾過。
 これに砂糖70gを入れ、砂糖の溶解と滅菌のため軽く煮沸。
 冷水を満たした容器に浸し30℃ぐらいまで冷やす。
 イースト・食酢・ヨーグルトを茶匙各1杯を加え、静置する。
 全量を飲まず1割程度残し、砂糖入り紅茶液を補充する。
 2度目以降、菌・酢は入れない。
 
 砂糖が多いとアルコールを酢酸に変える働きが遅れ、紅茶キノコ酒となる。長時間放置すると、紅茶キノコ酢となる。市販の酢より健康的な酢である。
 
●高度不飽和脂肪酸
 二重結合を4個以上有する多(価)不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acids, PUFA)であり、特異な生理活性を有する。
AA (アラキドン酸:リノール酸系列)、
EPA(エイコサペンタエン酸:α−リノレン酸系列)、
DHA(ドコサヘキサエン酸:α−リノレン酸系列)類である。
炭素鎖長   C1:メタン (飽和炭化水素・構造異性体=0)
 C2:エタン (飽和炭化水素・構造異性体=0)
 C3:プロパン(飽和炭化水素・構造異性体=0)
 C4:ブタン (飽和炭化水素・構造異性体=2)
 C5:ペンタン(飽和炭化水素・構造異性体=3)
 C6:ヘキサン(飽和炭化水素・構造異性体=5)
 C7:ヘプタン(飽和炭化水素・構造異性体=9)
 C8:オクタン(飽和炭化水素・構造異性体=18)
 C9:ノナン (飽和炭化水素・構造異性体=35)
 C10:デカン (飽和炭化水素・構造異性体=75)
   〜 
       C16:ヘキサデカ  
       C18:オクタデカ
       C20:エイコサ   
       C22:ドコサ
二重結合数  2:ジエン酸    
       3:トリエン酸
       4:テトラエン酸  
       5:ペンタエン酸
       6:ヘキサエン酸
 
●酵母(イースト)
 真菌類(真核生物)に属し、糖質を分解・発酵を行う微生物。ビール酵母はパン酵母と同じサッカロミセス属、下面醗酵に用いられているのは「サッカロミセス・カールスベルギンシス」酵母。周りに酸素があると呼吸を行い、母細胞から娘細胞が芽を出し分離増殖(出芽と呼ぶ)する。好適条件下では2時間に1度ぐらいで娘細胞が分かれ、表面から吸収した糖をエネルギーとして1個体の酵母が24時間後に4000個、48時間後に1600万個に増殖する。ドライ・イーストは酵母(微生物)の生命力を損なわず乾燥させた物で、栄養・温度・水を与えると目覚め、盛んに増殖・発酵を始め、糖をアルコールと炭酸ガスに変化させる。
 酸素が不足すると増殖を止め発酵を行う。時間が経過すると発酵物と酵母に分かれ、酵母部分は栄養の塊である。
 酸性度の高い(他の菌は繁殖不可)液体中で増殖・発酵が可能であるが、45〜50℃以上で死滅する。一般的酵母の増殖・醗酵の理想的適温は21〜24℃、適温は18〜26℃。10℃以下では冬眠状態となる。
 
◇交配育種
 酵母の一倍体は、a型・α型があり、接合(メイティング)すると両方の性質を持つ二倍体となる。醸造酵母は一般的に二倍体以上の倍数体が使われている。
ビール酵母+キラー酵母(他酵母を死なせるタンパク質を分泌)、ビール酵母+デキストリン(デンプンが麦芽糖になる過程で生ずる中間物質)醗酵性酵母、等がある。
 
◇酵母栄養剤@
   燐酸アンモニウム……200g
   酸性燐酸石灰………… 50g
   塩化カリウム………… 30g
   硫酸苦土……………… 20g
 混ぜ合わせ作成し、発酵液1リットル当たり2.5g(小匙半分)とビタミンB1を1mg混合した物を使用する。
 
