【は】  四目屋リンク・代替療法事典(http://www.geocities.jp/tyubee/)
 
●肺ガン
 非小細胞肺ガン(扁平上皮ガン、腺ガン、大細胞ガン)と、小細胞ガンに分けられる。非小細胞肺ガンの発見がT〜Uであるならば、手術で完治出来るが、ほとんどの発見がV〜W期であり、この場合放射線、抗ガン剤(シスプラチン+新薬ジェムシタビンなど)で延命を図る治療をする。小細胞ガンは進行が早く早期発見が困難である。ただ抗ガン剤・放射線に対し感受性が鋭敏である。
 
●肺ガンA
 発生する場所では、肺門部ガンと肺末梢部ガンに分けられる。
 肺門部ガンは、気管支が肺の中に入り枝分かれする、入り口に近い部分の内壁に出来るガンである。ここに出来るガン細胞の大部分は「扁平上皮ガン」と呼ばれ、局所で大きくなるが転移することはない。男性の喫煙者に多く見られ、治療が可能で、日本人の肺ガンの約30%が肺門部ガンである。
 肺末梢部ガンは、気管支が細く枝分かれした先端「肺野(はいや)」に出来るガンのことであり、「腺ガン」といってガン細胞の増殖はゆっくりであり、血行性の転移を起こしやすい。肺末梢ガンは約70%を占めている。
 小細胞ガンは、小型の細胞からなって肺門部に出来やすく、リンパ節や他の臓器に転移しやすく、転移した場所でも急速に増殖する厄介な性質を持つ。早期発見が難しく、治癒率は高くない。小細胞ガンは約13%、大細胞ガンは約7%ある。
 肺ガンの自覚症状は、「咳・痰・血痰」である。肺門部ガンは自覚症状が出やすいガンで、早期からサインが見られるが、ガンの症状でなくても見られるところから見落としが多い。肺末梢部ガンはかなり進行してから自覚症状のサインが現れる。肺ガンは自覚症状による早期発見が難しいといえる。
 X線検査(胸部レントゲン)によって発見されるのは肺末梢部ガンである。肺門部ガンは、胸骨・血管・心臓などと重なることからX線検査では発見されにくく、「喀痰細胞診」を行い、ガンがある場合、60%以上の確率でガン細胞の検出がされている。肺末梢部ガンは痰の中からのガン細胞の検出が難しい。
 X線検査・喀痰検診で怪しいと診断を受けると、精密検査(断層写真・CT・MRI・気管支ファイバースコープ・針生検)を行い肺ガンの確診が可能。
 肺ガンの危険因子は、喫煙・大気汚染・年齢・遺伝因子があり、これらの因子を持つ人々を「ハイリスクグループ」と呼び、この中で最悪のリスクは喫煙であり、肺門部ガンと喫煙指数は密接な関係がある。
 
●肺ガンの進行度合い
  早期
  T期 大きさが3cmぐらい、肺以外に転移していない。
  U期 転移が肺の中のリンパ節に留まっている。
  V期 肺の外部に転移したもの。
  W期 脳・肝臓・骨などの臓器に遠隔転移したもの。
 
●肺気腫
 肺胞が壊れる「肺気腫」の発病者は大部分が喫煙者である。マクロファージはタバコの煙のかけら、炭粉を必死に食べさせられているため(真っ黒ファージ)、過剰反応・過剰防衛になり、肺胞を攻撃して肺気腫になる。
 
●配糖体
 植物の一次代謝物「糖:glycone」と「非栄養素:aglycone」が結合したものを配糖体(グリコシド:glycoside)といい、糖と非糖成分(アグリコン)をアノマー炭素を介してβグリコシド結合させた(β−グルコシダーゼにより加水分解する)有機化合物である。アントシアニン・フラボン類・サポニン・糖脂質・ヌクレオシド・ある種の抗生物質など数多くあり、動物に強い生理作用が持ち、薬物として用いられている物も多い。植物が配糖体を作る理由は、@糖の貯蔵と移動 Aアグリコンの安定化 B代謝物質供給の調節 C毒性による自らの防御成分(傷つくと別細胞にある酵素で加水分解され、防腐化合物アグリコンを産生、菌類・細菌類等の生長を防止する。蛇足ながら動物はアグリコンとしてタンパク質、脂肪であり、動物の体内で糖が糖以外の高分子に結合したものは複合多糖(糖脂質や糖タンパクなど)として、動物の生体内で重要な機能を果たしている。複合糖質の糖部分は特異的に分子認識に関与し、細胞接着させる)
 配糖体を生薬として使用するは、配糖体のアグリコンを利用しての事である。配糖体は腸内で腸内細菌(大腸菌だけで約1000の酵素がある)の酵素により加水分解して活性のあるアグリコンになり効果を発揮する。アグリコンにして経口投与すると胃酸や小腸で効果を失い、配糖体という形でそのまま胃や小腸を通過させて、大腸で腸内細菌の働きをかりるということが重要なのである。更に言うならば腸管は消化酵素の分泌と消化吸収する機能以外に重要なリンパ器官であり、栄養素の分解吸収と同時に糖、ペプチドの合成、複合糖質の産生も行い、体躯に放出している。もう一つは動物の細胞膜レセプターを刺激する配糖体の糖鎖部やフラボノイドである。「良薬、口に苦し」といわれているのは、配糖体の持つ毒性であり、耐性を持たない生物に対して自己を守る成分である。植物との戦いで進化した動物はこの毒を自らの健康維持に利用し、舌にあるレセプターが植物の毒と認識するため苦く感じる。一例では茶に含まれるカテキン(タンニン)である。生薬を摂取することによる効果は、最初に糖鎖、アグリコンによってレセプターが外部刺激に対し応答し、免疫力を高める事から始まる。つまり、生薬が効くのは、その化合物が生体の持っている無限にあるレセプターのどれかと結合し、レセプターからのシグナルが目標臓器の細胞内に伝達される結果起こるからである。
 
●ハキリアリ(パラソルアリ・キノコアリ)
 植物の葉を丸く切り取り、列をなして巣に運ぶ。そして細かくかみ砕いて苗床を作り、キノコ(蕪状菌糸)を栽培し、幼虫の食料にする。
 キノコアリ属12属のうち葉から茸を栽培するのはアッタ属とアクロミルメックス属の2属、他の10属は完全社会寄生性の1属を除くと、総て昆虫の死骸、食材性昆虫やヤスデの糞、死んだ植物体などのいずれかで菌類を育てる。アッタ属は15種、アクロミルメックス属は24種からなり、寒い地域を除く中南米全域に分布している。アッタ属は1コロニーあたり数十万〜数百万個体、巣の深さは6m以上である。アクロミルメックス属の1コロニーは数万個体である。
 植物は植食昆虫に対しタンニンなどの代謝二次化合物による消化抑制物質(化学物質)を蓄積し食害を防ぐ進化を、菌類に対してはクチクラ層を厚くするなど物理的な手段で侵入を防ぐ進化をしている。
 昆虫は限られた植物種だけを摂取し化学的防衛網を破る進化をして、特異的化学物質の摂取を可能とした。その特異的化学物質を取り込んだ昆虫種独自の特異的誘引物質として共生化が始まる。
 菌類は「植物の二次的代謝物質を分解する酵素」を持っており、植物の化学的防御は効果がない。昆虫のアリは、固いキチンやクチクラをかみ砕くに適した口を持っており、菌類はアリの協力によりクチクラが無くなれば繁殖が可能となる。菌類は酵素(菌の成長を阻害するファイトアレキシン類を加水分解するキチナーゼ(キチン分解酵素)、プロテアーゼ(蛋白質分解酵素))により植物毒を無効にすることによりハキリアリはほぼ無限の植物種を餌資源化することに成功したのである。葉切りアリの唾液に脂肪酸「ミルミカシン」が、フェロモンに「アミカシン」が生理活性物質であり、これらで菌をコントロールしている。
 また、他菌繁殖抑制剤・殺菌剤(フェニル酢酸)や、菌糸の成長促進剤(3-インドール酢酸)を分泌し、効率的にキノコ栽培をしていることも明らか、と述べている研究者もいる。
 ただし成熟した働きアリの餌の95%は樹液や蜜で、ほとんど菌を食べない。菌はおもに幼虫の餌である。
 キノコアリ属の共生菌は、菌糸の形態から見て、真菌門の中の子嚢(しのう)菌亜門か、担子(たんし)菌亜門のどちらかである。これらの亜門は無性生殖を繰り返す不完全世代と有性生殖を行う完全世代(配偶子接合、核融合、減数分裂を経て子(し)実体(じつたい)が形成、有性胞子の分散)からなるのだが、子実体で子嚢器官を作り、この中で子嚢胞子を生産するのが子嚢菌で、担子器を作り、ここに担子胞子を外生(がいせい)するのが担子菌である。以後、この共生菌を「ハキリアリタケ」と呼び、分泌する酵素は、セルラーゼ、マルターゼ、サクラーゼ、α−アミラーゼで、セルロースをグルコースにまで分解して吸収する。タンニン酸に対しては解毒作用のあるフェノールオキシダーゼ(酸化酵素)、加水分解するタンナーゼを持つ。ハキリアリタケはその他の有害物質であるアルカロイド、テルペノイド、マスタードオイル、サポニンなどに対する解毒酵素も持つ。 
 ハキリアリタケにとって最良の温度は25℃前後で、30℃になると死滅し、20℃以下では蕪状菌糸が小さくなって数も減少する。含有成分は乾燥重量の27%が炭水化物、4.7%が自由アミノ酸、13%がタンパク質、0.2%が脂肪である。
 
●バクセン酸
 炭素数18で11位にシス型二重結合を1個持つ生理活性型不飽和脂肪酸。反芻動物の脂肪に多く見られ、マウス・ラットの成長因子である。
 
●蓮芋(白芋)
 ジャバ島原産サトイモの近縁種、天南星科。茎を食べる専用品種、分類上は別種別属であるが、栽培上はサトイモの同類として扱う。葉・葉柄は緑白色で、白粉を帯びる。株は開張性で大きく、高さ1〜1.5m、ストロンを伸ばし小さな小芋をつける。親・子芋ともに小さく硬く食用にならない。栽培は日陰で生育が良く、強光を嫌う。日本の栽培品種は葉柄にえぐ味がなく、もっぱら葉柄(芋がら)を食用にする。
 茎の切り口が蓮のように穴が開いているので「蓮芋」と呼ばれる。肥後芋茎はこの蓮芋の表皮を剥ぎ、水に晒して乾燥したもの。加藤清正は熊本城築城に際し、畳の芯に肥後芋茎を入れ万一の籠城の際の兵糧とした。
 葉柄の皮を剥き、水に晒し、乾燥・調整して芋茎を作る。刺身のツマ・汁の実・三杯酢として夏の料理に適する。
 肥後芋茎のサポニンによるエグミ、蓚酸カルシウムの針状結晶を利用し、女性の膣に快感を起こさせる働きがある。サトイモ(蓮芋)を生のまますり下ろし、汁を和紙に塗って乾かす、「代用喜契紙(きけいし)」を作る方法もある。
 
●ハチタケ
 山地の湿地や薄暗い樹林の地上部に発生する。子実体は耳かき型、細長い柄の先に淡黄色の頭をつける。
 1979年、日本薬学会において虫草菌であるハチタケ(ハチの成虫に寄生)とコサナギタケ(蛾の蛹に寄生)の人工培養菌による抗腫瘍性について、ガン(悪性腫瘍)に対する薬理効果があることを証明した。【虫草菌を見よ】
 
蜂蜜(ハチミツ)
 古本草に、身体の生活機転を和し 臓腑を潤す 虚弱を補う とある。
 花蜜(平均pH5.3)の成分は糖類79%、水分20%、アミノ酸・タンパク質0.2%、ミネラル(灰分)0.1%、脂質、アルカロイド、ビタミンなどをはじめとする種々の化学物質が含まれている。
 主要成分はブドウ糖と果糖であるから、消化に伴う脱ビタミンや脱カルシウム作用がなく急速に消化管から吸収、直ちに筋肉活動などのエネルギー源となる。急速にエネルギーを補給する必要のある人に好適であり、老人や妊産婦に勧める理由である。
 糖の含有量の多い花蜜はアミノ酸もまた多く含む傾向がある。ミツバチは吸蜜した花に大顎腺からフェロモン(2-ヘプタノン)を出し、匂いのマーキングをする。それにより訪花済みだと自他のミツバチに知らす役目である。
 花蜜中のしょ糖は、ミツバチの下咽頭腺から外分泌されるα−グルコシダーゼ(糖分解酵素)により、また蜜胃で仮貯蔵されている間に、蜂の体内に含まれている酵素(蜜胃中には消化酵素、インベルターゼ、グルコースオキシダーゼ、ジアスターゼ、アミラーゼ、カタラーゼ、ホスファターゼ、酸生成酵素群)により、単糖のぶどう糖と果糖に分解(転化)され、グルコン酸をはじめとする多種の有機酸を生成する。グルコン酸生成の副産物である過酸化水素は強い殺菌力をもっており、蜂蜜の殺菌をする。ただし過酸化水素はカタラーゼにより分解されてしまう。これは巣べやに貯蔵されている間も続行され、最後にしょ糖は1〜4%程度残る。ハチミツ中にはミツバチ起源のインベルターゼ(α−グルコシダーゼ)と花蜜中のインベルターゼ(β−フラクトフラノシダーゼ)が共存する。
 ハチミツ(pH3.7)中には花粉が混ざり、それにより栄養分が増大し、水溶性ビタミンのB1、2、B6、C、パントテン酸、ニコチン酸が、脂溶性ビタミンはE、K、Aが大量に存在し、ミネラルはK、P、Fe、Cu、Mg、Mn、Sであり、これらミネラル濃度はヒトの血清中濃度にだいたい等しく、代謝しやすい必須栄養源である。他に花粉中の配糖体フラボノイドをアグリコン化して、より強力な抗酸化力を持ったフラボノイドに変化させる事は重要である。
 
●麦角アルカロイド
 ライ麦に寄生する麦角菌の菌核に存在する一群のインドール系アルカロイドを麦角塩基と呼び、麦角菌に汚染したライ麦を食べると、血管収縮作用により手足への血行が悪くなり、壊疽を起こし「手足」を失う。
 麦角アルカロイドは「エルゴトキシン」「エルゴタミン」「エルゴノビン」である。エルゴトキシン、エルゴタミンはアドレナリンの作用を遮断し、エルゴノビンは陣痛促進作用と産後の出血抑制作用がある。
 「アドレナリンの血圧反転」:血圧上昇はアドレナリンのα−受容体の作用で、下降はβ−受容体の作用である。麦角アルカロイドはα−受容体のみを遮断するアドレナリン遮断薬である。(治療的には良い結果を得ていない)
 麦角アルカロイドから、幻覚剤LSD−25(リゼルグ酸ジエチルアミド)が作られている。
 
