【ま】  四目屋リンク・代替療法事典(http://www.geocities.jp/tyubee/)
 
●マイコトキシン
 カビの中に確実に存在する毒素。バッカクキンは、ライ麦などを汚染し、麦角アルカロイドを生産する。アフラトキシンは、急性の中毒はないが、何年もかかって肝臓や消化管にガンを形成する。最近に同定されたマイコトキシンは主としてアスペルギルス・ペニシリウム・フザリウムによって生産され、ヒトに慢性障害を与える。
 
●マイタケ(Grifola frondosa)
  別名:クロフ・マエタケ・クロブサ・メタケ
 サルノコシカケ科。ミズナラ・クリの切り株や幹の根本に発生する。人工栽培は1970年代以降。
 マイタケ子実体の熱水抽出物「GFE]は、糖タンパク質で、腹腔内・経口投与によって、Sarcoma-180 に対する増殖抑制効果が認められている。
 ニューヨーク医科大学は、マイタケのβ−グルカン複合成分が前立腺ガン細胞を死滅させる働きがあることを見つけた。試験管内でガン細胞核酸の酸化を促し、DNAを分解しアポトーシスとなる。
◇マイタケD−フラクション(免疫機能活性化作用)
 多糖体を精製すると様々な物質が得られます。この物質を工程の順にA・B・Cと名付けて4番目に得られたD画分(フラクション)に、最も強い抗腫瘍性が認められ、マイタケD−フラクションと呼び、大きな特長は経口摂取で効果があることです。
◇βーDグルカン
 D-フラクションは特殊な分岐鎖を持つ1,6-βグルカン多糖体で、構造上分岐鎖が多く、しかもプロテオグルカン(タンパク質と結合)であり、腸管吸収が可能で免疫システムを活性化させる働きがある。
◇X−フラクション(血圧低下・血糖値低下・コレステロール低下作用)
◇その他の脂溶性・水溶性物質(抗ガン剤の副作用軽減)
 
●マイタケ水 (アトピーに効果)
   マイタケ(生・乾燥)……………70g
   水…………………………1500cc
   30〜60分煮出す。
 黒いマイタケ水が出来る。冷蔵庫で保管して1〜2日で飲む。朝晩欠かさずに飲むと2ヶ月半で症状が軽減し、長期摂取で完治に近い状態までになる。アトピーは免疫系のバランスのくずれが原因の一つであり、キノコは免疫力を高める作用が強い事による。
 
●マイトマイシン
 1956年発見された抗腫瘍抗生物質。多くの同族体があるが、このうちマイトマイシンCが抗腫瘍剤として優れた効果を持っており、白血病、肉腫などに広く投与されている。
 
●マオウ(麻黄)
 マオウ科・マオウ属。中国で5000年前から解熱剤、咳止めとして処方された生薬。
 身体の中には各々異なった受容体が有り、血管はα−受容体、気管支や腸管の様な内蔵筋はβ−受容体を持っている。アドレナリンが作用すると血管は収縮するが気管支や腸管は弛緩する。気管支に対するアドレナリンの弛緩作用が喘息に有効である。エフェドリンはアドレナリンの作用を緩やかに増強する性質がある。さらに強い発作にはアドレナリンが使用される。アドレナリンの薬理研究で構造が類似した「イソプレナリン」が合成され、β−作用が強く、α−作用はほとんど無いので医師が緊急の場合に使用する。最近ではβ−受容体に作用したアゴニストが喘息治療薬として開発されている。
 
●魔王
 ドラッグ界はチョウセンアサガオ(植物ドラッグ)を「魔王」と呼ぶ。効果は相当なせん妄状態になり、全ての妄想が行動として表われてしまう。つまり理性がなくなった獣のような状態。意志の疎通・しゃべる事も出来なくなり、まさに「キチガイ」の状態となる。効果に強い幻覚作用があるが、一日以上トブ事もあり、記憶も無くなる。
 
●マクリントック効果
 1960年代、寮に住んでいる女子学生が同じ日に排卵・月経になることを、マーサ・マクリントックが発見したことから命名。
 思春期の少女達は数人が集まることを好み、そこではヤコブソン器官同士が鼻をつき合わせるコミュニケーションを行っている。少女達の月経は不安定・不規則であり排卵に繋がらない場合も多く、マクリントック効果の恩恵で、乱れがちの身体生理を調節・規則化してくれる。
 鼻の下をパッド(脇より採取)で擦る実験結果 @パッドを月経中の女性から採取=最大14日間短くなる。Aパッドを排卵中の女性から採取=12日長くなる。と排卵を促進・遅延する化学的信号の存在を認める。
 
●マクロファージ(単球)
 19世紀末、パスツール研究所にいたメチニコフは、細菌などの微生物を動物の皮下に注射すると注射した局所に大型の細胞が多数集まり、注射した細菌をさかんに取り込んでいること(貪食)を発見し、その細胞を大食細胞(マクロファージ)と呼んだ。
 マクロファージは古い防御細胞である食細胞で、アメーバのような動きをする直径15〜20ミクロンの大型白血球。細菌などの微生物、老廃した自己赤血球(赤血球の寿命は120日、マクロファージは1日に3,000億個の赤血球を食べる)、損傷した自己体細胞(ガン細胞など)、過剰なコレステロールなどを取り込んで消化する。細胞表面に糖タンパク質の糖鎖を特異的に認識し、それを細胞内に取り込む受容体(レクチン)を持っている。B細胞・T細胞はマクロファージと同じ骨髄幹細胞から作られ、マクロファージが抗原から特異的に反応できるように進化したものである。アポトーシスする細胞は細胞表面の糖質をマクロファージが見分け取り込む。正常な細胞の糖鎖にある末端のシアル酸残基・フコース残基が、アポトーシスされる細胞の糖鎖には欠損しており、マクロファージは傷害細胞を見分けるのである。
 マクロファージは各臓器に定着して、機能的にも分化。肺、肝臓、脾臓などで、肝臓は莫大な数のマクロファージが定着し(クッパー細胞)、肝臓を通過する血液から異物を排除する役割を、脾臓のマクロファージは老廃した赤血球の除去を主な役割としている。
 肝実質細胞やマクロファージなどの多くの細胞の膜には、ガラクトース、マンノースならびにN−アセチルグルコサミンやL−フコースなどの糖に特異的なレクチンが含まれている。
 完全変態昆虫は、変態の際に幼虫の組織をマクロファージが「異物」として取り込んで食べ消失させる。
 
●マタタビ(Actinidia polygama:ナツウメ・マタブ)
 「またつ実」則ち「二つ実:正常な実と虫瘤」から転じた説と、アイヌ語「マタ(冬)タムブ(亀の甲)」の意からの説がある。枝は半つる性で、不完全な雌雄異株、両性花を付けることもある。雄株の葉の上半部は花が咲く頃(6〜7月)表皮の下に空気層が生じ葉が白くなり、秋に葉は緑色に戻る。白い葉が多く出る年は豊作と言われている。
 雌花にタマバエ科のマタタビタマバエが産卵し寄生すると刺激で不規則に肥大し、果実の中で幼虫が育ち、球形で凹凸のある虫瘤(虫えい)を形成する。実の中に種は存在しない。この虫瘤は7月下旬に採取しないと茎から落ちてしまう。タンニンの多い虫瘤は果実酒の原料に用いられ、5分ほど熱湯に浸し天日で乾燥した物を生薬「木天蓼(もくてんりょう)」、中国では「木天蓼子」と呼ぶ。身体を暖める作用、鎮痛・保温・強壮・神経痛・リウマチ・腰痛・疝痛・ヘルニアの他、更年期障害に相当なる効果がある。因島で栽培されている大きな大根、蕪類はマタタビ酵素を畑土壌に混入している。