◇酵母栄養剤A
   小麦胚芽(又は米ぬか)……50g
   沸騰水……………………500cc
 100ccまで煮詰め、濾過した溶液を作成。上記濾過溶液量を含んだ発酵液量1リットルに混合する。
 
◇酵母菌活性
A 砂糖…………………20g
  熱湯 ………………500cc
B レモン汁…………半個分
 A液を25℃まで放冷、Bと酵母(イースト)を混入、蓋をする。室温20℃ぐらいの場所で5〜9時間放置、時々攪拌する。
 表面に泡が立ってくれば発酵が開始され、酵母菌が活性化した証拠である。
   
◇酵母菌採取
 酸性度が高く栄養(糖)豊富な液体中に、酵母が着生している物体(花・果実・茎葉・土・酒粕など)を加え、増殖を試みる。
 
◇酵母増殖液
蜂蜜 ……………………300g
レモン汁………………2個分
紅茶ティーバッグ………4袋(400ccの熱湯抽出後、数分煮出す)
酵母栄養剤 ……………2.5g
熱湯を加え ……全量1,000cc  
 牛乳瓶などに分注し、コップ蓋をして蒸し器で30分程度殺菌処置を行う。冷ました後酵母が着生している物体をそっと沈め、大匙1杯の薬局方アルコールを液面に浮かべる様に流し込み、蓋をして25℃程度(酵母の繁殖適温)を保つ。
 数日から1週間で液が濁り、泡立ちが始まったら酵母が存在した状態である。発酵の勢いが良い・香気が良い・発酵後に沈殿性が良い、試料が見つけ出されたら、沈殿物(酵母の菌体)を取りだし、同じ事を繰り返した後、沈殿物を小瓶に取り密閉して冷蔵庫に貯える。個人に醸造酵母を販売しない日本で、醸造酵母を入手する方法。
 
●酵母菌増殖法 
@種菌の培養 自然界のイーストを選択、このイーストを種菌に用い、試験 官やフラスコ内で培養、培養タンクへ移し増殖させる。
A原料調製 原料は砂糖きびの糖蜜。加熱殺菌処理し、増殖に適した濃度に調 製し培養液を作る。イーストを培養するための栄養分である。
B本培養 本培養は大型タンクで行い、タンク内をイーストの活動に適した温 度・pHの環境に整え・多量の酸素と培養液を送り込み続けると、種菌は10数 時間で10倍以上にも増殖。
C遠心分離 増殖したイーストを遠心分離機にかけ、取り出したイーストを何 度も水洗いして不純物を取り除き、クリーム状のイーストにする。
D脱水 クリーム状のイーストを脱水機に入れて水分を取り除き、ケーキ状の イーストにする。
E出荷 イーストを冷蔵庫で5℃以下に冷やし出荷する。 
 
●合法ドラッグ
 東京都衛生局情報 (http://www.h6.dion.ne.jp/~ogawa46/5-37.htm) 抜粋
 多幸感・快感等を高めると称して販売されている商品に対し、最近使われだした呼称である。「合法」と言われるのは、麻薬、覚醒剤等のように法律で所持や使用を禁止していないためである。
◇合法ドラッグの成分 
ムイラプアマ:アマゾンに生育するハーブ。催淫、興奮の効力。
ヨヒンベ:飲み過ぎると体に害があります。しかし効き目はものすごい。アル コールとの服用は駄目。興奮、催淫、精力、幻覚の効果。他のドラッグとの 併用不可。
ギンゴ:2億年前から存在する植物。少量ずつ飲み続けると勃起力アップ。脳 の血流をよくする効果。漢方薬にも使われている強壮剤。インポテンツに効 果あり。
 
●コウモリガ
  別名:クサギノムシ・クサギノシンクイ・トウナムシ
 幼虫はクサギ・キリ・ホップなどの茎幹に食い入る。頭部は淡褐色でその他は淡黄白色、大きい幼虫は6cm位、日本全国に分布。
◇強壮剤
 幼虫を焙って醤油の付け焼きにして食す、美味。
 小児(虚弱児)に特効がある。
 