●白血球
 顆粒球‥‥‥‥‥‥好中球
好酸球
好塩球
 マクロファージ
 リンパ球‥‥‥‥‥B細胞
T細胞‥‥ヘルパーT細胞
キラーT細胞
サプレッサーT細胞
               遅延型過敏反応エフェクターT細胞
ナチュラルキラー細胞
 
●白血病
 血液のガンであり、手術によって摘出する事ができない「形のないガン」である。治療は薬剤による化学療法が中心となり、骨髄移植・補助療法の進歩で治癒率は飛躍的に向上している。
 造血器である幹細胞あるいは分化・熟成の過程にある細胞に異常が生じ、無制限に増殖することを白血病と呼んでいる。ガン化白血球はウイルスや病原菌を殺す免疫機能がなく、赤血球や血小板を押し退けて異常増殖するから、貧血・出血、病原菌に感染しやすくなる。
 白血病は「血液細胞の由来」から骨髄性白血病・リンパ性白血病と、「症状の経過」から急性白血病・慢性白血病に分類されている。この経過と細胞の種類を組み合わせ、急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病と呼ばれ病名として使われている。これらと別に白血病の前ガン状態を「骨髄異形成症候群」と呼んでいる。
◇急性骨髄性白血病
 急性白血病は急に発症して、放置すると1〜2ヶ月で死亡する。急性白血病の発症は日本では骨髄性が多く、リンパ性は30%以下である。
 症状は、@貧血:白血球細胞の異常増殖によって赤血球の造血が抑制されたり、赤血球系の細胞に異常を生じる。赤血球が少なくなると酸素不足から顔色が青白くなり、心臓は酸素不足を補うため常にオーバーペースになり、動機・息切れ・胸苦しさになる。A発熱:病原菌が侵入しているにもかかわらず、抵抗力がなく、風邪症状が何時までも続いたり、高熱が長期間続く。肺炎・敗血症などの感染症は白血病治療にとって、最大の障害である。B出血:血液中の血小板は血液を凝固させる作用があり、この産生が抑制されると出血しやすい。皮膚近くで出血すると、皮下に斑点・軽い打撲による青あざなどであるが、脳・肺などで出血すると死亡する。
◇急性リンパ性白血病
 リンパ性幹細胞から分化した細胞は、骨髄で成熟したB細胞と、胸腺で成熟したT細胞になり血液中に放出される。これらの細胞がB・T細胞に分かれる前にガン化したのが「非T非Bリンパ性白血病」である。
 小児白血病の大半は急性リンパ性白血病であるが、骨髄移植によって、70%以上の5年生存率である。
◇慢性白血病
 日本人に多いのは骨髄性で、白血球のうち顆粒球系の細胞がガン化して起きる。これは白血病細胞の22番目の染色体に異常(フィラデルフィア染色体)が発見されている。急性と異なり、成熟した白血球も存在するので、感染症の心配は少ないが、全身倦怠・脾臓の腫れによる腹部膨張感・食欲不振などの症状である。慢性骨髄性白血病が急性に転化すると、症状も激烈で治療は難しい。
 慢性リンパ性白血病は日本人には非常に少ない。自覚症状は首・脇の下・股の付け根などのリンパ節の腫れが特徴である。骨髄性と異なり急性転化はない。
◇寛解導入療法から地固め療法
 複数の薬剤を併用し、ガン化した白血球の数を100分の1以下になるまで治療をすることを寛解導入療法という。「寛解」というのは、症状が見られなくなった状態をいい、通常の生活が送れるまでになった状態を「完全寛解」という。寛解導入療法で小児で95%、大人で80%以上が完全寛解に至る。しかし体躯に白血病細胞が多数残っており、抗白血病剤で白血病細胞の根絶を狙う「地固め療法」を行う。
◇補助療法(指示療法)
 抗白血病剤は正常な細胞をも傷害させ、感染症・出血の二次的疾患を生じる。このため、白血病の治療を中断、止血剤・抗生物質の投与を行う。治療薬G−CSFは顆粒球コロニー刺激因子で骨髄の幹細胞を刺激し顆粒球を増やす働きと、成熟した白血球を刺激し、貪食作用・殺菌作用などを強化させ、使用することで、中断期間を著しく短縮させる。補助療法として、ほかに血小板輸血(出血防止)、抗生物質の投与(感染症阻止)、無菌室(感染症予防)がある。
◇骨髄移植
 寛解導入療法により完全寛解に、ついで地固め療法を行った後、静脈注射で骨髄を移植する。免疫抑制剤・抗生物質の投与を同時に行う。骨髄が定着すれば完全治癒となる。          
 
●発酵
 微生物はアルコール発酵・乳酸発酵・アミノ酸発酵・酢酸発酵を行う。
◇アルコール発酵:
◇乳酸発酵:
◇酢酸発酵:
◇アミノ酸発酵:大豆・麦から麹菌でアミノ酸食品(醤油・味噌)を作る様に微生物は窒素・炭素からアミノ酸・タンパク質を作るが、アミノ酸発酵菌はタンパク質を作らずアミノ酸を貯め込む。 コリネ菌(左図)の特徴はL−グルタミン酸を始めとする種々のアミノ酸生産菌育種の親株として用いられ、生育適温度が40℃近辺。現在は微生物を培養する培地に糖蜜などを入れ、微生物の増殖に伴いアミノ酸を生産する。化学反応を触媒する10〜30種類のタンパク質(酵素)を用い、物質を分解・合成させる方法である。
 
●ハッシッシ
 大麻の樹脂成分が濃縮されており、極めて多量のTHCを含有。オイル・粉末状のハッシッシを酒・タバコに混入して用いる。
 
●原 南陽(はら なんよう)
 水戸候の危篤に際し生薬屋に寄り「肥巴豆3粒、杏仁3粒を銭9文にて買い、これを懐にして水戸藩に至り……(遊相醫話)」水戸候を危篤から助け出し500石を賜り、人々は9文の銭にて500石になったと当時の語りぐさになった。腎臓ガンを毒医薬品2種で治したのであろう可能性が高い。
 
●張り形
 枕文庫(渓斎英泉著)では下記8種を載せている。殆ど女性や男性の快感増強の為用いられる。甲形は避妊作用有り。
◇琳の玉(リンノタマ) 金属製の2個の玉で、女性器に挿入する。
◇海鼠の輪(ナマコノワ) 干海鼠製。湯にひたしてやわらかくし、輪切りにし  たものを男性器にはめて用いる。
◇甲形(カブトガタ) 鼈甲や革製で、男性器の先端に装着する。
◇鎧形(ヨロイガタ) 男性器の補助具。
◇琳の輪(リンノワ) 数珠玉をつないだような形で、男性器に装着する。
◇吾妻形(アヅマガタ) 鼈甲とビロードで作った女性器。
◇久志理(クジリ) 小型の張形で、鼈甲や革製。
◇肥後芋茎 里芋の葉茎を乾燥させ、男性器に巻きつけて用いる。

●ハルマラ(HARMARA・AFRICAN RUE)
 ハマビシ科ハマビシ属。中東・北アフリカなどの亜熱帯地域、半砂漠地帯の含塩性土壌で成長、種子は夏に採取。中東で麻酔剤として使用されていた。
 種子・根にインドール系アルカロイド(ハルミン・ハルマリン・ハルマロール)を4%含み、これらはヨヒンベに含まれるアルカロイドと薬効が似ており、パーキンソン病の振顫を軽減するのに用いられていたが、現在は毒性が強くいかなる場合にも使用してはいけない。MAO阻害剤・麻酔作用がある。
 アマゾンの伝統的なシャーマンに伝えられる地上最強のドラッグ「アヤワスカ」の原料の一つ。
 
●ハワイアンベビーウッドローズ(Hawaiian Baby Woodrose)
 学名:アルギレイア・ネルボサ(Argyreia nervosa)
 英名:Wooly Morning Glory  
 通称和名:ギンバ(銀葉)アサガオ
 別名:ウッドローズ
  ヒルガオ科オオアサガオ属、つる植物。原産地はインド〜バングラデッシュ。ハワイなど亜熱帯地方で鑑賞目的に栽培。根はリュウマチ・神経性疾患・強壮剤として利用されている。種子中にリゼルグ酸アミドを含有する天然LSD、幻覚作用を持つ。他のリゼルグ酸含有植物と違い精神活性作用が注目されたのは1960年代、含有量は最も高い。アサガオ品種「ヘブンリー・ブルー(Heavenly Blue)」の種子もウッドローズと同様成分を含む。
 ウッドローズ種子は殻で覆われ、そのままでは効果はなく、殻を剥いて食べても効果は薄い。殻を剥いた種子3〜7粒を良く砕き水200?に3日間浸し成分の抽出後、攪拌して上澄み液を服用する。LSD以外に多種アルカロイドも含まれ、弱い吐き気・腹部痙攣感を伴う事もある。飲んでから30分ぐらいで吐き気や眩暈などがおこることがあるが、それをこえると安らかな気分を12時間以上楽しむことができる。体質に合うと、これだけを使い続けようと思う程セックスとの相性は良く、オーガズム持続感アップ・爆発的増大が得られる。
 
【ひ】 
 
●ヒアルロン酸
 関節に存在するプロテオグリカンの一つ。粘調性が非常に強く、関節の動きをスムーズにする。ヒアルロン酸が少なくなると関節は骨同士が擦れ、関節痛になる。治療にはヒアルロン酸ナトリウム1%液を関節内に注入する。
 鶏の鶏冠部に多く含まれる。
 
●非栄養素
 植物は、地球上にある0.03%のCO2を主原料として光合成を行っている。無機質である酸素・炭素・水素・窒素から、生命の維持や生体の構造保持などにかかわるタンパク質・脂質・炭水化物を作っていく一次代謝と、その周辺にある花の色や香り等の二次代謝がある。二次代謝は配糖体・アルカロイド・タンニンなど栄養機能が無く、ガン・動脈硬化・糖尿病の合併症・アルツハイマー・パーキンソン病など疾病の予防と治療に用いられることから、「非栄養素」と呼ぶ。
 植物の二次代謝産物は、外界からの攻撃に対しての防御物質が主体であり、化学的には「フラボノイド類・テルペン類・硫黄化合物」である。細かく記すると、病原体抵抗物質、リグニン、タンニン、ファイトアレキシン、他感物質、昆虫誘引・防除物質(精油、テルペン)、青葉アルコール・青葉アルデヒド、自己防衛保護物質(アルカロイド、タンニン)等である。これらの物質は、植物の長い進化の過程で、ゲノムに蓄積された突然変異により起こされた。
 動物は植物に依存して生きている。この繋がりは、一次代謝産物の糖類はエネルギーに、タンパク質は体躯の形成と維持に、そして二次代謝産物は動物の生理活性に各々密接に結び付く。
 
●火落菌
 乳酸桿菌の一種、清酒・清酒を含む酸性培地にしか生育しない真性火落菌と、普通培地で生育可能な火落性乳酸菌があり、それぞれヘテロ発酵型とホモ発酵型に別れ、ヘテロ発酵型真性火落菌・ヘテロ発酵型火落性乳酸菌・ホモ発酵型真性火落菌・ホモ発酵型火落性乳酸菌とになる。
 真性火落菌は、@アルコール耐性が強い、A好酸性、B好アルコール性(生育促進)、C生育の必須因子としてメバロン酸を要求、D発酵性糖類が少数などの特色を持ち、日本酒を変敗させる。昭和44年、サリチル酸(防腐剤)使用が禁止、日本酒は65℃に加熱する「火入れ」にて対処。
 
●ピクロトキシン
 ツヅラフジ科の Anamirta 属植物から得られるセスキテルペン。実験動物に痙攣を起こさせる標準物質として用いられる。
 
●肥後芋茎(ひごずいき)

 肥後産が本場と言われるのは、加藤清正が築城時、芋茎を畳に織り込んで籠城の際の備蓄食料としたことによる。江戸時代川柳に静岡産が良品とあるのは、江戸で使われた芋茎は静岡産蓮芋だったのだろう。
 湯で良く温めて、陰茎に巻き付けると女は随喜(ずいき)の涙を流す。芋茎のエグミ成分はホモゲンチジン酸・粘液質ムチン・蓚酸カルシウムなどで、ぬるま湯に浸すと成分が徐々に溶け女性性器を刺激し快感(むず痒く)を引き出す。芋茎の巻き方は上図イ・ロ・ハの3種あるが、狂訓女才学では「棹へ巻くには菱形にせよ 菱を綾取りて巻く可し」と(ハ)型を薦め、摩擦ははるかに複雑になり中途で滑れる恐れも少ないとある。
 
●皮脂腺
 ヒトは汗腺以外に2種(皮脂腺・アポクリン腺)の皮膚腺を持つ。機能の一つは毛髪・皮膚の防水加工を保つ機能で、頭皮等がこの役目を果たしている。残りの機能は社会的・性的匂いの産生である。額や鼻の両脇・胸の中心線上・肛門の周囲など多数の皮膚腺から濃厚で透明な脂肪質(コレステロール等)を分泌し、遊離脂肪酸も多量に含まれて個体特有の匂いとなる。思春期まで活動していないことから、分泌物の役割は主として性的メッセージと考えられ、分泌腺が詰まると吹き出物が発生、ニキビと呼ばれる皮膚障害となる。 
 
●ビゼンクラゲ
 ビゼンクラゲ科ビゼンクラゲ・
 食用クラゲはビゼンクラゲ・スナイロクラゲ・エチゼンクラゲ等だが、ビゼンクラゲとスナイロクラゲは似ているため同じ種類と言われている。
 傘の直径が50〜70cmにもなる食用クラゲで腔腸動物の一種。寿命は1年。
 有明海で昭和52年頃から大量発生し、いたるところで表層を群遊したため、漁船の航行の邪魔になり嫌われたが、翌年からは主に刺網の一種であるくらげ網で本格的に漁獲され始め、中華料理の食材として、傘を口腕部と切り離し、ミョウバンや岩塩に漬けて横浜中華街に出荷された。昭和53、54年頃には3〜4千トン漁獲されたが、販売が軌道に乗りかけた55年頃から減少し始め、昭和58年には元の状態に戻った。
 船上からその傘を見かけることもあるが、少なくなったこともあり商品価値が高く、大型の個体では市場で1尾1万円以上する時もある。
 中華料理の食材として利用されるが、生の食材をナマスやきゅうりと胡麻和えにすればコリコリと歯ごたえがあり美味。
 ほかにも、タイの釣餌として利用できる。
 
