【た】  四目屋リンク・代替療法事典(http://www.geocities.jp/tyubee/)
 
●体液性防御因子
 殺微生物作用・増殖抑制作用を示す体液性防御因子には、リゾチーム・トランスフェリンなど多数存在する。これらを総合した殺菌力は強く、生体内で「非病原性細菌」を殺菌処理するなど、抵抗性の弱い微生物に対して薄く広く巡らされる防御網である。【補体を見よ】
 
●ダイエット
 皮下脂肪が厚い場合や内臓周辺に脂肪が多い状態を肥満という。病的肥満とは体脂肪が30%を超した状態である。間接的な体脂肪の測定方法は、体重から標準体重 (身長(cm)−100)×0.9 をマイナスした数値である。
 上半身肥満は男性に多く、空腹時血糖・コレステロール・中性脂肪が上昇し、腸の周りや腹腔内に脂肪が蓄積し、代謝異常が起こりやすくなるなど、健康状態が著しく悪くなる。女性に多い下半身肥満は医学的にはあまり問題がない。
 肥満は遺伝子が関与しており、痩せる前の正常細胞の遺伝子に戻してくれる漢方処方「防風通聖散(寒)・防已黄耆湯(熱)」を服用し1〜2年で痩せた場合、以後肥満を繰り返さない。
 防風通聖散・防已黄耆湯を服用しながら、@デンプンを1/3以下にする。Aコンニャク・キノコ類を食べる。B歩く、但し立ち止まると効果が無くなるので、長時間継続して歩く。C脳の栄養はグルコース、頭脳を使うこと。
 
●ダイオキシン
 2つのベンゼン環を2つの酸素で繋ぎ、空いてる炭素に塩素が結合したもの。右のベンゼン環酸素結合炭素の右炭素を1、時計回りに2から8と数字を付け、どこの場所に幾つの炭素が結合するかによって色々(75種類)なダイオキシンが出来上がる。2・3・7・8に塩素が結合した「四塩化ダイオキシン」が、最も毒性が強い。脂肪組織・肝臓に蓄積し、肝臓障害・免疫異常・妊娠率低下・先天性障害をもたらし、ヒトの半数致死量は0.036mgである。
 米国のベトナムでの枯れ葉剤(2・4・5−T、2・4−D)散布は、枯れ葉剤に含まれたダイオキシンによって、極めて強い催奇形性を持ち、多くの先天性障害児を作った。
 ダイオキシンは、農薬(CNP:除草剤)以外に金属精錬炉・ゴミ焼却場・塩素漂白などで発生し、植物・動物に蓄積、ヒトへの摂取となる。日本人の平均摂取量は3〜3.5pg(2・3・7・8−四塩化ダイオキシン換算)である。
 構造的にほとんど同じであるが、ベンゼン環を1つの酸素で繋いだものを、「ジベンゾフラン」と呼び、最も毒性の強いのは「2・3・7・8−四塩化ジベンゾフラン」、毒性はダイオキシンと同等である。
 
●体外分泌情報物質(semiochemicals)
 フェロモン(pheromone)……………同種異個体間に作用
 多種間作用物質(allerochemics)…多種個体間に作用
@アロモン(allomone) …………分泌者が利益を得る
 フェロモンと比べ効力を発揮するに多量を要し、攻撃者を怯ませる作用・効果ある攻撃作用・分泌液である。
Aカイロモン(kairomone)………受信者が利益を得る
 蛾類幼虫のフラス(昆虫の肛門・口・皮膚などの混合排泄物)は寄生バエに対しカイロモン作用がある。
Bシノモン(sinomone) …………分泌者・受信者共に利益を得る
 花蜜臭(花は受精を、ミツバチは蜜と花粉を得る)など。
 
●タイガーバーム(萬金油)
 漢方薬局「永安堂」(ヤンゴン)の胡文虎・胡文豹の兄弟が、漢方と西洋薬学を合体させ作った。1932年に本店を香港に移し、東南アジア一帯に販路を拡げた。
 タイガーバームは塗り薬、白と赤の2種類あるが色と香りが違うだけで効能は同じ。筋肉痛・腰痛・虫刺され・痒み・頭痛などに効くとされる。
 使用説明書に、タイガーバームはシンガポール虎豹兄弟国際有限会社で開発され、(略)肩こり・筋肉痛・筋肉疲労、うちみ、ねんざ、腰痛・神経痛などのための外用消炎鎮痛剤とある。成分に阿片が含まれていたが、現在は含まれておらず、阿片配合時より効き方は弱くなっている。
◇成分(100g中)
  d-カンフル……………24.9g(樟脳)
  ハッカ油………………15.9g
  丁字油………………… 1.5g
  ユーカリ油……………12.9g
  ?-メントール…………8.0g
  ワセリン………………36.8g
 
●醍醐(だいご)
 平。主風邪。通潤骨髄。性冷利。乃酥之本精液也(食療本草)。
◇涅槃経
 譬如従牛出乳、従乳出酪、従酪出生蘇、従生蘇出熟蘇、従熟蘇出醍醐、醍醐最上、若有服者、衆病皆除、所有諸薬、悉入其中、善男子、仏亦如是、従仏出生十二部経、従十二部経出修多羅、従修多羅出方等経、従方等経出般若波羅蜜、従般若波羅蜜出大涅槃、猶如醍醐、言醍醐者、喩于仏性。
◇般若経
 此五法蔵譬如乳、酪、生酥、熟酥、及妙醍醐、契経如乳、調伏如酪、対法教者、如彼生酥、大乗般若、猶如熟酥、総持門者、譬如醍醐、醍醐之味、乳、酥、酥中、微妙第一、能除諸病。
◇雷公炮炙論
 醍醐、是酪之漿、凡用、以重綿濾過、於銅器内煮二三沸。
◇陶弘景(李時珍「本草綱目」は陶弘景の引用)
 仏書称乳成酪、酪成酥、酥成醍醐、色黄白、作餅甚甘肥是也。
 
●体脂肪率
 体内に占める脂肪の割合のこと。脂肪が電気を通さないのに対し、筋肉はよく電気を通すことから、微電流を流し電気抵抗から体脂肪率を算出する。身長・体重は標準だが、体内の脂肪量が多い「かくれ肥満」も発見できる。
              標準     肥満
     体脂肪率 女性で20〜25%   30%以上
          男性で15〜19%   25%以上
 肥満は成人病(生活習慣病)になる確率が高くなる。
 
●代替療法(だいたいりょうほう)
 西洋医学以外による治療法の総称。米国ではalternative medicine、ヨーロッパではcomplementary medicine(補完療法)と呼ぶ。東洋医学の漢方(鍼灸(物理)療法・湯液(薬物)療法)、民間療法、薬膳、アロマセラピー、温泉療法、生きがい療法、栄養補助食品などである。
 極論を言うならば、米国では西洋医学が伝統医学であり、欧州・アジアなどの代替療法を新鋭医学と見ている。1992年に米国国立衛生研究所(NIH)が代替医療事務局を発足させ、予算を付け栄養補助食品・気功・漢方生薬など代替医療に取り組み始め、現在では米国人3人に1人は何らかの代替療法で治療するまでになっている。日本の現状は、一般病院で西洋医学と漢方薬を併用している。
 実験ではあるが、薬科大学で干したタンポポの根エキスで乳ガンの発症を遅らせる効果の発見、プロポリスでガンが固着したなど、代替療法はガンの予防・治療効果が期待されている。
 
●大腸ガン
 大腸は成人で直径1.5cm、長さ1.5mの中空の管で、部位により名称がある。小腸から連結している「盲腸」、そこから身体の右を通って上に行くのが「上行結腸」、身体の前面を右から左へ横に走る「横行結腸」、捻るようにして左後方を下に向かう「下行結腸」、再び半回転する「S字状結腸」、最後に「直腸」であり肛門で外部に開口する。日本人で大腸ガンになりやすい場所は直腸(42%)・S字状結腸(37%)である。
 大腸ガンは、大腸の粘膜がいったん腺腫(ポリープ)になってからガン化する説と、粘膜から直接発ガンするデノボー(新しく発生する意)の説があるが、早期にポリープのように隆起するものが多い。大腸ポリープの多くは良性であるが、大腸腺腫というポリープはガンに変化する可能性がある。
 ガンの進行度は、粘膜表面から浅い「粘膜固有層・粘膜下組織層」にとどまっているものを早期ガン、それ以上の深度まで拡がってしまったものを進行ガンとしている。早期ガンは形状から茸のように茎があり隆起しているもの、茎はないがはっきり隆起しているもの、平らで隆起がはっきりしないもの、陥没しているものに分けられている。
 ポリープは腸内を便で破られ出血し、血便として認識できる。胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃ガン・大腸深部のガンなどの出血は「タール便」と呼ぶ黒い泥状あるいは水様状の便になる。直腸・S字状結腸など肛門に近いところの出血は、比較的量が少なく便の中に赤い血が混じる鮮血便になる。(痔による出血は量が多く、便の表面に付着している)
 便に血液と粘液が混じった「粘血便」の場合、大腸ガンの他、潰瘍性大腸炎の疑いがある。便に血が認められたら、専門医に診てもらい、早期ガン(2〜3cm迄)ならポリペクトミーにより切除する。切除した粘膜を見て粘膜下層までガンが進行している場合リンパ節転移を起こしている可能性がある。
 予防は日本人の食事が欧米化して、高脂肪・高タンパク質・低繊維食化しているので、常日頃、植物繊維の多い食品を多く摂取して便通を良くし、腸内を綺麗にし、排泄物の腸内滞留時間の短縮を図ること、腸内フローラの乳酸菌を優勢にして発酵生成物の活用と、腐敗菌の出す毒素量の減少を図る。小麦フスマを食べることで、ポリープが消失したという研究結果があるが、野菜・穀類・イモ類などを常に食事に取り入れる。
 
●大腸菌
 大腸菌の代表的誘引物質は、親水性アミノ酸と各種糖である。大腸菌の体表には、親水性アミノ酸や糖が結合する線毛(pili)が存在し、これらを介して大腸菌は栄養物を正確に認識する。忌避物質は疎水性アミノ酸(苦い味)・酸・塩で、腸内でビタミンKを合成する好気性菌である。
 大腸菌は糖鎖のないタンパク質を作り、腸管の上皮細胞に付着する。上皮細胞に付着する作用はマンノースを加えると阻害される。これは大腸菌の線毛が腸管の上皮細胞にあるマンノースからなる糖鎖に付着するからである。付着できない菌は腸管から排泄される。
 
●大麻(たいま:Cannabis Sativa L.)
 クワ科に属し、学名は「カンナビス・サティヴァ」。カスピ海沿岸地方の原産。中央アジア、バイカル地方に野生、インド・ペルシャ・ルーマニア・中国で栽培。一年生草本で1〜3mに成長する雌雄異株種。大麻は一種類であるが環境の変化で多くの変種を作る。カシミールのアサの雌性株は特に多量の樹脂を分泌するのでインドアサと呼ぶ。日本では神武天皇の命で徳島県の麻植(おえ)郡で栽培が始まった。木綿が輸入される前は、衣服原料であり、衣草(きぬぐさ)の別名がある。
 カンナビス・サーティヴァは繊維用で精神作用は少ない。繊維が弱い変種「カンナビス・インディーカ」は雌株の総穂花序、上部の花穂に大麻樹脂を多く含み、芳香のある粘っこい黄金色の樹脂を分泌、この樹脂が麻酔性を持っている。インドでは精神作用の最も弱いのを「ブハング(マリファナの別名)」、中位を「ガーニア」、最も強いのを「チャラス(ハッシッシュ):成熟した雌株の樹脂」と呼ぶ。
 カンナビス・インディーカの成熟した雌株の樹脂が付着した花穂の乾燥したものが、ハシーシュと呼ばれ、含有成分は樹脂、精油、アミン類、炭酸カルシュウム、集散カルシュウムなどであり、樹脂は褐色で有毒な赤色の油状物レッドオイルを含んでいる。
 レッドオイルはフェノール成分(カンナビノール、カンナビジオール、カンナビジオール酸、テトラヒドロカンナビノール)である。この中でΔ1−テトラヒドロカンナビノール(THC:Tetrahydrocannabinol)が最も強い麻酔作用を有する。THCは雌株に多く含まれ、大麻を栽培する者は雄株に関心を寄せない。雌株から雄株を遠ざけ、受精させずに栽培すると酩酊作用の強い「シンセミア」を採取出来る。乾燥大麻中に種子の混入がないものは栽培されたシンセミアであり、酩酊作用効果が強い。
 WHOでは、葉や花序を採ったものをマリファナ、花序だけをガーニア、純粋な樹脂にしたものをハッシッシュと呼ぶ。
 ガン治療に用いる薬物は細胞毒性が強く、催吐作用を伴い患者を衰弱させる。THCはこのようなガン化学寮法に伴う副作用(衰弱)軽減に役立つ。(現在は関連化合物ナビロンを使用)
 種子は七味唐辛子に入っているが、成長すると幻覚を生じるカンナビノイド系が産生される。
   マリファナ :THC約1%
   シンセミア :THC約5%
   ハッシッシュ:THC約8%
   ハッシュ油 :THC約50%
 
ハッシュ油の作り方
 エチルアルコールにカンナビス・インディーカを入れ加熱。適時なる経過後、濾過をすると、THCアルコール溶液を得る。アルコールを蒸発させるとこってりした液体が残る。これが「ハッシュ油」。
 