●コカイン(cocaine)
  別名:コーク、スノー、ホワイト、フレイク、ビッグC
     クラック………塩酸コカインから塩酸を抜いたもの
     フリーベース…塩酸コカインをアルカリで遊離させたコカイン塩基
 
 コカノキ科コカ属の葉に0.5〜1%含まれ、抽出されるトロパン系アルカロイド。標高1500〜4000mの温暖多湿な谷が適地、葉の収穫は年3〜4回行える。塩酸コカインは白色の結晶または粉末で、味は苦く舌を麻痺させる。
 南アメリカの原住民はコカ葉を疲労回復・精神高揚に用いる他、傷に塗布すると痛みを軽減させるなどに利用。戦中戦後は局所麻酔剤として1〜10%溶液が粘膜の麻酔に適するので、眼科・耳鼻科で用いられた。現在は覚醒剤と同様性欲を昂進させる効果から、セックス・ドラッグとして用いられる。
 薬理作用は、@中枢神経興奮作用により陶酔感の出現。A交感神経の伝達物質ノルエオイネフリン(ノルアドレナリン)、その誘導体エピネフリン(アドレナリン)の作用を増強。交感神経末端から放出されたノルエピネフリンは神経末端などに取り込まれ、一種の不活性化を受けるが、コカインはこの取り込みを抑え、ノルエピネフリンの作用を増強する。コカイン使用時は他の合成局所麻酔剤と異なり、エピネフリンの併用は避ける。Bノルエオイネフリン作用増強の結果、心臓促進・血管収縮を起こすが、大量摂取は心臓抑制・血管拡張が起こり、血圧が低下する。末梢神経麻痺・局所麻酔剤として用いる。
 中毒量=0.1g、致死量=1.0g。急性中毒は眩暈・顔面蒼・散瞳、重症では精神錯乱・酩酊・振戦・悪心・幻覚・幻聴が起こり、てんかん性痙攣から中枢性呼吸抑制を経過し死亡する。急性中毒は2時間経過すると助かることが多い。処置は胃洗浄を行うが、モルヒネや呼吸興奮剤は痙攣を助長するので投与することは避ける。慢性中毒は食欲不振・下痢または便秘・不眠・精神障害、鼻粘膜の壊死・鼻中隔欠損を起こす。禁断症状はモルヒネより軽い。
 コカインは基本的に鼻で吸引する。効果は2時間続きその後比較的正常な状態に戻る。最初は吐き気など不快感を伴うが、二回目から陶酔感が生まれ、おしゃべりになる。中毒が進むと身体全体が痒くなり、絶えず皮膚を爪で掻きむしる。更に中毒が進むと精神錯乱状態になり、痴呆状態に陥る。
◇パスタ
 コカ葉を科学的に処理して得られるパテ。普通黄色〜褐色でたばこのように吸われる。体躯に対する害は強く、即時に精神的依存が現れる。価格はコカインより安い。
◇クラック
 コカイン(未精製物でも可)に重炭酸ナトリウム・エーテル・アンモニアを混ぜ、コカイン塩基を取りだした物。
 火で焙り吸煙する。コカインより強烈・即効性を持ち、吸煙後5〜10秒内に効果を発現する。ただし効果維持は数分間で終わるため、再吸煙を繰り返し依存症になる期間が短く、現時点でもっとも危険な薬物と言われている。
◇スピード・ボール
 コカインとヘロインの混合物、静脈注射にて用いる。
 