●ビタミンA(レチノール):脂油性ビタミン
 抗夜盲症因子。視神経の興奮に関与。
 レチノールとカロチンの2種がある。レチノールはAの形で動物食品(肝油・バター・卵黄)に含まれ、カロチンはプロビタミンAといわれ、緑黄色野菜に多く含まれている。必要に応じてビタミンAに変わる。
 ビタミンAは、血漿レチノール結合タンパク質(分子量2万)と1:1で結合し、この複合体がさらに別のタンパク質と結合して網膜、その他に運ばれ、目の網膜にあるロドプシン(色素)の生成促進作用、燐酸エステルとなり身体の各部(胃腸・気管支)にある「粘膜(ムコ多糖の生成を助ける)」や、健康な皮膚を作る作用など体躯が正常に働く。
 呼吸器や消化器粘膜に抵抗力を与え、風邪や潰瘍を防ぐ。また、目を丈夫にするビタミンで、夜盲症、角膜乾燥症、結膜炎に効果がある。他に健康な皮膚や髪、歯茎を作る。
 大人1日当りの必要量は0.6〜0.8mg(2000〜2500IU)。不足すると、上皮組織細胞が固く変質して、ガンを抑制する機能が作動しなくなる。レチノールの過剰摂取は頭痛や吐き気、発疹が起こるが、β−カロチンは肌が黄色くなるが、体内に蓄積された未変換β−カロチンの働きは抗酸化作用を示し、細胞傷害(ガン化)を未然に防ぐ。
 
●ビタミンB
 ビタミンB群は神経系が正常に働くために不可欠である。不足すれば「だるい、疲れやすい、肩が凝る」等の、いろいろな神経症状に悩ませられる。腸管内でビフィズス菌はビタミンB群を生成する働きがあり、腸内フローラを健全にする作用がある。日本人の3〜5%の人は、腸内に酵素アイリナーゼを作る細菌を持っており、このアイリナーゼはビタミンB1を破壊するため、日本人は脚気になりやすい。
 
@ビタミンB1(サイアミン・チアミン):水溶性ビタミン
 抗脚気因子。補酵素。抗神経炎作用。
 米ぬかから発見され、摂取した糖質をエネルギーに変えるときに必要で、必要量は摂取した糖質に比例する。不足すると糖質が分解されず、乳酸などの疲労物質が蓄積され、疲れやすくなる。高じると、浮腫や動悸など、脚気症状が発現され、脳や神経にもエネルギーが補給されず「イライラ」「怒りっぽくなる」等の」神経症状が現れ、心臓肥大も招く。
 大人1日0.5〜1.0mgを必要とする。B1欠乏症は、末梢神経、中枢神経、心臓にでるのが特徴であり、神経ビタミンと呼ばれる。吸収率を上げるのはアリシンと一緒に摂取すると良い。  
AビタミンB2(リボフラビン):水溶性ビタミン
 酸化還元酵素の補欠分子族。
 B1と比べ熱に強く、糖質、脂質、タンパク質の代謝にかかわり、健康保持と成長に欠かせないので「発育ビタミン」と呼ばれる。タンパク質と結合して肝臓で貯蔵されるが、タンパク質の摂取量が少ないと尿中に排泄される。細胞の再生やエネルギーの生成を促進する。また、過酸化脂質の生成を抑え、ガン予防、動脈硬化、老化の予防に有効である。大人1日1.1〜2.0mg必要。不足は口角炎、口唇炎、口内炎、目の充血などの粘膜の傷害と、脂肪肝(酒好きは要注意)を予防する。ビタミンB1、B2、ナイアシンは糖質をエネルギーに替えるのに必要なビタミンであり、B2は皮膚に大切なビタミンである。
 糖尿病になるとビタミンB2の吸収率が悪くなるので、補給することで糖尿病や合併症の予防・治療に効果がある。納豆には1.3mg/100g含まれており、ほぼ一日分の必要量である。
BビタミンB5(パントテン酸):水溶性ビタミン
 ストレスなどに対抗する副腎皮質ホルモンの合成を促進させ、身体の抵抗力を付け、自律神経失調症を予防、改善する。レバーに多く含まれる。不足すると血圧低下、成長阻害を招く。
CビタミンB6(ピリドキシン):水溶性ビタミン
 ヒトでは腸内細菌で合成される、抗皮膚炎因子。アミノ酸代謝系酵素の補酵素。学名は「ピリドキサミン」というアミン。タンパク質とアミノ酸の代謝に深くかかわり(ピリドキサルリン酸の素材)、タンパク質の摂取量に比例して必要量が増す。タンパク質はアミノ酸に分解され、必要なタンパク質に再合成される。再合成に足りないアミノ酸があれば、他のアミノ酸で作り替えられるが、この時働くのがB6である。
 神経伝達物質の合成にも重要な役割を果たしており、脳の活性化に働く。集中できない、無気力という「ウツ症状」に効果がある。アレルギー症状の改善に、ぼけ予防、免疫機能に有効である。
 リノール酸を原料にアラキドン酸を合成し、コルチコイド(副腎皮質から分泌されるストレスに対抗するホルモン)、17−ケトステロイド(精力増強に関係のある男性ホルモン)の合成に関係している。強い抗アレルギー作用があり、不足するとアレルギー症状、皮膚炎、口内炎、筋肉低下を招く。
 鮪、さんま、鮭、鯖、牛レバー、バナナに多く含まれる。
DビタミンB12(シアノコバラミン):水溶性ビタミン
 コバルトを含む。酵素反応の水素運搬体やメチル基運搬体として働く。
 動物性食品に広く含まれており、造血作用(吸収した鉄分をヘモグロビンにする)に不可欠なビタミンで、貧血の予防、解消に鉄分とともに充分摂取するのがよい。また、神経の働きを正常に保つ作用があり、多量摂取すると精神を安定させ、記憶力、集中力を高める。不足すると神経過敏、ふさぎ込み等になる。あさり、カキ、牛・鶏レバーに多く含まれる。小腸で腸内細菌が異常増殖すると細菌がビタミンB12を囲んで吸収されず、悪性貧血を起こす。
EビタミンB13(オロット酸)
 葉酸、ビタミンB12の働きを助ける。肝臓障害、早すぎる老化の予防などの作用がある。
FビタミンB15(パンガミン酸)
 ビタミンEに似た抗酸化作用があり、Eと同様な働きがある。ビタミンB17の制ガン効果を助ける相乗作用がある。
GビタミンB17(レートリル、アミグダリン)
 ビタミンB17はガン細胞の周辺に多く存在する酵素β−グルコシダーゼと接触すると、シアン化してガン細胞を殺す働きをする。正常細胞はローダネーゼ酵素を産生しており、ビタミンB17が接触すると安息香酸に変化して鎮痛作用を示す。
Hナイアシン(ニコチン酸):水溶性ビタミン
 不足するとペラグラ(中南米の病気・皮膚病)、神経障害を招く。トリプトファン(アミノ酸)から生体内で合成されるが、魚、レバー、肉、無精白小麦、アボカドに多く含まれる。
I葉酸:水溶性ビタミン
 主な働きは赤血球の形成・成熟、他にも生体組織形成・細胞発育機能正常化など。不足すると貧血、口内炎を招く。
 先天性異常の発症リスクを減らす効果があり、2000年末、厚生労働省が妊婦に対し、通常の食事に加え1日に400μgの葉酸を摂取することを勧めている。胎児の中枢神経系は妊娠初期に作られ、葉酸の摂取は妊娠に気付いてからでは間に合わず、妊娠を計画している女性は、1ヵ月前〜妊娠3ヵ月の間、葉酸不足に注意する。
Jパラアミノ安息香酸(PABA)
 腸内の有用菌の繁殖を促す作用がある。葉酸の構成成分であり葉酸の合成に欠かせず、パラアミノ安息香酸を摂取すると葉酸の量が増える。葉酸、あるいはパントテン酸と一緒に摂取すると、白くなりかかった髪を元に戻したり、肌の老化を防ぎ、しわが出るのを遅らせる作用がある。
Kイノシトール
 脂肪が肝臓に蓄積されないように働くので「高脂肪肝ビタミン」といわれ、コレステロールの流れを良くする。また、イノシトールは細胞膜のリン脂質の成分であり、特に神経細胞に多く含まれ、脳細胞や神経を正常に維持する働きがある。体内で合成されるが、糠・オレンジ・メロンなどから補給する。
Lコリン:水溶性ビタミン
 体内でアミノ酸から合成されるビタミン様物質。コリンは血管を拡張させて血圧を下げる作用のあるアセチルコリン、細胞膜の成分であるレシチンの材料である。またコリンは神経細胞の成分でもあり、脳の記憶形成を助ける。タンパク質の摂取が少ないと欠乏症(動脈硬化・肝硬変)になる。
Mビオチン:水溶性ビタミン
 ビタミンH参照。
 
●ビタミンC(L−アスコルビン酸)
 抗壊血病活性を持つ。コラーゲン合成に必要な因子で、ペプチド中プロリンをハイドロキシプロリンに変えるペプチヂルプロリンヒドロキシラーゼの反応を促進。
 一昔前は、シミやソバカスを薄くしたり、肌をきれいにする「美容ビタミン」であったが、いまは抗ストレス剤や抗ガン剤として重要である。
 ビタミンCは多量摂取すると余分なものは排泄されるが、ガン細胞はビタミンCを無制限に取り入れ、細胞内でビタミンCから過酸化水素を発生し、細胞死を起こす。毎日100mgビタミンCを静脈注射しても副作用がない。(1g=1日を3ヶ月摂取しても異常はない。6g=1日を経日摂取すると気分が悪くなり・嘔吐・下痢・顔面紅潮を示し、幼児の場合、皮膚に発疹が現れる)
 体内に備わった「抗ストレス」の仕組みが正常に働くために副腎の皮質部分を副腎皮質といい、ここが、ストレスから身体を守る抗ストレスホルモンを分泌する。ビタミンCは抗ストレスホルモンの原料である。またコラーゲンの材料でもあり、コラーゲンが少なければ身体中の血管はもろくなり、重症になると貧血・壊血病になる。ビタミンCは、腸内で鉄分の吸収を助ける。
 栄養強化剤として用いられたが、抗酸化作用から酸化防止剤(清涼飲料水の酸化防止剤・魚介製品の脂肪の酸化(油焼け)を防止剤)として用いられる。
 http://jk.rodec.net/other.phpで、200g1,900円(税込・送料無料)で販売。製造法は、ソルビトール(タピオカでんぷん)から発酵法で作っている。
 
●ビタミンD  
 抗クル病活性のある脂溶性ビタミン。D2〜D7まで6種類存在。D2とD3が実用に供される。食品中のビタミンDは殆どD3である。植物には含まれていないが、茸はエスゴステール(プロビタミン)を含んでおり、プロビタミンDは紫外線照射でビタミンDに変化する。
 ビタミンDは、造骨作用に欠かせないビタミンで、CaとPの吸収を促進させる働きがあり、骨や歯にカルシュウムがしっかり沈着するよう促す。不足・欠乏すると、体内のCaが不足するため、イライラしたり、落ちつきがなくなり、重くなると小児では「くる病」に、成人は「骨軟化症」になる。
 ビタミンDは、ホルモン剤であるステロイドに形状が似ているため、強壮作用がある。D2はエルゴステロールと呼ばれ、体内に入ってビタミンDになる前駆体である。 
 ヒトが1日に必要なビタミンDは100IU。この量はシイタケで110g、干しシイタケで0.52g、干しキクラゲで0.62gである。 
 
●ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)
 抗不妊因子。細胞内の膜系に存在、抗酸化作用を通して細胞膜の安定に寄与する。
 α、β、γ、δなど構造の異なるトコフェロールとトコトリエノールの8種類ある。老化防止など本来の効用を強く発揮するのはα−トコフェロール。これをもとにβは30〜50%、γは10%、δは2%の効用しかない。
 またα−トコフェロールは、天然のもの、合成型があり、天然のものは合成型の1.35倍の効果が期待できる。現在、天然型といわれるものが出来、合成型より高い効果が期待される。α−トコフェロールの活性が高いのは細胞膜との親和性が高いことにある。不飽和度の高い脂肪酸を摂取すると脂肪酸の酸化防止にビタミンEが消費され、ビタミンE欠乏症になりやすい。
強力な抗酸化作用があり、ガン、心筋梗塞、脳卒中などの予防に効果が期待される。細胞膜(脂質二重層)にビタミンEがあると、活性酸素が膜よりビタミンEと結合して過酸化脂質を作らないのである。過酸化脂質は発ガンに影響する。予防にはビタミンEとビタミンC(独自の抗酸化作用がある)、β−カロチン、ビタミンB2、セレンの摂取がよい。
 大豆に含まれるリノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸の酸化を予防する。酸化物の過酸化脂質リポフスチンは皮膚の黄褐色のシミになり、血管に出来ると動脈硬化をおこし、血液中に出来ると血栓が発生する。年をとるに従って物忘れや運動機能の衰えを自覚するが、過酸化脂質の増加が元凶。リポフスチンは「老化色素」と呼ばれ、老化の指標のひとつにされている。
抹消血管の血行をよくしたり、女性ホルモンの分泌をスムースにし、美肌にとって見逃せないビタミンである。
 ビタミンEは、性ホルモンの分泌を良くして生殖機能の衰えを防ぐ働きがあり、1日100〜300mg摂取することにより性的能力が回復した例もある。
 不足すると自律神経失調症・溶血性貧血になる。
 アーモンド8.7mg/30g、ひまわり油3.9mg/10g等である。
 
●ビタミンF
 油脂を含まない飼料を動物に与えると成長を停止し、壊死、腎出血等の栄養障害が起こる。この動物にリノール酸とかリノレン酸を少量投与すると予防、治療に役立ち、アラキドン酸を投与するとさらに有効であった。これらの脂肪酸を「必須脂肪酸」あるいはビタミンFと呼ぶ。
 γ−リノレン酸。生体内でリノール酸から合成される脂肪酸である。リノール酸→γ−リノレン酸、ジホモ・γ−リノレン酸→アラキドン酸であり、プロスタグランジン(生体調整ホルモン)の構成成分になる。このホルモンは微量でも強い影響力があり、血管の透過性を高め、好中球などが集まりやすい物質であり、血圧、血糖値、コレステロール値を低下させ、血液の凝固を抑制する。血管、気管支を拡張し、子宮を収縮させる。
 
●ビタミンH(ビオチン):水溶性ビタミン
 皮膚炎の予防研究の過程で発見されたビタミンである。ビタミンB群でビオチンとも呼ばれる。不足すると、湿疹や脂漏性皮膚炎、脱毛、白髪になりやすくなる。
 ビタミンHは、腸内細菌により生合成され、普通欠乏することはないが、鶏、牛、豚のレバーに多く含まれている。
 
●ビタミンK(フィロキノン)
 K1:緑黄野菜  K2:微生物(納豆・大腸菌などの腸内細菌が産生)
 プロトロンビンの合成にかかわっている。プロトロンビンは出血時に血液を凝固させる働きと、血管内で血液の凝固を抑える働きという相反する作用をもつ成分であり、肝臓で生成されるとき、ビタミンKが不可欠なのである。
 ビタミンDがカルシウムを必要とする生理作用に応じて、骨から血液にカルシウムを送り出すときにビタミンKはカルシウムの支出を抑制する。ビタミンKが不足すると骨からカルシウムの支出が増え、骨粗鬆症になる。
 