 果実と茎葉にはマタタビ酸(マタタビラクトン(C10162・上図)やアクチニジン(鎮痛作用)、ポリガモール(利尿作用)を含み、効果が著しい例え「猫にまたたび、お女郎に小判」通り、ネコ属の動物の神経中枢に作用し特有の興奮作用を起こし、クサカゲロウの雄を誘引・摂食させる作用がある。ミヤママタタビ(葉の白くなる部分が赤みを帯ている)の果実は猫に与えても興奮作用はない。
 1959年、大阪市立大学の目(さかん)氏によると、マタタビラクトンはイリドミルメシンとイソイリドミルメシン(異性体)の混合物で中性物質であり、猫に対し強い反応を示すが、アクチニジンは塩基性物質で、それなりの誘引力しかない。クサカゲロウの雄が誘引される成分は、アルコール類でネオマタタビオールとこの異性体イソネオマタタビオールである。イリドミルメシン類と非常に近い化学構造である。
 料理に使うのは7月下旬採取した物でよいが完熟(キーウィの味)するのは
9月頃である。若い果実は生食、塩漬けで食す。味醂と砂糖で漬けた果実とその果実酒は強壮剤である。キウイフルーツは別称オニマタタビ(シナマタタビ)と呼ばれ果物として栽培されている。
 
◇生薬として
 @粉末1〜2gを1日に3回服用する。
 A乾燥普通果5gと橙皮5gを水600ccで半量に煎じ、1日に3回服用する。
更年期障害・冷え性・神経痛・浮腫 茎葉=神経痛(浴湯料)に薬効がある。
 
◇生食
 花・若つる・実を洗い。ざるにとる。実は半分か4分の1に切って、器に飾り盛りして、粉山椒味噌を添える。
◇実のジャムあえ
 実を小口切りにして、トマトジャム・スイカジャム・イチジクジャムなどであえる。(ジャムはいずれも材料と同じ重さの蜂蜜で煮詰めて作る)
◇若葉・若つるの天麩羅
 卵を卵白と卵黄に分け、それぞれに小麦粉と塩ひとつまみを入れ、少し濃いめの衣を作る。若葉は卵白の衣を片面につけて揚げる。若つるは卵黄の衣をつけて揚げる。レモンのくし形切り、粉山椒味噌を添える。  
◇甘酢漬け
 @マタタビの青い実をさっと湯通し冷ます。A実を洗い、水気をふき取る。両方を《酢2、味醂1、塩ひとつまみ》を沸騰後冷ました後漬ける。 
 生で漬けたものは歯触りが残るので、スライスして鱈子や大根とあえる。
◇マタタビ酒
  乾燥木天蓼子……………200g
  焼酎(35度)……………1800cc
  氷砂糖………………大匙3〜4杯(仕上がりの後、不足分を加える)
6ヶ月ぐらいで飲める。
脳卒中・リウマチ・血行保温・更年期障害・鎮静に効果あり。
◇浴湯料
 茎葉を2〜3cmに刻み、日干ししたものを2〜3握りぐらいを袋に入れ、湯中に入れると痛みを和らげる薬草湯である。
 
●松(まつ)
◇高血圧の予防に松葉酒20ccを1日3回服用する。
   松葉酒製法
   刻んだ松葉 ……………350g
35度焼酎………………1800cc
漬けてから約3ヶ月間は静置してから飲用する。
◇喘息・ビタミンC補給には煎剤を。
刻んだ松葉…………10〜20g
水 ………………………600cc
◇腫れ物には松脂(しょうし)を紙に伸ばし患部に貼る。
  夏季に傷付けた幹からの樹脂を水蒸気蒸留したものが「テレピン油」、その  残りが「松脂」である。
 
●末梢リンパ組織
 リンパ節・脾臓を言う。異物が皮膚や粘膜を突破して生体内部へ侵入すると、リンパ液の流れに沿って近くのリンパ節(所属リンパ節)へ運ばれ、免疫応答の場となる。異物が血流に侵入すると、脾臓がフィルターの役割をはたし異物を除くと同時に取り込んだ異物に対する免疫応答の場になる。
 
●マファング
  別名:エフェドラ・マーファング・マファン・「マ・フアン」・魔黄
 マオウ科Ephedra属シナマオウ、アイマオウ、キダチマオウの地上茎を乾燥したもの。マファングと生薬マオウ(麻黄)は同義語。
 合法ドラッグとして、ダイエット中の人・活動性を高め、筋肉質の体を作りたいボディビルダー・ハイな気分を味わいたい人などに使用されている。エフェドリンとして、1回分25mgを超えて含有するものは劇薬として規制、10%を超えて含有するものは覚醒剤取締法により覚醒剤原料として規制されている。
 
●マーベロン(Marvelon)
 事後避妊薬、緊急避妊薬(モーニングアフターピル)。コンドームが破れてしまったり、事情により避妊できなかった際の望まない妊娠を防ぎます。薬に含まれるプロゲストーゲン剤(d-Norgestrel)の作用により、内膜の増殖を抑え受精しても着床でき難い状態を作り出すと同時に、子宮の入口にある頚管粘液の性状が濃厚粘稠となり、精子が子宮内に入って行けない環境にするします。ただし低用量ピルとは違い避妊率は100%ではありません。

●まむし
 クサリヘビ科マムシ属ニホンマムシ。全長45〜60cm。沖縄以外の日本全土・・シベリア・中国・中央アジア・ヨーロッパ東部まで生息。攻撃時にジャンプする。
 マムシに咬まれると牙痕が残る、毒は牙痕から500円硬貨程度範囲に30〜40分留まるので毒を吸引する。吸引器が無ければ口で吸う、虫歯で毒の影響を受けることは少ない。
 治療に以前は抗毒素血清・セファランチンが投与されたが、咬まれた経験があるとアナフィラキシーショックで死に至ることもあり、現在は輸液と腎不全対策だけで同等の治療効果がある。
◇民間療法
 胃痙攣・陰萎・心臓病・腎臓病・貧血・不感症・不眠症
       ……………マムシ酒を飲む
 肺疾患……………………@乾燥粉末を3〜6g/day服用する
            A黒焼き末を3g/day服用する
            B肉を生食・付け焼きで食する
            Cマムシ酒を飲む(肺結核)  
 カリエス・喘息・刺抜き・中耳炎・腫れ物(化膿性)・婦人病・癰・
   リウマチ・瘰癧……黒焼き末を飲む
 神経衰弱・肋膜炎………黒焼き末を飲む・マムシ酒を飲む。
 虚弱体質…………………@乾燥粉末を3〜6g/day服用する
            A黒焼き末を3g/day服用する
            B肉の生食・付け焼きで食する
 冷え症……………………@乾燥粉末を3〜6g/day服用する
            A黒焼き末を3g/day服用する
            B肉を生食・付け焼きで食する
 切り傷・神経痛…………黒焼き末を塗布・飯粒で練って貼る
 疔…………………………@反鼻霜と桜樹皮の黒焼き末をゴマ油で練り塗布
            A黒焼き末を飲む。
 膀胱カタル………………黒焼き末をゴマ油で練り臍の下に貼る
 夜尿症……………………反鼻10gと丁香0.2gを混ぜ、散剤として服用する
◇まむし餅
マムシ肉を細かに刻み、同量〜倍の蒸した精米に入れてつき潰しマムシ餅を作り陽乾を行い細粉とする。
1日分として細粉を約三勺、味噌汁に入れてよく煮立て、毎日一食べつづけると、癲癇に大効が有り、再発しない。