●コクゾウムシ(穀象虫)
  鞘翅目(コウチュウ目)オサゾウムシ科コクゾウムシ。他にココクゾウムシ、グラナリアコクゾウムシなど。世界共通種のイネ科穀類害虫、毒素に敏感に反応、死に至る。
 体長2.9〜3.5mm、茶褐色から黒褐色で前胸背板は強い点刻でおおわれ、翅鞘に点刻列があり、翅鞘に2対の淡色斑、成虫は100〜200日間の寿命である。
 幼虫(白いウジ状)は米・麦・トウモロコシ・パスタ・乾燥芋・乾麺等などを象鼻のような口吻で穀物に穴をあけて卵を産み、孵化幼虫は発育して蛹となり、成虫となって出てくる。25〜30℃では、産卵(一生に約200個の卵)から成虫まで約1ヶ月間、成虫も穀物を食べる。成虫は3月下旬ら10月下旬まで活動して越冬する。年4回世代交代する。
◇殺虫剤残留検査
 コクゾウムシは敏感な殺虫剤感度を持つ昆虫、食べ物が無くても約10日間生存可能である。食品中に多数のコクゾウムシが死んでいれば、農薬残留食品、遺伝子組み込み(殺虫・除草)食品である可能性が高い。
 調査食品にコクゾウムシ成虫25匹を密閉シャーレ(空気孔を開けた物)に入れ、3日間観察する。毒素量調査の為、1日毎の死亡数も記載する。
 
●コクラウリン
 ツヅラフジ科コウシュウウヤク・イソヤマアオキに含まれるベンジルイソキノリン系アルカロイド。フェニルアラニン・チロシン由来。中枢作用(痙攣)を示し、ウサギに対する最小致死量は静脈注射投与で70mg/kg。
 アポルフィン・モルヒネ・プロトベルベリン・ベンゾフェナントリジン系統アルカロイドの共通前駆体。

●ゴシポール(Gossypol・ゴッシポール)

 綿実の種子中にゴシプルプリン(gossypurpurin)で存在、採油時に内部酵素により黄色のゴシポール(セスキテルペン)になる。 植物内での働きはファイトアレキシン、不飽和脂質のフェノール性抗酸化剤、分子量518.6、セスキテルペンとして抗菌作用が、ファイトアレキシンとして殺虫作用・殺精子作用である。
●枯草菌(Bacillus subtilis)
 グラム陽性菌、桿菌である。稲藁の節などに住む納豆菌も枯草菌の一種である。酵素タンパクなどを産生、外に分泌する作用を持ち、目的タンパク質の精製に適するが、拮抗作用であるタンパク質分解酵素もよく分泌する。
 遺伝子工学的に形質転換することで、ヒト成長ホルモン・BT毒素などを生産する。
 
●五臓六腑
 五臓(肝・心・脾・肺・腎)と六腑(大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱)。
 
●骨髄移植
 重症である再生不良性貧血や白血病の終局的治療法。健康人の骨髄、または本人の骨髄をあらかじめ採取しておき移植することである。
 
●コデイン
 ケシ科パパベル・ソムニフェルムなどに含まれるモルフィネ系アルカロイド。鎮痛・鎮咳作用を持つ。
 
●五倍子(ごばいし:chinese gall・japanese gall)
 ヌルデまたはタイワンヌルデの葉に生成した、ヌルデシロアブラムシ(schlechtendalia chinensis)の虫瘤、耳ふし状の乾燥品。タンニンの含有量は50%以上ある。ヌルデシロアブラムシ有翅胎生雌虫は9〜10月頃、耳ふし開口部から出て行く。出る前の虫瘤を採取し、蒸気で殺虫乾燥した物は黒附子、天日で乾燥した物を白附子と呼ぶ。白附子のタンニン量は60%を超す。
 五倍子はお歯黒に使われる。ストレプトコッカス菌(乳酸菌・連鎖球菌)が歯の表面に苔状に拡がるのを抑制する成分を含む。
 
●小林一茶
 俳人。52歳で二回り若い女を娶った一茶は1日3〜5回、やりすぎて女は死去。62歳(脳卒中後3年)で1日5回、あきれられ離縁。64歳で異なる女を妊娠させる。
 淫羊?・黄精・竹節人参・二股車前子を自ら採取、服用。蛇などの動物性催淫薬を用いるなど、ひたすら強精薬に関心を寄せた。
 