●ビタミンM(葉酸)
 最初はホウレンソウの葉から抽出されたことから名付けられた。植物界に広く分布(プテリジン+p-アミノ安息香酸+グルタミン酸=葉酸)し、微生物でも産生出来るが、動物は産生出来ない。
 生理作用は、@タンパク質の合成、プリン・ピリジン塩基の生合成、ヌクレオチド合成の補酵素 A免疫力を高める B骨髄での血球再生に必要 
 欠乏症状は、@タンパク質代謝が異常となり、約4ヶ月で新陳代謝される赤血球代謝が円滑でなくなり、悪性貧血となる A細胞の成長・再生に刺傷が生じ胃潰瘍・口内炎・舌炎の原因となる B神経過敏 C健忘症 D胎児・乳幼児の発育不全 などである。
 含有食品:レバー・牛乳・卵黄、酵母、豆類・緑黄色野菜、サツマイモ、クルミ
 
●ビタミンL(アミノ安息香酸)
 水溶性。ネズミの乳汁分泌因子で、肝臓や酵母に含まれる。L1はアントラニル酸(哺乳類の催乳作用)、L2はアデニルチオメチルベントース。
 微生物の発育に関するビタミンとしての作用を持つ。
 
●ビタミンP
 フラボノイド化合物の一種で、「ルチン」と呼ばれる。毛細血管を強くし、浸透圧を正常に保つ作用があり、高血圧予防、出血性の病気に効果。ビタミンCとの併用で、循環器疾患の予防成分になる。
 
●ビタミンQ(ユビキノン・Co(コエンザイム)Q10)
 ATPを作りだす際に必要な成分。代謝を高める作用があり、糖の代謝改善・脂質の代謝促進(血中糖をエネルギーに変える働き)で体重を減らし、塩分の排泄を促進して高血圧を防ぐ。抗酸化作用を持ち、脂質二重層の酸化を防ぎ、酸素の利用効率を高める。精子を活性化したり、免疫細胞、白血球の働きを強める作用がある。糖尿病、虚血性心疾患、脳出血の治療薬に利用されている。
 体内で合成されるが、40歳以上になると合成機能が低下するので、不足することがある。糖尿病患者に良いビタミンである。背の青い魚、鶏ササミ、大豆製品に多く含まれている。
 
●ビタミンU(メチルメチオニンスルホニウムクロライド・MMSV)
 キャベツの葉に含まれる胃酸分泌を抑制するビタミン様物質である。細胞分裂を盛んにするので胃腸粘膜の新陳代謝を促し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治しやすくする。粘膜の新陳代謝にはタンパク質が必要であるが、ビタミンUにはタンパク質の合成を促進する作用もある。アブラナ科の植物に多く含まれる。
 MMSCは硫黄を含むアミノ酸構造を持ち、解毒作用を利用し肝臓を助ける作用・肝臓機能を回復する作用がある。
 
●必須脂肪酸
 【ビタミンFを見よ】
 
●ヒトパピローマウイルス16型(ヒト乳頭腫ウイルス)
 パポバウイルス科ガンウイルス。感染源は男性性器で、子宮頸部上皮細胞を標的としたガンを発症させる。潜伏期は20〜30年。
 
●ピネン(pinene)   







   α−ピネン           β−ピネン
 植物の精油中に広く存在し、テレピン油の主成分である。パイン様の香気を持つ無色の流動性のある液体。α−ピネン(天然に最も広く分布するモノテルペン)、β−ピネンの異性体があり、天然には混合物として存在するが、一般にα−ピネンの含有量(60%)が多い。またα−ピネンには右旋性と左旋性の光学異性体があり、アメリカ産α−ピネンは右旋性、ヨーロッパ産は左旋性である。比重0.86、沸点155〜156℃、水に不溶、アルコール・油に可溶。β−ピネンはノピネン(nopinene)とも呼ばれ、比重0.87、沸点154〜156℃、水に不溶、アルコール・油に可溶。
 近年ピネン化学と呼ばれる香料工業の分野が開かれ、リナロール、ゲラニオール、シトラール、−メントールなどのテルペン系合成香料がピネンから大規模に合成されている。
 
●皮膚
 ヒト体躯の内側は、表面の皮膚によって外界から守られている。皮膚は医学的に上皮と呼ばれ、三種類に分類され、これらの上皮で体躯の内側と外側の境界を作っている。
@扁平上皮:手・足・顔の皮膚、口や食道の粘膜。
A円柱上皮:胃や腸の粘膜。
B移行上皮:膀胱。
 皮膚(扁平上皮)は真皮と表皮(最も外側が角層)で、真皮部分は本体部分であり、血管が通っている。表皮細胞は時間が経つごとに核が消え、細胞が死に、外側に押し出されていく。角層と言われるのは垢になってなくなるまで体躯表面で15〜20層を作った層のことを言う。角層は目・口の粘膜以外はどこも角層で包まれ、分子量100〜200程度は通過させるが500は通りにくく1,000になると通さない。分子量数万の病原菌ウイルスは通過できず、病気にならない。大人になると皮膚面積は畳一枚ほどあり、人間の最大の臓器が皮膚である。
 羊水の中にある胎児の角層はβ−ケラチンで出来ており、水に強く乾燥に弱い魚型のタンパク質である。出産で空気中に出ると、乾燥に強いヒト型のα−ケラチンに変わる。稀にこの変化を起こす酵素がない胎児が生まれるが、皮膚はひび割れ、長く生存出来ない。
 皮膚の欠損が表皮だけであるならば、問題なく治癒する。損傷が真皮より深い層までとなるとケロイドが残る。皮膚欠損と人工皮膚の関係はかなり複雑であり、真皮に多少なりとの細胞が残っていれば回復の可能性が残る。人工皮膚の本体は多糖のキチン(ヘテログリカン)である。
 紫外線が皮膚に照射すると表皮のメラノサイト細胞がアミノ酸「チロシン」から「メラニン色素」を産生して表面を覆い、有害光線を吸収する仕組みがある。チロシンは酸化酵素「チロシナーゼ」でジオキシフェニルアミン(ドパ)になる。これが紫外線で酸化し、水酸基からHが奪われる。すると還元酵素が働いて補い、別のドパに生まれかわる。この状況が続くことでドパが酸化重合してメラニン色素になる。
 
●ビフィズス菌
 1899年、ティシエ(パストゥール研究所)が、母乳栄養児の糞便から発見した。その後、ビフィズス菌は乳児の腸内にしか存在しないと言われたが、空気のない状態で培養するといろいろな種類が発見され、ヒトの成人や動物の腸内に棲息していることがわかった。乳幼児の腸内ではビフィズス菌の占める割合は95〜99%に達している。離乳期を過ぎるとビフィズス菌は乳児型から成人型に入れ替わり、割合は10%ぐらいになる。割合が10%より減少したりいなくなると、大腸菌やウェルシュ菌などの腐敗菌が勢いづき、生成する有害物質によって体躯の調子は悪くなり、長く続けば健康を損なう。
 ビフィズス菌はオリゴ糖や乳糖から乳酸や酢酸を作り出す。乳酸や酢酸は腸管内を酸性にして、腐敗菌の活動を抑制したり、病原菌(外部から侵入)の増殖を阻止して感染を防ぐ。病原菌に侵された物を摂取したとき、ヒトにより症状が異なるのは腸管内のビフィズス菌量が多いか少ないかの差である。
 ビフィズス菌は腸管の蠕動運動を活発にして便秘・下痢を防ぐ整腸作用、発ガン物質の分解、ビタミンの合成などの役割を果たしている。 
 食物繊維(ごぼう・茸類・イモ類)を多く摂取すると、腸内がきれいになり、ビフィズス菌が増える環境となる。好んで食べるのは乳糖や各種オリゴ糖であり、与えることでビフィズス菌は増殖する。
 
●ピペラジン(1-ベンジル・BZP)
 ピペラジン誘導体は医療用途はなく、新合法ドラッグとして欧米を中心に乱用され始めた。服用すると、視覚変化など知覚過敏・アンフェタミン様のアップ感覚・覚醒的な気分高揚が起こる。副作用は頭痛・震え・口渇・不眠など。
 
●ヒポクラス
 ピメントに様々な薬草を加え、薬効のあるピメントとした。医薬の父と呼ばれるヒポクラテスにちなみ、ヒポクラスと呼ばれるようになった。
 
●ひまし油(蓖麻子油・Caster Oil)
 トウゴマ種子を圧搾して得られる無色〜淡黄色の油。わずかに特有な匂いがあり、緩下作用を持つ。
 エタノールに透明に溶けるので、アルコール性ローションなどに油性を加える目的に使われ、皮膚に対する浸透性が良い。口紅やマニキュアなどの可塑剤や、ポマードの主原料、石けん原料としても使われ、非イオン界面活性剤の原料ともなる。 
 
●肥満症
 身体に過剰脂肪が蓄積した状態を肥満と呼び、内臓脂肪型肥満は健康障害を伴うハイリスク肥満と言い、肥満による健康障害を引き起こしたか、合併が予測、またはハイリスク肥満があり、医学的に減量を必要とする病態を肥満症と定義している。
  肥満に起因する健康障害
  @ 2型糖尿病・耐糖能障害
  A 脂質代謝異常
  B 高血圧
  C 高尿酸血症・痛風
  D 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
  E 脳梗塞:脳血栓・一過性脳虚血発作
  F 睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
  G 脂肪肝
  H 整形外科的疾患:変形性関節症・腰椎症
  I 月経異常
 
●ヒメマツタケ(アガリスク)
 1965年夏、ブラジル・サンパウロのピエダーテ郊外の日系農家付近に自生していたのを古本隆寿が採集し栽培を試み、三重県津市の岩出亥之助の研究所に持ち込んだ。数年間の試験栽培で菌床栽培の目途がたったので、岩出亥之助が栽培者を募集し、普及に努めた。
 
●ピメント
 ギリシャ・ローマ時代、ブドウ果汁に蜂蜜を加えることでアルコール分が高く、甘み豊かな酒を造り、ピメントと称した。
 
●媚薬
 媚薬(ほれ薬)を用いると、用いられた人が恋慕の情(性欲)を催す薬である。男性性器を大きくする薬、女性性器を小さくする薬も媚薬と言われるのは、性交部のきつさで性感が高まると信じられるからである。性的興奮は心理的作用が大きく、媚薬効果を信じればプラシーボ効果を発する。江戸時代の催淫剤「イモリの黒焼き」を相手に振りかけることにより、相手の気持ちを我がものになる薬と信じられていた。
 四目屋(江戸時代)は淫薬専門の薬屋で、長命丸・神仙丹・陰陽丹・女悦丸・寸陰方・鶯声丹・緑鶯膏・延寿丹・鑞丸・人馬丹・喜命丸・思乱散・女乱香・帆柱丸・地黄丸・童女丹・如意丹・得春丹・イモリの黒焼きなどを商っていた。
 
●ヒヨス
 ナス科ヒヨス属。0.04%のトロパンアルカロイド(ヒヨスチアミン、スコポラミン、アトロピン)を含み、脳や神経細胞に影響をおよぼす。中でも、スコポラミンは「眠り」から「覚醒」へと変換させる、「変換作用」がそなわっており、麻薬にも似た酩酊から、幻覚や一種の精神撹乱といった興奮を引き出す。そのメカニズムは分かっていない。ヒヨスは、LSD−25のような幻覚作用に加え、睡眠作用や鎮痛作用といった、向精神薬にも似た作用を持っている。
 ホメロスの「オデッセイア」の魔女キルケーが使ったヒヨスは、オデェセウスを誘惑するに、性欲に刺激を与えたり、現実を忘れさせたり、心を落ちつかせる効用を持つ媚薬に使った。魔女が空を飛ぶという伝説は特殊な幻覚作用がもたらしたものであり、最初は頭痛、やがてあたりが異常に明るく照らされ、身体が浮遊してくる。部屋中がジェットコースターになったように、天井も壁もぐるぐる回り出す。この状態が12時間以上続く。軟膏にしても皮膚や粘膜から浸透していく。「魔女の空飛ぶ軟膏」と言われた。
 紀元前一世紀にネロ皇帝に使えた薬草学のディオスコリデスは、「新鮮な葉を外用薬にして患部に塗れば、痛みをやわらげる」と、鎮痛剤としての処方をしていた。
 
●ヒヨスチアミン(l-hyoscyamine)
  ロート根・ベラドンナ根・ダツラ・ヒヨスの主アルカ ロイド。トロピンアルカロイドに分類される。
 副交感神経遮断薬(抗コリン作用薬)で、散瞳・鎮痙・鎮痛・潰瘍治療薬として用いられる。
 抽出後、容易にラセミ化してアトロピンに変わるので、アトロピンとも呼ばれる。昔は麻酔としても用いられていた。
 

●ヒーラ細胞(HeLa細胞)
 世界で初めて樹立されたヒト由来の細胞株。1951年、30代で子宮頸ガンで死亡したHenrietta Lacks氏から採取されたガン細胞。培養された組織は、世界中の研究室(医学、生物学等)で使われている。