●麻薬                    
 薬を繰り返し使用した後、急に使用を中止すると精神的・身体的な苦痛を引き起こし、引き続きその薬を使わずに居られない様な状態を起こす薬である。薬物名の語尾にマニア(薬物に助けを求める精神病の意を表す語彙)をつけて、モルヒネ中毒者をモルフィノマニア、コカイン中毒者をコカイノマニアと呼ぶ。 
 アヘンアルカロイド ケシから採れるモルヒネ、ヘロイン、コデイン、ナルコチン、テバインなど。打つと一瞬身体が熱くなり、意識もぼんやりとして恍惚状態になる。
 大麻樹脂 マリファナ、ハッシッシ、ガンジャなど。
 コカインアルカロイド コカの葉から採れるコカインなど。
 合成麻薬 LSD、ペチジン、メサドンなど。
 覚醒剤 覚醒剤を打つとゾォッと寒気が走り、鳥肌・髪の毛が逆立つ感じがする。その後に極めて気分爽快・限りなく幸福感に浸る。性交時における効果はいかなる媚薬より勝り、五感が鋭敏になり全身が性器になる様な快感に襲われる。
 
●マラリア(Malaria・瘧(ぎゃく))  
 ハマダラカ(メス)に刺されると、唾液腺から糸状のスポロゾイト(マラリア原虫)が注入されマラリアに感染、マラリア原虫の種類から「三日熱」「四日熱」「熱帯熱」「卵型」の四種類に分類される。体内のスポロゾイドは、血中から肝臓に集まり、肝細胞で胞子に変態後、赤血球に侵入し、円環状の原虫となり、ヘモグロビンをむさぼり喰う。キニーネの効果が最大限になるのは赤血球感染時で、それ以前では効果がない。症状は感染してから潜伏期間をおき、体温が急激に40℃以上に上がる。凍りつくような悪寒に震え、意識が朦朧となり、やがて収まったかと思うと、再び悪寒と強烈な灼熱感が全身を貫き、多量の汗が溢れる。この症状が数日おきに繰り返されることから、三日熱・間欠熱と言われる。熱帯熱は心臓衰弱や脳性マラリアになり、体力が消耗し死に至る。WHO(1990)によれば年間2億5千万人が感染し、250万人が死亡する。
 日本に存在したマラリアは三日熱と呼ばれた病原体(1959年滋賀県の一例が最終感染・以後は外国感染者の持ち込み)で、人体内での繁殖率が低いことから致死率は低く、「瘧」(「おこり」「わらわやみ」)と呼ばれた。
 キニーネ、クロロキン、ピリメサミンとサルファー剤のいずれかを3〜6日間内服、再発を防ぐ為にプリマキンを2週間続けて内服する。
 キニーネは作用時間が短い為、頻繁に大量に投与。副作用が強く1943年に、アメリカで合成新薬「クロロキン」が開発されたが、ハマダラカはクロロキンに耐性のある遺伝子に組み替え、新薬が出るたびに耐性株を作り上げる。マラリア治療にはキニーネしかないが、マレーシアではニガキモドキを用いている。
 感染するおそれがある地域に行く場合はクロロキンとプリマキンの併用か、ピリメサミンとサルファー剤の合剤を1週間内服。(この予防内服は帰国後6週間続ける。)
 熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)
           ……アフリカ、アジア、中南米の熱帯地域全体に分布
 三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)………世界各地の熱帯と温帯の一部
 四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae) …主として熱帯西アフリカ
 卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)…………世界各地にスポット的に分布
 
●丸山ワクチン
 人型結核菌抽出物質が、ガン発生や増殖に対し抑制作用があるという仮説に基づいく治療法。固形ガン(消化器ガンなど)に有効と考えられている。子宮頚ガンでは放射線との併用試験で良好な結果報告がある。
 結核菌の菌体成分を化学的に合成したアンサー20(丸山ワクチンの10〜100倍液)は、放射線療法による白血球減少症に効果があり治療に用いられている。
 
●マンドレイク(押不廬・マンドレーク・マンドラゴラ、俗:ラブアップル)
 回回国(アラビア)・中央アジアに産するナス科植物でトロパンアルカロイドを有する。特徴は地下部の根茎で、ヒトの脚のように分岐し、ヨーロッパの婦人はこの形状により、性の遊興に用いられる他に確実な妊娠を求める・媚薬としての性的情熱を促す・女性の不感症を治すなどの魔力を持つ植物と伝えられた。
 南宋の古文書曰く、少量を麿酒し、人に飲ませると即ちに全身が麻痺して死す、三日に至り別の薬を少量投ずれば即ちに活すとある。
 
【み】 
 
●水(みず)
 生物の水含量は全体重の70%を越えており、90%を越える生物も存在する。生体は多種多様な化学反応を水を溶媒として営む。化学反応の溶媒の基本は不活性で溶質と反応しないことであるが、水分子は他の物質と相互作用があり、水分子同士でも相互作用が緊密である。
 水分子は酸素1原子と水素2原子とが共有結合したものであり、分子全体としては電荷は「0」である。H−O−Hは直線でなく104.5度の角度をもち、HとOの間の電子は酸素側に偏るので、Hが+電荷、Oが−電荷であるように見える。結局、水分子全体が双極性をもつことになり、水の誘電率が大きいことにあたる。このために正と負の電気間の引力が小さくなって、電解質が水の中で解離してイオンになる。生体内ではCa++やKなどのイオンが重要な働きをしている。


水分子は双極性をもち、複数の水分子間で電気的結合が起きる。H−O−Hは直線でなく、1個の水分子は最大4個の水分子と水素結合を形成し、水素結合を切るエネルギーは4〜10kcal/molである。水素結合は10-12秒程度の運動と考えられ、容易に切れたり結合をしている。
 全武植(韓国)は、常温の水は上図8.8 a〜cの五員体・五員環を形成したものと六員環を形成したものが主体。常温では五員環構造が最も安定で、温度が下がると六員環構造の水が増加、また六員環構造の水は生理活性が高いと報告。
 水の構造は(H2O)nであり、n値は、近赤外線法で2〜4、X線回折法で5〜6、コンピュータシミュレーション法で15〜20以上である。
 水素結合が水分子同士だけでなく、タンパク質・核酸等の高分子化合物内の分子内や分子間でも行われ、生命にとって重要な働きを示す。
 
●味噌(みそ)
◇ごま油味噌
   ごま油………………50cc
   味噌……………… 300g
 ごま油を熱し、味噌を入れて練り上げる。毎日少量ずつ食べると心臓病・近視・神経痛・リウマチ・トラホームに効果あり。
 
◇鉄火味噌(てっかみそ)
   A レンコン
     人参
     ゴボウ
     煮干し
     コンニャク
     生姜
   B ごま油
     味噌
 Aを細かく刻みごま油で十分炒め味噌を入れ弱火でゆっくり炒める。普段の食事で常に用いると、便秘・貧血・更年期障害・健胃に効果がある。
 
◇フナの味噌煮
   フナ
   竹の皮
   味噌
   味醂・砂糖
 鍋底に竹の皮を敷き、フナ一匹を水で溶いた味噌で1日とろ火で煮込む。骨も頭も柔らかく魚全部が食べられる。妊産婦・熟年の栄養補給に最適である。
 
◇柚子味噌(ゆずみそ)
   柚子
   味噌
   砂糖・味醂・酢
 柚子は皮を剥き、汁をガーゼで良く絞る。みじん切りした皮と味噌を汁に加え、砂糖・味醂・酢を足して2〜3時間とろ火で煮詰める。ふろふき大根・蕪に用いる。
 
●ミツバチ
@交尾・幼虫期
 王台から巣立った女王バチは、処女飛行に飛びだつ。セイヨウミツバチは盆地状の大きな木の上、ニホンミツバチは空き地の上で数匹の雄と交尾する。女王バチの授精嚢に2億以上の精子を貯え、養精子腺の分泌物(ミルミン酸)で3〜5年の女王バチの生涯にわたり精子を生きたまま保存する(後から交尾した♂精子から使用)。女王バチは巣の大きさで授精卵(ワーカーや女王バチ(♀)が育つ)か、不受精卵(♂蜂になる)を生み付ける。
 卵は、空気中から水分を取り入れ大きくなり、3日位で孵化する。幼虫は育児蜂の吐き出したミルク上に浮かび、それを食べて育つ。ミツバチの幼虫は、触覚も目もなく、ワーカーの手厚い保護で育てられる。ワーカーになる蜂の幼虫は孵化4日目頃から花粉と蜜が直接給餌され、蛹化が近づくと巣房にワックスで蓋をされ、幼虫は絹糸を吐いてごく薄い繭を作る。出房は21日目である。
 