●大麻の利用法
 精神を異化する薬物は、アッパー(興奮剤:コカイン・アンフェタミン・MDMA)、ダウナー(抑制剤:アヘン・モルヒネ・ヘロイン)、幻覚剤(LSD-25)とあるが、大麻はこれらと異なる作用を持つ。使用者が高揚していれば興奮をもたらし、静かであれば精神を抑制する、大麻の効果は、聴覚・味覚の鋭敏化・過去の記憶の復活・リラックス・快感のある眠気である。
 大麻は喫煙が一般的で、酩酊保持時間は2〜4時間、飲食後の酩酊保持時間は8時間ぐらいである。
 
●タキソール
 米国産太平洋イチイから抽出されるジテルペン系化学療法剤。含有量が極度に少量で量の確保に問題があったが、現在は合成試薬がある。抗ガン作用は強力であり、固形ガンに対し極めて有効であるが、副作用も強い。ヨーロッパで誘導体「タキソテル」が開発された。日本では臨床治験中である。
 米国では卵巣ガンに有効と、臨床で用いられている。
 
多糖
 一種類の糖(誘導体を含む)から構成される多糖は単純多糖(ホモグリカン(homoglycan))と言い、糖残基の名前から命名される。
 デンプン・アミロース・セルロースなど、グルコースからなる多糖は語尾に-anを付けて、グルカン(glucan)、フルクトースはフルクタン(fructan)、キシロースはキシラン(xylan)、マンノースはマンナン、ガラクトースはガラクタン、ガラクッロン酸はペクチン酸などである。
 二種以上の糖残基(誘導体を含む)からなる多糖は複合多糖(ヘテログリカン(heteroglycan)と言う。(ヘテロ:異種の糖を含むの意) 
 
●ダツラ(Daturae stramonium Folium)
 ナス科チョウセンアサガオの葉。別名マンダラヨウ(曼陀羅葉)。アトロピン・スコポラミン(鎮痛・鎮痙・鎮静)を含む。
 
●ダニ媒介性脳炎
 マダニ科Ixodiaeに属する各種マダニにより伝播する、フラビウイルスによる人畜共通伝染病。ダニ媒介性フラビウイルス(ダニ媒介性脳炎群ウイルス)が原因疾患で、ロシア春夏脳炎・中央ヨーロッパ型ダニ脳炎・跳躍病・キャサヌール森林熱・オムスク出血熱・ポアサン脳炎等があり、高致死率で重篤に経過する特徴がある。
 自然宿主はマダニで、小動物(ネズミ等)とマダニの間に感染の輪があり、森で咬まれて発病、稀に感染したヤギ・ヒツジ乳を飲んで感染することもある。北海道から中部ヨーロッパまで広く分布しており、発熱・頭痛に続く脳炎症状が主な症状。
 ダニに咬まれなければ感染しないので生息地森林に立ち入らない、やむを得ず立ち入る時には長袖のシャツと上着・長ズボン・手袋などを着用し、靴を履くなどです。
 
●玉葱(たまねぎ、Onion)
 薬効:消化促進・疲労回復・不眠解消・精神安定・食欲増進・月経促進・催淫剤・催眠剤・利尿・痙攣の対症薬・挫傷湿布薬・浮腫。
 ユリ科の多年草。原産は西南アジア。にんにくと似ているが、成分の組成と量に違いがあり、辛味を伴う。匂いの成分はジ−n−プロピル−ジサルファイドとメチル−n−プロピル−ジサルファイドである。組織の障害時に酵素(アリナーゼ)により、刺激臭を持つ成分に変化する。加工時に涙がでるのが一般的だが、窒素過剰で生育した物ほど涙が多くなり、食味も不味い。スライスして涙がでない玉葱は甘く美味しく、子供も喜んで食べるし生も美味しく食べることができる。
 匂いのもとは硫化アリルで、他に様々なイオウ化合物、特に含硫アミノ酸が分解し、他の成分と結合して複合イオウ化合物を産生する。この複合イオウ化合物は殺菌作用・矯臭効果・甘み成分の素などである。
 乳酸菌が好むフラクトオリゴ糖(他に、にんにく・ごぼう)を含む。
 
●タミフル(Tamiflu)
 成分はリン酸オセルタミビル、A・B型インフルエンザが他細胞へ感染・増殖抑制作用を持つ(B型は効きにくい傾向がある)治療薬。C型インフルエンザには効果がない。インフルエンザ様症状が発現してから、2日以内(48時間以内)に、投与を開始する。
 リン酸オセルタミビル(Oseltamivir Phosphate)は、代謝により活性体に変換され活性体となり、ヒトA型・B型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を、選択的に阻害し、新しく形成されたインフルエンザウイルスが感染細胞から遊離することを阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。
 症状が発現してから48時間以後に投与は、有効性が確認されていない。
 投与量は、オセルタミビルとして、1回75mg(1カプセル)を、1日2回、5日間、経口投与する。幼小児には、オセルタミビルとして、1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)を1日2回5日間、経口投与する。
 原料として八角(トウシキミの果実、シキミ酸を含む)を用いる。
◇タミフルの予防使用
 インフルエンザウイルスは飛沫感染し、体内で8時間後に、約100個に増殖。1〜3日間の潜伏期間の後、発熱・独特の咳などの症状で発症する。
 同居家族が、下記のような場合には、タミフルのCap製剤(カプセル製剤)を、1日1回予防使用することが認められている(7〜10日間継続服用する)。
 高齢者(65歳以上)・慢性呼吸器疾患患者・慢性心疾患患者・代謝性疾患患者(糖尿病など)・腎機能障害患者
◇2004年6月 厚生労働省はリン酸オセルタミビルに重大な副作用「精神・神経症状:精神・神経症状(意識障害・異常行動・せん妄・幻覚・妄想・痙攣等)」があることを発表した。
 
●ターメリック(うこん)
薬効:鎮痛・健胃・肝臓病・殺菌・糖尿病・息切れ・疼痛
 ショウガ科ウコン属の多年草植物、学名「クルクマ・ロンガ」。英語名はターメリック、日本名はアキウコン。原産はインドシナ半島。秋の終わりから冬にかけて地下の根茎を収穫する。生薬は春ウコンをさすが、苦味が強いのが特徴である。アキウコンは苦味が少ないく料理に多用されている。水に溶けにくく、アルコールに溶けやすい。摂取時は必ず加熱すること。
 香りの成分は、ターメロン(59%)、β−ジンギベレン(25%)、フェランドレン、シネオール、デヒドロターメロン、α−サビネン、ボルネオール、セスキテルペンアルコールなどである。
 含まれている色素「クルクミン」は、数々の生理活性要素があり、@胆汁(アルコール、脂肪、老廃器物を解毒、分解作用)の分泌促進作用。Aアルコール分解酵素に直接働きかけ、分解促進作用。B抗酸化作用により、DNA損傷予防。Cアルカリ度が高く、防腐、浄化、殺菌、消炎、組織再生を促進等の各作用。D酵素を活性化し細胞の新陳代謝促進作用=若返りの効果。Eコレステロール抑制作用、血液が流れやすくなる。 
 副作用として、アレルギー症状、過敏症が起こる場合がある。胃潰瘍または胃酸過多、肝胆道疾患患者、妊婦、授乳婦は使用を避けた方がよい。過剰にまた長期間摂取すると、消化管障害あるいは消化管の不調が起きることがある。
◇民間薬として
肝臓病の予防:アルコールをウコン茶で割って飲む。
二日酔い防止:酒の合間にウコン茶を飲む。朝の味噌汁はウコンを入れる。
火傷    :消炎作用があるので火照りをしずめ化膿しない。
喉が痛い  :ぬるま湯にターメリックを少量溶かし、うがいをする。
痔、創傷、膿腫、関節炎:パウダーを水で練り、患部に塗る。
吐血、鼻血、血尿   :止血効果を利用して内服(漢方)する。
 
● 単位(重量)  
mg  ミリグラム    1/1000g
μg マイクログラム  1/100万g
ng  ナノグラム    1/10億g
pg  ピコグラム    1/1兆g
匁 もんめ      3.75g
 
●単位(濃度)
% パーセント    1/100
ppm ピーピーエム   1/100万
ppb ピーピービー   1/10億
ppt ピーピーティー  1/1兆
 
●単純多糖(homoglycan)
 1種類の糖(誘導体を含む)から構成される多糖をいい、構成している糖残基の名前に基づいて語尾に「−an」を付け、命名する。
グルコース      グルカン(glucan)
フルクトース フルクタン(fructan)
キシロース      キシラン(xylan)
マンノース      マンナン
ガラクトース ガラクタン
ガラクッロン酸 ペクチン酸(ガラクッロン酸のみからなる多糖)
グルコース      カードラン(グルコースのみからなる多糖)
 
●タンニン(tannin)
 タンパク質と結合する特性を持ったポリフェノールが集まって出来た化合物の総称。構造が解っているものは、3タイプ・500種ある。タンニンの分布は極めて広く、未熟な果実・種子、生長の盛んな部位、虫瘤部などに多量に蓄積。化学的性状から加水分解型タンニンと縮合型タンニンに大別され、加水分解型タンニンは加水分解により、没食子酸のみを生成するガロタンニンなどに分けられる。縮合型タンニンは基本骨格が加水分解されないもので、フラバン-3-オールのみを構成単位とするものと、フラバン-3-オール以外を含むものとに分けられる。
 一般にタンニン類に共通した性質は、ポリフェノールの水酸基が粘膜や細胞などのタンパク質と結びつき収縮させ、または固める。これを収斂作用と呼び、この化学的性質が渋味やエグミの原因となる一方、止瀉・防腐・殺菌・止血・消炎・抗ウィルス活性・膜や組織の保護などを有する。特に酵素活性に大きく阻害する作用から、ガン予防など共通の薬理効果を発揮する。
柿渋エキス(シブオールタンニンとアセチルコリンが主成分)
渋柿は渋の強い物ほど効果的。実が青々している時が最適である。へたを取り去り、良くつき砕き(ミキサー可)、渋柿の4倍量(水量1割説あり)の水を加え、1週間静置させ、布に包んで圧搾し、半年以上冷暗所に密閉保存すると「柿渋」となる。血圧降下作用、脳卒中の予防に、10倍に希釈した液を1日に5回、1回に20ccほど服用すると早期治療によい(または毎日盃1杯の柿渋と同量の大根おろしを混ぜ、食間に飲む)。怪我・火傷・凍傷・しもやけ・かぶれ・毒虫の咬傷・痔の出血などには柿渋エキスを患部に直接塗布する。タンニンの収斂作用を利用するからである。
 
●胆嚢・胆管ガン
 胆管は肝臓と十二指腸間にあり、管の途中にある胆嚢に胆液を貯め、送り出す管である。早期ガンであれば手術による治療確率は高いが、進行したガンは治療が困難で、抗ガン剤(5FU、マイトマイシンなど)で延命処置を図る。
 
●炭水化物
 ブドウ糖は、6個のCと6個のH2O(水)分子からなる。よって炭・水・化物なのだ。
 
●男性ホルモン

 性ホルモンの一種、アンドロゲンとも呼ぶ。ヒトでは精巣の間質細胞から分泌されるテストステロンが代表的で、副腎皮質系のテヒドロエピアンドロステロン・アンドロステンジオンと共に性嚢・前立腺・陰茎の成長促進・髭・声変わりの発現など男性の一次・二次性徴を支配する。
 女性の卵巣・副腎皮質からも少量分泌される。過剰分泌状態になると男性化を引き起こし月経異常・不妊の原因となる。
 
●タンパク質(Protein(s))
 多糖、脂質、核酸とならんで生物体を構成している主要な高分子物質である。約20種類のL-α-アミノ酸(グリシンを含む)がペプチド結合したポリペプチド鎖から成っている。構成するアミノ酸の種類、数、結合様式などによってタンパク質の種類は、分子量が約4,000のプロタミン類から分子量が数千万、数億に達するウイルスタンパク質まできわめて多い。ただし、分子量が10万程度以上のタンパク質は一般にいくつかのサブユニットの集合体である場合が多い。
 アミノ酸のみから構成されている場合を単純タンパク質、アミノ酸以外の成分も含まれて構成されている場合を複合タンパク質という。前者にはカゼイン、コラーゲン、ケラチン、アルブミン、プロタミン、ヒストンなどがあり、後者には糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、色素タンパク質、金属タンパク質、リンタンパク質などがある。すべての酵素もこれらのいずれかのタンパク質である。また、その分子の形状から繊維状タンパク質(ケラチン、コラーゲン)と多くの球状タンパク質に分けられる。
 タンパク質の構造は順次、一次構造(アミノ酸の配列)、二次構造(α-ヘリックスやβ-構造、ランダムコイル)、三次構造(特定の空間的配置)をとり、さらに三次構造の単位(サブユニット)が集合して四次構造をつくっている。一般にタンパク質は熱で変性しやすいが、これはその高次構造が破壊されるからである(好熱菌のタンパク質は耐熱性)。一般にタンパク質を抗原として異種の動物へ接種するとそれの抗体ができる。その抗体は抗原タンパク質と抗原-抗体反応をおこすので、この反応を利用して微量のタンパク質を検出することができる。タンパク質の標準物質としてウシ血清アルブミン(分子量66,000)がよく用いられる。
 
●タンパク質の分類


適応タンパク質 説    明
結合・
運搬タンパク質 
ヘモグロビン
カルモジュリン



:酸素と結合、運搬する
:カルシュウムと結合、酵素の働きを調節する
(さまざまなホルモン、因子、あるいは薬物等が生体の中で作用を発揮するのは、細胞の表面にあるタンパク質と特異的に結合するからだ。これを受容体(レセプター)と呼び、結合タンパク質の仲間である。)
収縮タンパク質 ミオシン
アクチン
トロポニン
トロポミオシン
:太い糸状の構造
:細い糸状の構造体