●ピル(Pill)
一般的に排卵抑制と子宮内膜維持作用を持つ「黄体ホルモン剤(プロゲストーゲン)」と、黄体ホルモン剤の薬理作用を高める(量に比例して黄体ホルモン作用が高まる)作用を持つ「卵胞ホルモン剤(エストロゲン)」が主成分。ピルは黄体ホルモンの種類により、開発された順に区別して同種のピルをまとめて「*世代」と呼んでいます。
◆第1世代
メキシコでパルパスコと呼ばれるヤマノイモ品種はサポニンとしてディオスゲニンを多量に含み、黄体ホルモン(プロゲステロン)の合成原料として、米国のマーカー(ステロイド化学者)が発見しました。以後パルパスコから女性ホルモン・男性ホルモン・副腎皮質ホルモン(コーチゾン)まで合成されるようになり、これから作られたプロゲストーゲン「ノルエチステロン(1960年代開発)」を用いたピルを第1世代ピルと呼んでいます。ノルエチステロンは作用が弱く、多量なる卵胞ホルモン剤の助けを必要としました。卵胞ホルモン剤が多いと、肝障害や血栓症などのリスクが高まるという報告があり、WHOは卵胞ホルモン剤を50μg未満にするように勧告しました。
◆第一世代低用量ピル
 WHOの勧告に従い黄体ホルモン量を増やし、卵胞ホルモン剤を50μg以下にしたピル。アンドロゲン作用が少ないことからアメリカでは、この第一世代ピルがいまだに主流になっています。
◆第2世代低用量ピル
1960年代後半に開発された黄体ホルモン剤(レボノルゲストレル)で、現在日本で使われているピルの大半が第2世代ピルです。黄体ホルモン剤を低用量化するため作用が強くなっていますが、低用量卵胞ホルモンでもしっかり薬効がある黄体ホルモン剤です。
レボノルゲストレルはアンドロゲン作用(男性化症状)があり、2相性ピルや3相性ピルにして黄体ホルモン量を段階的に変化させアンドロゲン作用の回避を図っています。また、段階的に変化(自己ホルモン分泌様ピル=避妊作用は無い)させることから、1相性ピルに避妊効果の確実性があると言われています。
日本では第2世代まで認可(第3世代ではマーベロンが認可されているが未販売)され、医師が処方箋に記載するピルはこの世代になります。
第2世代成分は、生理痛や生理不順の解消に著しい薬効があり、避妊目的外にも多く用いられています。
◆第3世代
1980年代、アンドロゲン作用を抑える黄体ホルモン剤(デソゲストレル、ゲストデン)が開発されました。30歳以下の喫煙者は卵胞ホルモン剤が少なくて脂質代謝に効果がある第3世代ピルが良いとされます。
◇ダイアン35 SCHERING社が体格の小柄なアジア人向けに開発した低用量ピル。ピルのなかで唯一アンドロゲン作用(男性化症状)が無いピルで、男性ホルモンに起因する男性型多毛症、頭髪の抜け、ニキビなどを抑える副効用があります。また女性ホルモン剤として使用されることもあります。
◇マーベロン ホルモンバランスの崩れによる体重変化や吹き出物の発生率が少ないと言われています。
◇ジネラ 卵胞ホルモンの分量を抑え、同種の中でも最も濃度の低い超低用量ピルです。
◆第3.5世代
◇マーシロン Organon社が開発した第3.5世代の超低用量ピルで、エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)が0.02mgに抑えられ、身体への負担を少なくするために開発された新ホルモン製剤が用いられています。マーシロンはマーベロンの姉妹品で、マーベロンよりも副作用が押さえられている反面、服用時間が不規則になると不正出血が起こりやすい性質があります。マーベロンでは副作用が強いと感じる方がマーシロンを使います。
◇メリアン 第3.5世代の超低用量ピルで、マーシロンと同じく一相性第3世代ピルですが、ホルモン量はマーシロンよりさらに抑えられているため、体にかかる負担がより軽くなっています。ジネラの姉妹品で、ジネラよりも副作用が押さえられている反面、服用時間が不規則になると不正出血が起こりやすい性質があります。
◆第4世代
ホルモンバランスの変化による体重変化やニキビの発生率が少ないと言われています。従来のピルが身体に合わない方が使います。
◇ポスティノール 第4世代の低容量ピルです。ホルモンバランスの崩れによる体重変化や吹き出物の発生率が少ないと言われています。
◇ヤスミン ホルモン含有量が低く、同種のお薬のなかでもアンドロゲン作用が少ないとされています。ピルの副作用で見られた若干の体重増加を無くすことに重点に開発された新しいタイプのピルで、第3世代以降のピルは、従来の製品よりホルモンバランスの変化による体重変化や、ニキビ発生率が少ないと言われています。

●ヒルガオ(昼顔)
  別名:かほばな(容花)・あめふりばな(雨降り花)・雷花・天気花・夕立朝顔
 ヒルガオ科ヒルガオ属。野原に絡むつる性の多年草。若葉・若芽は食用となる。種にLSD同様成分(リゼルグ酸アミド)を持ち、摂取すると幻覚作用を引き起こすが、種子を実らさない場合が多い。
 
●ビール製造
A 精麦工程
@ 大麦(二条大麦)に水を吸収させ発芽させる。発芽が進む中で酵素(アミラーゼ・プロテアーゼなど)が産生、大麦のデンプン・タンパク質が分解される。これをビール製造業では「溶け」と呼び、進むと「緑麦芽(水分量50%位)」になる。
A 緑麦芽を温風で乾燥し麦芽を作る。これを焙燥(水分量4%以下)と呼び、酵素の働きを止め長期間貯蔵が出来るモルトとなる。
B 仕込み工程
B モルトを砕き、温水の仕込み槽に入れる。日本ではこの過程でコーンスターチなどの副材料が加えられ、酵素でデンプンがマルトース(麦芽糖)に分解される。濾過にて不純物を取り除き、出来上がった液を「麦汁」と呼ぶ。
C 麦汁にホップを加え、成分を出すため十分煮立てる。
C 発酵
D 発酵タンクに移し、酵母(イースト)を加える。酵母が麦汁の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、泡がわき上がっている状態である。この一次発酵は炭酸ガスを空気中に放散する。味・香りが粗いため「若ビール」と呼ばれている。一次発酵は約一週間で、表面の泡が消えて奇麗になるのを目安にする。
E 若ビールを貯蔵タンクに移し、後発酵(熟成)させる。味がまろやかになり、炭酸ガスがビールの中に貯えられ、色も澄んでくる。
D 瓶詰め
F 大瓶で約4gぐらい(中瓶で約3gぐらい)の砂糖を入れ、若ビールを瓶に詰める。常温で2〜3日保管後、冷蔵庫で2週間(1〜2ヶ月程度熟成させると美味しい)ほど熟成する。ビンの中でちょうど良い炭酸ガスが発生する。
 
注1)大麦は二条大麦・六条大麦が代表的。二条大麦はデンプン量が多く、タンパク質が少ないことからビール造りに適している。
注2)麦芽の焙燥を変化させることで、ブラックモルト・チョコレートモルト・クリスタルモルト・ロースト麦など様々な味・香り・コク・キレを作り出す。
注3)ホップは中部以北の山野に自生する。ビール独自の苦味・香りを作り出す。使うのは雌株の花(受精する前に採取)であり、含有成分「ルプリン」が主要素である。
 苦味用(αルプリン)を「ビタリンホップ」、香り用(βルプリン)を「フィニッシングホップ」と呼んでいる。αは水に溶けにくいので麦汁と共に30〜90分煮立てる、βは揮発性であるので麦汁を火から下ろす前1〜10分くらい煮立てる。つまりホップは最低2回投入する。
注4)ビール酵母は「エイルイースト」と「ラガーイースト」がある。
エイルイースト:発酵が終わりに近づくと酵母が表面に浮かんできて層をなすことから、上面発酵の酵母と呼ばれる。イギリスでは上面発酵のビールが主流。
ラガーイースト:下面発酵の酵母。発酵温度は最初13℃位、最後は0℃位まで下げて行う。
 
●ビロバライド
 イチョウ葉に含まれるテルペン。脳の記憶を司る「海馬」という部位の内側に張り巡らされている「シナプス」に刺激を与え、記憶を呼び起こしやすくし、痴呆症や目まい・耳鳴り・頭痛などの脳の機能障害の改善をする。
 
●枇杷(びわ・琵琶)
 江戸時代、暑気あたりや霍乱(かくらん、嘔吐と下痢)の薬として町中で枇杷葉湯売りがいた。内容は枇杷の葉以外にニッケイ、甘草など7種が配合されていた。琵琶葉湯、びわ療法に使う葉は12〜1月に採取する(幼葉にはサポニンはあるが、アミグダリンは含まれていない)。枇杷葉湯は咳や痰が出る風邪、百日咳、気管支喘息、気管支炎に有効である。
 ※枇杷葉湯の作り方
 材料:びわの葉12〜13枚
    やかん(約2リットル)
 @ びわの葉を両面ともタワシでよく洗い、ケバを取る。
 A @を4〜5cm幅にざく切りする。
 B やかんにAを入れ、八分目程度に水を入れて10分煮立てる。
 C 翌日Bをもう一度煮立て、火を弱めて30〜40分煎じる。
   このままでもよいが、蜂蜜などを加えて飲むのもよい。
   Aのびわの葉40枚を35度のアルコール400ccに浸けておくと、7〜
   10日で成分が溶けだし、枇杷葉エキスができる。

 ※漢方枇杷葉湯
 枇杷葉……………4g
 莪述………………4g(がじゅつ)
 呉茱萸……………3g(ごしゅゆ)
 霍香………………2g(かっこう)
 木香………………2g(もっこう)
 桂枝………………2g(けいし)
 上記6種に600ccの水を入れ、半量まで煎じる
 
 腎臓・糖尿・胃腸・喘息・気管支炎は枇杷葉湯を服用する。
 消炎剤として咽喉炎などに濃い煎じ液に塩を加えてうがいを。
 外用剤として枇杷葉エキスは関節炎、神経痛、リウマチ、打ち身、捻挫、打撲、炎症、皮膚炎、腫れ物に非常に効果がある。治療方法は、布に枇杷葉エキスを含ませて患部に当て、油紙で覆い、ずれないように固定する。
 血を吐くほどの悪性肝炎にビワ葉が特効薬。煎じて飲むだけで絶望的な症状がウソのように消える。続ければ再発もしない。こじれた肝臓病も諦めるのは早い。不治の病とされる肝臓ガンさえも、ビワ葉温熱湿布の併用で助かる。
《民間薬》 
 痛み全般に薬効有り。ガンの激痛は生葉を患部に当てて温めるなど、種々の痛い患部に張り付けると痛みが和らぐ。若しくは生葉を貼り付け、タオルを被せ、上からアイロンで温めると痛みが和らぐ。
 風邪の熱や頭痛も、生の葉を後頭部に貼る。
 
●枇杷仁
 枇杷仁は枇杷葉と比べ、アミグダリンが1300倍多く、枇杷仁を毎日5〜10粒摺り下ろして摂取、ガンを治癒した人は多い。枇杷仁焼酎漬けをたしなむと病魔が寄りつかない。
 
●ビンカアルカロイド(vinca alkaloids)
 ニチニチソウ属植物が産生するインドールアルカロイドの総称で、100種類以上のアルカロイドが存在する。制ガン剤として有名なビンクリスチン、ビンブラスチンの他、ビンドリン、カタランチンなどである。
 
●ビンクリスチン(vincristine・C4656410)  分子量824.94
 キョウチクトウ科ニチニチソウから分離された抗腫瘍性アルカロイド。ビンドリンとカタランチンから生合成される二量体アルカロイドであり、小児の急性白血病治療薬として用いられ、強い制ガン活性を示す。
 
●ビンブラスチン(vincristine・C465849)   分子量811.00
 キョウチクトウ科ニチニチソウから分離された抗腫瘍性アルカロイド。ビンドリンとカタランチンが結合した二量体アルカロイドであり、ビンクリスチン同様強い制ガン活性を示す。小児白血病治療薬として用いられ、白血球減少作用がある。
 





【ふ】 
 
●ファイトアレキシン
 植物細胞が産生する抗菌性のフェノール物質、病原菌の生育を阻害する。病原菌に対して特異性はない。植物体内に病原菌が侵入すると合成される。
   エンドウ……ピサチン
   ダイズ………ファゼオリン
   ジャガイモ…リシン
   サツマイモ…イポメアマロン
   マツ…………ピノシルピン
 
●ファージ
 バクテリオファージ(Bacteriophage(s))、細菌ウイルスとも呼ばれ、細菌を宿主にするウイルスで、細菌(寄生に特異性あり)を食うものという意味である。
 ファージは細菌へ感染して、その細胞内で増殖し、宿主の細菌細胞を破壊して多数の子ファージを放出する溶菌型と、細菌へ感染しても細菌の染色体と共存したまま細菌も生存し、DNAを複製するプロファージ(prophage)といわれる状態にある溶原化型がある。前者をヴィルレント・ファージ(virulent phage)、後者をテンプレート・ファージ(template phage)という。
 ファージ研究が基礎となり分子生物学へと発展、遺伝子組替えのバイオテクノロジー(生物工学)に重要な役割をもっている。
 
●ファラリス(Phalaris arudinacea) 
  別名:クサヨシ(草葭)・ちぐさ(血草)・カナリヤ草・ カナリーグラス
 イネ科クサヨシ属。水辺や湿地に群生する多年草。世界中の温帯に広く自生する植物、ホルデナイン・DMTを含有する。欧米においては都会版アヤワスカの原料として使われることが多く、喫煙使用する。中毒症状は、下痢・神経麻痺・痙攣・幻覚。
 
●フィトケミカル
 植物が作り出す化学物質。ヤナギの樹皮から得られるアスピリン、キナノキの樹皮から得られるキニーネ(マラリアの特効薬)、ジギタリスの乾燥葉から得られるジギタリス(強心薬)、Pacific yew tree(タクスス・ブレビフォリア)から作られるタクソール(ガン治療薬)など種々の物質類である。
 
●フィトンチッド
 トーキン(レニングラード大学)は、ヨーロッパシラカンバ・ビャクシンなどの樹木の葉や、エゾノウワミズザクラの実・ニンニクを切り刻んで、数センチ離れたところにアメーバ・ヒドラを含んだ小水滴を落とし、しばらくすると原生動物は死滅する現象を発見した。このような植物と微生物の相互作用をフィトンチッドと名づけた。
 (Phyton-cide; phyto=植物。cide=殺す。微生物を殺す植物体の意)
 植物を絶えず侵そうとしている微生物から身を守るべく、植物体はフィトンチッドを作り上げてきた。植物は、自然の環境下で揮発性物質を盛んに放出し、また不揮発性物質も保っている。植物の二次代謝産物、生理活性物質として揮発性物質(多くがモノテルペン類、α−ピネン・カンフェン・β−ピネン・リモネン・サビネン・ヒノキチオール等、杉林では1haに3〜4kg/24h放出される)、そして不揮発性物質であるフェノール、タンニン類などを放ち、微生物や昆虫の生長や増殖を遅らせたり殺したりする。マツ、モミ、トドマツ、ネズといった針葉樹、ポプラ、カシ、エゾノウワミザクラといった広葉樹がそうである。
トドマツ、イソツツジの葉を傷つけると、そこから発散されるフィトンチッドはブドウ球菌、連鎖球菌、ジフテリア、百日咳の桿状菌に対し破壊的な作用を及ぼす。百日咳にかかっている幼児のいる託児所内の部屋にトドマツの枝を入れて、床に散らしておくだけで、空気中の細菌類が10分の1ぐらいに減ってしまう。モミの針葉を細かく切り刻んでつくったエキス一滴を、原生動物のいる水滴に加えると、原生動物は1/10秒で全滅する。神山恵三著「森の不思議」によれば、黄色球菌について大きな殺菌力を示した木の葉は、ヒマラヤスギ・イチョウ・クヌギである。(葉をアルコールに浸け、抽出液にて試験)
 ポプラやカエデの葉は、傷ついたり、昆虫に喰われたりした場合、それに対応してフェノールやタンニン類を増加させる。同時に、 500メートル離れた無傷の木もこれに呼応して同様にフェノールやタンニン類を増加させる。ただフェノールがそれほど離れた距離間を知らせる程、揮発性が高いとはいえない。緑葉がストレスを受けた場合、創傷ホルモンが出てきて、フェノールやタンニンを産生するが、同時に緑の香りが発現する。この緑の香りは揮発性が高く無傷の木に伝える成分と考えられる。これらのことで森林浴をすることは細菌などに対する殺傷作用で殺菌された空気を呼吸するなど、ヒトはその発生の中で、植物体から発散される各種のフィトンチッドについて適応してきたのだ。
 サクラ餅、カシワ餅、笹だんごを包む葉は、香りを楽しみながら食中毒を誘発させる病原菌や腸内細菌を殺す働きがある。オオシマザクラ葉はアグリコンとしてクマリンの出来る配糖体があり、サクラ餅の香りはクマリンの芳香性である。江戸時代のサクラ餅は餅一個に三枚の葉を使っていたので風味満点であった。笹にはサリチル酸が殺菌作用を担っている。
 