 セイヨウミツバチの発育期間(単位:日)
 幼期の発育     女 王  ワーカー  オ ス
 卵(胚)発育期間    3     3    3
 幼虫発育期間     6     6    6
 紡繭・静止期間    2     4    7
 蛹から成虫変化    5     8    8
    計      16    21   24
 
A若バチ期
 日齢1〜3・育房の掃除をおこない、それ以外はしない
 
B育児期
 日齢3〜10・羽化して2〜3日するとワーカーは花粉を多量に食べはじめ、幼虫のえさであるミルク(唾液腺から変化した下咽頭腺(かいんとうせん)で作られたタンパク質を分泌。大腮腺(たいさいせん:大あごにある)から分泌される脂肪酸「10-ハイドロキシ-2-デセン酸」などと混ぜ合った、ヨーグルト状のもの)で幼虫への給餌をおこなう。
 女王バチの大腮腺から分泌されているフェロモン「9-oxodec-2-enoic acid(CH3CO(CH2)5−CH=(t)CH−COOH)」その他の物質を幼虫が摂取すると、卵巣の発育を抑えられるなど、働きバチになる雌ミツバチの内分泌系が影響を受け、ミツバチの階級分化を作り上げる。
 ワーカー、女王バチ、♂バチの幼虫は幼虫フェロモン〈グリセリル−1,2ジオレイト−3−パルミテイト〉を持っており、育房係のワーカーが頻繁に女王バチ幼虫の育てられている王台に給餌するのは、女王バチ幼虫にこのフェロモンが多いためである。また、ロイヤル・ゼリー中の脂肪酸はほとんど前述「10-ハイドロキシ-2-デセン酸(生理活動阻害物質)」である。類似物質としてアリが元気に活動している巣は食べカス・湿気・温度・菌・カビで侵され易い環境であるが、胸部の後ろの分泌腺から生理活性阻害物質(ミルミン酸)を分泌して、腐敗菌・カビなどがない清潔で綺麗な巣を維持出来るのである。葉切りアリの唾液に含まれる脂肪酸「ミルミカシン β−hydroxy−decanoic acid」とフェロモン「アミカシン」も生理活性阻害物質であり、茸の生長をコントロールする働きがある。
        
C一般内役期
 日齢8〜20・下咽頭腺の退化が起こり、それと前後して腹部の蝋腺(ろうせん)が肥大を始める。日齢16〜18の個体では蜜蝋の厚さが53ミクロン前後となって最も発達しており、その後は急速に退化する。腹部の下側にある蝋腺から分泌した蝋片を前足に渡し、それを口でかみ砕いて唾液と混ぜ合わせ六角形の巣部屋を作る。これが蜜蝋である。
 一般内役期のハチは、巣作りのほかに外役バチから花蜜を受け取って、蜂蜜に変えたり、育児以外の巣の中の仕事をする。仲間とともに、巣の位置を覚えるため定位飛行とか、トイレ(花粉外側の殻は非常に固く、消化できない。白いものに向かい排泄することが多い)のため巣の外に飛び出す。内役の最後、日齢18〜20の個体になると門番をつとめるハチもいる。
 
D一般外役期
 内役をすませた老齢のハチは、翅の筋肉も強化されたところで外役に転じ、
花蜜や花粉集めに専念する。蜜胃を花蜜で一杯にするに(小さな)花を訪れる数は、1000〜1500に達する。外役バチになると、花蜜や花粉源のありかを伝えるマーキング物質、分封時の情報伝達に用いられる腹端のナサノフ腺フェロモンの一成分であるゲラニオールが多量に分泌されるようになる。外敵の攻撃に対する警報フェロモンの主成分、イソアミルアセテートも、内役から外役に移る頃の毒嚢中に、最も多くなる。ワーカーの寿命は冬季を除き日齢40〜60である。
 
E 女王となるべき幼虫は、ロイヤル・ゼリーを大量に貰い、成虫になった後、毎日1000〜2000に達する卵を生む。それに応じて濃縮原料であるロイヤル・ゼリーが絶えず給餌される。王台が2つ以上ある場合、先に成虫になったものが、新女王になり、予備の姉妹は新女王に殺してもらい、元女王(母)は分蜂する。
 多くの社会性ハチにとって、アリは数に物をいわせた強力な捕食者であり、特に熱帯では最も重大な天敵である。アリは歩行に頼り攻撃を仕掛けるので、巣にいたる通路を断ち切れば侵入を防ぐことが出来る。そこでアリの忌避物質を巣やその付近に塗って、相手が近づけないように工夫する。忌避物質はハチ自身が分泌する場合と、野外から集められた粘着性の樹脂を利用する場合とがある。巣を細い巣柄(そうへい)で支えているアシナガバチ亜科などは腹部末端節から分泌される忌避物質を巣柄にこすりつけ、天敵から巣を守る。この忌避物質を分泌する器官を「ファンデルフェヒト腺」と呼んでいる。
 ミツバチ科のハナバチでは、アリよけ物質として粘着性のある樹脂を採用している。ハリナシバチの巣は、いろいろな樹木の樹脂を集めてきて、これに体から分泌した蜜蝋を混ぜ合わせ、巣材としている。その一方で、野外から採集した樹脂を何ら加工せずに、その粘着性を生かして、巣の入り口にべとべとに塗り付ける。また、内部の巣も、厚い樹脂の層でおおわれた防護壁をもっているので、付近をうろつくアリも、容易に巣内に侵入することが出来ない。
 哺乳動物は、脂肪の合成は肝臓でグルコースから産生されるが、昆虫は脂肪酸の合成であり、一連の脂肪酸合成系酵素がそれにあたっている。ミツバチは大腮腺、蝋腺などでも脂肪酸を生成する。
 
●ミツバチ個体の体躯成分
 タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルを含み、獣肉・鳥肉・魚肉と類似の構成である。
 ミツバチの体躯内糖脂質はアミノ糖が多く、分泌物(ロイヤル・ゼリー、唾液、蜂毒)に影響を与えている。
 
@ミネラル
 灰分は乾燥重量の数%である。構成する無機質の種類が多いが、塩化物として存在する量は少なく、味付けせずに食べると甘い。ヒトが必要とするミネラルのほとんどを含んでおり、ミネラル源として評価される。
A炭水化物
 炭水化物は少なく、栄養源として期待できない。最も多い炭水化物は皮膚を形成しているキチンであるが、ヒトは消化出来ない。
Bタンパク質
 タンパク質は乾燥重量の60%位であるが、獣肉と比較するとアミノ酸源としての評価は低い。キチンが多く含まれているためである。
C脂肪
 ミツバチの脂肪体は高等動物の脂肪体の塊と異なり、脂肪細胞からなる組織である。脂肪細胞はエネルギーとして脂肪を貯蔵しているが、タンパク質合成の組織でもあり、機能的にはヒトの肝臓に似ている。ミツバチの脂肪は、オレイン酸、リノレイン酸、リノレニン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれ、カロリーは 500カロリー/100g である。エクダイソン(脱皮ホルモン)を合成する植物性ステロールを摂取し、体内で合成することからミツバチは低コレステロール食品である。
 