防御タンパク質 抗体

血液凝固
:異物が侵入すると、その異物に特異的に結合するタンパク質を作り、これを抗体と呼ぶ。
:複雑な連鎖反応により起こる現象で、いくつものタンパク質が関係する。
毒タンパク質
コブラやサソリは猛毒を持ち、その本体はタンパク質。
(食中毒になるボツリヌス菌の毒素や伝染病のジフテリア菌の毒素など)
ホルモン インスリン
成長ホルモン


:糖の代謝を調節する。
:成長を促進するホルモン。(複雑な代謝反応の調節を行う物質ホルモンは、タンパク質でないホルモンも数多くあり、テストステロン、エストラジオールなどは、ステロイドと呼ばれる有機化合物である)。
貯蔵タンパク質 カゼイン
アルブミン
ゼイン
:ミルク
:卵の中の卵白
:トウモロコシの種子 (胚や乳児にアミノ酸を供給するために存在)
構造タンパク質 コラーゲン



エラスチン
ケラチン
フィブロイン
:線維をつくった状態で存在し、動物の身体や臓器を支え、結合したり、境界を作る。骨、皮膚、軟骨、腱、血管壁にコラーゲンは大量に存在する。他臓器にもあり、人間の身体にあるタンパク質で量の最も多いもの。骨や歯など20〜30%はコラーゲンで、コラーゲン線維上にリン酸カルシュウムが沈着して出来ている。
:関節をささえているじん帯のように、伸縮する器官に存在するタンパク質。
:ツメ、髪の毛、表皮の主成分タンパク質。
:カイコの作る絹の主成分タンパク質。
マルチ機能 フィブロネクチン

上記の分類に分けられず、色々な機能を持つタンパク質である。
:構造区(ドメイン)領域があり、1=アクチン、ヘパリン、フィブリン、細菌など 2=コラーゲン 3=細胞 4=ヘパリン、フィブリンなどと接着し結合する。同時に破損した組織や侵入した細菌と結合し、白血球が食べやすくする働きがある。
     
【ち】 
 
●膣分泌物
 主に脂肪酸類からなる30以上の物質で、全てバクテリアの分解作用を受ける。月経周期を通じて劇的に異なる成分を持つ複合物質であり、臭いにより排卵の時期を正しく予告できる。ヒトの♂は♀の排卵サイクルを意識しているかどうかを問わず、排卵に近い時期に多く交尾を行っている。
 
虫草菌
 中国では蜘蛛・蛾(鞘翅目の幼虫)に虫草菌が寄生し子実体の発生したものを冬虫夏草、蝉の若虫に寄生し子実体の発生したものを蝉花と呼んでいる。
 虫草菌は約400種程あり、日本では300種程、完全型と不完全型がある。子嚢菌のキノコで担子菌であるシイタケのようなカサは作らず、棒状、棍棒状、たんぽぽ状のものが多く、先端付近のツブツブの内部に子嚢胞子と呼ばれる有性胞子(完全型)が形成される。昆虫・蜘・地中菌の子実体などに特定の菌が感染する。「サナギタケ」は蝶や蛾の蛹と幼虫に、「ハチタケ」はハチの成虫に、「セミタケ」はセミの蛹に寄生する。虫草菌は完全世代であり、他のホストに寄生することは原則としてあり得ない。ハチタケはガン細胞の増殖を抑える働きが確認されている。
 昆虫は虫草菌に感染すると、菌は昆虫の血液の中で増殖するが、この時菌は菌糸を作らず分節菌体(ハイファルボディ:酵母状の形)を作る。徐々にホストが弱まり、虫体の姿、形がそのままに組織は完全に消化され、ホストが死んだ後、再び菌糸に戻り白色固形の菌糸体で充満し、キノコ状の子実体を伸ばし子嚢胞子を空中に飛散させる。
◇完全型:胞子(遺伝子の組み合わせを行う有性的な繁殖)を作る繁殖を言う。胞子には+(プラス)と−(マイナス)があり、2種の胞子が発芽した後、+−菌糸が合体して遺伝情報を組み合わせ、次代のキノコの菌糸になっていく。
◇不完全型:無性的繁殖を行う胞子を作る繁殖を言う。ヤマノイモのムカゴなどと同じ繁殖方法だが、冬虫夏草の場合は成長姿態(子実体)が完全型・不完全型の2つが全く異なる形になる。
 
●中毒
 毒物・食中毒・寄生虫・毒キノコ・公害物質・洗剤・農薬・医薬品・麻薬などで緊急事故になることを中毒とする。緊急事故発生時は一刻も早い処置を施し、専門家の手に預けなければならない。
◇つくば中毒110番   50990-52-9899 (9:00〜17:00・休12/31・1/1・2・3)
           情報量100円/1分
◇大阪中毒110番    50990-50-2499 (24時間・年中無休)
           情報量90円/1分
 
吐かせる……H 水を飲ませる……W 牛乳を飲ませる……M
たばこ     H   何も飲ませてはいけない
たばこ液    HWM 水・牛乳を飲ませたばこ液を薄めて吐かせる
洗剤       WM 強腐食性があり、吐かせると火傷など悪化させる
乾燥剤      WM       〃
ベンジン・シンナーなど石油製品   何もしてはいけない
マニキュア・除光液             〃
防虫剤     HW  牛乳脂肪分に溶け体内吸収促進、牛乳は飲ませない
靴墨・靴クリーム WM 有機溶剤使用、気管進入予防の為、吐かせない
化粧水・香水  HWM 水・牛乳でアルコールを中和し、吐かせる
 
●中皮腫(ちゅうひしゅ)
 肺・心臓・胃腸・肝臓は、胸膜・腹膜・心膜などは膜に包まれ、これらの膜を覆っているのが「中皮」で、ここから発生した腫瘍を中皮腫と言う。発生部位により胸膜中皮腫・腹膜中皮腫・心膜中皮腫と分類される。
 良性中皮腫はアスベスト曝露との関連はないが、悪性中皮腫はアスベストが原因と言われている。悪性中皮腫は呼吸困難や胸痛など自覚症状を示し、頻度は肺癌100に対し1である。
 胸膜肺全摘術を含む集学的治療の生存率は、混合性・肉腫様(線維性)では2年生存率が7.5%、上皮性は3年生存率が42%、上皮性でリンパ節転移のないものは5年生存率45%である。
 一般に外科治療の対象となる症例は20%程度で、T〜U期の悪性胸膜中皮腫の平均生存期間は16ヶ月程度、V〜W期は5ヶ月程度である。
 アスベストは1000分の1mmの繊維状物質が集まった物で、耐火建築物・断熱材・保温材・吸音材に利用された。アスベストが空気中に飛び散り肺の奥で皮膚に突き刺さり、30〜40年後に発症する。
  
●ちょうじそう(丁字草・丁子草)
 キョウチクトウ科チョウジソウ属。北海道石狩地方以南、本州・九州の川岸原野に生える多年草。草丈は40〜80cm、花期は4〜6月。開花期に地上部を採取日干しする。レッドデータブックに記載される。
 茎葉にβ−ヨヒンビン(アムソニン)・エルリプチシン、根にエリプティシン・ヨヒンビン・β−ヨヒンビン・アリチリン・ハントラブリン・テトラヒドロセカミン、種子に、タベルソ・テトラヒドロアムソトニン・ビンカミン・16−エピービンカミンなどのインドール系アルカロイドを含む。生薬として小児の風熱に、煎剤(1回量=1.5gを400ccの半量まで煎じる)として用いる。
 β−ヨヒンビンは局所麻酔・瞳孔散大・血圧降下・血管収縮作用を持つ。
 近縁の北米原産ヤナギバチョウジソウ(切り花用)は、タベルゾニン(β−ヨヒンビンと同様な作用)などを含んでおり、薬用にすべきでない。
 
●チョウセンアサガオ(曼陀羅華・莨?(ろうとう))
 シソ目ナス科チョウセンアサガオ属。トロパンアルカロイド(アトロピン・ヒヨスチアミン・スコポラミン)を含んでいる。葉を揉んで匂いを嗅ぐと弱くゴマ油が混ざったような臭みがある。
 ヒヨスチアミンは体内でアトロピンに変わる。目薬にアトロピンを含むものは瞳孔を拡大させる作用があり、点眼薬として用いられている。トロパンアルカロイドは神経伝達物質「アセチルコリン」の作用を遮断し、副交感神経を麻痺させるため、消化管の運動は抑制され失禁することもある。また中枢神経に対して抑制作用を持つため、鎮痛剤や胃腸薬にも使用。抑制と同時に刺激作用も持つので、中毒すると興奮、幻覚、錯乱を招く。目薬を酒の中に入れると、よからぬ効果があると言われているが、中枢神経への薬理効果のためである。「抑制」が効けばコロッと眠ったり、「刺激」が効けば、異常興奮により一種の催淫剤にとなる。多量投与は中毒となり、痙攣・血圧低下・呼吸麻痺・昏睡を引き起こし死に至る。経口推定致死量は成人で約750mg/kg、小児で10〜20mg/kgである。スコポラミンは中枢神経を抑制し、麻酔や鎮痛剤の成分になり、“自白剤”にも使われている。半数致死量は100mg/kg。人の最低中毒量は、アトロピン70μg/kg、スコポラミン14μg/kg。
 
   種子:スコポラミン……………約0.24%
      L−ヒヨスチアミン……約0.02%
      アトロピン………………約0.0025%
   葉:トロパンアルカロイド(ヒヨスチアミンが主成分)……0.4〜0.6% 
 
         アトロピン濃度 スコポラミン濃度
 A株の葉     15ppm      54ppm
 B株の葉     ndppm     98ppm
 C株の葉     31ppm      90ppm
   キダチチョウセンアサガオの葉 71ppm      130ppm
 食用花と勘違いして花3個を炒めて食べた男性は、最後のひとつまみを食べようとしたところで意識をなくしたという。熊本市の病院所見は中毒を疑い、瞳孔は有機リン系中毒なら縮小だが、逆に今まで経験したことがないほど散大。家族が食べた花を提示したので、花の中毒と判断。胃洗浄処置をした。
 文化2年(1846)に華岡青洲が乳ガン手術のため、通仙散(主薬は曼陀羅華と附子)を用い全身麻酔をした。視覚・聴覚の拡張、意識が朦朧とした状態(LSD−25と同等)を引き起こす。大量ドラッグと酒を一緒に飲ませるのにひとしく、手術中の患者は激痛と幻覚に陥いっている。眠っている間に、痛みを感じることなく手術が終わる麻酔薬とは異なるのである。
 現在では、種々の疾病にヨウシュチョウセンアサガオ・シロバナヨウシュチョウセンアサガオの葉(花期に採取:ダツラ(日本薬局方))と種子(プロム水素酸スコポラミンを製する)が生薬として使われており、カプセルやチンキ、エキス剤とされている。喘息やパーキンソン病において特に有効である。鎮痛、鎮痙、鎮咳薬として葉末1回量0.05g 1日量0.15g を散剤、浸剤あるいはエキスとして用いる。 
 民間薬として、@種子を焦がし発生する煙(知覚麻痺作用・幻覚促進作用)に虫歯を曝すと痛みを和らげる。Aリューマチ治療には、葉+花+生姜+シャロット(ワケギ類)を混ぜ合わせペースト状にしたものを患部に張り付ける。B喘息には、葉(細く切る)を乾燥させ、たばこのように吸う。
 犯罪利用:殺人・窃盗・強姦 @ダツラ抽出エキス液を被害者の顔にスプレーすると、被害者を従順化にして記憶も完全に消去できる。A乾燥種子50個(約0.5g)を粉砕し苦みを打ち消す飲料(コーヒー・紅茶など)やカレーに混入すると、死に至る事なく15分位で意識を失わせる。B盗賊は曼陀羅華を採取し乾燥粉末にして飲食に入れ、相手を酔わせて気を失わせ、戝物を持ち去ると載っている。200年余り前、寺に金と豆腐と一樽の酒をさし出し、供養を頼んだ。住職は経をあげ、酒を飲んだ。まもなく狂乱・昏睡後、金・衣類・戝物を盗まれたという。酒樽には曼陀羅華の花と葉が入れてあったという。
 南宗の竇の「扁鵲心書」に「睡聖散」(1146年)という漢方処方があり「山茄花、火麻花(マリファナ)をともに研って粉末として、1回三銭を茶か酒で服用する。小児は一回一銭の服用とする。服用後すぐに昏睡する」と記され「人は艾の火・灸の痛さに耐えがたいが、睡聖散を服すれば即ちに昏睡し、灸を50壮してもよいし、人を傷つけることもない」と述べている。
◇中国の韋炳智は「民間医薬秘訣」の中で「白曼陀羅」を薬性歌にしている。
薬含大毒洋金花…洋金花は大毒を含む
 痰定喘似半夏…作用は 痰・定喘半夏に似ている
風湿骨痛泡酒服…酒につけて服すれば風湿・骨関節痛を治し
陀作麻薬効力佳…華陀は麻薬を作り効力佳し
 韋柄智の薬効分類では曼陀羅花は「止痛類」ではなく「止咳定喘類」に入れられている。「御薬院方」には小児の慢驚(ひきつけ)の治療薬として記載され、「広益地錦抄」(伊藤伊兵衛著1719年)に曼陀羅花を“唐人笛”と呼び、この葉を煎剤として服用すれば、寒湿脚気を治し、小児の慢驚風の薬になるとしている。
◇朝鮮朝顔の成分:全草にtropane alkaloidsのスコポラミン(ヒヨスチン)、l-hyoscyamine、アトロピン(dl- hyoscyamine)、スコポレチンを含み、総alkaloid含量は花に最も多く、種子や葉にはやや少ない。種子のalkaloidは scopolamine 0.24%を主として、l-hyoscyamine 0.02%、atropine 0.0025%を含む。日局IIIに収載されたことがある。
◇白花朝鮮朝顔の成分:葉にはalkaloid 0.4%を含有し、主成分はhyoscyamine及びアトロピンである。
◇洋種朝鮮朝顔の成分:葉にはtropane alkaloidsのhyoscyamine、アトロピン、スコポラミン、アポアトロピン、メテロイジンの他、硝石を含む。種子には約0.4%の alkaloidを含み、hyoscyamine、アトロピンを主成分とし、またパルミチン、ステアリンなどからなる脂肪油25%を含み、アトロピン、 hyoscyamineの製造原料となる。
 