●フィブリン 
 硬タンパク質の一種、繊維素とも呼ばれる。繊維状無定形の弾性のある固体。フィブリノーゲンにトロンビン(血小板が破壊され産生)が作用して生じ、血漿中で他の血液凝固因子の作用によって繊維状に重合して血液凝固を起こす。
 
●フェノール(石炭酸)
 フェノールのフェノはベンゼン、オールはアルコールの意で、ベンゼン環を持ったアルコール(−OHはアルコールの末端基)である。
 タンパク質を固める(凝固する)性質があり、バクテリアを固めてしまう結果、強い殺菌性を持つ。殺菌力を示す指標として、フェノールを1.0としたときの比較値を「フェノール係数」という。
 フェノール類は、一般的にサリチル酸を含み、内用では殺菌剤であり、炎症を縮小させるが、外用では刺激作用がある。
 
●フェノール係数
サンダルウッドオイル 1.2     ゼラニウムオイル  6.5
イランイランオイル   2.8     ローズオイル    7.0
レモン オイル     3.8     シンナモンオイル  7.8
ベルガモットオイル   4.0     クローブオイル   8.5
ラベンダーオイル    4.4     タイムオイル       12.2
ローズマリーオイル   5.2     ティーツリー(フトモモ科)13.0
 
●フェロモン(pheromone)
 体躯外に分泌排出し、強い作用を表す物質を「エクトホルモン ecto(「外」)hormone」と呼んでいたが、ホルモン同様に微量で著しい生理活性作用があるが、体外で同種の他個体に作用する作用はホルモンとは本質的に異なり、区別すべきの説が起こり(1959年、カールソン・ブテナント・ルシェルなど)、決定された。
 フェロモンは一つの能動的な物質を指すわけでなく、複数の化学物質の混合物や化学と行動の混合とも考えている。
 
◎リリーサーフェロモン
◇イニシエーター(始動信号)フェロモン:同種の他個体に直接特異的行動(性行為・警戒行動)を促す物質。
◇プライマー(導火線)フェロモン:同種の他個体の生理過程に影響を与え、間接的に生理活性に変化を与える物質。
◇ターミネーター(終了信号)フェロモン:プライマー機能のヴァリエーション。同種の他個体の生理過程を終了させる物質。(妊娠させた♂以外の♂と接触することで妊娠状態を停止(流産)させる。)
◇驚愕物質フェロモン:サケが産卵にため川を遡上するが、熊が川の中に足を入れた瞬間にサケは運動を一斉に停止する。ヒトが水中に手足を入れても同じ行動をする。動物の−セリン(アミノ酸)が水中に拡散(800億分の1も感じる)し、サケの驚愕反応を引き起こす。
 カイコの性フェロモン(ボンビコール・雌が雄を誘引するフェロモン)は10〜12μg/ccで反応を示す。性的興奮を引き起こすフェロモンは、昆虫・甲殻類・魚・サンショウウオ・ヘビや哺乳動物などに存在する。ヤコブソン器官を有する種は、ヤコブソン器官によって媒介され、関与無しは起こりえない。
 雄豚の息の臭い・体臭にアンドロステロン(発情中の雌豚に交尾の姿勢を促すフェロモン)が含まれ、口枷をはめた雌豚がトリュフを見つけるのも、雄豚の性ホルモンに似た物質が含まれるからである。
 ヒトの唾液・汗・尿・精液・膣からの分泌物中にフェロモンと認められる物質が含まれるが、アポクリン腺(性器周辺・腋下の毛嚢基部)からの分泌物がヒトフェロモンの代表。性的刺激・怯えた時・興奮した時に分泌され、他のヒトに感知、行動変化を引き起こす。女性に腋下の汗を嗅がせると卵巣周期の短縮変化が認められる。
 
●フェロモンA
 ヒトは毎日、表皮細胞を4,000万個ずつ失う。剥離細胞は、揮発性が無く、匂いも持たないフェロモン伝達物質となる。ヤコブソン器官に注入すると、心拍数・呼吸数・瞳孔の大きさ・皮膚の温度に変化を生じる。
 ユタ大学のディヴィッド・バーリナー(生化学者)などは、ヒト皮膚から採取されたステロイド系鋤鼻器官関与物が、ヤコブソン器官の受容体に付着することが出来、実際に受容される。さらに大脳辺縁系領域に情報が送られた。つまりこの物質は自律神経の反応を呼び覚まし、反応はヒトにより異なり、この物質がフェロモンであった場合に想定される様な性差を生じた。
 バーリナーは製薬会社(エロックス)を作り、♀向け製品「レルム・ウィメン」、♂向け製品「レルム・メン」、ヒトフェロモンを含む香水を生産、販売している。
 
●フェロモンの生殖効果
 マウスを例とし、♂尿に含まれるフェロモンが生殖を多面的に調節する役割がある。
◇リー・ブート効果
 ♀マウスを♂から完全に隔離すると排卵サイクルが次第に長くなる。排卵サイクルが男性ホルモンによる調整効果に依存していることを示す。
◇ホイッテン効果
 ♀だけの環境に置かれたマウスは一種の疑似妊娠状態となり、排卵サイクルは完全に停止する。♂を導入すると回復する。リー・ブート効果を補完。
◇ヴァンデンバーグ効果
 マウス集団の中に成熟♂が居ると成熟前の♀の性的発達が促進する。男性ホルモンの影響を確認する作用。
 
●複合多糖(ヘテログリカン:heteroglycan)
 2種以上の糖残基(誘導体を含む)からなる多糖。(ヘテロ=異種の糖を含む)
 
●複合糖質
 糖タンパク質と糖脂質、プロテオグリカンを総称して呼ぶ。複合糖質の持つ多機能と生命現象の関わり、非天然型複合糖質の医薬品としての開発、研究は重要である。
 
●副腎皮質ホルモン
 アジソン病(結核などで副腎の機能喪失時ホルモンが欠乏する)の治療薬であったが、現在は広い範囲の治療薬として使用される。リュウマチ性関節炎・小児リュウマチ性心臓疾患・致命的喘息・痛風・肝臓炎・白血病・潰瘍性大腸炎などに薬効がある。
 副腎皮質ホルモンの作用原理は、ストレッサーによって生じるストレスに対する生体防御反応を引き起こし、皮質ホルモンの分泌を増加させる。実際には、脳にストレスを受けると脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が先に血中に放出される。ACTHが副腎皮質を刺激、ハイドロコーチゾンなどの分泌を増加させ、ハイドロコーチゾンが強い作用を示す。
 生体のコーチゾンより強い合成コーチゾンが多数開発され、これらを総称してコルチコステロイドと呼ぶ。コルチコステロイドの長期投与はACTHの放出を減少させ、副腎が萎縮する。コルチコステロイドの投与を止めた後、病気になるとホルモン分泌がなく、虚脱が起こり、血圧低下となり、死に至る。
 コルチコステロイドの副作用は「浮腫」が顕れる。生体にNaが蓄積され、Kが排泄減少する。Naの蓄積は体躯に水分を増加させ、軽症時は手・足に浮腫が、重症になると顔が丸くなるムーンフェイス(丸顔)になる。治療にはアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトンなど)である。
 
●フザリウム
マイコトキシンの一種。2〜15℃の温度で増殖する。1942年、ロシアで起きた中毒は、汚染穀物の摂取後「食中毒性無白血球症」になり、喉の痛み・白血球の減少・他の細菌による二次感染を特徴とする中毒を引き起こし、何千人が2週間の間に死に至った。
 毒素はトリコテセン類と呼ばれる化合物で、タンパク質生合成を阻害する。
 
●プソイドエフェドリン(d-pseudoephedrine)
   麻黄には、これを主アルカロイドとするものもある。フェネチルアミンアルカロイドに分類される。抗炎症作用を示す。
 
●フライアガリック(FLY AGARIC・Amanita muscaria)
  別名:ベニテングダケ・カエルノコシカケ・ばかきのこ
 活性物質は、イボテン酸・ムシモール。世界中に広く分布。
 シベリアのハンティー族やコリヤーク族は生・乾燥ベニテングダケをそのまま食べたり煎じて飲むことで、多幸感・身体的な活力(少量)、深い幻覚(大量)を楽しむ。シャーマン(メキシコ)は喫煙で使用する。香として使用するには、1部屋あたり粉末0.3gを用いる。
 多幸・鮮明な夢・無心無我・幻覚・幽体離脱感など発現させるに8〜17gを摂取すると30分〜2時間で発現、1〜2時間がピークとなり5〜10時間続くが、多量摂取すると発現時間は延長される。
 北米・東南アジアで使用され、最も広く使われたきた精神活性物質の一つ。
 
●フラバノン類(flavanones)
  フラボノイドを細かく分類した一つ。2,3-ジヒドロフラボ ン類で、遊離または配糖体としてバラ科・ミカン科・キク科 などの高等植物に多く見いだされる。フラボン類と異なり、 無色結晶で、その物理的・化学的性質も異なる。植物中ではカルコン(chalcone)と平衡状態で存在する。
 
●フラビウイルス(Flavivirus)
 フラビウイルス科フラビウイルス属に属する主に脳炎を起こすウイルス群、デング熱ウイルス・ダニ媒介性脳炎(ダニ媒介性フラビウイルス)・黄熱ウイルス(yellowfevervirus)・日本脳炎ウイルス・セントルイス脳炎ウイルス・西ナイルウイルス(West Nile virus)などがある。
◇日本脳炎ウイルス:日本〜朝鮮・中国・東南アジア・インド
◇西ナイルウイルス:インド西半分〜中近東・ヨーロッパ・アフリカ
◇セントルイス脳炎ウイルス:アメリカ大陸
◇オーストラリア脳炎ウイルス:オーストラリア
◇Kunjinウイルス:オーストラリア
◇Rocio脳炎ウイルス:ブラジル
 
●フラボノール類(flavonols)
  フラボノイドを細かく分類した一つ。3-ヒドロキシフラボ ン類(lavone-3-ol)で、フラボン類とともに植物界に広く存 在している。配糖体は、3位の水酸基にグルコース、ラムノ ースが結合したものが多い。
 



●フラボノイド
 フラボノイドはポリフェノールの一群で、毒物や色素化合物(環状有機化合物)などとして植物界に広く分布する化合物の総称(塩基と糖のフラノース環の共有結合をグリコシド結合という)である。フラボノイドは天然にはグルコースから酵素によって作られ、天然には配糖体として存在する。
 フラボノイドはベンゼンA環と2つの炭素を共有したC環(フラバン)にベンゼンB環が結合した物である。各フラボノイドはC環に水酸基や酸素、水素その他が結合した構造で生理活性が異なり、フラボン類・フラボノール類・フラバノン類・アントシアニジン類・カテキン類・カルコン類・イソフラボン類などに分類している。
 ヒトのフラボノイド平均摂取量は1日に5〜50mgであり、体躯には微量吸収であるが強力な抗酸化作用を発揮し、発ガン物質の活性を阻害する。例えば、ブルーベリー、ダーク・チェリー、ブドウなどはアントシアニジンというフラボノイドで、動物細胞内のビタミンC濃度を高め、毛細血管を丈夫(血管壁に働き、活性酸素を取り除いて血管を柔らかくし、毛細血管の血流を良くする)にし、抗酸化物として作用。コラーゲンは関節炎、歯周病、痛風などの炎症が起きると破壊されるので、コラーゲンの代謝を助けるフラボノイドを摂取する。
●フラボノイドの働き
@コラーゲンの線維同士を結びつけて、強度を高める。
A抗酸化作用を発揮して、フリーラジカルからのダメージを防ぐ。
B炎症時に白血球はコラーゲンを破壊する酵素を放出。フラボノイドはこの酵 素の働きを阻害。
C炎症時にヒスタミンなど悪化成分の放出を防ぐ。
 
●フラボノイドの分類
@フラボノール類(ケルセチン、ケンフェノール等。玉葱、ブロッコリーに含まれる) 
Aイソフラボン類(ダイゼイン、ゲニステイン等。大豆に含まれる) 
Bカテキン類(エピカテキン、エピガロカテキン等。茶葉に含まれる)
 
 植物体はフラボン、フラボノール、イソフラボン、フラバン−3−オール、フラバン−3,4−ジオール、 フラバノン、イソフラバノン、ジヒドロフラボノール、アントシアニン、カルコン、ジヒドロカルコン、アウロンなどのアグリコンと、これらの配糖体として存在。これらは2−フェニルクロモン核を基礎とする物質であり、2個のフェニル環が3個の炭素を介してγ−ビロン環(C環)を作り結合する。このC環の酸化状態で上記12種のフラボノイドが区別され、糖鎖としてレクチンに取り込まれる。赤・紫・青などを示すアントシアン類を除くと、多くは無色・黄色・だいだい色。花弁・果実・葉・樹皮・種子・材などに含まれる。
 フラボノイドの中で特に有効なのが、白血球からのヒスタミン放出の抑制作用があるケルセチンである。フラボノイドは抗アレルギー作用に用いられ、アレルギーを起こしている部位で白血球から放出される炎症誘発因子を遮断するからである。喘息、アトピー性皮膚炎などの治療薬はフラボノイドの分子構造を参考にして開発されている。
 
●フラボノイド配糖体(生薬)
◇橙皮(とうひ)
 生薬。ダイダイの成熟果実の皮。粉末、チンキ、シロップ剤などにして芳香・苦味健胃薬に用いる。成分の精油には d-リモネンの他、ヘスペリジンなどのフラボン配糖体(苦味成分)を含む。
◇陳皮(ちんぴ)
 漢方薬。ウンシュウミカンの成熟果皮を乾燥したもの。成分はリモネン、ペクチン、フラボノイド配糖体(ヘスペリジン)などで、芳香性健胃。鎮咳薬として用いる。
 
●フラボノール類(flavonols)
  フラボノイドを細かく分類した一つ。3-ヒドロキシフ ラ ボン類(flavone-3-ol)で、フラボン類とともに植物界に広く存在。配糖体は、3位の水酸基にグルコース、ラムノースが結合したものが多い。
 



●フラボン類(flavones)
  フラボノイドを細かく分類した一つ。遊離または配糖体と して植物界に広く分布する黄色色素。配糖体としては、7-O- グルコシド、6または8-C-グルコシドが多い。