●ミツバチのフェロモン
 
A リリーサーフェロモン(解発フェロモン)
 臭覚を通じ、神経中枢に送られ、中枢は直ちにフェロモン受容個体に特異な行動を解発させる。
 
@性フェロモン
 女王バチ大腮腺から 9-オキソ-(E)-2-デセン酸が分泌され、巣外で雄を誘引する。
A警報フェロモン
 他の動物に個体が攻撃されると、大腮腺から2-ヘプタノン、刺針毒腺から酢酸イソアミルを分泌し、集団の仲間に危険の迫ったことを知らせる。
B道しるべフェロモン
 植物のある場所を仲間に知らせる為、腹部第6節背面にあるナサノフ腺からゲラニオール、ネロル酸、ゲラン酸、シトラールが分泌され、巣への帰り道に付けておく。
 アリは、フェロモンを持っている種類は限られているが、0.33mgあれば地球を一周させることが出来るほど微量で活性を示す。
C幼虫フェロモン
 グリセリル−1,2ジオレイト−3−パルミテイトの分泌量により、育房係の働きバチが給餌する。
 
B プライマーフェロモン(引き金フェロモン)
 情報が経口的に味覚を通じて神経中枢に送られ、受容個体の内分泌、発生生理のメカニズムに作用し、形態および行動の変化をもたらす引き金的役割を担っている。
 
@女王物質   
 女王の大腮腺から 9-オキソ-(E)-2-デセン酸が分泌され、ミツバチの階級の分化と維持をコントロールする物質。交尾の際の雄を誘引する働きや新コロニー形成時に働きバチを安定する作用もある。          
 
●ミツバチの毒物質(蜂毒)
 命と引き替えに毒針で出す量は約0.14mgである。成分の約50%がメリチンで、作用は溶血性である。アパミンは中枢神経に作用、極めて毒性が高い。
@生体アミン:ヒスタミン(0.1%)、ドーパミン、ノルエピネフリン
Aペプチド :アパミン(3%)、メリチン(50%)、MCDペプチド
B酵  素 :ホスホリパーゼA(17%)、ヒアルウロニダーゼ(2%)
 蜂毒を生理食塩水に0.05%の割合で溶解した液は、肩こり・腰痛・神経痛・背筋リューマチに有効である。Dr.Broadman(米国)はウサギを用い、蜂毒がガン増殖の抑制作用があることを確認した。日本の蜂毒治療は厚生省の免許者が正式に行い、神経痛系病気に良く効果を発揮し、ぜんそく・食欲不振・疲労回復・不妊症患者に用いられる。
 
●蜜蝋(ミツロウ、みつろう)
 主成分は、炭化水素14%、脂肪酸12%、残りは脂肪酸と長鎖アルコールの各種エステル。疎水性で抗菌活性がある。成分は、水素、炭素、酸素だけである。1kgのロウを作るのに蜂は 2.5kgの糖を必要とする。蜂が大量に蜜を集め、貯蔵庫が手狭になれば、蜂は体内に蜜を貯めておかざるを得ない。この状態が続くと一部はロウに転換され、貯蔵庫新設の材料が作られ、コロニーの拡大につながる。
 
●ミトラジニン(mitoragynine)
 アカネ科ミトラガイナ属ミトラガイナの葉に含まれるアルカロイド。噛み続けると阿片とコカインを同時使用した効果がある。原産国はタイでクラトンと呼ばれるが、植栽・使用は禁じられている。
 
●ミード(蜂蜜酒)
 野で採取した自然な蜂蜜(花蜜にある天然酵母が棲みついている)を水で薄め自然発酵させた酒。昔のイギリスでは結婚後に花嫁が半月間ミードを作り、花婿に呑ませセックスに励む「ハネムーン・ドリンク」だった。これからハネムーン(蜜月)と言う言葉ができた。
 
◇ミード
野生蜂蜜…………… 250g
水を加え……………1000cc
 蜂蜜の糖度は約80%、上記ミード原液中の糖分は20%である。そして1%の糖分が醗酵すると0.6%のアルコールとなる。醗酵後(一晩)のミードのアルコール度は12%となる。渋味と酸味がなく美味くない。
 醗酵が終わりに近づくと、酵母は沈殿する。この上澄みを別の瓶に移し替える。これを滓(おり)びきと称する。
 
◇ミードバリエーション
 培養前に、酸味剤・渋み剤・酵母栄養剤を培養液(醸造液)1gに加える。
 ミードを滓びきすると50ccほど少なくなる。このミードに50g(好みで増減)程度の蜂蜜を加え、冷蔵庫で保管する。何ヶ月も腐敗することはない。
 
◇活性イーストの作成
 ミード1gから分離した滓は、50cc程度のネットリとした泥水状である。これを小瓶に移し、レモン果汁25ccを入れ、よく振り混ぜた後一晩冷蔵庫にて静置する。上澄みと沈澱物に分かれるから、上澄みを傾斜して廃棄、沈澱にレモン果汁25ccを加え冷蔵する。この小瓶の中身が活性イーストである。
 
◇酸味剤@(1gにつき)
 リンゴ酸………………1.5g
 酒石酸…………………0.75g
 
◇酸味剤A(1gにつき)
 柑橘類の絞り汁………25cc(レモン・ダイダイ・カボス・スダチなど)
 
◇渋み剤@(1gにつき)
 タンニン酸(ブドウタンニン)……0.4g
 
◇渋み剤A(1gにつき)
 紅茶ティーパック…………………1袋(濃く抽出後、培養液に混入) 
 
◇ドライ・ミード(辛口ミード)
   蜂 蜜…………………300g
   酸味料……レモン汁半個分
   タンニン酸……紅茶1袋分
   酵母栄養剤 …………2.5g【酵母栄養剤を見よ】
 上記4種と水で全量1,000ccとし、イーストを加え、21〜24℃で醸造する。
 発酵終了後、滓びきをして冷蔵する。
イースト:ドライ・イースト=茶さじ半分程度
活性化生イースト=茶さじ1杯程度
 
◇ミード酵素飲料
 醗酵の終了したミードは滓びきせず、よく振って沈殿した酵母を液全体に均一に浮遊させ、小瓶に分注し、冷蔵する。飲むときにもよく振って濁ったミードを飲用する。活性度の高いフレッシュな酵母をミードとともに飲用することは、価値が非常に高い酵素飲料である。
 
●ミノガ
 ミノガ科ミノガの雌は蓑の中で幼虫(翅・脚が退化し円筒形に肥大した蛆状)のまま生活する。チャ・サクラ・ウメ・モモの葉を食す。
◇心臓病の薬
 幼虫を甘草と共に煎剤とし服用する。または黒褐色になるまで焙り粉末としてから内服する。
◇肺結核
 幼虫や成虫を焙り食すると肺結核に効く。
 
●未病(みびょう)
 黄帝内経(こうていだいけい)−素問(そもん)(自然哲学と応用)、−霊枢(れいすう)(鍼灸学)……「聖人は已(い)病を治さず未病を治す」とある。
 神農本草経の序文……「病気治療するに、先に原因を察し、病の進行度を窺い知る必要がある。五臓未だ元気が有り、六腑未だ冒されず、脈未だ乱れず、精神元気であれば、服薬で必ず治る。病が重き者半数は治り、病勢が既過の者治療し得ない。」とある。
 中国医学は診察時に、身体には健康と病気の間に「未病」があると考えている。身体の調子が悪いが「病気」ではない。しかし放っておくと病気になることを言う。未病の原因は体力の低下(免疫力の低下)であり、未病を健康体に戻すに普段の食事が大事な働きであり、証に応じ服薬に移るのである。
 