●チョウセンアサガオ抽出エキス精製法 
 チョウセンアサガオを服用すると譫妄・記憶喪失作用がある。服用には種子を砕くだけでなく精製しなければならない。アトロピン・スポコラミン・ヒヨスチアミンの3種類がバランスよくかみ合った時のみ譫妄が発現、一つでも抽出が不十分の場合、精製は不完全となる。反応過程を十分に注意すること。
   pH試験紙(数値を確認する参照表のついているもの)
   チョウセンアサガオ種子
   酢酸
   水酸化アンモニウム(粒状クレンザー(塩基)を高濃度に水に薄めて代用)   ナフサ(ライターオイル)
   鍋
   簡単な実験機材一式
1.チョウセンアサガオ種子を胡椒を擂る道具などで可能な限り細かく砕く。
2.これに水と酢酸を加えpH5程度にまで酸化させる。
3.よく反応させるためには鍋に蓋をし、一晩以上煮込む。
4.この時中身が蒸発してしまうと失敗なので弱火にしておく。
5.アルカロイドは溶液中に溶け出すので反応が終わったら、濾紙やコーヒーフィルターで濾過し、残骸は捨ててしまう。(煮込時・残骸に異臭あり)
6.溶液から不要油脂分の排除。
 脱脂溶剤としてのナフサを10%程度加え撹拌。スポイトなどでナフサを再び切り離せば良い。ナフサは比重が軽いため、静置すると上に浮かぶ。
7.アルカロイドを抽出する。酸と塩基の反応時に「鉤外し」(特殊な化学反応)を起こしてフリーベース(純化した麻薬)として抽出し得る状態に持っていく。 微妙な反応なので水酸化アンモニウムを用いる。
  酸性の溶液に塩基(水酸化アンモニウムなど)をゆっくりと加えていき、pHを9〜10にまで変化させる。ここで一気に変化させてしまうと十分に反応し ない事があるので好ましくない。
8. 溶液からアルカロイドを取り出す。この時は先ほど用いたナフサを、今度は有機溶剤として用いる。
  用途が異なるだけなので同じ物を使えば良い。10%程度溶液に加え、よく振ってスポイトなどで取り出し、皿やシャーレなどに注いで自然気化を待つ。
 アルカロイドの全ての分子が溶剤と確実に接触するようにするためには1週間かかる。1日に2回はよく振り、同じ事を3〜4回はするので、これだけでも1ヶ月かかる。完成した残留物の中には3つのアルカロイドが高濃度に含まれている。
 
●朝鮮人参
 ウコギ科の植物で、高麗人参、薬用人参、御種(おたね)人参と呼ばれる。この根を乾燥したものが生薬の人参で、細根(ひげ根)と外皮を剥いで太陽で乾燥した白参(はくじん)、皮付きのまま蒸して乾燥したのを紅参(こうじん)と呼び、白参より免疫力を付けたり、循環器系を改善する作用が強い。原産地は中国東北地方から朝鮮半島北部で、古くから高麗人参の名声が高く、開城附近は一大栽培地である。
 朝鮮人参の代表的な成分はサポニン配糖体(ジンセノサイド)。強心作用、血行促進作用、造血促進作用、鎮静作用、内分泌系や血糖値、血圧値を調整する作用など多様な働きがある。他に精油、単二、三糖類、ビタミンB群、アミノ酸も多く、複数のアミノ酸が結合した「ペプタイド」も数種含まれ、血糖値を下げる働きがある。肝機能を促進する「コリン」、新陳代謝の促進・強心作用をもつ「パナキロン」などが朝鮮人参の重要な成分である。長期使用は血圧への影響があり、検査しながら使用する。
 ビタミン類は、B1、B2、葉酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸などである。ミネラルはカルシウム、カリウム、マンガン、鉄、銅、などを含み、リノール酸も含まれている。
 漢方で陰虚証(疲れやすい、気力が乏しい)向きの薬であり、陽実証(気力が充実、疲れにくい、体格ががっちりしてる、筋肉に弾力、高血圧)には逆効果を生じ、要注意である。
 古くから疲労回復、強壮効果であり、現代医学でも実証されている。血行促進作用があり、低血圧、冷え性に、造血促進作用から貧血に、鎮静作用があり、神経衰弱、自律神経失調症など神経症状に対し安定させる効果から、過労+精神的ストレス=心身が不安定なとき摂取するとよい。特に紅参は胃潰瘍に対し顕著な効果がある。血糖値を調整する働きがあることから、糖尿病、肝臓病、胃腸病の予防、改善に役立つ。
 薬効:胃の衰弱により低下した新陳代謝を高める薬として、病弱者の胃部停滞感、消化不良、嘔吐、胸痛、弛緩性下痢、食欲不振などに用いられる。最近、世界各国でその薬効が再認識され、疲労回復、作業能力増進、免疫機能促進、癌の治療と予防などの科学的な裏付けがなされつつある。
 
摂取方法
 煎じたり、飲んだり、朝鮮人参酒に適しているのは、白参である。綺麗で白い物ほど品質がよい物である。
 
 朝鮮人参を煎じる
1日量を2g。輪切りにして鍋(土鍋、琺瑯、ガラス)に入れ、
水400ccを加え、水が半分になるまで煮つめ、これを1日2〜3回
に分けて飲む。
 
煎じた後の朝鮮人参は蜂蜜に漬け、保存する。浸けた朝鮮人参は長く保存でき、いつでも美味しく、残っている有効成分を無駄なく摂取できる。
 
 朝鮮人参酒
人参10本
35度エチルアルコール4リットル
密閉瓶でつけ込む。2〜3ヶ月で飲めるが、
3年以上寝かせると口当たりがよくなる。
 
 
●腸
 小腸・大腸は通過する食品が多いほどその機能が活発となるので、食物繊維に富む食品(タンパク質・脂質が少なくカロリーが低い物が多い)を多量摂取して腸の機能を活発化させる。
 小腸には免疫細胞の30%が集まり、食品に含まれる有害物質・病原菌に対処している。ヒトは点滴だけで何ヶ月も生きられるが、腸壁は薄い紙状になり腸機能の喪失、病原菌に対する免疫も喪失する。
 食物繊維を多量摂取すると大腸フローラ菌が多量となり便量を増加、便秘が避けられ、通過時間が短くなり有害物質量が下がり大腸ガンの危険因子も減少、食物繊維は発酵作用を高め、酪酸・プロピオン酸・酢酸を産生、腸内を酸性に変化させ腐敗菌増殖を抑制、アミン類などガンの原因物質の生成を減少させる。
 食物繊維摂取は腸機能を高め、善玉菌量を増し、便量を増加する。大腸内での便の滞留時間を減らし便秘を予防する。そして、血糖値を下げ血中コレステロール濃度を減らし、大腸ガン・心臓血管病・糖尿病・肥満などの生活習慣病が予防できる。未精製の穀物・野菜・果物・豆類・海藻類を多く摂り、油脂と肉類を少なめにする。
 
●腸内細菌
 小腸内は無菌に近い状態であるが、大腸内には約100種類、100兆個の細菌が棲息。健康な成人は糞便1gあたり3000億〜5000億の細菌数である。主な細菌は大腸菌、ブドウ球菌、ウエルシュ菌、ビフィズス菌、乳酸菌等であり、菌同士で常にスペースの奪いあいが行われ、分布は食事環境などの違いで変化する。
 長寿国で有名なブルガリアの人々は、乳酸菌かそれを加工したものと野菜を中心にとっており、腸内に乳酸菌が多量である。肉食中心の食事をしているヒトの腸内は、ウエルシュ菌が優勢である。ウエルシュ菌は老化に関係し、乳酸菌は不老長寿に関係がある。
 腸内細菌は発酵菌(乳酸菌)・腐敗菌・日和見菌に分類出来る。
 乳酸菌は炭水化物(オリゴ糖・乳糖)を発酵させ、乳酸・酢酸・エタノール・炭酸ガスを作る「善玉菌」である。市販ヨーグルト乳酸菌は腸管内の乳酸菌と異なり、腸管細胞に付着出来ないが、効果は腸管を通過する間は有効である。
 腐敗菌は腸内でタンパク質・脂肪を分解して、アンモニア・硫化水素・アミン・インドール・フェノールなどを作り、「悪玉菌」と呼ばれ、糞便の悪臭の原因物質である。アミンは発ガン物質であるニトロソアミンの原料で、インドール・フェノールはガンを助長する作用がある。腐敗菌は、バクテロイデス・嫌気性レンサ球菌・大腸菌・緑膿菌・ウェルシュ菌・ブドウ球菌・赤痢菌・コレラ菌・サルモネラ菌などで、下痢や腸炎を起こす細菌はすべて腐敗菌である。
 乳酸菌・腐敗菌以外に、酢酸や酪酸を作るユウバクテリウム菌がある。クロストリジウム菌は酢酸・酪酸以外にタンパク質を分解して有害物質を作る。
 人の腸管内で定住し多数派の菌類は、ユウバクテリウム・バクテロイデス・大腸菌・嫌気性レンサ球菌・ビフィズス菌である。【大腸菌を見よ】
 ガン治療学会で、乳酸菌の一種アルビン菌は、腸内フローラの悪玉菌を減らし、善玉菌を増やし、血中の免疫細胞の活性化で感染症に対し免疫向上作用・大腸ガンの発生抑制・動脈硬化の遅延があると発表。東京大学の光岡知足氏は、「乳酸菌に発ガン因子を排除する作用を促進する物質が含まれる」と発言。
 
◇善玉菌(蘇生菌)
 悪玉菌の力を弱める・消化・吸収の促進・ビタミンB群などの合成・免疫力の強化がある。善玉菌が多いと、長生きで、生活習慣病になりにくい。
 ビフィズス菌(乳酸菌の1種・ビフィドバクテリウム属)は25種類、乳酸桿菌なども善玉菌であるが腸内にビフィズス菌ほど多くなく、場所も住み分けている。ビフィズス菌は胃酸では生き延びることは難しいが、pH5位の環境で生存でき、また自身の代謝産物として乳酸や酢酸を作りだし大腸の中を腐敗菌が生存しにくい酸性の環境になり、見違えるほど健康になる。
 
◇悪玉菌(崩壊菌)
 ほとんどの菌が病原性を持っている。腸内で特定菌が多量に増殖すると発病することになる。ウェルシュ菌・ブドウ球菌・プロテウス・緑膿菌・ベーヨネラ・大腸菌などである。大腸菌は病原性を有するが、ビタミンの合成や感染制御もあり、大腸菌=悪玉菌と言えないが、腸内生息数が多くなれば身体に害を及ぼす。タンパク質は消化酵素によりアミノ酸に分解・吸収されるが、悪玉菌類は、タンパク質の一部を栄養分として有害物質を作り出す。
 
 悪玉菌優勢になると、
@腸内の腐敗が進む
A有害物質(アンモニア・硫化水素・インドールなど)が、過剰に生産される。
B発ガン物質(ニトロソアミン・胆汁酸代謝物など)の産生が増す。
C肝臓などに負担。
D下痢や便秘に罹りやすく、慢性化になる。
E免疫力が低下、感染症に罹りやすい。
 
 悪玉菌が産生する有害物質は、
※アンモニア
 タンパク質が分解される過程で、アミノ酸の一部が菌により脱アミノ化作用を行いアンモニアを発生させる。悪玉菌優勢の腸内環境では、アンモニアが大量発生し、解毒作用を持つ肝臓に過剰な負担をかけてしまう。
※アミン
 アミノ酸が菌により脱炭酸化をすると、腐敗産物(アミン)が産生される。アミンは微量で有毒なものがある。
※インドール・スカトール
 必須アミノ酸のトリプトファンが腸内細菌で分解されると、アミン・インドール・インドキシル・スカトールなどが産生され、これらは発ガン性を持つ。
 
◇日和見菌
 バクテロイデス(日和見菌)は、ビタミン合成・病原菌感染を防ぐ善玉菌作用と、腸内の腐敗・発ガン物質の産生・腹部を膨満させる悪玉菌作用の両方を持つ。体力や免疫力が低下(手術・老化など)すると、通常は病原性のない菌により感染症に罹る事があり、これを日和見感染と呼んでいる。
 
●腸内細菌A
◇胃 乳酸桿菌・レンサ球菌・酵母など酸に強い菌が胃液1gに100〜1000個いるに過ぎない。口腔から胃に送られてきた細菌の多くは強酸のため胃から先に進むことが出来ない。
◇十二指腸 レンサ球菌・乳酸桿菌・ベーヨネラなどで、胆汁などの分泌物のため数はそれほど増えない。
◇小腸 強酸が腸液で中和され、細菌が増殖しやすい環境になる。空腹の時でも十二指腸の10〜1000倍の細菌数である。乳酸桿菌・レンサ球菌・ベーヨネラ・バクテロイデス・ビフィズス菌・ユウバクテリウムが棲息している。小腸上部まで好気性菌の割合が多いのは、摂取したものと一緒に入ってきた酸素を好気性の菌が消費するからであり、空気が無くなってくると嫌気性菌が元気になる。
◇盲腸 腸の内容物1gあたり100億個細胞が棲息している。バクテロイデス・ユウバクテリウム・ビフィズス菌などの嫌気性細菌が多くなる。盲腸以降は糞便にある細菌の構成とほとんど同じである。
◇大腸 小腸から送られてきた内容物は液状になっており、大腸の前半で水分が吸収され、後半で糞便として排泄される。人は食事を摂取して排泄するまで24〜72時間であり、食事内容・腸内フローラによって変化する。
 