●プリオン(prion)
 チェコスロバキア(オラーバ地方)で発症した痴呆症がクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と呼ばれ、この地方の羊飼育によるスクレーピー因子で感染した。狂牛病(牛海綿状脳症)も脳が海綿状になる病気であり、羊スクレーピーが牛に感染(羊から牛、牛から各種動物(含人間)へ伝染)したものである。
 クロイツフェルト・ヤコブ病は2002年6月1日より疾患の整理・統合の為、プリオン病と疾患名が変更された。
 ヒトからヒトにも医療事故などを介して感染、死亡した患者脳を1億倍に希釈して接種しても接種された動物に海綿状変性を起こす。
 プリオン病の患者の脳には病原菌が見えず、異物が侵入したために起きる免疫反応が起こらない。そればかりか感染脳を360℃の熱処理をしてアミノ酸や核酸を破壊しても、感染するのである。感染力の強い部分は主として分子量27000〜30000の糖タンパク質であり、プリオンタンパク質(PrP)と命名した。PrPはヒト第20染色体から作られているが、ヒトだけでなく昆虫や酵母に至るまで広く存在し、神経細胞膜上に局在することが分かった。正常なPrP と感染したPrPSCは同一アミノ酸配列を持っているが、PrPSCは重合して線維構造をとりやすく、何らかの装飾を受けているのであろうが、未だ解明されていない。
 プリオン病が発病する8ヶ月前(潜伏期間中)、患者の虫垂から異常プリオンを検出。動物実験ではプリオンは脾臓・虫垂などのリンパ組織で増殖、白血球に結合して脳に運ばれ発症する。イギリス・アメリカ・ヨーロッパでは、プリオン病予防の為、輸血用血液から白血球を除去する考え方で対処している。
 スイスの研究機関は、プリオンを末梢血に接種しても、Bリンパ球が無いと神経細胞に侵入できないことを動物実験で確認、Bリンパ球がプリオンの運び役になっていると発表した。
 
●フルクトース(fructose:果糖)
 糖類中で一番早く吸収され、体内で完全に消化され、タンパク質や脂肪に対する保留剤となる。摂取後の胃液分泌を止めることが少なく、しょ糖と比較して約三分の一である。消化不良・胃腸疾患に常用される。
 果糖は近代医学では栄養的強心・解毒・利尿の目的に利用され、結核患者・虚弱者・糖尿病回復期の患者・小児の食事に応用される。
 
●フルスルチアミン
 武田薬品が開発したビタミンB1誘導体、アリナミンの主成分。腸からの吸収に優れ、体躯各組織でビタミンB1に復元される。
 
●プルナシン
 モモやウメの根に含まれる青酸化合物プルナシンが微生物や酵素で分解し生長阻害物質を作り出し、フィトンチッドが地中に残り連作障害が起こす。
 
●フルーツ酢
果実…………………100g
氷砂糖………………100g
リンゴ酢……………200cc
 ホーロー鍋に上記3種を入れ軽く沸かし、冷めてから瓶に移し替え冷蔵庫で保存する。
 飲料としては原液1:水4の割合に薄める。氷・牛乳を入れても良い。
 
●プレオマイシン
 1966年に発見された抗腫瘍抗生物質。扁平上皮ガンに著しい効果を示す。
 
●プロゲステロン
 女性ホルモンの一種、黄体ホルモンとも呼ぶ。C21ステロイド、α型・β型があるが、生理作用に大差がない。
 主に黄体から分泌、雌性現象に関与する。エストロゲンと共に性周期を規則正しくし、子宮粘膜に分泌腺を発達(受精卵の子宮着床・妊娠持続)させ、不足すると習慣流産・子宮出血・月経過多・月経困難などの症状を示す。
 
●プロスタグランジン(PG)
 胃壁の交換システム・防御機能に注目されている脂肪酸である。PGは弱い刺激物質(10〜20%アルコール、ぬるま湯等)を胃に入れると、多く分泌する。PGは胃壁の血のめぐりをよくし、粘液や中和剤の分泌を促するなど良いことずくめと言われる。
 
●プロテオグリカン(ムコ多糖)
 タンパク質にグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が数多く結合した高分子の分子。タンパク質の部分は分子量10,000〜100,000でコアと呼ばれ、幾つかのコアタンパク質がクローニングされている。
 生体内で主として結合組織の基質成分として存在し、組織の維持や強度、柔軟さなどに重要な働きをしている。甲殻類の表皮成分のキチン、動物組織に広く存在するヒアルロン酸、軟骨から分離されたコンドロイチン硫酸、豚の皮膚から分離されたデルマタン硫酸、肝臓や哺乳動物の臓器から抽出されたヘパリン、軟骨や硬骨のケラタン硫酸などがある。
 ムコ多糖分解酵素で各種単糖やアミノ酸、硫酸に分解される。
 結合組織の基質(細胞間マトリックス)の主成分をなすプロテオグリカンの老化(ヒトの各軟骨は加齢とともにガラクトサミンに対するグルコサミンの割合が増加する)、疾患によって変化する。これはコンドロイチン硫酸の減少とケラタン硫酸の増加である。歳をとると体内のプロテオグリカンは減少し、細胞同士の結合が弱くなる。皮膚は弾力性を失い・カサカサと乾燥してくる。
 
●プロポリス
 「蜂ヤニ」と呼ばれる。ミツバチは植物の若芽に分泌する粘性物質を集め加工し、巣の補強、忌避物質などに用いる。粘性物質を蜜蝋と口腔で混合加工するため、微量の花粉などが含まれ、主成分はフラボノイド、フェノール、カルボン酸などである。色は黄褐色から黒褐色である。
 プロポリス塊の生産地ブラジル・ユーカリ林での養蜂は、ヨーロッパから導入したセイヨウミツバチ「イタリアン」品種を中心に行われていた。ブラジルでイタリアンは気候の違いにより適さず、熱帯に適した品種を導入、品種改良をすることになり、1956年、ウォリック・ケール(ミツバチ遺伝学者)がサンパウロの北にあるリオクラロ町で、アフリカ北部原産のセイヨウミツバチのアフリカ系野生種「アダンソニ品種」 Apis mellifeya scutellataを輸入し研究を始めた。アダンソニ品種は分蜂しやすい品種であり、1957年逃げ出した蜂が各地方に野生種として住み着き、先住者「イタリアン」と混血をしてアフリカーナ(アフリカバチ化ミツバチ)と呼ばれるようになった。1971年末までにブラジルのミツバチはアフリカーナ化となった。アフリカーナは病気と寄生虫に強い抵抗性がある。「ミツバチヘギイタダニ」はミツバチの血液細胞に寄生するダニだが、感染すると一般のセイヨウミツバチのコロニーを衰弱させ死滅させるが、アフリカーナのコロニーは感染後も感染前と変わらず仕事を継続し、コロニーの健全さを保つ。
 アフリカーナは抗菌作用と天敵に対する補強の為プロポリスを巣に塗りたぐる。日中の気温の高くなる時間帯に採取した樹液を蜜蝋と唾液(大腮腺から作り出される脂肪酸、下咽頭腺からタンパク質、頭部下唇腺・胸部下唇腺からポリアミン・酵素、後頬腺分泌物)で混ぜ合わせ、出入り口、隙間、内部の壁に樹脂状物質(プロポリス)を塗り固める。プロポリスの一般的組成は、樹脂と芳香性油55%、ロウ30%、揮発成分10%、花粉5%である。プロポリスは巣の修理や雨水の流入を防ぐほか、営巣場所の劣悪環境に打ち勝つため、蜜蝋とともに個々の蜂に働き、菌は殺すか仮死状態にして、侵入昆虫類のもつ腐敗菌も活動できない状況にする。日本ミツバチはプロポリスを作らず、ハチミツ・蜜蝋に含まれる生理活性阻害物質を利用して巣の安全を図る。
 プロポリスは、古代のギリシア・ローマ時代から外用薬として、切り傷・皮膚炎・火傷の治療に使われていた。現在では東欧諸国・日本で研究され、アルコール溶解物を経口摂取する事による抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎作用、鎮痛作用等が確認されている。一つの巣箱から採れるプロポリス塊は年間100g〜300gほどで、日本では主にブラジルから輸入している。ふつうはアルコール抽出するが、水溶性成分に有用成分が含まれており、40%程度の水分を入れたアルコール溶液で抽出させた溶液が薬効が強い。合成アルテピリンCを混入させたものが多く、この合成物が分解せず生理活性を果たすか疑問だ。
 アルコール抽出物に含まれる成分は、フラボノイド類、テルペン、桂皮酸誘導体、脂肪酸、フェノール酸などであり、このうち主成分として、フラボン類、フラボノール類、フラバノン、アセトキシベツレノール、芳香性アルデヒド(イソバニリン)などである。このようにプロポリス中の代表的化合物はフラボノイド類であり、それがミツバチの酵素でメチル化、あるいは脱メチル化させる。ユーカリに含まれる天然のスチルベン類を、プテロスチルベン類(ヒドロキシスチルベン、メトキシスチルベン類)に変形させるなど植物成分を変化させている。
 プロポリスの原材料は(蜜蝋+樹液+唾液)といわれるが、口の中で混ぜるということはミツバチの分泌物(下咽頭腺、大腮腺、大脳後腺、胸部唾液腺、ポリアミン、蜜胃酵素、ゲラニオール、イソアミルアセテートと、これらに含まれているシアル酸である。外役ハチは下咽頭腺が退化)と蜜胃から出てくる花粉、その他であり、それぞれの働きによりプロポリスが作られる。含まれる酵素は、コハク酸デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−リン酸フォスファターゼ、ATPアーゼ、酸性フォスファターゼが見られる。
 
●プロポリスのアレルギー
 プロポリスのアレルゲンの主なものは、フラボノイド・アグリコンおよびフェノール物質プレニカフェ酸であり、ポプラに多く含まれている。樹液はミツバチが集めるので、何が混ざっているか分かず、輸入した段階でアレルゲン分析をしなければならない。アレルゲンがあった場合、破棄せざるをえない。ヒトそれぞれに異なる抗体があり、抗原物質は人それぞれ異なり、プロポリス成分のどれか一つでアレルギーの出る可能性はある。代表的プロポリスアレルギーは赤い斑点がじわじわ広がってくる湿疹が多く、この場合、即座に飲むのを中止させる。
 
●プロポリス・フラボノイド(40種以上含有)の効果具体例 
               (プロポリスメーカーのパンフレットより)
 @ムコ多糖分解酵素を抑制、コラーゲンの合成を促進して
    血管壁を丈夫にする………循環器系の病気に有効。
 A結合組織を強化。………………ウイルス感染を防ぐ。
 Bヒスタミンの遊離を阻止。……アレルギー症状を抑える。
 C副交感神経に作用する。………ストレスによる自律神経のバランスを整える。
 D活性酸素消去作用・抗腫瘍作用・抗菌、抗ウイルス作用・鎮痛作用・免  疫増強、賦活作用・抗アレルギー作用・抗炎症作用・止血作用
 
●ブロンプトン・カクテル
 微量のモルヒネをワインやリキュールなどでカクテルにしたもの、4時間ごとに飲んで末期がん患者の痛みを取り除く治療薬としてイギリスの病院で開発・使用されてきた経口モルヒネ剤で、現在でも有効に使われている。
 
●糞便
 健康なヒトの糞便は70〜80%が水分である。水分が多くなりドロドロした状態や液体になった状態が下痢である。下痢をすると排便回数が多くなるが回数が多くても糞便が固形物であるなら下痢ではない。逆に回数が少なくても水分が多いと下痢である。
 病原菌(赤痢菌・コレラ菌・チフス菌など)が体内で増殖して毒素を出すと、体躯は悪い物を早く体躯の外に出そうと腸の運動を昂進させ、水分の吸収が充分に行われないまま急いで出てきてしまい、下痢便となる。有毒物質が体躯に入った場合も、同じ現象が起きる。
 食中毒の下痢は、感染型と毒素型の2種類がある。感染型食中毒は食物に付いたサルモネラ・腸炎ビブリオ菌・病原性大腸菌などの細菌が腸管内で増殖し、約24時間前後で発症する。毒素型食中毒は食物の中でボツリヌス菌・ブドウ球菌などが増殖し、毒素を作り出している。毒素を直接腸管内に入れるので、食後4〜5時間で激しく発症する。
 
【へ】 
 
●ペクチン
 ガラクツロン酸やそのメチルエステルが重合した酸性多糖類。植物の細胞壁中層を形成し、果実などには細胞間物質として多く含まれ、水に可溶。糖や酸を加え熱するとゲル、冷やすとゼリー状、ジャムやゼリーの製造に用いる。
 プロトペクチン(ペクチンとセルロースが結合)と合わせてペクチン質と総称される。
 
●ペタシテニン(petasitenine)
 フキに含まれるエレモフィラン(eremophilane)系のセスキテルペン・エレモベタシテニン(eremopetasitenin)は抗腫瘍作用・抗アレルギー作用がある。フキに含まれるピロリジジンアルカロイド・ペタシテニン(petasitenine)とその類似体は発ガン作用を持つ。このべタシテニンはアミノアルコールのピロリジジンとネシン酸(necic acid)との環状ジエステルの化学構造をしている。キク科植物・ポロギク属(Senecio)などに含まれている。
 ペタシテニンは地上部に含量が少なく、常食するわけでないので発ガン作用があるといって敬遠することはない。
 
●ペニシリン
 フレミングが培養ブドウ球菌プレートを剥き出しのまま休暇したところ、アオカビ胞子が培地を汚染した。休暇後、プレートに小さなアオカビ斑点を見つけ、その周辺にブドウ球菌が無いことを確認した。フレミングはアオカビ抽出物が連鎖球菌・ブドウ球菌・肺炎球菌・髄膜炎菌・淋菌・ジフテリア菌などの生育を妨げることを突き止めた。このことはリゾチームよりはるかに広い抗菌スペクトルを持ち、最強の殺菌剤と同等の効力を有することを示していた。カビはアオカビ(ペニシリウム)であることが分かっており、フレミングはこの抽出物を「ペニシリン」と名付けた。構成母胎は「6−アミノペニシラン酸」であり、側鎖の前駆物質の添附で各種ペニシリンを作った。酸に強いペニシリンV(フェノキシメチルペニシリン)が1950年代中頃作られ、以後、経口投与が可能になった。
 ペニシリンの影響を受ける細菌はグラム陽性菌であり、多糖類の鎖とポリペプチドの鎖が互いに連結し、三次元格子構造を持つ細胞を持っている。細胞が分裂する時は新規な細胞膜を構築するが、そのために二次元構造を持つ多糖類とポリペプチドから三次元の架橋膜構造を構築する。
 ペプチド末端のアミノ酸(Ala)が鎖から切断され、末端から二番目のアミノ酸(Ala)が他のポリペプチド鎖の末端アミノ酸(通常はグリシン)と結合する。ペニシリンはこの切断酵素「トランスペプチダーゼ」の働きを阻害する。酵素はポリペプチドの末端アミノ酸(Ala−Ala)との類似性にだまされ、ペニシリンと結合することでグラム陽性菌の細胞膜構築を不可能にしてしまう。