●ゴマ(胡麻)
 ゴマ科ゴマ属一年草、学名Sesamum indicum、英名Sesame、胡(ベトナム北部)から渡来した麻(油に富んだ種)から命名された。茎高約80cm、断面は四角形で短毛、8〜10月頃、淡紅色または白色の花が咲く。果実は20〜25mm、短い筒形で縦に4本の溝があり,多数の種子をつけ、熟すと裂開する。種子は色で黒ゴマ・白ゴマ・黄ゴマ・金ゴマに大別される。原産地はアフリカやインドと言われるが不明。
 中国では不老長寿の仙薬とされ、古い薬物書にゴマ摂食が薦められ、滋補肝腎・和血潤腸・滋補強精。便通・血行に良い食品、血糖・コレステロール低下作用もある。薬膳応用は、高血圧症・動脈硬化症(肝腎虚弱に属する頭痛・耳鳴り・振頭(ふらつく)・霞目、痺れ等)に、黒ゴマ塩をご飯にかけてよく噛む。
 貧血・便秘・乳汁不足は、黒ゴマを洗い乾かしてから炒り、摺りつぶした粉末と蜂蜜を混ぜ合わせ、毎食3匙、又はゴマを炊き込んだご飯を食す。老化防止作用がある。
 100g中、水分4.7%・タンパク質(リジンは少量)19.8%・脂質(油の約85%は不飽和脂肪酸)51.9%・糖質15.3%・繊維3.1%・灰分5.2%。他種含油種子と異なり無機質分が多く、カルシウムは1200mg・リン540mg・鉄9.6mg・食物繊維12.6gである。ビタミンB1・E・セサモール・セサモリン・リノール酸・リノレン酸・オレイン酸などの不飽和脂肪酸が多量に含まれ、セサモールやセサモリンは抗酸化性(脂肪の酸化防止)がある。                
 良いゴマの見分け方は粒が大きく脹らみ太って見えるのが良品、味も良い。古いゴマは香りが無く、カビ臭のするのもある。食す直前に炒って利用すると香りが良く、切りゴマか擦りゴマにすると、消化吸収に適する。
◇ゴマ塩
 黒ゴマを洗い水気を切る。ほうろくに塩を入れ絶えずかき回しながらサラサラに炒ったところにゴマを入れ、なおかき回しながらサラサラになったところで火からおろし、冷めてから容器に入れる。
◇ゴマ和え
 炒りゴマをよく摺りつぶし砂糖・塩・醤油などで調味。野菜その他の材料をサッと茹でたものを和える。
◇ゴマ味噌
 炒りゴマをよく摺り鉢で摺り、味噌・砂糖・ダシなどを加える。
◇ゴマ酢
 炒りゴマをよく摺りつぶし、油が滲み出てベットリしたら酢・砂糖・塩などを加えて摺り伸ばしたもの。
◇ゴマ醤油
 ゴマを炒って摺り鉢でよく摺るか、切りゴマにしたものに醤油・砂糖を合わせ野菜などと合わせる。
◇ゴマ汁
 すまし汁又は味噌汁に摺りゴマを最後に流して仕上げたもの。香りの高い汁物となる。
◇ゴマハネー
 炒りゴマをよく摺りつぶしクリーム状としハチミツと混ぜたもの。
◇ゴマだれ
 醤油とみりん又は砂糖でつくったタレに摺りゴマを合わせて作る。ゴマの香りが高く、利用範囲は広い。
◇ゴマ豆腐
 何時間もゴマを摺り、くず粉を加え弱火で煮て固める。成分優良・美味
◇ゴマ油
 精製しないのが特徴。ビタミンEが多く香りも高く美味。抗酸化性も高い。
 
●ゴマ油
 ゴマ種子からの圧搾油(半乾性油)。オレイン酸・リノール酸・オレイン酸・パルミチン酸・セサミンを含み、コレステロールは存在しない。日本・中国では香味付づけ食用油として用いている。
 漢方処方の軟膏基剤や、髪油にも使用されている。
 
●駒草(こまくさ)