 腸内の腐敗菌はタンパク質をアンモニア・アミン・フェノール・インドールなど有害物質を生成するが、通常は@腸管で吸収、肝臓で解毒・排泄される、A腸管内で別の腸内細菌で無害物質に作り替えられることで処理されるが、肝臓が弱って充分に解毒出来ない、腸の老化現象で発酵菌が少ないか存在していないと血液に乗って脳へ入り、肝性昏睡(激症肝炎)を引き起こしたり、ガンの発生に関与する。
 
●腸内フローラ(腸内菌叢)
 腸管内の細菌類の勢力分布である。腸内フローラは年齢によって異なるが、20〜40歳代での腸内フローラは、バクテロイデス・ユウバクテリウム・嫌気性レンサ球菌などの嫌気性菌群とビフィズス菌の二大勢力で、大腸菌・乳酸桿菌・腸球菌などはビフィズス菌の1%ぐらいの数量、ウェルシュ菌・ブドウ球菌などは検出されることはあるが、数は少ない。
 高齢の65〜85歳代の腸内フローラではビフィズス菌が減少、検出されないこともある。替わりにウェルシュ菌が目立って増え、大腸菌・乳酸桿菌なども増加する。高齢になると腐敗菌が増えるのは、胃酸の働き(弱酸性になる)の低下や、腸の機能が衰えるなど生理的な老化の結果である。この老化した腸管内では、タンパク質・脂肪の腐敗が進み、有害物の生成が盛んに行われ、体躯の各組織に影響を及ぼし、さらに老化を促進する。
 
●超軟水
 金属イオン(カルシウム・マグネシウムなど)をまったく持たない水。同時に水質や味わいを良くするナトリウムは豊富に含んでいる。自然界では、一部の温泉水・湧き水に見られる。イオン交換膜を備えた軟水機で、水道水から人工的に作ることも出来る。
 
【つ】
 
●通経剤(メスコン)
 体力がある女性の月経不順・月経困難に用い、精神的・肉体的苦痛を解消する。臍を中心に痛み強く、下腹部・腰部に圧痛・抵抗がある駆?血剤。
   (1日量) 
   ゴシツ………………1.5g
   ケイヒ………………1.5g
   シャクヤク…………1.5g
   トウニン……………1.5g
   トウキ………………1.5g
   ボタンピ……………1.5g
   エンゴサク…………1.5g
   モッコウ……………0.5g  以上より製した水製エキス1.55gを含む。
 子宮の収縮剤(麦角製剤)との複合剤、ホルモン剤が含まれていない月経不順治療薬。密かに流産薬として使われているが、胎児に有害な成分・母体に激しい下痢成分が含まれている。
 
●ツボクラリン(tubocurarine)
 
 ツヅラフジ科植物を起源植物とするイソキニリン系アルカロイド。矢毒「クラーレ(curare)」の主成分。薬理作用は骨格筋の麻痺(運動神経麻痺作用)。
 
 
 
 
●ツーヨン
別名:ツヨン・ツジョン(英・thujone、独・thujon)
 C1016O:分子量152のモノテルペンケトンでニガヨモギ以外にはヒノキ、シソ科の植物精油に存在する。メントール様の独特の匂いの液体、天然のツーヨンのほとんどはα-thujoneとして存在し沸点200〜201℃。
 アブサンが1907年にスイスで1915年フランスで製造、販売禁止理由がツーヨンが入っているため。ツーヨンには向精神作用があり、大麻の活性成分(Δ-THC)テトラヒドロカンナビノールと同じ中枢神経の受容体に作用すると考えられている。構造的にTHCを簡素化したと見えなくもない。ツーヨンが大麻の成分とほぼ同じ作用であると仮定するならば、中毒性、依存性は持たず、麻酔性を持つ物質だと推定され、適量な服用は鎮静・抗鬱・鎮痛・麻酔性を持つ。
 急性毒性:大量に服用した場合には痙攣を引き起こす
 慢性毒性:不安感、不眠、悪夢、嘔吐、眩暈、震え、痙攣
などが報告されている。
 
【て】 
 
●ティーツリー油(tea tree oil)
 オーストラリアのニューサウスウェールズに自生するメラレウーカ属テンニン科の7mを超えない樹木、ティーツリーの葉付き小枝から採る精油。学名:Melaleuca alternifolia。ユーカリなどフトモモ科樹木を含めてオーストラリアでは「ティーツリー」と呼んでおり、いい加減な名称の付け方。
 ケモタイプのティーツリーは、シネオールの含量が2〜65%の変動が見られ、季節変動・高度・土壌の性質など生育環境によって精油の成分が大幅に異なってくる。シネオール、テルピン−4−オルの含量で分類され、オーストラリアのMelaleuca alternifolia精油の規格ではテルピン−4−オルが30%以上、シネオールは15%以下が求められている。ティーツリーにユーカリ油を混合した物があるが、この匂いはカンフル臭が強く、本来の軽くて甘い芳香はしない。
 新鮮で高品質ティーツリー油の主な成分は
  α−ピネン       2.5%
  α−テルピネン     9.1%
  p−シメン       3.9%
  1,8−シネオール    4.3%
  γ−テルピネン    24.6%
  α−テルピネンオール  2.3%
  テルピネン−4−オル  42.1%
  テルピノレン      4.1%
 
●ティーツリー油が有効な症状
◇イボ
 良性の腫瘍で、手・指・顔・肘・膝・足底などに発生する。原因はウイルスで弱い伝染性がある。イボは自然に消滅するが見た目に醜いことからイボ取りを求める。医者はイボを焼き切るか擦傷性のペーストを用いる。
 イボに精油原液を1日3回塗ると1ヶ月程度で消滅する。足底イボは50%の精油を毎日塗り、包帯で覆う。数日後、皮膚が黄色くふやけたところで、針で病巣を掘り出し、皮膚が完全に治るまで(普通6週間)処置を繰り返す。
◇虫刺され・刺し傷
 蚊・蚤・アブの吸血傷、スズメバチ・ミツバチ・蜘・クラゲの刺し傷は、傷に4時間ごとに直接塗布することで、痛みを和らげる。掻痒を緩和すると同時に虫の忌避剤である。
◇火傷
 軽症の火傷は精油による処置によく反応し、疼痛の軽減・水疱の形成と感染を阻害・治癒を促す。患部を5分間水で冷やし、原液を1日に3回以上患部に塗布する。治癒するまで継続すること。
◇その他に、インフルエンザ・扁桃腺炎・魚の目・風邪・関節炎・痛風・気管支炎・切り傷・静脈瘤性潰瘍・シモヤケ・にきび・吹き出物・膀胱炎・尿道炎・麻疹・水虫・リウマチに効果がある。
 
●テオナナカトル
 メキシコのインディアンが秘祭に使う小さなマシュルーム状の茸。サイロサイベ・メキシカーナ、学名「シロシベ・メキシカーナ」中から幻覚剤「サイロシビン」「サイロシン」が抽出。
 幻覚作用は、大麻×100倍=サイロシビン、サイロシビン×100倍=LSDである。
 
●テストステロン(testosterone)

 男性ホルモン。
●デセン酸(デシレン酸、C10182)
 炭素数10個、二重結合1個の不飽和脂肪酸。
 2-デセン酸はCH3(CH2)6CH=CHCOOH。ミツバチ腹部の蝋腺から分泌。融点62〜65℃。
 
●テトロドトキシン
 フグ科フグ類やハリセンボンなどが持つ神経毒。毒性の強い部位は肝臓・卵巣・はらこ・皮膚で、故意に摂取する自殺行為は中世では珍しくなかった。
 微量のテトロドトキシンの存在は、体躯を暖め、手足に拡がるぞくぞくする美味しさの感覚を導く。
 猛毒フグは、ナシフグ(平成5年食用禁止指定)・コモンダマシフグ・タキフグ・シッポウフグなどである。
 テトロドトキシンはフグに存在する固有の毒だけでなく、1964年にカリフォルニアイモリの卵・コスタリカ産のカエル・ツムギハゼ・ヒョウモンタコ・ボウシュウボラ(巻貝)等、フグ以外の動物からも相次いで検出された。1986年にフグ毒保有動物の消化管内細菌がテトロドトキシンを産生していることが分かった。
 テトロドトキシンは、@神経細胞の膜に存在するナトリウムチャンネルを通してのナトリウムイオンの流入を阻害、情報伝達に必要なナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスを乱し神経伝達の停止作用と、A骨格筋の動きを抑制する作用があり、通常は4〜8時間で知覚麻痺・言語障害・呼吸困難などを経て死に至る、死直前まで意識は正常。9時間以上持ちこたえると生還する確率が飛躍的に高くなる。フグの肝臓1個で10〜30人を殺せる毒量である。
 
●テバイン
 ケシに含まれるモルフィン系アルカロイド。
 
●テルペン(terpene)
 イソプレンが植物体内でいくつか結合したフィトケミカルの総称、テルペノイドとも呼ぶ。イソプレンが主に8個結合したものはカロチン(赤い色素成分)である。
 イソプレンがいくつか結合したものが、酸化されたり還元されたりして複雑な化学反応を起こし、テルペン類に含まれる化合物の数は大変多くなる。
 テルペンは植物の生長・代謝に深く関わり、他種の植物の発芽や根を伸ばすのを妨げ、微生物を殺す作用なども持っている、テルペン類の中でも揮発性が高く、臭いを発散するものは分子量の比較的小さいもので、森林の臭いの主役となっている。
 
●テルペンA
 森の中の馥郁(ふくいく)とした香りは、不飽和炭化水素で出来ているテルペン系の物質の一群である。
 テルペンは、(C58)n の化学記号であり、n1=イソプレン、2=モノテルペン、3=セスキテルペン、4=ジテルペン、6=トリテルペン、8=テトラテルペンである。モノテルペンは約380種、セスキテルペンは1000種、ジテルペンは650種ぐらいが知られており、年々発見され、数は増えている。
 テルペンは植物の花や葉、枝や幹から得られる精油の中に多く含まれ、皮膚刺激剤、消炎剤(炎症を治す薬)、緩下剤(中程度の下剤)、消毒薬などに多く使われ、気管支、尿路感染症の薬剤として広く利用されていた。
 植物から主にモノテルペンが空気中に発散され、空気中の量は1億分の1から10億分の1程度だが、微生物にはフィトンチッドとして作用、ヒトに対しても効果が期待されている。
 
テレピン油:刺激剤、去痰、利尿作用 ◎マツ類
α−ピネン:疲労回復に効果(松ヤニくさい臭い) ◎針葉樹
リモネン:コレステロール系胆石溶解(レモンの香り) ◎ミカン類の果皮
1,8−シネオール:気管支の分泌を促進(少し薬っぽい臭い) ◎ユーカリ
カンファー:局所刺激、清涼  ◎クスノキ
シトラール:抗ヒスタミン作用、血圧低下 ◎バラ
ヒノキチオール:抗菌作用、養毛 ◎ヒバ、ネズコ、タイワンヒノキ
 
●テルペン類の薬物的効用
 現在使われるサルファ剤や抗生物質が無い時代は、テルペン系の物質が殺菌剤として使われていた。
◇モノテルペンの治療特性
 抗感染作用・鬱血・鬱滞除去作用・鎮痛作用・強壮作用・抗菌作用・ホルモン様作用など。
  モノテルペン セスキテルペン ジテルペン
麻  痺  性
強    壮
鎮    痛
駆    虫
抗    生
抗てんかん性
抗ヒスタミン
抗 炎 症 性
抗 ロ イ マ
抗 腫 瘍 性
胆汁分泌促進
利    尿
去  痰  性
血 圧 降 下
殺    虫
刺  激  性
生長ホルモン
芳    香
植物ホルモン
暖  通  便
鎮    静
鎮    痙
有    毒
ビ タ ミ ン























 























 























 
●テレピン油(Turpentine Oil、松精油、ターペン油、)
 針葉樹、特にマツ属の樹木から得られる揮発性の油。根、幹、ヤニ、葉などに水蒸気を吹き付けると、テレピン油は水蒸気とともに気体となり、冷やすと液体の上層部に集まる。無色〜淡黄色で、粘りけが強く、刺すような匂いがある。多数の化合物よりなり、化合物は樹種により異なるが、主成分はα−ピネンで、β−ピネン、シルベストレン、ジペンテンなど、ほとんどがモノテルペン、その内でもピネン類が中心となる。比重0.860〜0.875、沸点155〜180℃、引火点35℃、水に不溶、エーテル・クロロホルム・二硫化炭素に可溶。採取法@幹に傷を付けて得る「ガムテレピン油」、A根をチップにして溶剤抽出した「ウッドテルピン油」、Bパルプ製造時に集める「サルフェートテレピン油」などである。
規格:JIS K5908-78 日本薬局方にも規定がある。
用途: 溶剤(油脂・樹脂・ペイント・ワニス・ラッカー・合成樟脳・香料の製造原料・防臭防虫剤)、医薬品(誘導刺激剤)
製造業者:日本テルペン化学、播磨化成、安原油脂
価格:ガムテレピン1号 400〜500円/Kg
取り扱い注意:「爆発下限0.8%」空気との混合ガスは引火・爆発する。ヨードに触れると爆発する。硫酸に触れると激しく発熱する。火気厳禁、気密容  器で漏洩の無い様保管する。
  保護具……保護メガネ・労働衛生保護手袋・保護前掛・必要に応じ有機ガス用防毒マスク。
消火上の注意:エアホーム、粉末・炭酸ガス消火器。
毒性:毒性の許容濃度 100ppm、560mg/?。皮膚・目・鼻・喉を強く刺激、蒸気を吸入すると頭痛・目眩を起こし、慢性中毒を起こす。
  応急手当……皮膚に付着、石鹸水で洗い落とす。
        目に入った、流水で充分洗い医師の手当を受ける。
        蒸気吸入、新鮮な空気の場所に移し酸素吸入を行い、医師の手当を受ける。
 