●ベニテングダケ
 テングダケ科ベニテングダケ。秋、平地から高山まで広針葉樹林に発生する。毒成分はイボテン酸・ムッシモール、症状は消化器と神経系。
 一般書籍は毒キノコと記載しているが、白土三平は著書の中でベニテングダケを食材としている。信州では茹でて塩漬けにして保存、3ヶ月以上寝かせてから雑煮やうどんに入れて食べる習慣があると記載。そして「私も1日1本を限度に焼いて食べる。これを食うと他のキノコが食べられなくなって困る。それほど旨いキノコである。」とある。
 塩漬けの食感は、茎はシコシコしてまことに旨い。傘も相当イケる。ただ傘についているイボイボが粉臭い。茹でたあと取り去っておくとよい。特に幼菌でゴテゴテにイボが着いているものほど粉臭い。
 


●蛇飯(へびめし)
 飯が煮立った時、蛇(マムシなど)を釜のなかに投げこみ、米がむれたら蛇の頭をつかんで骨を抜きとる。美味で栄養豊富、強精剤(民間薬)である。

●ペプチド結合
 アミノ酸結合は、各々のアミノ酸N末端とC末端、細かく言うと、α−アミノ基(H)とα−カルボキシル基(COO)が結合する。この時HOを排出するので、脱水縮合してペプチド結合と呼ぶ。
 
●ヘマグルチニン(hemagglutinin)
 インフルエンザウイルスの表面に存在する(糖)タンパク質であり、シアロ糖鎖と結合して細胞に取り付き感染する。インフルエンザウイルスは抗原性でA・B・C型・その他に分類され、A型のヘマグルチニンは14の亜系があり、シアロ糖鎖に対する認識特異性も変化する。A・B型のヘマグルチニンは糖鎖末端のシアル酸を持つシアロ糖鎖と特異的に結合する。C型は9位のOH基がアセチル化したシアル酸(9-O-アセチルシアル酸)で出来たシアロ糖鎖と特異的に結合する。 
 
●ベラドンナ

 ナス科ベラドンナ属。トロパンアルカロイド(アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミン)を多く含まれているのは果実だが、花や葉、種子、根などにも含まれている。
 ベラドンナとはイタリア語で貴婦人を意味し、ベラドンナの果実の汁を眼に注すと、瞳が大きくなって輝きを増し、いきいきとした美人になることに由来する。古代エジプトのクレオパトラの魅惑的なアイメークアップは言うまでもなく、眼差しの持つ神通力は奇跡をおこし、多くのシンデレラを生み出した。猛毒であるのでベラドンナは「致死のナス科植物」と呼ばれ、点眼した女性達の多くが美と引き替えに命を落とした。反対にサリン中毒を起こすと瞳が小さくなる。また涙、涎、嘔吐、下痢、情緒不安や異常な興奮、昏睡や痙攣といった症状を起こすのだが、アトロピンは非常に有効な治療薬として働く。
 クレオパトラが死を決意した時、奴隷を使い、毒性の実験を行った。ヒヨス・ベラドンナの抽出エキスは急性毒であったが苦しみが多い。ストリキニーネも即効性であるが、顔面痙攣による痙笑を起こす。エジプトコブラの毒性は、早く・安らかな死を与える。
 
●ベルベリン
 キンポウゲ科オウレンの根茎、キハダの樹皮に含まれるイソキノリン系アルカロイド。
 
●ヘロイン(ジアセチルモルヒネ・C1723NO5)
  

 バイエル社のH.ドレザーが1896年開発、のち彼はヘロイン中毒者となる。
  第一段階 
   モルヒネ ………………1
   無水酢酸………………3
 容器に上記割合で入れ、85℃に保温、5時間経過させると、容器内は水・酢酸・ジアセチルモルヒネの混合溶液である(純度約10%程度のヘロイン)。
 第二段階 
  @第一段階産生品………1
  A無水酢酸………………3
   クロロホルム………少量
容器に@とAを上記割合で入れ、クロロホルムを加え攪拌、20分程度静置する。(クロロホルムは溶液を着色している不純物を溶かし込み、沈殿させる)
 第三段階 
 溶液を別の容器に移し、活性炭を混ぜ、布で漉す。溶液が透明になるまで繰り返す。溶液が透明になった後、
  Bモルヒネ ……………1kg
  C炭酸ナトリウム……2.2kg
 沸騰水 ………………適量
BとCを沸騰水に加え、泡立ちが止まって、遊離塩基ヘロインの固体が沈殿しきるまで、この溶液をゆっくりと反応液に加える。
 第四段階 炭酸ナトリウム溶液から粗いヘロイン粒子が結晶して沈殿、目の細かい布で漉し、乾燥するまで加熱する。濾過後のヘロイン粒子をエチルアルコールで溶かし、活性炭で再濾過をする。アルコールを蒸発させると純度80〜99%の「四番ヘロイン」が出来上がる。モルヒネ1kgからおよそ700gが出来上がる。
 ヘロインは体内でモノアセチルモルヒネに変化、次いでモルヒネになり、鎮痛作用はモルヒネの4〜8倍強く・発現も早いが、反面鎮痛効果持続時間は半分である。習慣性や耽溺性に陥りやすく、耐え難い欲求を引き起こし、中毒にかかるのが早い。しかも陶酔を与えず、気持ちを凶暴にする。
 「キング・オブ・ドラッグ」であるヘロインの味を知ったものは、アヘン、モルヒネに戻る事はなく、現状はモルヒネより多く流通している。ヘロインは全て密造品である為、ロット毎に品質が異なる。
 注射による乱用と、鼻で嗅ぐ吸煙法がある。一般には薬の無駄がなく早く効く静脈注射である。吸煙法は、アルミホイールに載せたヘロインを下からライターなどで炙るとヘロインは水銀状の玉となり煙を発する。煙をストローで追いかけながら吸入する。
 【禁断症状】 下痢の連続・常に悪寒が襲いかかり・失神する場合もある。更に進んだ禁断症状は、失神・筋肉の異常な痛み・全身痙攣が繰り返し襲いかかり、自分の指を喰いち切り、壁に身体をぶつけ骨が砕けるまで行う。最終的には延髄麻痺を引き起こし、窒息・死に至る。この中毒症状のため国際的にヘロインは医薬品として認められず、毒薬・麻薬として、製造・販売・所持・医療使用等全てが禁じられている。
◇ヘロインn°3(ブラウン・シュガー)
 東南アジアでは喫煙用薬(ヘロイン含量30〜35%)として用いられている、茶灰色の粒状物質。モルヒネをアセチル化して得られたヘロインにストリキニーネ・キニーネ・スコポラミン・アスピリン・カフェインを混ぜるか、それらの幾つかを混ぜて作る。
 ヨーロッパの中毒者は、習慣的に静注している。
◇ヘロインn°4
 極めて純粋で、タイ製=白色 レバノン製=非常に純度が高く白色 シリア・パキスタン・イラン製=茶色またはベージュ色の特徴がある。
 このヘロインは最終消費者の手に渡る時、乳糖・タルクなどを加えられヘロイン濃度4〜5%となり、静注される。
◇スピード・ボール
 ヘロインとコカインの混合物、一般的に静注する。
 
●ベンツピレン
 排気ガス・タバコの煙・肉や魚の焦げている部分に含まれる強力な発ガン物質。特に肺ガンの発生に関与している。
 
●扁桃
 舌根の上外側に左右一対ある卵形体の隆起組織。粘膜組織であり、多くの子孔をもち、その周壁に多数のリンパ球が密集してリンパ組織を形成する。
 口から胃腸までの消化管の粘膜の下に多くのリンパ節がある。口腔に口蓋扁桃、舌の付け根に舌扁桃、咽喉には咽頭扁桃と呼ばれるリンパ小節が密集している。
 
【ほ】 
 
●ホウレンソウ
 蓚酸カルシウムを多く含み、充分湯通ししないと胃腸障害(胃潰瘍)を起こし、腎臓に蓚酸カルシウムが沈着し腎機能を障害する。
 
●補体(complement,C)
 補体(殆どが糖タンパク質)は異物粒子、特に細菌との出会いで機能が発揮するように変化する。C1・C4・C2・C3・C5・C6・C7・C8・C9の順序である。グラム陰性菌と出会うとC3から活性化(第二経路)が始まり、出会った細菌の抗体が存在すると、抗体・抗原の複合体にC1が結合し、連鎖反応の変化(古典経路)が起こる。
 抗原と反応した抗体は、血清中にある一連の生物学的活性を持った物質(補体)を次々に活性化させ、多彩な生体反応を起こさせる。これを「補体結合反応」と呼ぶ。C3は、血液中の好中球やマクロファージに働き、運動性・貪食能を高め、抗原抗体反応が起こった部位に炎症を引き起こし、C5b−C9複合体が活性化されると異物粒子が脂質二重層(細菌・体細胞・赤血球)に分子量1000万程度のトンネル状の膜攻撃要素(巨大分子)を形成し、細胞膜に潜り込み、細胞の構成成分を細胞外へ漏出させる。細菌:溶菌・赤血球:溶血・体細胞:膜傷害効果を示す。
 
●没食子(ぼつしょくし:aleppo gall・mecca gall、無食子)
 中近東のナラ・カシ類に、インクタマバチ(cynips gallae-tinctoriae)が作る虫瘤乾燥品。タンニン含有量が50%以上で、医薬品・染色材料・インクの材料に用いられている。黒・赤・白・緑色があり、インクタマバチが出て行く前に採取・乾燥した黒色の物が最もタンニン量が多い。エラーグ酸が少なく、インク製造に適している。 
 
●ホップ
  別名:西洋唐花草(セイヨウカラハナソウ)
 クワ科カラハナソウ属。蔓性の多年生植物で、茎は7〜8mに成長する。冷涼な気候を好み、6〜7月ごろ毬花をつける。毬花は「ビールの黄金」と呼ばれるルプリンという粉を作り、ビールの苦味・香り付け・腐敗防止などを備えたもの。ホップを入れないと臭いも悪く、腐敗する。  
 ホップスの葉(シリアン・ルー)は、マリファナの代用として喫煙する。
 
●ホミカ
 マチン科マチンの種子。インド・スリランカ・オーストラリア北部で産する。インドール系ストリキニーネを含む猛毒植物。
 ストリキニーネは、中枢神経興奮作用・脊髄の反射亢進・血管拡張・呼吸促進・胃腸運動の促進作用を有する。漢方処方で苦味健胃剤に配合されるが、量を誤ると延髄麻痺を起こし、全身筋肉の強直性痙攣・呼吸麻痺・心臓停止に至る。種子1個で致死量に近いアルカロイドを含む。
 
●ポリアミン(プトレスシン・スペルミジン・スペルミン)
 1678年、アントニー・ヴェンフックがヒトの精液中にスペルミン・リン酸として見いだし、1924年、オットー・ローゼンハイムが精液の0.1〜0.3%量のスペルミンを結晶で抽出した。ポリアミン過剰、欠乏による症状が現在まで見いだされてなく研究が進んでないが、ダイアン・ラッセルが「ガン患者の尿中にポリアミンが増加」の報告以来注目されるようになった。
 細胞ではポリアミンは主にRNAと結合して存在する。したがってポリアミンはタンパク質合成にかかわっている。真核細胞ではポリアミンは必須因子であり、老化とともにポリアミン量が減少、肝臓、腎臓、脳など総ての臓器でスペルミジンが減少し、スペルミンも筋肉や脳では著しく減少していた。これらを見てみるとポリアミンは若返り薬としての要素が考えられる。
 
●ポリープ
 ポリープは粘膜組織が局所的に増殖して隆起した病変である。粘膜に出来た傷を治そうと組織が過剰に反応した「過形成ポリープ」と、腫瘍のように増殖して出来た「腺腫性ポリープ」がある。圧倒的に多いのが過形成ポリープで、これから胃ガンになるケースはほとんど無い。ただ胃ガンの中にはポリープ状に成育するもの、ポリープの中に発生するものがあり、大きさが2cmを超えるとガンになることが多いことから内視鏡的治療(ポリペクトミー)によって切除(内視鏡の先端に取り付けた針金の輪でポリープの根を縛り、針金に高周波電流を流しポリープを焼き切る)するケースが増えている。
 
●ポリフェノール
 ベンゼン環の水素1原子が水酸基に置換された化合物(C65OH)をフェノール(石炭酸)と呼び、ベンゼン環に水酸基(−OH)が付いたものをフェノール類(ArOHと示され、Arは芳香族残基を表す)と呼ぶ。分子内(ベンゼン環)に水酸基1個を持つものを一価フェノール、水酸基2個以上持つものを二価フェノール、三価フェノールなどといい、総称して多価フェノールという。ポリ(マー)=重合の意味である事から、ポリフェノールは重合フェノールまたは多価フェノールの意味であり、ポリフェノールといわれるのは水酸基が2つ以上付いている物である。
 ポリフェノールはフラボノイド(フラボノール類・カテキン類・アントシアニン類)、桂皮酸類(桂皮酸・カフェ酸・フェルラ酸・p−クマル酸)、クルクミンの三種類に分類される。
 ポリフェノールの抗酸化作用は2つ以上の水酸基のHを相手に渡す(自分は酸化される)ことで活性酸素を「還元」させる作用を持つことと、体躯内において酵素の阻害効果(オルニチン脱水性酵素はガンの増殖過程で活性化するが、ポリフェノールはこの活性化を阻害する)も持っており、細胞傷害から発生するガン細胞の生成を強く抑制する。
 ポリフェノールの摂取後2〜3時間で血液中から排泄される。活性酸素除去目的であるならば、地道にコツコツ補給しなければならない。
 
●ホルモン
 内分泌器官から分泌された物質が血液を介して標的器官に運ばれ、それが標的器官あるいは身体全体に作用する事によって個体における種々の生理機能を正常に保つ働きをする物質である。フェロモンなどの体外に放出される情報交信物質とは厳密に区別される。 
 昆虫でのホルモン作用機構は、ホルモン、受容体、特定遺伝子の発現という分子レベルで追求すると、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン(アミノ酸チロシンから合成)、ビタミンDの代謝物、レチノイン酸などの脂溶性の低分子生理活性物質があり、いずれも標的細胞内部に存在する特異的レセプタータンパク質によって受容され、クロマチン上の遺伝子の転写効率を変化させることが明らかにされてきた。これらのレセプターは互いに似た構造をしており、一括して「核内レセプターファミリー」と呼ぶ。
 ホルモン器官は、内分泌器官(腺細胞を含んでいる器官)で昆虫では脱皮ホルモンを分泌する前胸腺やその相同器官、幼若ホルモンを分泌するアラタ体などと、神経分泌器官がホルモンを生産している場合であり、昆虫は特に神経系が発達しており、神経分泌ホルモンも生体機能の維持に重要な役割をはたしている。
 昆虫は@ペプチドホルモンを分泌する脳および神経分泌器官、A脱皮ホルモン(エクジステロイド)を分泌する前胸腺あるいはその相同器官、B幼若ホルモンを分泌するアラタ体あるいはその相同器官の3種類がある。一般にホルモンは内分泌器官あるいは神経分泌器官の細胞内に蓄積されており、必要に応じてタイミング良く血液中に放出される。
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