 ケシ科ケマンソウ属の多年草。代表的な高山植物で、盛夏に淡紅色の花(希に白色)を数個下向きに付け、多数の黒色種子を生ずる。
 モルヒネを含まないケシ科植物で、全草にアルカロイド(プロトピン・ジセントリン)・クウエセチンモノメチールエーテルを含み、大量に服用すれば縮瞳が起きる。昔の修験者は麻酔剤や腹痛薬(アルカロイドに鎮痛作用があり、胃痛などに一時的に効果があった)として種子を霊薬として珍重し採取、御百草(おひゃくそう)の原料とした。
 コマクサの黒い種は苦く、健胃剤や下剤と考えられていたが、霊草の故に乱獲され絶滅したところも多い。
 
●ゴメオ(フォクシー、ディプト)
 精神高揚・幻覚効果・性感増強のため摂取する違法麻薬、5MeO-DIPT(N,N-Diisoprpyl-5-meshoxytryptamine)、セロトニン神経毒を有す。
 経口・直腸摂取(3〜20mg)後、通過儀礼が起こり30分ほどでセロトニン症候群を発現、4〜6時間症状が継続する。視覚・聴覚など感覚が敏感になり、瞳孔が開き、陶酔感を生じサイケデリック感覚になる。性感も増大、セックスドラッグとしても用いる。多量摂取はオーバードーズセロトニン症状となり、発熱・発汗・下痢・痙攣・動悸、錯乱や精神的躁状態となる。味は極度に苦くオブラードなどで経口摂取、直腸にはカプセル挿入やスポイトで注入する。
 ※ 通過儀礼:吐き気や下痢症状
 
●コラーゲン 
 少量の糖を含むタンパク質。集まって繊維状になり、動物の真皮・腱・軟骨などに広く存在する。ゼラチンはコラーゲンを熱処理などで変性させ、水溶性にしたタンパク質。
 
●コーラノキ(Cola acuminata・コラナッツ・Kolanuts)
 アオギリ科(西アフリカ原)、黄色い花を咲かせる常緑高木。種子(コーラ・ナッツ)は、アフリカ人が嗜好料として、種子をそのまま噛むか、粉にひいて(水1カップに大匙1杯強)熱湯に溶かし飲用した。種子成分は、コラニン・カフェイン・テオブロミンを含み、興奮作用を呈する。
 コカノキ葉とコーラ・ナッツを原料としたコカコーラは、薬剤師のDr.Pembertonが、二日酔いの薬として売り出した。1903年コカ依存症状や中毒症状問題が指摘され、原料より取り除かれた。
 興奮剤、筋肉・神経エネルギー節約剤。体内の脂肪と炭水化物の燃焼を助け、窒素と燐の燃焼を抑える働きをする。長期にわたって過度に摂取すると神経質、不眠症となったり、習慣性を生じやすくなる。
 
●コルチゾン(cortisone)
   
糖質やタンパク質の代謝に関する代表的糖質コルチコイド。アトピー治療などに重要な副腎皮質ホルモン。
 
●コルヒチン(colchicine)
  ユリ科コルチカム属イヌサフラン・ユリグルマの種子 や鱗茎に含まれるステロイド系アルカロイド。やや黄色 みを帯びた白色の粉末、アルコール・クロロホルムによ く溶け、水にも可溶。
 薬理作用は、倍数体生成作用・植物の品種改良・急性痛風の治療薬。コルヒチンは末梢性血管麻痺作用があり、急性痛風発作の特効薬。発作の起こり始め、または数時間以内に投与すると激烈の痛みから救われる。関節炎・関節リウマチなどには無効果、鎮痛作用も無い。
 コルヒチンは細胞分裂を停止させ、細胞の増殖を妨害する。このため副作用として胃腸障害が現れやすく、この場合、直ちに投与を止める。昔の痛風患者はイヌサフランの球根をすり下ろし汁を飲んでいたが、免疫機能の低下・慢性的な下痢・髪の毛の脱落などの副作用に悩まされた。
 細胞分裂の停止は、有糸核分裂の際、染色体を両端に引き離す微細管が、その構成タンパク質チューブリンの分子の凝集によって形成される過程を阻害するからである。コルヒチンはチューブリンの分子と結合してこの作用を表す。細胞分裂を停止させ、染色体の倍加を通じて倍数体を作ることは1930年代に発見され、種なしブドウ・スイカ、植物の品種改良に利用されている。
 