●テロメア
 DNAの末端(テロメア)はグアニンに富んだ6つの塩基配列の繰り返しであり、細胞分裂がおきる度にテロメアの欠落がおきる。つまり細胞分裂に応じてテロメア部分が短縮され、一定の長さ以下になるとこの細胞の細胞分裂は終わりましたというDNAの「死のプログラム」としての役割を果たす。
 ガン細胞はテロメア合成酵素「テロメラーゼ」を持ち、細胞分裂により短縮されたテロメアを伸ばし、永遠に細胞分裂を続ける。
 
●天宮百花(てんきゅうひゃっか)
 北朝鮮の金日成長寿研究所で開発された精力剤(金日成版バイアグラ)。淫羊?中に含まれるイカリインなどを抽出した薬剤。
 効用は、内分泌代謝を促進し、心臓の安定・血圧調整・強壮・利尿・リフレッシュ・老化防止などである。説明書によると、性機能の減退だけでなく、不感症・不妊症・糖尿病に効き、老人が服用すると性欲が高まるとともに老衰症状が軽減、更年期の女性は生理が復活する。日本では3万円程度で販売。
 
●デング熱 (Dengue Fever)
 ウイルスを持っている熱帯縞蚊・一筋縞蚊によって感染、抗原性により1〜4型に分類。熱帯亜熱帯地域(アジア・太平洋諸島)に広く分布するウイルス感染症。デング出血熱はデングの流行が激しい地域でのみ発生。デングとデング出血熱は別疾患で、デングがデング出血熱に移行する事はなく、デングとデング出血熱は早期から鑑別可能(自然出血や血圧低下が発生したらデング出血熱の可能性が濃厚)である。
 潜伏期間は5〜7日。寒気や時には震えを伴なって急に高熱を出し、3日ぐらいで37℃台まで下熱し、一日置いて39℃台に上昇し、2日ぐらいで再び急に下熱するM字型の熱型を示す。「頭痛・全身の関節や筋肉の痛み・目の充血・喉が赤くなり痛む・頭痛(特に目の後ろの痛み)など発病前後の自覚症状は、デングを疑わせる。
 一度下熱した熱が再上昇する頃、麻疹様(風疹に似た淡い紅斑)の発疹が3〜5日間現れ、四肢によく表れ、首・脇の下・腿の付け根などリンパ節が腫れます(以上が、古典型と言う、罹った時の症状)。血液検査では、軽度〜中等度の脱水、肝機能障害、血小板減少などがしばしばみられる。
 再感染した時は、免疫反応の為に発病後数日して、著明な出血傾向が現れるテング出血熱という病型、ショックを伴なうテング・ショック症候群をおこす可能性がある。
 デング出血熱やデングショック症候群の場合は特効薬は無く、3〜6%が死に至る。有熱期間は安静にして冷罨法(れいあんぽう)や鎮痛剤等の対症療法を行う(冷罨法=冷水または冷たい薬液に浸した湿布)。
 予防ワクチンが無く、 蚊に刺されないように注意する。デングに罹患すると、同型のデングウイルスに対しては終生免疫が成立するが、別型のデングウイルスには感染する。
 
●天台烏薬
 クスノキ科で熊野の山野に自生。薬効は芳香性健胃と鎮痛作用。秦の始皇帝は方士「徐福」に不老不死の仙薬を求めさせ、紀元前210年、熊野の山中にこの天台烏薬を発見したといわれる。
 
●伝統(伝承)医学
中国     中国医学(中医) 紀元前1000年(神農本草経に365種の薬草)
@邪を服薬で追い出す流派
A服薬で体力増強、患者の力で邪を追い出す流派
日本     漢方(中医Aから派生)
韓国     韓方・韓医学(中医から派生)
インド    アーユルヴェーダ医学 紀元前2500年(病名9000・薬剤10000)
タイ     タイ古医学 (アーユルヴェーダから派生)
チベット   チベット医学(アーユルヴェーダから派生)
インドネシア ジャムウ医学(アーユルヴェーダから派生)
パキスタン  ユナニ医学 (アーユルヴェーダから派生)
エジプト   パピルス・エーベルス 紀元前1500年(薬草が現在の約20%)
ギリシャ   紀元前500年(ヒポクラテス著「植物医学」)
 
●テンペ
 元来はジャワ島で食べられている大豆のクモノスカビ(ハイビスカス・バナナ葉にいる白カビ)発酵食品、種菌(RAGI)はリゾプス・オリゴスポルスという毛カビの一種。テンペにはトコフェノール(脳の毛細血管を強くする)や不飽和脂肪酸が非常に多く含まれ、血液中コレステロール抑制作用・ガン防止作用がある。マレーシア・中東諸国などでも作られ、テンペは醤油につけて焼くか、薄く切って揚げるか、スープに入れて食べるなど、調理されてから食べられます。http://www.ja-okayama.or.jp/ja001/tempeh/tempeh_recipe.htm
○作り方
  水……………………………… 2リットル
  大豆………………………………… 500g
  食酢………………………………… 少々
  テンペ菌(RAGI TEMPE)………… 2〜3g 
1.2リットルの水に酢を少々入れ、大豆を一晩漬けた後、30〜45分間煮て、柔らかめに茹でる。(大豆の皮は取り除いた方がよい)
2.水を切った茹で大豆をボールに移し、小さじ1杯をふりかけ攪拌する。
3.これをトレーに移し、サランラップなどで密封後、呼吸できるように穴を開け、25℃〜30℃で12〜24時間醗酵させる。
4.固まってきたら冷蔵庫に移し保管する。(長期醗酵させると黒くなるなるのは胞子の色である)
◇インドネシアでは
大豆を洗い、水に浸け、茹でる。一晩放置し、翌日に手で揉み皮を剥ぐ。それをハイビスカスやチークの葉の裏に種菌であるラギと合わせ広げます。さらに葉の裏側を大豆に向けて被せます。これを幾層にも積み重ね、30度前後のむろで2日間発酵させます。大豆は菌糸で覆われ真っ白になります。ビニールで包んだものはバナナの葉で包み直し販売する。
 
【と】 
 
●糖
 糖を作る6個の炭素は原子団、ヒドロキシ[ル]基(OH基:hydroxy[l])と水素(H)が付いている。1位の場所の位置により糖が2種類できる。アノマー(anomer)で、αとβ(酸素から時計回りに見て、1位の炭素分子の水素が酸素側にあるのをα、水酸基があるものをβとする)で表す。2〜5位の炭素に付いているOH基の場所が逆であり、他が同じであると、
 マンノース  2位
 ガラクトース 4位
 フコース   1・2位、5位のCH2OHがHに置換
になる。
 糖の炭素原子に付いているOH基は、他の糖のOH基と手を繋ぐことが出来る。例えばグルコースの1位のOHと、他のグルコースの4位のOHが繋がる(-O-:グルコース間で1分子のH2Oになる)と、グルコシル-α-1,4-グルコース(マルトース:麦芽糖)が出来る。これを1,4グルコシド結合という。結合は、1,4の他1,2・1,3・1,6が有り、アノマーを考慮するとグルコースを3個繋げる結合は176通りある。 
 
●糖A
Fuc    フコース (fucose)
Fru    フルクトース (fructose; 果糖)
Gal    ガラクトース (galactose)
GalNAc N−アセチルガラクトサミン (N-acetylgalactosamine)
Glc    グルコース (giucose; ブドウ糖)
GlcA   グルクロン酸 (glucuronic acid)
GlcN   グルコサミン (glucosamine)
GlcNAc N−アセチルグルコサミン (N-acetylglucosamine)
IdoA   イズロン酸 (iduronic acid)
Lac    ラクトース (lactose; 乳糖)
Mal    マルトース (maltose)
Man    マンノース(mannose)
NurNAc N−アセチルムラミン酸
NeuAc  N−アセチルノイラミン酸
NeuGc  N−グリコリルノイラミン酸
Sia    シアル酸
Xyl    キシロース
 
●トウゴマ(唐胡麻・ヒマ・蓖麻・Ricinus communis LINN.)
 トウダイグサ科トウゴマ属トウゴマ、多年草。花期は7〜9月。全草・葉・種子・茎にリシニン・リシン(Ricin)・ヘムアグルチニンの毒を含有する。
 
●当帰(漢方生薬)
 当帰に含まれる成分、多糖類のフラクションは、インターフェロンα2誘発活性を示す部分、リンパ球幼若化活性を示す部分、抗腫瘍活性を示す部分など、それぞれ化学的に異なる物質がある。これらの作用は川?(せんきゅう)の共存により強化という臨床報告があり、当帰・川?・柴胡・桂枝などの投与でTNF(腫瘍壊死因子)を産生する。
 
●糖原病(筋酵素欠損症)
 先天的糖原代謝の関連酵素が欠如しているため、グリコーゲン(糖原)が肝・腎・筋肉などに蓄積する病気。
 von Gierke病・Pompe病・Forbes or Cori病・Anderson病・Mc Ardle病
・Hers病など、酵素が欠損して各疾患を引き起こす。
  
●糖鎖
 生体内でグルコース、ラクトース、スクロース以外に単糖やオリゴ糖の形で存在している糖は無い。天然ではセルロース、デンプン、グリコーゲン以外の糖類はタンパク質や脂質に結合した「糖鎖」として存在している。
 糖鎖は、血液型の決定や免疫反応、ウイルス等の細菌類とその毒素による疾病、細胞接着をはじめ情報の発信と受信、ホルモンの感知と発信、ガン化に伴い糖鎖の構造変化など、生命維持の基本に関わる重要な役割を持つ。したがって糖鎖が関わる病理、病態(グリコパソロジー)は重要である。各種単糖が決められた順番で結合した糖質のことを「糖鎖」、これが生体内でタンパク質(ペプチド)、脂質と結びついてリガンド、レセプターの役割を持つ糖鎖になる。
 糖鎖配列(糖残基配列)のことを糖鎖の「一次構造」と呼び、一次構造が決まるとそれに見合った立体「三次構造」が定まる。
 細胞を見分け働きかけるのは、レクチン、フィブロネクチンなどのタンパク質が糖鎖を見分けるからである。レクチンは糖鎖の形、構造、組成、配列など、ガン・病疾患が発症したが故に生じた糖鎖の異常も見分ける。
 
●糖鎖と免疫活性
 キチンのオリゴ糖(N−アセチルキトオリゴ糖:N-acetyl chitooligosaccharide)とキトサンのオリゴ糖(キトオリゴ糖:chitooligosaccharide)は、糖残基が6個のオリゴ糖(分子量1000程度)にもっとも強い免疫賦活性を有する。
 これはマクロファージの受容体(レクチン)がオリゴ糖を取込むと、糖鎖+受容器複合体を形成し、免疫賦活・抗腫瘍活性・感染防止の機構を作動のきっかけになるからで、制ガン多糖として知られるレンチナン・シゾファランと同程度の有効性がある。
 
●糖鎖の機能
 糖鎖は、情報の受容・制ガン・感染防御などの生理活性の実行である。
@多糖または多糖の分解によって生じるオリゴ糖が細胞機能や生理機能を担っているタンパク質や受容器に取り込まれる。
 植物が病原菌から防御するに、病原菌の細胞壁(キチン)が植物のキチナーゼで分解され、生成されたオリゴ糖が病原菌の遺伝子に取り込まれ、増殖を阻害する。これは、糖鎖が病原菌の遺伝子と相互作用を行うことが決め手である。
A細胞・ホルモン・免疫・受容器が相互作用を行うに、これらに付着する糖鎖が必須な要因である。受精は卵細胞に特定糖残基(糖鎖)が伸びており、精子には特定糖残基を読みとり、卵細胞糖鎖との複合体が形成され妊娠となる。
 精子が糖鎖のような情報を担った物質を読み取る・取り込む・受け入れる装置を「受容器(レセプター)」といい、精子に備わっている受容タンパク質を「レクチン(lectin)」という。レクチンは糖鎖の一次構造または三次構造の糖残基を識別して取り込む。
 
●糖脂質
 脂質に糖鎖が結合した分子。疎水性の脂質部分を生体膜に埋め込み、糖鎖をつなぎ止めている。脂質部分がセラミドから成るものをスフィンゴ糖脂質、ジアシルグリセロースを基本とするものをグリセロ糖脂質という。糖鎖が中性の単糖のみで構成される糖脂質を中性糖脂質、シアル酸、ウロン酸、硫酸基、リン酸基が含まれる糖脂質を酸性糖脂質と呼ぶ。シアル酸を持つスフィンゴ糖脂質を特に「ガングリオシド」という。
 糖脂質は増殖に関するタンパク質受容体機能を制御し、増殖制御を発揮することと、細胞分化誘導(白血球芽球細胞はガングリオシドGM3によって単球マクロファージ分化が、ネオラクト系ガングリオシドによって顆粒球分化が誘導)の働きをしている。
 糖脂質自身が生理活性物質であること、腫瘍関連抗原の資格を持つことが分かってきた。生理活性発現には糖脂質の脂質部分はもちろん重要であるが、活性の特異性は糖鎖構造で決定されている。ヒトのガンにかかわる糖脂質糖鎖は、メラノーマのガングリオシドと、N−グリコリルシアル酸を持つガングリオシドである。
        