●明礬(みょうばん)
  別名:アルム石(天然ミョウバン結晶・人工結晶させた物)
  一般の明礬は、硫酸アルミニウム・カリウム12水(硫酸カリウムアルミニウム12水、ALK(SO4)2・2H2O(カリ明礬またはカリウム明礬))である。鉄明礬やアンモニウム鉄明礬もあるので、カリ明礬とも言い、カリ明礬無水物は焼き明礬と言う。
 染色剤・防水剤・消火剤・皮鞣し剤・沈殿剤などに用いる。汚染井戸水の利用は、水に明礬を加え不純物を沈殿させた後、飲用に用いる。
 甘露煮を作るとき、細胞膜と結合させ不溶化することで煮崩れを防ぎ、アントシアニンを安定化させ、ナス漬物を紫色に保つ作用がある。
 「明礬は温泉の熱気が吹き上げているところに土を覆って数日おくと土に結晶が塩のように付着する。その土を掻き集め、大桶に入れまた数日間水に浸す。その後甑に通し、水のみを大釜に入れ灰汁を加えて煮つめると氷のような小さな結晶ができる。これをまた甑で濾しよく洗い、大釜で灰汁と薬をいれ煮つめると固たまって明礬が出来上がる(貝原益軒著 豊国紀行より)」
◇明礬水(美白効果)
   原液 焼き明礬…………………50g(生明礬は75g)
      水 ………………………1500cc
ペットボトルに1500ccの水、50gの明礬を入れ撹拌、水が透き通るまで2〜3日静置する。
◇入浴に使うときは原液80cc(ペットボトルキャップ10杯)を入れる。風呂のぬめりを防ぐと同時に、弱酸性の明礬は肌に優しく、風呂上りもサラッとして、敏感肌の人にも適している。殺菌作用があり水虫に効果的、血行をよくするので冷え性、肩こりなどにも効果あり。
◇洗顔は洗面器(約2000cc)に原液8cc(ペットボトルキャップ1杯)を入れる。
◇原液を20〜50倍程度に薄め脱脂綿で肌に塗る。脇デオドラントに用いると、雑菌の繁殖を抑えるので消臭効果が期待。ストリッパーなどは陰部を明礬水で洗い、黒さを取り除くと言われる。
◇足の匂い・靴下・脇の下の匂い除去
 風呂上り・シャワー後に、10倍に薄めた原液をスプレーする。自然乾燥か、タオルで拭いて乾燥させると、殺菌作用が働き匂いが消え快適に過ごせる。スプレー液にエッセンシャルオイルを加えてもよい。
◇風呂場の掃除
 明礬水を付けたスポンジでタイル・浴槽をこすると石鹸カスなどの汚れが落ちる。カビを落とすのにも効果的で、繁殖も防ぐ。
◇布巾や雑巾の匂い消し
 たらいに水と明礬水を1/4カップほど入れ数分浸けておくと匂いが取れる。
◇まな板の匂い消し
 明礬水に浸したペーパータオルなどをまな板に置いておく。
◇やかんの垢とり
 明礬水を入れてやかんを火にかけるだけで垢が落ちる。
◇鍋の焦げ落とし
 明礬水を入れて数分火にかけ、ブラシ等でこする。
◇洗濯
 色落ちを防ぐ・生乾き雑菌繁殖による匂い防止効果がある。弱酸性のため、泡立ちが悪くなるので、すすぎに使うと効果的。
 
●味蕾(みらい)
 舌の表面にぼつぼつした乳頭があり、この乳頭の中に存在する味を感ずる器官が「味蕾」である。味蕾は味細胞が数十個集まった構造で、各味細胞は、シナプスを介して味神経と接続する。各神経は最終的には大脳の味を感知する部位(味覚領野)に情報を送る。喉の奥にある味蕾は、水・二酸化炭素に良く応答する。ビールを飲むと水と二酸化炭素の両方を喉の味蕾で味わうからである。
 味細胞に味物質が受容すると、@細胞の細胞電位が脱分極方向に変化 A脱分極の伝搬 B Ca チャンネルが開く C Ca が味細胞間液から細胞内に流入 D味細胞内から伝達物質(ノルエピネフリン)を放出 E味神経末端を刺激 F味神経にインパルスを発生 G大脳の味覚領域に伝えられ、味が知覚される。(味の受容サイトとして糖・親水性アミノ酸は糖タンパク質が、苦味物質は脂質二重層の疎水性部位に吸着することで応答。疎水性アミノ酸は親水性アミノ酸レセプターだけでなく、苦味受容サイトをも刺激する)
 
●ミルミン酸
 ハチ・アリ類は脂肪酸の一種である生理活性阻害物質(C=8〜10、デセン酸もミルミン酸類である)を分泌し、巣の清潔・食料の腐敗・女王蜂は精子の長寿命化を図っている。茸を育てるアリ類(葉切りアリ)はこの分泌物で茸の生育のコントロールしている。生理活性阻害物質は菌類を殺すのでなく、菌類の増殖を休ませる働きであり、DNAに簡単に付着と剥離をする結合力の弱いもので、遺伝子に直結した働きを持っていることは容易に理解できる。この脂肪酸類をミルミン酸と総称する。
 
●民族植物学
 ethnobotanyを英訳したもの。世界がグローバル化し民族固有の伝統社会が崩壊された今日、伝承しうる先人の知恵は急速に失われている。この状況で先人の知恵を収集し後世に伝承することが課題となり、欧米で世界各地の伝統医学に集積された天然薬物情報の有効な発掘手段として注目されている。
 
●民族のプログラミング
 ヨーロッパや遊牧民族の人達は常に牛乳を飲み、チーズを食し、長い年月で民族の生活文化が乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)を遺伝子の中に刷り込んだ、これを民族のプログラミングと言う。1945年以降日本人はプログラミングに反し欧米化された「食生活」を常としたため、病気・生活習慣病などの原因となる。
 
【む】 
 
●ムカデ(百足)
 唇脚綱(ゲジ類を除く)節足動物、体長50mm〜250mm、夜行性。日本にはトビズムカデ(オオムカデ)・アオズムカデ・アカズムカデが棲息する。
 有毒成分は、ヒスタミン・活性ペプチド。咬まれると激痛、赤く腫れる。
◇民間療法
 切り傷・火傷………2升のゴマ油に生きたムカデを入れ、油がコバルトブルー色になったら塗布する。切り傷に著効あり
 外耳炎の外用・中耳炎・耳の痛み・毒虫の刺傷・ジンマシン・腫れ物
    ………………ゴマ油(菜種油)に漬けてドロドロになったものを塗布。
 月経閉止・夜尿症…赤い大形のムカデを蒸し焼き、作末して飲む。
 リウマチ……………ムカデ1匹と百合花30gをゴマ油に漬け、患部に塗布。
●ムクロジサポニン
 ムクロジ科ムクロジ(本州中部以西・四国・九州・沖縄に分布)の果皮に存在する。
 牛血は38000倍に薄めた水溶液で、血清を除いた物では10万倍に薄めた液で溶血現象が起きる。ウサギは30〜40mg/kg量を血中投与することで死に至る。金魚類は、50万倍に薄めた水槽中に放すと、数日中に死に至る。
 洗髪・衣服の洗剤として用いられるのは、この毒の有効利用である。
 
●虫瘤(むしこぶ・ちゅうえい・虫?ゴールgall)
 植物に「瘤」が付くと「むしこぶ」と呼んでいたが、ダニ類・線虫類・細菌・菌類によっても瘤が作られることから、瘤を「ゴール」と呼ぶ方が適当である。
 ゴールの定義
 @寄生生物の影響で、植物(host)の細胞・組織・器官が病的に過生長・過増  殖したもの。
 A動物や植物の寄生により、植物(host)に生じた生長(+or−)と分化の異常。
 
●ムチン(mucin:粘液糖タンパク質)
 古くからある生理学語彙、「粘性分泌物」を意味する。分子量100万以上あり糖鎖が不均一である。スルホムチンにおける硫酸基や、シアロムチンのシアル酸基が重なっている。粘膜を潤して胃壁を保護し、タンパク質を効率良く利用する働きや、ウイルス・バクテリアを絡め取り感染を阻止する働き、体力の補強に役立っている。動物性粘性タンパク質のうち、酸で沈殿するものを「ムチン」、溶解するものを「ムコイド」と呼ぶ。ムチンもムコイドも「ムコタンパク質」に包括され、糖を含むタンパク質「糖タンパク質」と広く定義された。
 ムチン型糖鎖(mucintype sugar chain)は、特徴的な糖鎖がタンパク質にびっしり付いた構造であり、血清型糖鎖(アスパラギン結合型糖鎖)と並んで糖タンパク質の分野で二大糖鎖群の一つである。
 ムチンは、ヒトの体躯で胃粘液ムチン・顎下腺ムチン・気管支腺粘液細胞分泌ムチンなどがあり、各々の生理活性を発揮している。
 