●コレステロール

 ステロイドの一種、コレステリンとも呼ばれ、艶のある白い脂肪である。タンパク質や脂肪と結びついて身体中に存在する。脳・神経細胞(神経伝達物質)・肝臓(性ホルモンや副腎皮質ホルモンの原料)・血液・卵黄に多く存在、ビタミンD・黄体ホルモン・胆汁酸の母体。胆石の主成分である。
 LDL(低密度リポタンパク質、一般に悪玉コレステロールと呼ばれる)は、肝臓から末梢組織に向かって流れるもの、HDL(高密度リポタンパク質:一般に善玉コレステロールと呼ばれる)は末梢組織から肝臓に向かって流れるものである。HDLコレステロールは身体の末梢組織に貯まったコレステロールを拾い上げ、肝臓に運び込む働きがある。動脈硬化に対してLDLは促進的・HDLは拮抗的コレステロールである。
 肝臓に戻されたコレステロールは胆液に排泄され便と一緒に体外に排泄される。肝臓から排泄されなっかたコレステロール(肝機能障害、コレステロール量が多すぎるなどの理由により)は、末梢組織に向かって流れ出し、動脈硬化などの生活習慣病の原因となる。
 予防は植物性脂肪(α−リノール酸)と植物繊維の摂取を心がけること。
  
●コレラ
 コレラ菌に汚染された水・氷・食品等の摂取により感染。通常1〜3日の潜伏期間の後、下痢や嘔吐等が起こる。
 現在流行しているエルトールコレラの症状は、軟便程度から水様便まで幅広い下痢が主で、嘔吐を伴うが腹痛や発熱を伴う事は殆どない。死亡率は2%程度、胃腸の弱い人・老人・乳幼児を除けば死亡に至る事は殆どない。
 抗生物質の投与、下痢が激しい場合は、脱水症状を防ぐ点滴で治療する。予防接種の効果は50%程度。不衛生な所では食べない事が賢明。点滴不可能場所で乳幼児治療は、ORS(頻嘔吐時でも)を5〜10cc、2分毎に与える。
 発生地近辺で用いられる薬剤は、マチンの根・樹皮にライムの果汁を混ぜた丸薬であり、コレラには非常に効果がある。
 
●昆虫の糖脂質
 ホホアカクロバエの蛹やギンバエの幼虫の報告であるが、糖鎖構造の特徴は貝類等と同様、脊椎動物と著しく異なり、
 
@マンノース残基1モルを含有
Aアミノ糖残基の数が多い
B連鎖状である
C極性糖成分も2-アミノエチルホスホリル(1→6)GlcNAcやグルクロン酸。
 
 二枚貝糖脂質の特徴的な糖種であるマンノースやグルクロン酸が見いだされるのは、生物間の進化状の類似性を示す。昆虫の糖脂質にアミノ糖含量が高いのはキチン生合成とも関連している。
 
●コンドーム
 18世紀終わりに英国のコンドン博士が、英国製フロックコートと呼ぶ梅毒予防品として開発した。仔ヒツジの盲腸を洗浄後乾燥させ、アーモンド油で柔軟化させた。
 日本では文政10年(1827)頃の艶本「閨中女悦笑道具」に、『阿蘭陀伝来の革袋、革形、茎袋という。薄き唐革にて作り、蛮名をリュッテサックという。淫汁を玉門の中へもらさぬための具にて、懐胎せぬ用意なり』とある。
  注)リュッテサック:ドイツ語の「ルーテ(ペニス)サック」の訛り
◇ペニスを根本から覆う理由
 1.性病予防
 2.避妊
 3.快感増強(女性)
 4.早漏防止(男性)
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