●糖脂質A
 セラミドと呼ばれる長い炭化水素鎖に各種の糖鎖が結合したものである。ヒトの赤血球膜の糖脂質は脂質の約5%であるが、その中で含有量の多い方から
5・6番目にあたる糖脂質(下記の上2種)は、426μgと355μg/100cc(全糖脂
NeuAc-gal-GlcNAc-Gal-Glc-Ceramide(シアロシルパラグロボシド)
NeuAc-Gal-Glc-Ceramide(ヘマトシド:GM3)
  GM3:ヒトのガングリオシドGM1からGal-2とGalNAcを除いたもの

GalNAc-Gal-GlcNAc-Gal-Glc-Ceramide
     |               A型抗原(0.8%)
    Fuc

  Gal-Gal-GlcNAc-Gal-Glc-Ceramide
    |               B型抗原(0.8%)
     Fuc
質の5.3%)で、糖鎖の末端にN−アセチルノイラミン酸を持っている。赤血球膜に存在する糖脂質末端(糖鎖末端)のN−アセチルノイラミン酸を切断すると、赤血球は老廃物として肝臓で分解、排泄される。この事は赤血球細胞の老化(エージング)指標である。受精において、卵子に精子が侵入すると、シアリダーゼ酵素を分泌、卵子外の精子末端にあるN−アセチルノイラミン酸が切断、精子がアポトーシスされる。       
 参考までに血液型を決定する抗原は全糖脂質の 0.8%量で上記囲み下2種に記す。                                  
●糖脂質B
 長鎖塩基であるスフィンゴシンの生合成はミクロソーム画分、脂肪酸の生合成は細胞のサイトゾールで行われる。スフィンゴシンに脂肪酸を転移する酵素はミクロソームにあって、セラミドを合成している。糖鎖は細胞内のゴルジ装置膜の槽構造の内側で転移されるが、セラミドはゴルジ膜の槽腔側の膜面に存在し、しかもそのC1の水酸基を槽腔に向けていなければならないと考えられる。糖転移酵素はゴルジ装置の槽腔にその活性ドメインを持つからである。
 セラミドの準備が出来ると、糖供与体と糖転移酵素が必要になる。糖供与体はGal、Glc、GalNAc、GlcNAcは「UDP−糖」、Man、Fucは「GDP−糖」、シアル酸は「CMP−シアル酸」として作られ、ゴルジ内腔に運搬される。CMP−シアル酸を除いてはサイトゾールで作られる。CMP−シアル酸は、核の中で作られ、はるばるゴルジ体まで運ばれる。サイトゾールからゴルジ膜の内腔に糖供与体を運搬するのはタンパク質である。
 
●糖脂質糖鎖
 卵子、精子両細胞にも糖脂質は存在し、受精の後の初期発生の過程で、胚細胞表面の糖鎖は刻々変化する。最終的な臓器の糖脂質糖鎖構造は、@神経系ではN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)を持つガングリオシドが、A肝臓・血液ではN−グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を持つガングリオシドが主要糖脂質であり、B小腸ではGg4Cer(アシアロGM1)、C腎臓ではグロボ系・延長グロボ系の中性糖脂質が多い。D免疫組織である胸腺、脾臓ではGM2から延長したガングリオシドと、Gg4Cerから延長したGM1b系列のガングリオシドである。(Gg4Cer:Galβ1-3GalNAcβ1-R)
 
●糖質の分類
 単糖類はそれ以上加水分解されない糖の基本単位である。分子の炭素数によって、下記のようになる。
 
     三炭糖(トリオース triose)
     四炭糖(テトロース tetrose)
     五炭糖(ペントース pentose)
        キシロース、リボース、アラビノース
     六炭糖(ヘキソース hexose)
        グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース
     七炭糖(ヘプトース heptose)
 このうち、アルデヒド基を含むものをアルドース、ケトン基を含むものをケトースと呼ぶ。
 
オリゴ糖 二糖類:スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)、
         ラクトース(乳糖)、トレハロース(菌糖)
     三糖類:ラフィノース
     四糖類:スタキオース
多糖類  単純多糖類(ホモ糖類):デンプン(植物細胞)、グリコーゲン(動         物細胞)、セルロース、イヌリン
     複合多糖類(ヘテロ糖類):寒天、ペクチン、アルギン酸、
         マンナン、カラゲナン
 
●糖尿スコア













 
 口が乾く  食事をすると体が軽くなる
 疲れやすい  足に力が入らない
 よくジュースを飲む  手が振るえる
 口がカラカラになる  小便が泡立つ
 食事の前がしんどい  体が痒い
 目が霞む  顔色が悪い
 小便が匂う  食欲が旺盛
 イライラする  果物が大好き
 シャツが匂う  わきばらが重苦しい
 頭がボーッとする  食べると頭がハッキリする
 頭が重い  目がくしゃくしゃする
 尿量が多い  シビレる
 体力がない  腰が痛い
 頑固な肩こり  野菜が嫌い
 
5項目以上………食事の内容を変える
10項目以上………運動とサプリメントをお薦め
15項目以上………運動とサプリメントが必要
20項目以上………即刻、病院で検査を受ける
 
●糖尿病
 血液中のグルコース濃度が高い(空腹時血糖値126mg/d?以上)ことにより、慢性の全身性代謝障害を起こす複合疾患を言う。
 1型糖尿病(IDDM)……免疫異常から発症「インスリン依存型糖尿病」
 2型糖尿病(NIDDM)…生活習慣病から発症「インスリン非依存型糖尿病」
 糖尿病は免疫異常でインスリンが全く分泌されない1型と、食べ過ぎ・運動不足・肥満・体質が原因の2型があり、95%以上が2型糖尿病。
 2型糖尿病の自覚症状は、ノドが渇く・多尿・多食・足のシビレ・傷が治りにくい・おできが出来やすい・皮膚が痒いなど。
 
●糖の種類
 糖質は炭素と水の化合物であることから「炭水化物、Cm(H2O)n」と呼ばれていたが、現在ではアルドン酸、ウロン酸、デオキシ糖のように従来の組成式と異なる化合物や、アミノ酸、ムコ多糖のようにC、H、O以外に他の元素を含む化合物も糖質に分類されるようになった。
 糖質は、@生体内でデンプンやグリコーゲンのようにエネルギー源やエネルギー貯蔵物質の役割。A植物のセルロース、動物のエビ・カニなどの支持組織・結合組織の多糖類として、生物の構造組式体としての役割。B核酸のDNA、RNAの構成成分として五炭糖。C細菌細胞壁、血液型物質などに糖質の存在。重要な生化学的役割をになう。D糖質誘導体、特に抗生物質作用のあるアミノ糖。であるが特にC中の動物の細胞に必ず存在する「糖鎖」は生理活性を左右する重要な糖質である。
 
●糖タンパク質                            糖とポリペプチド鎖中のアミノ酸側鎖と共有結合している物で、動植物、微生物にいたるまで広く分布している。動物細胞には必ず存在し、重要な役割を演じる構成成分である。
 糖タンパク質には@O−グリコシド型化合物とAN−グリコシド型化合物の二つある。
 @はムチン型糖タンパク質といわれ、ムチン類、ホルモン等である。ムチン型はN−アセチルガラクトサミンがタンパク質のSer(セリン)かThr(トレオニン)にO−α−グリコシド結合しており(Ser、ThrのOH基にO−C結合でGalNAcが結合する)、マンノースを含まない簡単な糖鎖であり、糖鎖末端にシアル酸が付く物が多い。このような結合様式をとる糖鎖は粘液性糖タンパク質に良く見られることからムチン型といわれる。ムチン類は臓器から分泌し、臓器の保護、血清・尿中のウイルスや細菌の毒素を不活性化作用を持つ。マクロ的に見ると潤滑の役目を持っていたり、糖鎖がバクテリアとの接着現象に関わっている。
  Galβ(1-3)GalNAcα-Ser(Thr)   Galβ(1-3)GalNAcα-Ser(Thr)
       |α(2-3)        |α(2-3) |α(2-6)
       NeuAc         NeuAc   NeuAc

       O−グリコシド型(ムチン型)糖タンパク質
 Aは糖タンパク質の(アスパラギン)にN−アセチルグルコサミンがN−β−グリコシド結合しているのでアスパラギン結合型糖タンパク質といわれ、ムチン型と比較すると糖鎖に規則性があり、高マンノース型、複合型、混成型の三つに分けられる。
 高マンノース型糖鎖には通常マンノースとGlcNAc(N−アセチルグルコサミン)から作られており、Man5・GlcNAc2を基本骨格としてその先にα1→2結合マンノースを最大で4個含む。シアル酸が結合しておらず、GlcNAc(N−アセチルグルコサミン)の6位にフコースの有無と、分岐部分の4位にGlcNAcの有無の形態である。
 複合型糖鎖はマンノースを3個含むコア部分と、その先にシアル酸、ガラクトース、N−アセチルグルコサミンなどを含む側鎖部分からなる形態である。糖鎖末端にシアル酸が結合しており、生命現象の微妙な調整と細胞の相互認識を行っている。このシアル酸を除去すると生理活性が無くなり、また細胞がガン化するとシアル酸を欠く糖鎖が増加し、糖鎖構造が簡潔に変化することが著しくなる。
 アスパラギン結合型糖タンパク質は複雑な生理作用を持ち、酵素・ホルモンなど多彩な作用を示す。 
 
●糖タンパク質糖鎖のガン性変化
 ヒトは様々な形態や機能を持つ細胞で出来ており、それらが独自の機能を分担して全体として高度に統一された個体を作り上げている。この細胞群はさまざまな細胞間相互作用があり、これにより円滑な営みが行われる。
 細胞の相互作用の重要性は、生体に生じたガンの反共存作用から指摘出来る。正常な細胞の増殖は、細胞同士の接触に依存しており、皮膚を傷つけた後や肝臓の一部を摘出した後など、時間の経過があればもとに戻るように、細胞には厳格な増殖と制御機構がある。
 ガン細胞は制御機構から逸脱した増殖能力を持っており、また特定の組織のガンはやがて他の組織に転移していくという反細胞社会的行動をとり始める。つまり「ガン」とは細胞同士が互いに協調性を保つために持っている細胞間相互の認識、識別機構の異常ということができる。
 細胞膜は、細胞間相互作用をつかさどる場所であり、ガン化に伴う細胞膜の変化がガン細胞の異常な増殖能力と緊密に結びついている。細胞膜を構成する成分、糖タンパク質は脂質二重層を貫いて存在し、糖鎖は細胞膜の外側(ペプチドN末端側)にある。また細胞質側(C末端側)で細胞膜を裏打ちする分子や細胞骨格タンパク質と会合し、情報を伝達する。この糖タンパク質の細胞膜における特異な存在形式は、細胞同士が接触したり細胞外情報を細胞内に伝達して、さまざまの代謝反応や細胞分裂を調節するに好都合なのである。
 糖鎖に関しては、さまざまな認識、識別現象において直接「シグナル」として働く役割と、間接的にタンパク質の立体構造の維持、安定化に寄与するという役割がある。つまり糖鎖の構造変化により細胞間相互作用の異常が細胞のガン化の背景にあるのだ。糖鎖のガン性変化を明らかにすることは、正常細胞で行われている認識反応の解明とガンの本質を理解することである。
 臨床的には腫瘍マーカーとしてガンの診断、予後の追跡、さらに治療への応用で重要である。
 細胞の造腫瘍能、転移獲得には細胞膜の糖タンパク質糖鎖の構造変化(正常糖鎖構造は糖タンパク質項を参照)が発現する。
 
●糖タンパク質ホルモン
 脳下垂体前葉で作られる黄体ホルモン(LH)、濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と胎盤の絨毛細胞で合成される絨毛性性腺刺激ホルモン(CG)の4種類が知られている。これらはα、βの二つのサブユニットで構成され、アミノ酸配列はαが共通であり、βが異なっている。hCGはα、βのサブユニットに2本づつのAsn型糖鎖(5種)を含み、βのC末端近くにさらに4本のムチン型糖鎖(5種)を持っている。 hCGから糖鎖を除去すると、標的細胞に対する結合性は増大するが、ホルモン活性が消失することが明らかになった。(h=ヒト)
 
●冬虫夏草
 冬虫夏草は中国の四川省、青海省、甘粛省、雲南省、チベットからヒマラヤを中心とした海抜3000m以上の高山帯に棲息する「コルディセプス・シネンシス(コウモリ蛾)」の幼虫が土中で冬ごもり時に菌糸が進入し体内に充満した虫草菌を指し、中国では固有名詞である。冬虫夏草を分類学で述べれば麦角菌目肉座菌科ノムシタケ属または虫草菌属(バッカクキン科フユムシナツクサタケなど)が寄生し子実体が発生した物、β−グルカン量はアガリスクの17倍。子実体およびそのホストの虫体を乾燥したもので140〜200gの束で市販されている。
 成分は 脂肪      8.4%
粗タンパク質 25.3%
     粗線維    18.5%
      炭水化物   28.9%
      灰分       4.1%
 冬虫夏草ホストは、いったん乾かしてから酒に漬けたり、水に入れて煎じたり、肉と共に食べ、肺病や腎臓病、貧血、鎮咳、インポテンツなど主に強壮薬として使用される。
 
●冬虫夏草酒
 健胃・疲労回復・強壮に最適。
   冬虫夏草………………………80g
ホワイトリカー(35度) ……960cc
 冬虫夏草を潰し、ガーゼになどで包み込んで抽出する。7日後から服用できる。1日量20ccを服用。
 
●動脈硬化
 動脈の内膜にコレステロールが沈着し、動脈の柔軟性を失わせたり、動脈の内腔を狭くする病気。成人病や老化と深い関係がある。原因はLDLの硬化であり、この酸化は活性酸素によることが知られている。
 