【め】 
 
●メスカリン
 メキシコのアステック人やアメリカのインディアン、コマンチ・アパッチが、宗教儀礼に使った自己陶酔薬のペヨーテサボテン(アンハロニウムレウィニーヘニングス・ロホホラウィリアムシールメール)に存在するアルカロイド。アンハロニウムレウィニーヘニングスには6%のメスカリンが含まれる。サボテンの本体はほとんど地下にあり、緑色の頭が地上に現れ、6月〜7月に花を咲かせる。
 摂取すると酒に酔ったようになり、林がダンスをしているように感じら、それにもかかわらず体のバランスを維持でき、フラフラしないで歩行でき、性的欲求を喪失させる。
 1888年、ペヨーテから「アンハロニン(C1215NO3)を分離した。この後サボテン科の調査が進み、カクタス・アルカロイドの研究が進んだ。含まれている塩基は、フェニルエチルアミンとして、メスカリン、N−メチルメスカリン、N−アセチルメスカリンがあり、単純イソキノリン・アルカロイドとして、アンハラミン、アンハリジン、アンハリニン、アンハロニジン、ペロチン、O−メチル−d−アンハロニジン、アンハロニン、ロホホリンである。これらアルカロイドは、メスカリン6.3%、アンハロニジン5.3%、アンハロニン3.0%、他は微量である。
 ペヨーテに含まれるアルカロイドは、幻覚発動物質であり、顕著な色彩幻覚を起こすといわれる。メスカリンが投与されると、徐脈嘔気、胸の圧迫感、頭痛や瞳孔散大などが起きる。精神的には知覚の変化、特に視覚の変化が顕著である。メスカリン(3,4,5-トリメトキシフェニルエチルアミン)には背後から聞こえてくる「幻聴」がある。
 
●メチニコフ
 イリア・イリノイッチ・メチニコフは、ロシア生まれのノーベル賞生物学者。1908年頃、「老化は人間の腸の中にいる細菌のうち有害な働きをする腐敗菌が、動脈硬化の原因となる毒性物質を作ることから始まる」という説を、また長寿者の多いブルガリアではヨーグルトを常用していることに注目し、腸内にいる腐敗菌を取り除き、老化の元を断つ薬であると発表した。
 
●メテグリン
 ミードに様々な薬草を浸漬して作られたものがメテグリンと呼ばれた。
 
●メバロン酸
 麹菌が生産、火落酸とも呼ばれ火落菌増殖(白濁など日本酒変敗)の原因物質。
 
●メラトニン
 C13162O2。哺乳動物の松果体に含まれる生理活性アミン、生殖腺機能抑制作用。トリプトファンからセロトニンなどを経て生合成される。松果体での濃度が昼夜で変化するため、生物時計による調節に関わるホルモンの一種として、視床下部などに作用して、生殖腺を制御するホルモンと考えられている。
 
●メラニン
 メラニンは刺激から体を守るためにあるもので、漂白してメラニンの働きを弱めることはメラノサイト細胞を活性させる。肌の刺激(紫外線・炎症など)があると、肌を守るため肌深部のメラノサイトで大量メラニン色素が産生されるが、通常はターンオーバー(28日周期の肌代謝)で排出される。もしくは刺激をやめればメラニンの生産は少なくなり、新たなシミはできない。
 代謝が抑制されると、メラニン色素が沈着・シミとなる。出来てしまったシミは、フレッシュアップ洗顔を続けていけば新しい皮膚の再生により徐々に剥がれおちる。
 粘膜メラニン色素の沈着を取り除くには、液状フェノールを黒ずんでいる部分に塗り、その後消毒用アルコールにて中和、それにより、黒ずみの部分がフェノールに付着、2〜3日から1週間すれば、黒ずみの部分が剥がれてピンク色になる。通常1〜2回できれいになる。
 
●メラノイジン
 肉のタンパク質は熱を加え続けると、結合が破壊され空気中の酸素と反応して、化学反応(アミノ・カルボニル反応)がおきメラノイジンが生成される。メラノイジンはきつね色で芳ばしい良い香り、肉を焼いた時の香りである。
 糖類・タンパク質・アミノ酸は各種食品に含まれ、食品の多くが焼くことでメラノイジンが生成され、美味しさ引き立てる。
 
●免疫応答
 免疫応答に関与する細胞は、機能の面から三群に大別される。
@抗原提示細胞:ある程度の食作用(異物の取り込み)と消化能力を持つ細胞。 異物消化能力が低下したマクロファージ・リンパ組織に分布する樹状細胞・ 皮膚に限定して存在するランゲルハンス細胞などが代表的である。非自己抗 原を備えている異物粒子やタンパク質を取り込み、アミノ酸残基十数個(分 子量1000位)のペプチドまで分解。細胞膜表面に配置し、これにTCRやsIg 可変部で結合する。
A調節性T細胞:ヘルパーT細胞・サプレッサーT細胞であり、抗体や感作リ ンパ球の産生を+または−方向へ調節する。
BBリンパ球(抗体産生細胞)とTリンパ球(キラーT細胞とリンホカイン型感 作リンパ球):抗原提示細胞膜表面の非自己抗原ペプチドにヘルパーT細胞 とBリンパ球が結合。Bリンパ球は分裂・分化して、多数の抗体産生細胞が 産生する。
 
●免疫機構
 病気は発病から治癒までの過程がある。体内に侵入する病原微生物はもちろんヒトより先に発生していたのであるから、ヒトが攻撃を受けると、認識・無毒化・体外排除する免疫システムを備えている。ガンは生体細胞の変種化であり、免疫治療といわれるのはこの免疫システムと異なる。
 
●免疫グロブリン(Ig)
免疫グロブリンIgGの構造図 抗体活性を持つ血清グロブリンを言う。分子量15万程度の2本のH鎖・2本のL鎖を持つ糖タンパク質。IgG・IgM・IgA・IgD・IgEに分類される。
IgG 血液中に多く存在、体液性免疫(液性免疫)の主力
IgM 初期感染に動員
IgA 消化管・肺・泌尿器の粘膜に多く存在
IgD 抗体産生誘導に関与
IgE 鼻・喉の粘膜、皮膚に多く存在
Wikipedia フリー百科事典(下記アドレス)に詳しい解説あり
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%97%E4%BD%93

●綿実油
 生産国は、米国・南アメリカ・中国・東南アジア・インド・ロシア。主として圧抽法により採取される半乾性油である。わが国で処理される製油原料は、主として米国から輸入、半精製油として輸入している。原油は有毒色素ゴシポールや遊離脂肪酸・リン脂質を多く含み、大量のアルカリを用い脱酸。他の植物性油脂にくらべて精製損失が多い。また淡色の油が得がたい。これらの問題を解決するため、最近ミセラ精製も一部で行われるようになった。沃素価102
〜120、鹸化価190〜197、屈折率nA1.470〜1.472、比重d@0.916〜0.922、不鹸化物1.5%以下、脂肪酸組成ミリスチン酸0〜3%、パルミチン酸20〜30%、パルミトオレイン酸0〜2%、ステアリン酸1〜3%、オレイン酸15〜20%、リノール酸50〜60%である。綿実油は風味がよく、酸化安定性も比較的よいので、主としてサラダ油、フライ油として使用されるが、この場合には脱ろうを行って固体脂を除去しなければならない。脱ろうで得られた固体脂は綿実ステアリンとよばれ、マーガリン・ショートニングの原料になる。
http://www.abura-ya.com/oil/item/menjitu.html
 綿実油は、赤黒く濁って、見栄えの良いものではない。最初は「黒油」あるいは「赤油」と呼ばれ、消費が伸びなかったが、元和年間偶然の事故から精製法が発見された。搾油業がある夜綿実油を入れた壷の傍らに、土蔵の上塗り用の石灰を積み重ねておいた。翌朝油を見ると色が抜けていた。石灰が崩れて、油の中に溶けていたのである。そこで意図的に石灰を混ぜ合わせ、透明な綿実油の製法を確立。    http://www.abura-ya.com/rekishi/rekish22.html
 