●ドゥーリン
 イネ科植物(モロコシ・サトウキビ・ススキ・ジョンスングラス・スーダングラス・タケノコ)に0.03〜1%存在する青酸化合物。
 
●トガウイルス(Togavirus(es)、Togaviridae)
 厚い外被膜を持ち、名はマントという意味のラテン語に由来。ウイルス粒子は40〜70nmの球状で、1本鎖のRNAがキャプシドに包まれ、外側脂質の外被膜にタンパク質性のスパイクを持っている。多くは節足動物が媒介してヒトや家畜に感染する。トガウイルス科には風疹ウイルス、アルボウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ウシウイルス性下痢性ウイルスなど種類が多い。魚類の赤血球封入体症候群ウイルスもトガウイルスと考えられている。  
 
●トキシフェリン
 フジウツギ科植物に含まれるインドール系アルカロイド。毒矢などに用い、運動神経麻痺作用を有する。
 
●特異酵素阻害物質
 微生物生産物から抗生物質活性に基づかないで、動物の酵素を阻害する物質を探索し、新しい薬理作用を持った治療薬を得ようとするものである。
 ペプシンを阻害するペプスタチンは胃潰瘍・十二指腸潰瘍に有効、カテコールアミン類合成を阻害するフザリン酸は血圧降下作用を持ち、循環器系の治療に有効、アミノペプチダーゼ阻害のベスタチンは、免疫系の促進作用がある。
 
●ドクゼリ(毒芹・セリ科ドクゼリ属)
 全草にポリイン化合物、果実に精油を含み、毒性分はシクトキシン(痙攣毒)で、主に中枢神経系に作用、強直性の痙攣を起こし、呼吸困難から死に至る。
 ヨーロッパ民間薬は、皮膚病・神経痛・リウマチの鎮痛剤として用いる。
 
●ドクダミ
 ドクダミ科ドクダミクダミの開花期に根ごと採取して日干しした物。民間では生の葉も用いる。乾燥後に葉の緑色の残っている物は上品。
 丁寧に水洗いし、7〜10日間陰干しをする。さらに天日干しをして完全に乾燥させ、適当な大きさに切り、保存する。
 デカノイルアセトアルデヒド(臭気成分)は、ブドウ状球菌・淋菌・抗酸性菌(尿道炎・淋病・化膿性疾患)に有効で、1:40000で制菌力がある。
 利尿成分は、カリウム塩・クエルセチン(フラボノイド)・イソクエルセチンである。クエルセチンは強力な利尿作用(十万分の一モル水溶液で強利尿作用)とルチン近似成分から血管補強作用(止血、血圧降下)が認められる。
 
◇動脈硬化の予防や脳卒中の後遺症に(中医では、消炎・解熱・解毒・利尿・
                 尿道炎・淋病・痰の抑制に服用)

 
ドクダミ……………20g
水 …………………600cc
    300ccまで煎じ、1日に飲み干す。
   ヨモギ・ビワ葉を混入すると高効果。
 
◇にきび・蓄膿症・急性湿疹・汗疹・虫刺されに

 
生の葉を水洗いし、良く揉んで搾り出した汁を1日数回塗布、
揉んだ生薬を患部に貼り付ける。
 
 横に這う地下茎は、食用出来るが多食を禁じられている。茹でて水に浸すと臭味が抜ける。煎剤は特異な臭味があり、煎薬を冷やし胡瓜を輪切りにして浮かせると、美味しくなる。
 乾葉は皮膚病・痔疾・腰痛などに浴剤として利用。化膿性の皮膚病や蓄膿症にも有効で、蓄膿症は生葉を火であぶり、よくもんで、就寝時などに鼻孔に数時間挿入しておくと排膿に効果がある。 
 
●ドクニンジン
 別名:ヘムロック(Spotted hemlock)、Poison-Hemlock、シキトウ、悪魔の花、聖母の刺繍、アン王女のレース
 セリ科ドクニンジン属。根・花・実・葉などにアルカロイドを含むが、濃度が不安定で天候に左右される。夏の晴れた蒸し暑い日は曇りの日より2倍も毒性が増し、乾燥すると毒性は次第に弱まる。根は毒性が安定しているが(温度の影響が少ない)、絞り汁にして放置すると毒性は弱まる。毒成分は、コニイン(coniine)、メチルコニイン(N-methylconiine)、コニセイン(γ-coniceine)、コンヒドリン、N-プソイドコンヒドリン、ガンマコニセインで、中枢神経に作用するピリジン系アルカロイドである。
 ドクニンジンの根は貧弱で肌色だが、葉がパセリやニンジンに似ており、間違えて摂取すると、薬理作用が中枢・運動神経麻痺であり、初期症状は口の中がねばねばして喉が渇き、吐き気をもようし涎が溢れてくる。腹痛・下痢症状を引き起こし、頭痛や発汗・眩暈・瞳孔が開き、四肢の末端から次第に毒が回り、意識はそのままに肉体だけが硬直していく。呼吸に必要な横隔膜の筋肉も麻痺し、心臓が動いていても呼吸困難となり、窒息し摂取後30〜60分で死に至る。(プラトンが書いたソクラテスの処刑、「(アヘン+ドクニンジンエキスを)飲めばいよいのです。それから足が重くなるまで歩きまわってください。そして横になっていれば死は自然と訪れます」死刑執行人の言葉)
◇コニインの致死量は0.15g。◇ルピナスを漬け込んだドクニンジンの汁を木の根元に注入すると枯れる。◇コニウム実(Hemlock Fruit):野生のドクニンジンの未熟果実。◇催奇形性を持つ。
 
●トケイソウ(時計草)
  別名:パッシフローラ(Passiflora)・パッション(キリスト受難)フラワー・ジャノメソウ(蛇の目草)・ボロンカズラ(ボロン葛)
 トケイソウ科トケイソウ属。奇抜なつる性常緑低木、果実はパッションフルーツ。
 全草の成分は、ハルマラ・パッションフローリン・サポナリン・ビテキシン。作用は、多幸感・幻覚・MAO阻害剤。
 
●ドコサヘキサエン酸(DHA)
 炭素数22、シス型二重結合を5個持つn-3系の不飽和脂肪酸。(EPA参照)
 DHAは、血小板や心筋においてシクロオキシゲナーゼの活性を強力に抑制。
 
●屠蘇酒
 昔は年の暮れに薬屋・医者が得意先に配った。年の初めに呑むと一年中疫病にかからない、魔除けにもなるからである。屠蘇の入った布の袋を味醂に浸しておくと甘ったるくてほろ苦い味になる。正月に一家の中で一番年の幼い者から歳の多い者の順に呑む習わしである。
 医心方(丹波康頼(たにわのやすより))は、白朮・桔梗・蜀椒・桂心・大黄・烏頭・抜?(ばつけい)・防風を細かく切って混ぜ、緋の袋に入れ、大晦日に井戸の中に吊しておく。元日の朝これを取りだし、3升の温かい酒の中に入れると屠蘇酒となる。
 
●ドーパミン
 バナナの皮の褐色の斑点は、ドーパミン(ポリフェノール性のアミノ酸)が酸化酵素によってメラニンを生成することによる。ヒトの皮膚に出来るソバカスはメラニン細胞が活性化したもの。
 


●トラコーマ・クラミジア(Chlamydia trachomatis)
 クラミジアはグラム陰性の球菌状微生物で、生きている細胞の中でしか増殖できない。細胞内では二分裂で増殖し、細胞壁を持ち、化学療法剤に感受性があり、光学顕微鏡でも観察可能で、遺伝子としてDNAとRNAの両方を持つ事から細菌に含まれる。その中で、トラコーマ・クラミジアは代表的な病原体で、ヒトでは大きく二つの疾患の原因となる。一つはトラコーマなどの急性結膜炎から封入体結膜炎であり、もう一つはそけいリンパ肉芽腫症、非りん菌性尿道炎、副睾丸炎、子宮頚管炎、卵管炎などの性行為感染症(STD)である。
 
●ドラッグ・デザイナー
 アンフェタミン誘導体とくにフェネチルアミン類をデザインした人を指す語彙。合成ドラッグはコントロールしやすく、芸術家たちで知られるようになり、薬理学でも新しい分野を成立させた。
 
●トランスジェニック細菌
 昆虫は凍る成分(氷核物質)を冬になると体外に排出し、低分子量(アルコール・糖類)を蓄積し、−20℃でも凍らずに越冬できる。
 植物の葉も越冬に備え、氷核物質を排出し凍らずに越冬することができるが、氷核活性細菌作用で凍害を起こすことがある。この細菌作用を増強し、細菌付着葉を食べた昆虫が、氷核物質を体内に定着させることで凍結死亡させるのが微生物農薬である。
 この細菌は昆虫体内に定着できないが、バイオテクノロジーで氷核活性細菌遺伝子を形質転換することで定着が可能となり、これをトランスジェニック細菌と呼ぶ。
 科学合成の殺虫剤を使わずに殺虫できるから、作物害虫を人体に影響なく殺虫できるメリットがあるが、細菌が自然界に放たれれば、昆虫は越冬できない生物となり、生態系が狂ってしまい、そのうちにヒトに影響が現れるかもしれない心配がある。
 
●トリカブト(烏頭(毒薬)、減毒した物は附子(劇薬))
キンポウゲ科トリカブト(鳥兜)の母根を乾燥させた 漢方生薬。母根形がカラスの頭に似ており烏頭(うず) と呼び、子根を附子(ぶし)と呼ぶ。
   北烏頭の野生母根をそのまま乾燥させた生薬を特に 「草烏頭または草烏」と呼ぶ。
 毒成分は、アコニチン(aconitine)・メサコニチン・ヒパコニチン・エサコニチンといったジテルペン系アルカロイド。アコニチン致死量=0.308mg/kg。根に多く含まれ、葉部も致死的中毒になる。解毒剤は発見されていない。反対にサソリ毒を附子で消すことは数千年前から知られていた。鎮痛作用と抗炎症作用、糖の利用度を促進させ細胞の活性化を図かり、二次的に神経痛の痛みをとる。現在ではアコニチンを加水分解し減毒化、品質を安定化させ、新陳代謝機能を活性化する薬として身体四肢関節の麻痺・疼痛、虚弱体質者の腹痛・下痢などの治療に用いる。強壮体質者に用いてはならない。強心作用を示すヒゲナミン(イソキノリン系アルカロイド)も含む。
 トリカブトは亜種も含めると約300種あり、ユーラシア全般・北アメリカなど、北半球の寒帯から温帯にかけて広く分布。毒性の強いものは、ヨーロッパ産のヨウシュトリカブトと、ヒマラヤや中国に産する何種かで、矢毒としても利用されていた。日本では約30種以上存在するが、北海道のエゾトリカブト、東北地方に多いオクトリカブト、ヤマトリカブトなどの毒性が強い。東京高尾山のヤマトリカブトは毒成分が殆ど無いものがあり、関西から四国に分布しているサンヨウブシなども、毒性が弱い。猛毒と無毒のトリカブトを見分けるには、根を囓れば(味を見てすぐ吐き出す)分かる。アコニチン類が含まれていると舌に触れただけでピリッとした衝撃が口中に広がり、痛いような熱いような、痺れが数時間残る。毒性の少ないトリカブトはただ苦いだけ、すぐ口中から消えてしまう。  
初期症状 口腔の灼熱感、手足の痺れ、目眩、発汗
中期症状 嘔吐、腹痛、下痢、瀉下困難、起立不能、不整脈
末期症状 血圧低下、痙攣、呼吸麻痺。死に至る。
治療方法 速やかに吐く。胃洗浄、下剤投与。24時間生存すれば快復する。
 
●トリプトファン
 必須アミノ酸の一種。大量に摂取すると、不眠症や鬱病に効果がある。
 
●トリュフ
 ナラの木の根、地下1m位の深さに育つ。
 ジャコウの様な匂いがある熟れたトリュフは、♂豚が唾液腺で作り出す呼気中に含まれるのと同じ種類のステロイド(フェロモン)であり、ペリゴール地方産黒トリュフ中には発情した♂豚の血漿中の豚フェロモンの2倍以上のステロイド物質を含む。♀豚は匂いに惹き付けられ、即座にロードーシス体勢をとり、匂いが一番強い場所を指し示す。
 トリュフステロイドは「ムスクがかったナッツ」のような匂いであり、ヒト♂のアポクリン腺から作られるステロイドとも酷似している。トリュフステロイドに触れた被験者は異性に関心を持つことを確認。
 
●トレポネーマ(Treponema pallidum)
 性交によって感染する梅毒原因微生物。ヒトにのみ影響を及ぼす。トレポネーマによる疾患はピンタ(熱帯白斑性皮膚炎)、地方性梅毒、イチゴ腫が存在する。性交によらない疾患、ピンタと地方性梅毒は比較的軽い症状だが、梅毒とイチゴ腫は苦痛が激しい。ピンタとイチゴ腫をもたらすトレポネーマ菌は高温・多湿を好み、梅毒・地方性梅毒をもたらすトレポネーマ菌はヒトの通常環境下を好む。
 最初の障害は梅毒では生殖器、イチゴ腫では身体の露出部に現れる。次いで他の部分に拡がり、拡がり方はイチゴ腫が強い。通常は骨まで障害を生じる。
 1500年頃、ヨーロッパで1000万人が感染し、「フランス病」「スペイン病」「グレート・ポックス」と呼ばれた。
 
●トロパンアルカロイド(Tropane Alkaloid)
 トロパン骨格を持ったアルカロイドの総称。水酸基をもつトロピンアルカロイド、水酸基とカルボキシル基をもつ、コカアルカロイドに分けられる。
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