【も】 
 
●モーニンググローリー(MORNINGGLORY)
 ヒルガオ科マルバアサガオ。根を除きすべての部分に天然LSD(リゼルグ酸アミド)を含み、種子は含有量が高い。
   Heavenly Blue(へブンリイ・ブルー)
   Pearly Gates(パーリー・グィツ)
   Flying Saucers(フライング・ソーサーズ)
   Wedding Bells(ウエディング・ベルズ)
   Blue Star(ブルー・スター)
   Summer Skies(サマー・スカイズ)
   Badoh Negro(バドー・ネグロ)
 5〜10gの種子を粉にして100ccの水に30分程浸し、上澄み液を飲用すると、LSD幻覚作用効果が6時間程度持続する。体質に合うとセックスとの相性が良く、オーガズム持続感アップ・爆発的増大が得られる。
 lysergic acid amidesを含有するので、肝炎の病歴があったり、肝臓に何らかの不調を覚える者は服用すべきではない。ergometrineは子宮を刺激する作用があり妊婦が服用すると流産する。販売種子は質を保つためメチル水銀処理を行っている場合があり、服用すると嘔吐・下痢症状を発現する。
 
●モノアミン理論
 モノアミン(モノエピネフリン・ドーパミン・セロトニンなど)が脳の大事な場所で不足すると鬱状態になる理論である。臨床の抗鬱薬はこれらモノアミン投与で効果をあげる。
 
●モノクローナル抗体(単クローン抗体・monoclonal antibody)
 化学的・生物学的に単一の性格を持った、一つの抗原決定基に対する抗体のことを言う。感染などで多種類のリンパ球が活性化され、多種の抗体が産生されることをポリクローナル抗体と呼ぶ。
 1965年、結腸ガンの細胞に正常細胞では見られない糖タンパク質が発見された。これは胎児の腸管粘膜に多くある物質であったので、「ガン胎児性抗原」(CEA)と呼ぶ。ガン細胞量が多くなると抗原をまき散らすので血液中のCEA量の増加はガン診断の目安になる。測定にはCEAとだけ結合するモノクローナル抗体を使う。
 ガン関連糖鎖抗原を認識するものとしてモノクローナル抗体があり、二つのグループに大別される。@ポリラクトサミンの基本骨格にフコース、シアル酸が結合した構造を持つもので、シアリルLeaのように糖脂質とムチン型糖タンパク質の両方に現れる。AT、Tn抗原などのような糖鎖不全による生合成中間体であり、ムチン型糖タンパク質のみに現れるガン関連糖鎖抗原を認識する事が明らかになっている。 
 糖タンパク質の糖鎖に特異的な抗体をモノクローナル抗体と呼び、、細胞の表面、または細胞内の糖タンパク質糖鎖の構造変化を知る手段に使われる。MLS102(ヒト結腸ガン細胞から得られるモノクローナル抗体)はヒト結腸ガン細胞の産生するムチンと強く反応し、正常結腸との反応性は弱いことにより「ガン関連糖鎖抗原」を認識する事が示された。
 
ムチン型抗原:抗原の分布
      :モノクローナル抗体
 
シアリルTn:80%以上の大腸ガン、胃ガン、乳ガン、卵巣ガン、肺ガン等
      :MLS102、TKH1、B72.3?
Tn:70%以上の胃ガン、大腸ガン、乳ガン、卵巣ガン、肺ガン、膵ガン等
      :MLS128、んCC−LU−35、CA3239、B72.3?
T :705以上の大腸ガン、肺ガン、乳ガン、膵ガン等
      :49H.24、155H.7
 
●没食子酸(もっしょくしさん・gallic acid)
 
 五倍子に含まれるピロガロール型タンニンの主構成成分。
 
 
 
モルヒネ(morphine・モルフィネ・モルフィン)

 ケシには25種類のアルカロイドが含まれるが、2種類に分けられる。@フェナントレン系アルカロイド(モルヒネ・テバイン・コデインなど)、Aベンジルイソキノリン系アルカロイド (パパベリン・ナルコチンなど)である。この2つを併せてアヘン・アルカロイドと呼び、モルヒネ(C17193N)が主成分、1kgのケシから約100gのモルヒネが取り出せる。
 阿片は喫煙・喫食・煎薬として使用されたが、モルヒネが分離(1805)されるた後、戦地での切除手術を可能となりナポレオン遠征で大量に使われた。
 現在は、腹部せん痛・転移癌による頑固な神経痛や骨折等による一過性の激痛などに適用、副作用は嘔吐・便秘など。1982年WHOは「ガン疼痛治療暫定使用方針」を作成、弱作用アヘン系麻薬・強作用アヘン系麻薬の使用を指導、患者への適用に具体的な道を開いた。
 モルヒネは0.5mgの投与で選択的に痛覚を減少し、5mgの投与で効果がはっきり現れる。作用点は大脳皮質・視床中枢の麻痺作用と、脊髄の知覚路の遮断である。10mgの投与は鎮痛作用と同時に陶酔感が生じ、睡眠にはいる。60mg以上の投与は、意識を喪失、昏睡状態となる。致死量は0.2〜0.4g、死因は呼吸麻痺である。モルヒネを連用すると体躯は耐容性を生じ、耽溺に陥る。これは慢性中毒であり、使用中止は禁断現象となる。1970年の日本の厚生白書によると、中毒患者数6008名で、ガン、肉腫などの末期的疾患のため中毒になった者が5897名、111名が不正中毒者数である。
 モルヒネのメチル基(CH3)をアリル基(CH2=CH・CH2)で置換するとN−アリルノルモルヒネが出来る。鎮痛作用があるが中毒作用はない。
 ケシの種にはモルヒネが含まれていないが、発芽して成長を始めるとモルヒネが産生される。
 
●モルヒネの製造
  沸騰水………………………………適量
  精製阿片…………飽和状態まで溶かす
 モルヒネを可水溶性のカルシウムモルフィネートに変換するため、容積の20%の消石灰(水酸化カルシウム)を投入し放冷する。放冷後は、カルシウムモルフィネートは溶液中に残るが、他成分(コデインは微量残る)はスラッジとして沈殿する。水溶液を濾過した後、阿片の25%量の塩化アンモニウムを加え、沸騰させない様に加熱処理、PH8〜9に達した後、放冷する。数時間経過すると、遊離塩基モルヒネとコデインが沈殿物として容器下に残る。これを濾過し、残った物を天日で乾燥させると粗製遊離塩基モルヒネである。 
 粗製遊離塩基モルヒネを稀塩酸溶液に入れ、モルヒネ塩酸塩を生じさせる。この溶液(熱い)に活性炭を投入し、目の細かい濾紙で数回濾過し、後水分を蒸発させると白色微粉末「モルヒネ塩酸塩」の結晶が出来上がる。
 
●モルモンティー(MORMONTEA・Ephedranevadeusis) 
 米国南西部の砂漠に自生するGnetaceae科の葉のない潅木。
 地上に出ている部分14gを600ccの湯で煎じる。
 興奮剤、充血や喘息を収める効果もある。
 問題となるような副作用は認められない。但し過度に用いると食欲を減退させることもある。日本では麻黄として売られている。
動画 アダルト動画 ライブチャット